夏場の玉ねぎに適した保存方法をご存知でしょうか。本記事では夏場の玉ねぎの保存方法について詳しく解説します。
玉ねぎは湿気にとにかく弱いのが特徴です。玉ねぎの貯蔵最適湿度は65〜70%で、これは野菜の中でもかなり低い方です。また、他の野菜でも同じですが玉ねぎも高温は苦手です。そのため、高温多湿の夏場に玉ねぎを常温保存することはできません。
冬などの高温多湿にならない季節は、夏場とは反対で湿度が高い冷蔵庫での保存に向かず、基本的に常温保存をします。湿度が低ければ低温でも保存が可能です。玉ねぎは、通気性さえ保てば保存性が高い常備野菜の代表格で、料理でも幅広く使えて大変便利です。
新玉ねぎは通年玉ねぎに比べて水分量が多くサラダや和え物にピッタリなのが特徴です。通年玉ねぎは保温期間を伸ばすために乾燥させてから出荷されているのに対して、新玉ねぎはその期間がありません。
そのため新玉ねぎは生鮮野菜に該当し、夏場に限らず常温保存することができないので注意しましょう。新玉ねぎは買ってきたらすぐに調理するのがベストですが、食べれない場合は冷蔵保存します。生のまま冷凍した場合でも、みずみずしさが失われてしまうので、加熱調理がおすすめです。
ちなみに、赤玉ねぎも生鮮野菜であるため常温保存ができません。
玉ねぎは高い室温で保存していると、発芽や発根が進みます。じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれていますが、玉ねぎの芽には天然毒素は含まれていません。
そのため、玉ねぎが発芽をしてしまっても食べれなくなるということはありませんが、芽が伸びすぎてしまうと実の水分や栄養が吸い取られ可食部がしわしわになったりスカスカになってしまうことが多いです。可食部が味や食感が悪くなってしまうだけではなく、実の栄養が芽や根に吸い取られて栄養価が落ちてしまいますので、発芽を促す高い室温で保存しないように気をつけましょう。
当たり前ですが、購入する際に新鮮な玉ねぎを選べば、長く保存することができます。
表面の黄色い皮がしっかりと乾燥しツヤのあるもの
頭部が小さくぎゅっとつまっているもの
丸くて硬く重みがあるもの
玉ねぎは頭部から傷むので、しっかりしたものを選ぶようにしましょう。
夏場の玉ねぎは、冷蔵室で2週間ほど保存できます。夏場以外であってもカットしたものは常温保存できないので冷蔵保存が基本です。使いかけはラップできっちり包み、ポリ袋に入れて口をしっかり締めます。3日ほどしか保存できないのですぐに使うようにしましょう。
ちなみに、玉ねぎに含まれる硫化アリルは冷えると発揮されなくなるので冷蔵保存しておくことで涙が出にくくなるというメリットがあります。また、繊維を断つように切ると辛味成分が出てしまうので、涙は出やすいですが、甘味が増します。
通常冷凍保存は保存期間を伸ばすために行いますが、玉ねぎの場合は夏場以外であれば、常温保存の方が長く保存できてしまいます。しかし、夏場や保存場所に困ったときやすぐに調理で使えるようにしたい場合はやはり冷凍保存が便利です。冷凍で1ヶ月保存することができます。1点注意を上げるならば、冷凍した玉ねぎはみずみずしさが失われてしまうので、サラダや和え物には向きません。加熱調理に基本的に使うようにしましょう。
薄切りやくし形切り、みじん切りなど使うときを想定して好きな大きさに切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。サラダや和え物には向きませんので、凍ったまま煮物や炒め物などに使います。
また、冷凍した玉ねぎは組織が壊れていて火の通りがよくなるので、飴色玉ねぎをたった5分で作ることができます。油も使う必要がないのでカロリーカットにも。ぜひお試しください。
加熱してから冷凍する方法もあります。これだと使うときがとにかく楽チン。好きな形・大きさにカットした玉ねぎを加熱し冷ましてから、小分けしラップし冷凍用保存袋に入れて冷凍します。スープやカレー、ハンバーグにおすすめです。ハンバーグで使うときは前日に冷蔵室に移して自然解凍しましょう。
玉ねぎは丸ごと冷凍も可能!丸ごと冷凍するときは上下の端を切り落とし、さらに1cmほど十字に切り込みを入れます。そしてラップをし冷凍用保存袋に入れます。丸ごと冷凍玉ねぎは丸ごと頂きます。スープに丸ごと入れたり、丸ごとレンジ蒸しにしてオリーブオイルと塩をかけて食べると美味。丸ごと冷凍した玉ねぎは特に柔らかい食感になるので、それを活かして食べましょう。
野菜は干すことで保存期間が伸びますが、玉ねぎには当てはまりません。しかし、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。天日干しすることでビタミンDが増加します。
玉ねぎは皮を剥き、薄くスライスし、キッチンペーパーで水けをとって、重ならないようにザルに並べます。2〜3日天日干しします。
乾燥玉ねぎはシャキシャキとした生の玉ねぎとは全く違う食感が楽しめます。きんぴらや味噌汁の具にピッタリです。
天日干しできない方はオーブンで乾燥させる方法も。スライスした玉ねぎをクッキングシートを敷いた天板の上に並べて、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。乾燥が足りなければさらに加熱します。
レンジで乾燥させる方法はもっと簡単。スライスした玉ねぎをキッチンペーパーを敷いた耐熱皿の上に並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。玉ねぎも例外ではありません。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。大量消費にもおすすめです。玉ねぎの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
玉ねぎを薄くスライスしたら塩をかけてよくもみ、しんなりしたら水けを絞ります。密閉容器に入れて、酢150ml・塩小さじ1・てんさい糖大さじ1で作った漬けだれを注ぎます。玉ねぎは水にさらしてしまうと辛味成分と一緒に水溶性のビタミンまで流れてしまうので、そのまま漬け込みます。酢には胃酸の分泌を促す作用があるので、前菜として召し上がるのがおすすめです。そのまま食べてもよいですし、サラダや冷やっこのトッピングにしても◎。
薄くスライスした玉ねぎの水けをキッチンペーパーで拭き取り、密閉容器に入れて、100mlのオリーブオイルと小さじ1弱の塩で作る漬けだれを注ぎます。こちらはサラダやピザのトッピングにおすすめです。魚やお肉と合わせてカルパッチョにしても◎。ニンニクを入れるとワンランクアップの風味に。保存で使ったオリーブオイルは捨てずに使うことができます。
腐敗した玉ねぎには下記のような特徴があります。腐敗した玉ねぎは食べることができませんので、残念ですが破棄しましょう。
玉ねぎは元々ツンとする強い香りが特徴的ですが、腐敗が進んでいる玉ねぎはさらに臭いが強くなります。
一般的な玉ねぎは保存性を高めるため、収穫した後乾燥させてから出荷されて店頭に並びます。しかし表面は乾燥していても中には水分が残っているので、見た目ではわからなくても中が腐敗して異臭を放つことがあります。
ガスのような臭いや、卵が腐った時のような臭いがする場合は、玉ねぎが腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄する方がよいでしょう。また、青臭い臭いが強い場合はカビが生えている可能性があります。カビが見えなくてもカビ菌が繁殖しはじめていることがあるので、心配な方は破棄しましょう。
玉ねぎの皮を剥いてカットしたときに、重なっている層の一部のみが茶色く変色している場合は病気に感染している可能性があります。
りん片腐敗病は、育っていく過程で強風や機械的に生じた傷やアザミウマなどの害虫の食害痕などの傷口から細菌が侵入することによって発症し、たまねぎの中間葉が枯死する症状が見られ切ると実の一部が腐敗していることが多いです。また低温高湿でも発症しやすいため冷蔵庫で保管していることで発症することもあります。
茶色く変色してしまっている部分は腐敗しているのでしっかりと取り除いてから食べましょう。ただし、変色の範囲が広い場合は破棄してください。
玉ねぎは本来固い野菜ですが、腐敗が進むと実がブヨブヨと柔らかくなってしまいます。玉ねぎは上部の中心部から傷み始めることが多いため、手で軽く触ってみて柔らかさを感じたら腐っている可能性が高いです。
玉ねぎを切ってみて一部のみがブヨブヨと柔らかくなっている場合は、その部分を取り除けば食べることができます。
玉ねぎ全体が柔らかく凹むような玉ねぎを食べるのは避けましょう。
玉ねぎから茶色い汁が出ている場合、かなり腐敗が進んでいます。食べずに廃棄しましょう。高温多湿の場所で保存していたことや、病気が進行してしまったことが原因で腐敗が進むと茶色い汁が出てきてしまうことがあります。
柔らかくなるなどの変化がなくても、カットしたときに茶色い汁が出てくるということもあります。鮮度がかなり落ちている状態ですので全体的に腐敗している様子が見られない場合でも破棄する方が良いでしょう。
玉ねぎの皮(特に玉ねぎの上部)に炭のような黒い汚れが付いていることがあります。これは汚れではなく黒カビで「黒カビ病」という名前が付いています。玉ねぎの表皮から数層にわたり黒色のカビが発生します。皮に発生した黒カビが、中の白い可食部分に付着することはありますが、中まで侵食することはほとんどありません。そのため、皮問題なく食べることができます。ただし、中には玉ねぎの可食部にまでカビが生えてしまっている場合もあります。カビの範囲が狭い場合は、その部分を取り除けば食べることができますが、広範囲にカビが生えている場合は食べずに処分しましょう。
玉ねぎの黒カビの原因は、「アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)」という病原菌です。「クロコウジカビ」とも言います。
黒カビが発生する主な原因は、高温と多湿です。玉ねぎは収穫後、保存性を高めるために貯蔵されますが、貯蔵中の温度や湿度が高い場合に発生しやすいといわれています。
ちなみに玉ねぎに付着する黒カビは、お風呂場やエアコンに発生するものとは菌の種類(クラドスポリウム)が異なります。
玉ねぎを切ったら、実が乾燥してスカスカになっていることがあります。この場合は玉ねぎが実に蓄えている水分や養分を使って成長しようとしていることが考えられます。
腐敗しているというわけではありませんので食べることはできますが、水分量がかなり減っていて食感や味が劣っています。栄養素も減ってしまっている状態ですので、もったいないですが食べずに廃棄する方がよいでしょう。
玉ねぎが腐っている場合は見た目や臭いなどで気づくことがほとんどです。上述したように中から腐敗が進んでいくことが多いので、問題ないように見えて腐っていることに気づかずに万が一食べてしまった場合、酸味を感じることが多いようです。
味が少しでも変だなと思ったときは、それ以上食べるのをやめて処分するようにしましょう。腐敗した玉ねぎを食べてしまって万が一下痢や嘔吐の症状が出た場合は速やかに病院へ行き受診してください。
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