和食でも洋食でも大活躍ななすですが、どんな栄養が含まれているのでしょうか?なすのもつ栄養と効能について詳しく解説していきます。
原産地はインドで日本へは8世紀頃に中国から伝わったとされています。奈良時代ごろから栽培されており、現在では地域ごとに特色のある品種が栽培されています。
なすの成分は90%が水分で低カロリーなのが特徴です。ビタミンやミネラル類はあまり多く含まれていませんが、皮に含まれるアントシアニンのほか、果肉のクロロゲン酸にも抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やダイエットに効果が期待できます。
ナスニンはアントシアニン系色素でポリフェノールの一種です。青紫色の色素成分で、皮に含まれます。皮が白や緑の品種のなすには含まれません。
ナスニンを始めとするポリフェノールには抗酸化作用があります。さらに、ナスニンにはコレステロール値を下げる働きもあると言われており、後述しているコリンとの相乗効果が期待できます。
アントシアニン系色素には、目の網膜にあるロドプシンの再結合の作用があるため、眼精疲労の回復効果もあります。また、肝臓の働きを活性化する効果もあります。その他のアントシアニン系色素にはデルフィニディン、ヒアチンがあり、果実中のフェノラーゼによって色があせます。
クロロゲン酸もポリフェノールの一種です。クロロゲン酸はコーヒーにも多く含まれている成分で、血圧の上昇や血糖値の急上昇を抑制する効果があります。これは、糖質を分解する酵素を阻害する働きがあり、これによって糖質の吸収をゆるやかにしているからです。さらに脂肪燃焼促進の効果もあり、体内にすでに溜まっている脂肪も新しく発生した脂肪も燃焼させてくれます。特にメタボリックシンドロームの原因である肝臓脂肪の燃焼効果が期待され、ダイエットをする際にも注目される成分のひとつです。
コリンはリン脂質と呼ばれる脂質の一種です。コリンは記憶や学習に関係が強い「アセチルコリン」という神経伝達物質のもとになる物質です。コリンは吸収されたあと脳まで届き、アセチルコリンをつくる材料になります。アセチルコリン濃度は記憶保持や脳機能の向上を左右しているとも言われていて、アルツハイマー型認知症の原因のひとつにアセチルコリンの減少があるとも言われています。またこのアセチルコリンには血管を拡張して血圧を下げる作用があり、高血圧予防も期待できます。
さらにコリンには肝機能を向上させる効果があります。そもそもコリンは脂肪肝を防ぐ成分として発見されており、肝臓での脂質代謝に必要とされています。
さらには動脈硬化予防効果もあります。血中のコレステロールを溶かすレシチンを、リン酸、グリセリン、脂肪酸と構成しています。
なすは水溶性と不溶性のどちらの食物繊維も含まれますが、不溶性食物繊維のほうが6倍多く含まれています。
不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇をゆるやかになり糖尿病予防になります。
便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。そのため、高血圧の予防になるミネラルの一つです。また心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
またカリウムは水に溶けやすい性質がありますが、ごぼうなどの根菜類は比較的損失が少なくなっています。ただ葉菜類は茹でると50%以上が失われてしまうのでスープなどにして汁ごと食べることがおすすめです。ただしナトリウムを摂りすぎないよう薄味にしましょう。
葉酸はほうれん草の葉っぱから発見されたビタミンB群のひとつで、ビタミンB12と一緒に正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素で「造血ビタミン」とも言われています。赤血球は約4ヶ月で生まれ変わり体内では常に新しい赤血球が作られています。
また、たんぱく質や核酸の合成を助け、細胞の新生や増殖に深く関わっています。細胞分裂が活発な胎児期に必須の栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を十分に摂ることでおなかの赤ちゃんの発達異常を防ぐ効果があるといわれています。葉酸は水に溶けやすく、熱や光にも弱い性質があるので、茹でたり水洗いすることで含有量が減ってしまいます。そのため葉酸が含まれた野菜や果実は加熱せずに生野菜サラダや生搾りジュースで効率よく摂ることをおすすめします。
ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成する働きがあり、出血を止める役割があります。月経による出血が多い場合も、症状を軽減する効果が期待できます。ただ、血液は出血している箇所以外(血管内など)は正常に流れていなければなりませんが、ビタミンKは血流が悪くならないよう凝固の抑制にも働きかけています。
さらにビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。そしてカルシウムの合成に必要なたんぱく質を生み出し、腸内でカルシウムが吸収されるのを助けます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。
加齢や女性ホルモンの減少、またダイエットなどにより骨密度は低下します。それが重症化すると骨粗しょう症を発症します。特に女性に多いこの病気とされているので、日頃からカルシウムの吸収を助けるビタミンKとビタミンDを一緒に摂り、骨密度アップを心がけましょう。
なすの可食部100gあたりの栄養素は下記の通りです。
エネルギー...22kcal
水分...93.2g
たんぱく質...1.1g
炭水化物...5.1g
脂質...0.1g
食物繊維...2.2g
三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。野菜には少ないたんぱく質や炭水化物(糖質)が主成分です。
なすは90%以上が水分です。
糖質は(炭水化物から食物繊維を引いた値)2.9gです。
なすの糖類はブドウ糖、果糖がほとんどを占めており、ショ糖が微量含まれています。
他の野菜と比べてみると、
なす:糖質2.9g、22kcal
ほうれん草:糖質0.3g、18kcal
大根:糖質2.8g、15kcal
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質1.3g、22kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
さつまいも:糖質30.3g、127kcal
です。
ちなみに、ご飯100gあたり糖質35.6g/156kcalです。お茶碗1杯は約150gです。
秋なす(秋に収穫するナスのこと)は嫁に食わすな、ということわざをご存知でしょうか?
これにはいくつかの解釈があると言われています。
1つ目は嫁の体を気遣っているという点です。
秋なすにはアルカロイドという毒性の成分を含有しており、食べすぎると体調不良などを引き起こす可能性があることから、一家にとって大切な嫁には食べさせないようにするというものです。
また、東洋医学や漢方では、ナスは体を冷やす野菜に分類されます。水分とカリウムを多く含むので利尿作用があります。それによって体が冷えてしまいます。さらに大量のポリフェノールも体を冷やすと言われており、女性は体が冷えると健康に良くないため、食べさせないようにするというものです。
2つ目は「これだけ美味しいものを嫁なぞに食べさせるな」という、姑の意地悪な嫁いびりであるという解釈です。
3つ目は、秋茄子には種子がないことから、子宝に恵まれなくなるという考え方からです。
上述しましたが、ナスは体を冷やす野菜に分類されます。
薬膳には「五気」というものがあり、植物分類の基礎理論です。「寒」「涼」「平」「温」「熱」の5つの性質を表され、なすは「涼」に分類されるので、むしろ身体を冷やす野菜です。
簡単に説明すると
寒…身体を冷やす食べ物、鎮静作用・消炎作用があり高血圧の人やのぼせやすい人が摂るべきもの
涼…寒より作用が弱いが身体を冷やす食べ物、鎮静作用と消炎作用あり
平…身体を冷やしたり温めたりする作用がない食べ物
温…身体を温める食べ物、興奮作用があり冷え性の人が摂るべきもの
熱…温よりさらに身体を温める食べ物、冷え性の人に加えて貧血の人も摂るべきもの
です。
また、寒い時期には「温」「熱」のものを、暑い時期は「寒」「涼」ものを食べるといいです。
先ほども言いましたが、なすは「涼」に分類されるので、温かい時期に食べることで身体を温めてくれます。
白ナスは、皮にナスニンが含まれていないために、白くなっています。その面で言えば、栄養価が低いと言えます。
しかし、他のカリウムや食物繊維、クロロゲン酸などは紫色のナスと同程度含まれています。そのため、白ナスそのものが栄養価が低い野菜とは言えません。
なすは低温に弱く、低温障害を起こします。そのため寒い場所や冷えたところに置いておくと、茶色く腐ってしまいます。
家庭でなすを保存するときも8〜12℃が良いとされています。
なすは切ってから時間が経つと褐色化したり、生で食べたときに特有の苦味が感じられるので、一般的に水にさらしてアク抜きします。
しかし、なすのアクの原因であるクロロゲン酸は、体によい成分なので、アク抜きはしなくても問題ありません。それだけではなく、アク抜きすることで水溶性のナスニンやカリウム、ビタミンCなどが流失してしまいます。ちなみにほうれん草やたけのこなど、アクの原因がシュウ酸の場合は体に良くないため、アク抜きが必須です。
加熱調理する場合はアク抜きの必要はありません。生食するときにアク抜きをする場合は、水にさらさず、切ったあとに塩をふって10分置けばOKです。
ちなみに、6月に出回るものはアクが少ないですが、8〜9月に出回るもの(秋なす)はアクが強くなると報告されています。秋なすを使ってアクが気になる場合は、アク抜きしましょう。
なすは油がよく合う食材で、表面が油でコーティングされるとナスニンが流出しづらくなるメリットがありますが、油を使いすぎるとカロリーアップしてしまうので注意しましょう。
ただし、カロリーの変化を見ると、それぞれ100gで
生…18kcal
茹で…17kcal
油炒め…73kacl
天ぷら…165cal
です。天ぷらにすると生と比べて9倍もカロリーが高くなってしまいます!
なすはスポンジ状で油をよく吸うので、軽く油を絡めてから電子レンジに加熱するだけでしっかりと油が馴染みます。これでカロリーカットになります。また、大きめにカットして揚がった後に熱湯をかけて油切りすると余分な油をカットできます。
ナスニンは皮に多く含まれています。
先程も説明しましたが、ナスニンには抗酸化作用があり、動脈硬化や老化予防、生活習慣病やがんの予防にも効果が期待できます。
その栄養素を無駄にしないためにも皮ごと調理するようにしましょう。
なすを丸ごと料理するのもおすすめです。素揚げをするにも丸ごとの方が油を吸いにくく、また栄養素を逃さずに食べれることが特徴です。さらに、丸ごと調理することで、なすの旨味成分のグアニル酸が大きく増加して、おいしくなります。丸ごと焼いても、素揚げしてもおいしいので、ぜひ試してみましょう。
茹でると水溶性の栄養素は水に溶け出してしまいます。ビタミンCは4分の1、カリウムは5分の4に減ってしまいます。そのため、流れ出てしまった栄養素を摂取できるようにスープにして食べるといいでしょう。
また、スープにすることでなすのかさが減るので子供や高齢者でも食べやすくなります。お味噌汁や野菜スープ、ポタージュなどにしましょう。
茹でたり加熱したりすることで、減少してしまう栄養素があります。特に茹でることでビタミンCやカリウムは減少してしまいます。そのため、なすを生のまま食べることで栄養素の損失を最小限に抑えられます。
生で食べる場合は、新鮮なものを選びましょう。生食向けの品種も多く、「水なす」などがそのひとつです。
なすは生食の幅も広く、サラダや漬物、和え物、お刺身、野菜スティックなどがあります。
なすはぬか漬けにすると栄養価が高くなるので、おすすめです。なんとビタミンやカリウムが2倍に増えます。これはぬかに含まれる栄養素がなすに浸透するからです。そのため、なすに限らずぬか漬けにすると栄養価が高くなります。
なすにほとんど含まれていないビタミンB1やB6も浸透して多くなります。
抗酸化作用のあるナスニンは、同じく抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eと一緒に摂ることで、効果がアップします。ちなみに、なすにビタミンCが含まれていますので、ぜひビタミンA・Eを含む食材と食べ合わせたいものです。ビタミンAが豊富に含まれる食材にはうなぎやレバー、海苔、にんじんなどがあります。ビタミンEを豊富に含む食材にはアボカド、かぼちゃ、アーモンドなどがあります。
なすに含まれるカリウムは血圧を下げます。豚肉のたんぱく質は丈夫な血管をつくるので、高血圧予防になります。さらにビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達し脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
牛肉に豊富な鉄は疲労回復効果があります。なすのコリンにも疲労回復効果があるので、より高い効果が期待できます。ダイエットをしていると運動で体が疲れたり、ストレスで精神的に疲れてしまうことがあるので、しっかりと栄養を摂取しましょう。
最後になすを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
なすのカリウムとビタミンC、豚肉のたんぱく質が栄養効果抜群の組み合わせです!甘辛のタレでご飯がすすみます◎
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野菜たっぷりでビタミン類が豊富に摂取できます。トマト味噌はとても万能な調味料です。夏野菜との相性がバツグンですよ。
トマト味噌のラタトゥイユのレシピはこちら
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