玉ねぎはいろいろな料理に使える万能な野菜ですが、実は苦手という方は意外と多くいます。本記事では玉ねぎが嫌いな理由やおすすめの対処法について詳しく解説します。
玉ねぎの皮を剥いたときのツンと鼻をつくような匂いが嫌いという方は多いのではないでしょうか。玉ねぎの匂いは、食べるときはもちろんのこと調理をするときにももちろん感じますし、場合によっては部屋に匂いがつくこともあります。
玉ねぎのツンとした匂いは、玉ねぎに豊富に含まれている硫化アリル(アリシン)によるものです。硫化アリルは長ネギやニラなどにも含まれており、玉ねぎの匂いが苦手という方はこれらの野菜も苦手という方が多いです。
玉ねぎといえば辛味があるのも特徴です。小さなお子様や辛味が苦手な方は玉ねぎは辛いから苦手という方が多いです。玉ねぎの辛味も上述した硫化アリルによるもので、長ネギやニラなどに辛味があるのもこのためです。特に一般的に食べられている玉ねぎは硫化アリルの含有量が多いため、火を通さずに生で食べたりすると辛味を感じやすいです。
玉ねぎの独特の味や匂いは口の中に残りやすいです。玉ねぎの辛味や匂いの元になっている硫化アリルの味と匂いは、摂取すると完全に分解されるまでに約16時間かかるといわれていて、飲み込んだ後でも胃から匂いが上ってきてしまいやすくいつまでも口に残っているような感じがしてしまいます。にんにくを食べた後に次の日まで臭うことがあるのはこのためです。
玉ねぎには繊維があるため口に入れて噛んだときに繊維が断ち切られシャリシャリとした食感になります。サラダにしたり、みじん切りにした玉ねぎを加熱せずにひき肉に加えたハンバーグを焼くとシャリシャリとした食感を楽しむことができますが、このシャリシャリとした食感が苦手という方も多くいます。
加熱をしてもしっかりと時間をかけないと柔らかくならないため、玉ねぎのシャリシャリとした食感が残りがちなナポリタンや焼きそばパンの玉ねぎが苦手という方が多いようです。
玉ねぎの味や匂いは苦手じゃなくても、皮を剥いてカットするときの目に染みるような痛さと溢れ出てくる涙で調理がしにくいという理由で玉ねぎを使うのを避ける方もいます。
玉ねぎをカットするときに目が痛くなるのは、実は玉ねぎを切ると涙が出てくるのも硫化アリルが原因です。切った際に硫化アリルが蒸発して鼻や目の粘膜を刺激することで脳が「洗い流せ」という信号を出すため涙が止まらなくなるのです。
玉ねぎを食べると胃がムカムカするなど、胃腸の調子が悪くなるという方もいます。
玉ねぎを食べて胃の調子が悪くなる原因の一つとして、やはり玉ねぎに多く含まれている硫化アリルがあげられます。硫化アリルは胃の粘膜を刺激し、胃酸の分泌を促進するため、胃酸が過剰に分泌され胃がムカムカするなど症状が出る場合があります。
玉ねぎの匂いや辛味の元になっている硫化アリルは、揮発性が高い成分であるため空気にさらしておくだけで気化し匂いや辛味が軽減されて食べやすくなります。
空気にさらすときは、薄くスライスした玉ねぎをバットなどに並べて5分から1時間ほど置いておきます。空気にさらしておくことで部屋に玉ねぎの匂いが充満してしまうことがあるので、玉ねぎの匂いが苦手な方は換気扇を回しておきましょう。
さらに硫化アリルは水溶性であるため、水にさらすことでも硫化アリルが水に溶け出し匂いや辛味が軽減されます。水にさらす場合はカットした玉ねぎをボウルに入れ、水を入れたあと5分程水に浸けておきます。
しかし、空気や水にさらすことで栄養素も流出してしまうデメリットがあります。特に水にさらすときは長時間浸けすぎてしまわないように注意しましょう。硫化アリルには、糖の代謝を促し、エネルギーを生み出すビタミンB1と結びついて吸収を助けその効果を持続させるなど様々な効果があるといわれています。
硫化アリルは、玉ねぎの繊維を断ち切るようにして切る(繊維に直角に切る)ことで揮発し辛味が軽減されます。
繊維に沿って半分に切ったら、切った玉ねぎを90度傾けて玉ねぎの繊維が横になるように置いてから切ります。素早く切ると細胞が壊れ苦味が出やすいといわれているため、ゆっくり切るようにしましょう。
繊維を断ち切ることで食感も柔らかくなるため、シャキシャキとした食感が苦手な方にもおすすめです。
玉ねぎを切る時に、できるだけ薄くスライスする方が硫化アリルが揮発しやすくなります。また、硫化アリルが残ったとしても、薄く切った方が体積が小さいため辛味や苦味を感じにくいためです。
さらに、薄くスライスした玉ねぎは調味料やほかの食材とよく絡んで食べやすくなります。
包丁でカットしにくい場合は、スライサーなどを使うのもおすすめです。
玉ねぎは加熱をすると、飴色になり甘味が増します。いわゆる「飴色玉ねぎ」と呼ばれるもので、ハンバーグやオニオングラタンスープなど様々な料理に使われます。玉ねぎの辛味が苦手という方は生で食べるよりも加熱して食べるのがおすすめです。
玉ねぎを加熱すると飴色になるのは、玉ねぎに含まれている糖分がカラメル化するのと、糖分とアミノ酸が化学反応を起こすメイラード化と呼ばれる2つの反応が起こるためです。
加熱することで玉ねぎの甘味が増すのは、下記の3の理由が考えられます。
辛味成分である硫化アリルの揮発によって、甘みを強く感じる
水分の蒸発によって、糖濃度が上昇する。
加熱による組織の破壊や軟化により甘味を強く感じる。
新玉ねぎは、一般的に食べている玉ねぎよりも水分を多く含み、硫化アリルの含有量が少ないため辛味が少なく生でも食べやすいです。サラダなど生で食べたいけど辛味が苦手で食べにくいという方は、新玉ねぎを使うと良いでしょう。
新玉ねぎは、温暖な地域で3~4月頃に出荷される早取りの玉ねぎのことをいいます。一般的に食べられている玉ねぎは、春に収穫された玉ねぎを一度乾燥させて保存性を高めてから出荷されています。一方で新玉ねぎは収穫された後、乾燥させずに出荷されているという違いがあります。一般的な玉ねぎとは異なり茶色いパリパリとした茶色い皮がついていないので見た目でも判別することができます。
玉ねぎの味が苦手という方は、グラタンやミートソースなど濃い味付けの料理にするのも一つの手です。
できるだけ薄くスライスしたりみじん切りにしてグラタンやミートソースにすると、濃い味が玉ねぎに染み込み玉ねぎ特有の味を感じにくくなります。
グラタンやミートソースは小さなお子様でも食べやすいので、玉ねぎ嫌い克服におすすめです。
玉ねぎの味や匂いは苦手じゃないけど、調理をするときに目に染みたり涙が出てしまうのが億劫だという方は、料理の前に玉ねぎを冷やしておくと良いでしょう。
調理の前に冷蔵庫で冷やすことで、硫化アリルが気化しにくくなります。また、切れ味のよい包丁を使ったり換気扇を回しながら切ることも、目に染みたり涙が出るのを軽減する効果が期待できます。
最後に玉ねぎが苦手な方でも美味しく頂けると玉ねぎレシピを紹介します(もちろん全ての人がこれらの玉ねぎを楽しめるわけではありません)。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
甘辛などしっかり味の料理にすると、玉ねぎの辛味が感じづらくなります。
牛肉と玉ねぎの甘辛炒めのレシピはこちら
どんな野菜も揚げることで甘みが増します。桜えびのほのかな甘みも加わって◎。
玉ねぎと桜えびのかき揚げのレシピはこちら
酢玉ねぎは1日おいて、味が馴染んだら食べごろです。酢がしっかり染み込むと、玉ねぎの匂いが気になりづらくなります。
酢玉ねぎのレシピはこちら
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