じゃがいもの茹で時間はじゃがいも自体の大きさや茹で方などによって異なります。そこで今回は、じゃがいもが茹で上がる時間を大きさや方法別に実際に計測してみました。時短で茹で上がる方法や、じゃがいもの栄養素をキープしながら茹でる方法などもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
じゃがいもを茹でるときは皮を剥いたりカットしておくと調理をするときに便利ですが、丸ごと皮付きのまま茹でたほうが栄養が流出しにくいのでおすすめです。
じゃがいもは「畑のりんご」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富に含まれています。可食部100gあたりに含まれるビタミンCの量は28mg!そんなビタミンは水溶性なので、皮を剥いた状態で茹でるとどんどん流れ出ていってしまいます。また、水溶性成分はビタミンCだけではありません。体内の余分な塩分を排出し、バランスを調整してくれる「カリウム」も流出してしまいます。
皮ごと茹でることで水溶性の栄養素を9割キープできるといわれています。皮付きのままでもカットしてあると断面から栄養素が流出してしまいますので、じゃがいもの栄養素を重視するのであれば「丸ごと皮付き」がベストです。
じゃがいもを茹でたときに煮くずれしてしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。じゃがいもは水から茹でるほうが煮くずれしにくいです。
じゃがいもを沸騰したお湯から茹でると火の通り方にムラができて外側は十分柔らかいのに内側は火が通ってなくて固いなどムラがうまれ、内側まで火が通る頃には外側がボロボロになってしまいます。そのため水から茹でたほうが外側から内側まで均一に火が通るため煮くずれしにくくなります。
じゃがいもに芽が生えていた場合は、しっかりと取り除きましょう。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれており、一定量摂取すると吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど症状が出る可能性があります。
ソラニンとチャコニンは、グルコースやガラクトースなどの「糖」と、植物由来の窒素を含んだアルカリ性(塩基性)物質である「アルカロイド」からできているグリコアルカロイド(糖アルカロイド)と呼ばれる成分の一種です。育っていく中で外敵に食べられてしまわないようにソラニンやチャコニンといった有害物質をもつようになったといわれます。
ソラニンやチャコニンは特に芽の根元に多く存在していますので、表面に出ている部分だけではなく根元から身もえぐり取るようにすることが大切です。まだ小さな芽の出始めの部分にもチャコニンやソラニンが含まれています。まだ小さいから大丈夫と思ってしまいがちですが、小さな芽も必ず取り除きましょう。
出典:食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報(農林水産省)
一口に「じゃがいも」といっても様々な品種があります。一般的にスーパーなどで販売されていることが多いのは「男爵」や「メークイン」です。
男爵とメークインはそれぞれ異なる特徴をもちますが、品種が異なるからといって茹で時間が大幅に変わるということはありません。茹で時間に大きく関係するのは品種よりも大きさです。しかし、デンプンの含有量が異なるため食感や口当たりなどに違いがあります。
男爵はデンプンの含有量が多い品種でホクホクとした食感に仕上がります。メークインと比較すると煮くずれしやすいので、ポテトサラダやコロッケにするのに向いています。メークインは反対にデンプンの含有量が少ないため粘質でしっとりとした口当たりです。煮くずれしにくいので煮物料理に適しています。
ちなみに、新じゃがの場合は皮が薄く小振りであることが多いため一般的に販売されているじゃがいもよりも茹で時間は短くなります。
じゃがいもの大きさや皮付きかカットしているかなどにもよりますが、中サイズのじゃがいもを皮付きのまま蒸すのにかかる時間と水から茹でるのにかかる時間はだいたい20分程で、大きな差はありません。ただし、お湯から茹でた場合は蒸すほうが時間がかかります。
蒸す場合は、水蒸気でじゃがいもを加熱していくので茹でるよりもじゃがいもの水溶性の栄養素を残すことができるというメリットがあります。また、茹でたときのじゃがいもが水っぽくなってしまうという問題を解消することができます。
じゃがいもの大きさの定義については、国で定められたものはなく、都道府県や自治体などによって規格が異なります。
収穫量・出荷量ともに日本一の北海道のじゃがいもの出荷規格は上の表の通りです。Filyではこちらの規格を基準にすることとします。
実際にじゃがいもをスーパーで購入したところ、最も個数が多かったのはMサイズで、1個あたりの重さは100〜110g前後のものがほとんどでした。
出典:野菜標準全道統一規格(札幌ホクレン青果株式会社)
じゃがいもの茹でる時間はじゃがいもの大きさや皮付きかカットしているかなどの条件によって異なります。本記事では、水から茹でて水が沸騰してから茹で上がるまでの時間を「茹で時間」とします。
じゃがいもの茹で方の基本
1.じゃがいもをきれいに洗う
2.鍋にじゃがいもを入れ、かぶるくらいの水を入れる
3.中火にかけ、沸騰したら弱中火にし、竹串がスッと中に通るまで加熱する
小・Sサイズ(58g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は15〜20分程です。
じゃがいもは大きければ大きいほど火が通るのに時間がかかるため、小サイズが最も早く茹で上がります。新じゃがは小サイズのものが多いため、じゃがいも小サイズの茹で時間を目安に茹でると良いです。
中・Mサイズ(92g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は20分〜25分程です。20分ほど加熱後に竹串を通してスッと通らなければ、1分ずつ茹で時間を追加して調節してください。
大・Lサイズ(157g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は30分程です。
やはり大きいサイズは最も時間がかかります。時間がかかるため大サイズのじゃがいもの茹でる時間を短縮したい場合は、カットしてから茹でると良いです。ただし、時間は短縮できてもカットすることにより栄養素は流れ出てしまいます。
料理によっては皮を剥いて茹でたり、カットして茹でることがあると思います。そこでここでは、調理法別のじゃがいもの茹で時間を実際に計測してみました。
中・Mサイズ(皮なしで96g)のじゃがいもを丸ごと水から茹でる場合の茹で時間は15〜20分程です。
皮を剥いた分若干火の通りが早くなりますが、上述の通り皮を剥くことで栄養素が流出してしまいますので、栄養素を無駄にしたくない場合は皮付きのまま茹でるのが◎。
中・Mサイズ(皮なしで108g)のじゃがいもを皮を剥いて、8等分にカットした状態で茹でた場合の茹で時間は8〜10分程です。
皮を剥いてカットしていることで火の通りが早くなります。ただし栄養素はかなり流出してしまうので注意が必要です。
中サイズの新じゃがを丸ごと皮を剥いた状態で茹でる場合の茹で時間の目安は10分程です。新じゃがは火が通りやすいので、一般的なじゃがいも中サイズを丸ごと茹でるよりも短時間で茹で上がります。
じゃがいもは電子レンジを使って加熱すると、水から茹でるよりも時短になります。本記事では600Wのレンジで加熱する場合の時間を紹介します。電子レンジを使う場合も、茹でるときと同様に竹串を刺してみてスッと中まで通るようになれば加熱完了です。硬いようであれば20〜30秒ずつ追加で加熱しかたさを確認しましょう。また、加熱の途中で上下を返すことで均一に熱が通りやすくなります。
中サイズ(119g)のじゃがいもをそのまま丸ごと1個で電子レンジで加熱する場合の加熱時間は2分30秒〜3分程度です。1分30秒加熱後に上下を返し追加で1分または1分30秒加熱することで、均一に熱が通りやすくなります。
2個加熱する場合の加熱時間は5〜6分を目安にし、3分経過した時点で一度裏返し様子を見ながら追加で2〜3分程加熱していきます。
小サイズ(60g)のじゃがいもを皮付きのまま丸ごと1個電子レンジで加熱する場合の加熱時間は1分30秒〜2分程度です。
大サイズ(156g)のじゃがいもを皮付きのまま丸ごと1個電子レンジで加熱する場合の加熱時間は5〜6分程度です。
大きいサイズになると火が通りにくくなるので、必ず加熱時間の途中で上下を返すようにしましょう。
中サイズ(皮なしで96g)のじゃがいもを丸ごと1個電子レンジで加熱する場合の加熱時間は2分程度です。皮を剥く分、皮付きで加熱するよりも早く火が通ります。
中サイズ(皮なしで117g)のじゃがいもを皮を剥き8分の1にカットしたじゃがいもの加熱時間は1分30秒〜2分程度です。皮を剥いてカットすることにより、丸ごと加熱するよりも短時間で茹で上がります。
皮を剥きカットしたじゃがいもをレンジで加熱する場合は、耐熱皿にじゃがいも同士が重ならないように平らに並べてから、ふんわりとラップをかけて加熱します。
中サイズの新じゃがを皮を剥いて丸ごと電子レンジで加熱する場合の加熱時間の目安は1分〜1分30秒程度です。新じゃがは普通のじゃがいもよりも水分を多く含み、かつ小ぶりなものが多いので火が通りやすいです。
じゃがいもはフライパンを使って蒸し茹ですることもできます。蒸し器がなくても手軽に加熱することができますし、蒸し器を使うよりも時短になります。
中サイズ(70〜120g)のじゃがいもをフライパンで蒸し茹でする場合の茹で時間は15分程です。フライパンを使ってじゃがいもを蒸し茹でする方法は下記の通りです。
水の量が少ないと加熱途中で水分がすべて蒸発してしまう可能性があるので、しっかりと加えるようにしましょう。蒸し茹でにする場合も、竹串を通してかたさを確認し、かたければ柔らかくなるまで加熱時間を追加していきます。
味噌汁に入れるじゃがいもは、だいたい一口大にカットされます。そのため茹で時間はおよそ5分です。
5分程茹でれば十分中まで火が通ります。小さなお子様や高齢者の方が食べる場合など、柔らかめのほうが良いという場合は7〜8分と長めに茹でると良いでしょう。
肉じゃがにするじゃがいもの茹で時間の目安は10分程です。
肉じゃがに入れる場合は一口大よりも大きめに切ることが多いため、味噌汁よりも火が通るのに時間がかかります。10分を目安に好みの固さになるまで調節するのが良いです。あまり長く加熱しすぎてしまうと煮崩れしてしまうので注意しましょう。
ポテトサラダにするじゃがいもの茹で時間の目安は20分〜25分です。丸ごと皮つきで茹でてから潰して作ると、程よい食感が残り食べごたえも出ます。皮つきのまま茹でても茹でた後にピーラーや包丁を使わなくても手で簡単に皮を剥くことができます。
ポイントは茹でた後、粗熱がとれたらすぐに剥くことです。完全に冷めてしまうと皮がひっついて剥きにくくなってしまいます。
マッシュポテトにする場合のじゃがいもの茹で時間の目安は15分程です。
マッシュポテトにする場合は、皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトにすると時短になります。ただし、皮を剥いて茹でると水っぽくなってしまうため水っぽい仕上がりを避けたいという方は、丸ごと茹でるのがおすすめです。
コロッケにする場合のじゃがいもはポテトサラダと同じく20分〜25分です。コロッケにする場合も丸ごと皮付きのまま茹でた後に皮を剥きます。
じゃがいもは丸ごと茹でるよりも、細かく切ったほうが火の通りが早くなるので茹で時間を短縮することができます。上述したように中サイズのじゃがいもを皮を剥いてカットした状態で茹でた場合の茹で時間は10分程です。
ただし、カットした断面から水溶性の栄養素が流出してしまうというデメリットがあります。
じゃがいもは一般的な鍋で水から茹でるよりも、圧力鍋を使うほうが圧倒的に早く茹でることができます。圧力鍋を使った場合の加熱時間は10分程です。
圧力鍋とは、圧力を調節できる機能がついている鍋のことです。鍋の中を高温・高圧にすることで、短時間で加熱をし、食材を長時間加熱したときと同じように柔らかくすることができます。
じゃがいもを圧力鍋を使って茹でる場合は、水の量も少なく済むため水溶性の栄養素の流出も最小限に抑えることができます。
シリコンスチーマーは、電子レンジで食材を加熱することができるシリコンでできた調理器具です。シリコンスチーマーを使ったときの加熱時間は皮を剥いてカットした状態で2分〜3分です。
メーカーによっても異なりますが、シリコンスチーマーは基本的にじゃがいもを丸ごと一個いれるほど大きくないのでカットしたじゃがいもを加熱したいときに役立ちます。
シリコンスチーマーを使うことで蒸すのと同じ状態になるため、単に電子レンジで温めるよりもホクホクに仕上げることができます。
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