浮き粉は小麦を原料に作られているでんぷん粉です。「じん粉」や「フラワースターチ」ともいわれます。本記事では浮き粉の原料や製造方法、用途、代用品などを詳しく解説します。
浮き粉(うきこ)とは、小麦のでんぷんを原料に作られるでんぷん粉の一種です。
浮き粉は「本浮き粉(ほんうきこ)」や「じん粉」、「フラワースターチ」、「貫雪粉(かんせつこ)」ともいわれます。中国語では「貫雪粉」と書いて「クゥアンシュェフェン」と読みます。
でんぷん粉とは「澱粉(でんぷん)」ともいわれ、でんぷんを乾燥させ粉状にしているものの総称です。でんぷんは、さまざまな植物から生まれる天然の炭水化物で、ブドウ糖がたくさん集まってできています。
でんぷん粉には浮き粉以外にも、片栗粉や甘藷澱粉(かんしょでんぷん)、コーンスターチなどがあります。片栗粉はじゃが芋のでんぷんを原料に作られていて、甘藷澱粉はさつま芋のでんぷんを原料に作られています。コーンスターチはとうもろこしのでんぷんを原料に作られています。どれも水を加えて加熱すると固まる性質があり、料理のとろみ付けなどに使われます。
浮き粉は小麦粉からグルテン(麩質)を取り除いた後、残ったでんぷんをさらに精製してできています。
主に非発酵法という製法で作られています。
非発酵法は、まず小麦粉に水を加えて機械でよく捏ねてゴム状にした後、洗出機を用いて小麦粉からでんぷんを洗い流してグルテンとでんぷんにそれぞれ分離します。このときに分離したでんぷんを乾燥させて精製するという製法です。
ちなみに、小麦粉から取り除かれたグルテンは「生麩(なまふ)」、それを焼いたものが「焼き麩(やきふ)」となります。
浮き粉の見た目は白く、片栗粉によく似ています。浮き粉は加熱すると半透明になる性質があり、ぷるぷるとした弾力のある食感をだしたり、増量剤となり料理をふんわりと仕上げることができます。
浮き粉は、グルテンフリーではありません。
上述したように製造の過程でグルテンを取り除いてありますが、完全にグルテンが除去されているわけではありません。また、製造メーカーによっては同じ製造ラインでグルテンを含む原料を扱っている場合もあります。
そもそも原料が小麦なので、小麦不使用ではないということを念頭に入れてきましょう。
そのため、小麦粉アレルギーの方やグルテンフリーの生活を送っている方は、浮き粉ではなく上新粉や製菓用米粉など「米粉」に分類されるものを使用することをおすすめします。小麦粉不使用の製品でも、同じ工場で小麦粉を使用している場合があるので、メーカーや販売代理店に確認するようにしましょう。
浮き粉は小麦粉からグルテンを取り除いているので、小麦粉よりも軽い食感を出すことができます。また、熱を加えると半透明になるという特徴があり、中華料理などに使われることが多いです。
浮き粉は、餃子の皮にして海老蒸し餃子や焼き餃子、点心、ニラ饅頭(まんじゅう)、ごま団子などの中華料理に使われることが多いです。
浮き粉を使って餃子の皮や点心を作ると、透明でぷるぷるとした食感になります。また、浮き粉で作った団子は高温で加熱しても破裂することなく形状を保つことができるため、油で揚げて作るごま団子を作るのにも適しています。
浮き粉は、明石焼きを作るときに使う欠かせない材料の一つでもあります。
明石焼きとは、小麦粉とじん粉、卵を使った生地にタコを入れて焼くたこ焼きです。一般的な丸いたこ焼きとは異なり、明石焼きは平たくふわっとし食感が特徴で、出汁につけて食べます。
その他にもお好み焼きやチヂミ、卵焼き、だし巻き卵を作るときに使うこともできます。浮き粉を使うことで、ふわっとさせることができます。
浮き粉は、唐揚げや天ぷらなどの揚げ物の衣としても使うことができます。浮き粉を衣にすると、小麦粉を衣にするよりもカリっとした食感に仕上がります。
浮き粉を使って料理にとろみをつけることができるため、あんかけなどを作ることもできます。浮き粉の粘度は片栗粉よりも低いですが、離水率が低いためしっかりとしたとろみがつきます。しかし、片栗粉やくずの根からとれるでんぷんを乾燥させて粉にしているくず粉ほど透明度は高くないため、白っぽくなってしまうことがあります。
浮き粉は、和菓子の原料にもなります。浮き粉を使って作る代表的な和菓子には、久寿餅(くずもち)があります。久寿餅は、浮き粉を発酵させた和菓子で、きな粉や黒蜜をかけて食べます。
くず粉を使って作るくず餅もありますが、浮き粉を使って作る久寿餅とは別物です。久寿餅は原材料に葛粉は含まれません。くず粉を使って作るくず餅は透明でぷるぷるとしていますが、久寿餅の見た目は白く、食感もくず餅と比較して硬く、独特の風味があるのが特徴です。
その他にも、水まんじゅうや団子、ういろうなどの和菓子を作ることができます。
浮き粉を使って、クッキーやパンケーキ、パウンドケーキなどの焼き菓子や蒸しパンなどを作ることもできます。浮き粉は、小麦粉からグルテンを取り除いた後のでんぷんを乾燥させて粉状にしているので、グルテンが含まれている小麦粉で作るのとは異なり膨らみませんがが、クッキーはサクサクの食感に仕上がり、パンキーキやパウンドケーキ、蒸しパンなどはふわふわの食感に仕上げることができます。
浮き粉は、打ち粉としても使われます。打ち粉とはお餅をこねたり、そばやうどん、パイなどの生地を作る際に、生地が手や調理器具、作業台につかないように振りかける粉のことです。
打ち粉にもさまざまな種類がありますが、浮き粉はうどんや中華麺などの麺類を作るときの打ち粉として使うのに適しています。片栗粉を打ち粉にすることもありますが、片栗粉を打ち粉にすると麺を茹でたときに強い粘りが出てしまうため、浮き粉など粘度の低いものを打ち粉とすることが多いです。
浮き粉は、イオンや業務スーパーなどの大手スーパーやカルディなどでは取り扱っている店舗は少ないです。
そのため、直接購入するのであれば製菓材料専門店がおすすめです。製菓専門店はデパートに入っていることが多いです。また、Amazonや楽天などでも購入することができるので、近くに取り扱っている店舗がないという場合は通販を利用するのも良いでしょう。
浮き粉の値段は200gで280円〜300円程です。
浮き粉の賞味期限は製造メーカーにもよりますが、だいたい1年ほどです。ただし、これは未開封の状態である場合や正しく保存できていた場合の賞味期限です。開封後は賞味期限の日にちに関係なくできるだけ早めに使い切りましょう。
浮き粉は、直射日光の当たる場所や高温多湿の場所を避けた冷暗所で常温保存することができます。
開封後は密閉できる容器に移し替えて保管しましょう。
浮き粉などの粉物にはコナダニが繁殖してしまう可能性があるため、注意が必要です。湿気が高い季節は冷蔵庫に入れて保存することでダニの侵入や繁殖のリスクを減らすことができますが、温度の変化によって結露ができてしまうと湿気でカビが生えてしまう可能性があるので注意してください。
浮き粉100gに含まれている成分は、下記の通りです。
たんぱく質…0.2g
脂質…0.5g
炭水化物.86.06g
食物繊維…0g
カリウム…8mg
カルシウム…14mg
マグネシウム…5mg
リン…33mg
鉄…0.6g
亜鉛0.6g
胴…0.02g
マンガン…0.066
浮き粉100gのカロリーは、360kcalです。これは、お茶碗大盛りのご飯(200g)のカロリーよりも高いです。糖質量は炭水化物から食物繊維を引いた値ですが、浮き粉には食物繊維が含まれていないので、浮き粉粉の糖質が約86gです。これは、うどん1玉(230g)の糖質量の約2倍です。
ちなみに浮き粉を使用して作る久寿餅は、一人前(100g)88kcalで糖質量は19gほどです。低カロリーで低糖質のように思えますが、きな粉や黒蜜をかけるとカロリーは200kcal前後となり、糖質量は20gほどです。大福などの和菓子と比べると低カロリーで糖質量も少ないですが、食べ過ぎると太る原因になるので注意が必要です。
浮き粉は自宅で作ることができます。
強力粉…150g
水…75cc
強力粉や薄力粉、中力粉など小麦粉であればどれを使っても作ることができますが、グルテンを最も多く含む強力粉が適しています。まず、ボウルに強力粉を水75ccを入れてよくこねます。よくこねたら、生地を丸めてラップをかけ1時間程寝かせます。1時間程寝かせたら、生地をサラシなどに包んで水の中で揉んでいきます。揉むと水が白く濁っていくので、白く濁った水を別の容器に移しながら水が透明になるまで繰り返します。水が透明になったら、別の容器にうつした白い水を一晩そのまま置いておきます。一晩おくと、でんぷんが沈殿した白い部分と上澄みの二層にわかれるので、上澄みを捨てて白いでんぷんの部分を風通しのよいところに置いて乾燥させます。でんぷんが乾燥したらフードプロセッサーで粉砕し、さらにふるいにかけて細かくしたら完成です。
薄力粉は浮き粉の代用品になります。
ただし、浮き粉とは異なりグルテンが含まれるため食感などに違いがでます。薄力粉を浮き粉の代用品として焼き菓子や揚げ物を作ると、浮き粉を使うよりもずっしりとした食感になります。また、餃子などを作る場合は浮き粉のようにぷりっとした食感に仕上げることはできません。さらに薄力粉でとろみをつける場合は浮き粉よりも粘度が低いためサラっとしたとろみになります。そのため薄力粉は、あんかけよりもホワイトソースなどを作るときのとろみ付けに適しています。
薄力粉は、小麦を製粉した小麦粉の一種です。胚芽と外皮を取り除いてから製粉された小麦粉は色が白く、グルテン(麩質)の量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。小麦粉の種類は製粉方法ではなく、原料小麦の品種によって決まります。見た目はどれも白い粉で目視では判別できません。
薄力粉は、粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)という種類の小麦から製粉されており、グルテンの含有量が最も少ない小麦粉です。原料は浮き粉と同じ小麦ですが、でんぷんを取り出しているわけではないので、でんぷん粉の一種ではありません。
浮き粉の見た目は白く無臭ですが、薄力粉は少し黄色がかった色をしていて独特の香りがあります。また、粒が細かくしっとりしていて、手で握るとある程度固まります。
薄力粉はグルテン量が少ないため粘りが出にくいのが特徴で、水でこねるとふんわりとした生地になります。そのため、クッキーやスポンジケーキなどのお菓子作りに使われます。また、天ぷらや唐揚げの揚げ物にも薄力粉がよく使われ、歯切れのよい食感に仕上がります。
片栗粉は浮き粉の代用品になります。片栗粉の糊化温度は55~66℃で、料理にとろみを付けることができる他、揚げ物の衣としても使ったり焼き菓子を作るときなど、浮き粉とほぼ同じ使い方をすることができます。
ただし、浮き粉とは異なり冷やすと固くなってしまいやすいので注意が必要です。
片栗粉(かたくりこ)はじゃが芋のでんぷんを乾燥させ粉状にしたでんぷん粉一種です。
その昔、「カタクリ(片栗)」と呼ばれるユリ科植物の鱗茎(球根)からとれるデンプンを原料にして作られていたので「片栗粉」という名前がついています。「栗」がついていますが、栗を原材料としているわけではありません。カタクリが減少し、明治以降にジャガイモが大量栽培されるようになると、原材料はじゃが芋のでんぷん(馬鈴薯澱粉)に切り替わっていきました。
片栗粉も浮き粉と同じくでんぷん粉の一種ですが、浮き粉は小麦のでんぷんを原料にして作られているので、原料が異なります。
片栗粉は、まず原料のじゃがいもを水でよく洗って汚れを落としたあと、洗ったじゃが芋をすりつぶして液体状にし、繊維質や不純物を取り除きます。その後洗浄し(~3回繰り返す)、しばらく寝かせて下に溜まった澱粉(でんぷん)を取り出し乾燥させるという方法で製造されています。
片栗粉の見た目も浮き粉を同じく白く、しっとりとしています。
片栗粉は無味無臭で熱湯を加えるか水を加えて加熱すると粘性の強い液体になるという特徴があり、糊化温度は55~66℃です。料理にとろみを付けることができる他、揚げ物の衣としても使ったり焼き菓子を作るときに使われます。
コーンスターチは浮き粉の代用品になります。ただし、原料が異なるため見た目や食感に違いがでます。例えばコーンスターチを使って餃子などを作った場合、透明にならず食感も異なります。また、コーンスターチの糊化温度は65〜76℃で、粘度は低くさらっとしています。
コーンスターチはトウモロコシのんぷんを原料に作られるでんぷん粉の一種です。
コーンスターチに使われるトウモロコシは、一般的によく食されるスイートコーン(甘味種)ではなく、デントコーン(馬歯種)という品種です。スイートコーンは糖質が高くデンプンが少ないため、コーンスターチに向きません。
コーンスターチは、硬いトウモロコシをふやかすために薬品に漬け、機械で粉砕され、胚芽、皮、タンパク質、でんぷん粉に分けられ、でんぷん粉がコーンスターチとして販売されます。
コーンスターチの見た目も白く、無臭で粒子は細かいです。指で触るとまとわりつく感覚があります。
コーンスターチの糊化温度は65〜76℃で、粘度は低くさらっとしています。料理にとろみをつけることができますが、浮き粉とは違い透明になりにくく、風味も異なるので注意が必要です。コーンスターチでつけるとろみは、温度が下がっても粘度が持続するという特徴があるので、冷まして食べるお菓子のとろみ付けに使われることが多く、カスタードクリームやチーズケーキ、パンナコッタなどの使用に適しています。
くず粉は浮き粉の代用品として使うことができます。ただし、原料が異なるため風味に違いがでます。例えばくず粉を使ってお好み焼きや焼き菓子などを作る場合、くずの苦味が出ることがあります。
くず粉は、くず粉に甘藷澱粉(かんしょでんぷん)や馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)、などを合わせたでんぷん粉の一種です。
くず粉はマメ科植物クズの根から得られるでんぷんを乾燥させて粉状にしたものです。くずの根っこの部分を掘り起こし、粉砕して水の中でもみだし根の中に含まれているでんぷんを沈殿させた後、水で晒してアク抜きし沈殿させる工程を何度も繰り返して不純物を取り除き、適当な大きさに砕いて乾燥させるという製造方法で作られています。
くず粉の生産量が少なく、高価であるためくず粉以外のでんぷん粉を合わせたものが「くず粉」として販売されるようになりました。製造メーカーによってくず粉の配合量などは異なり、近年では全くくず粉を配合していない甘藷澱粉100%のものが「くず粉」として販売されていることが多いです。ちなみに、くず粉以外のでんぷん粉を配合していないものを「本葛粉(ほんくずこ)」といいます。
くず粉の見た目は白く、小さな塊がたくさんありザクザクとしています。
くず粉は、水を加えて加熱すると透明になり粘度が出て、冷やすと固まるという特徴があります。その特徴を活かし、くず餅やくず切りなどの和菓子作りや焼き菓子作り、料理のとろみ付けに使われる事が多く、浮き粉とほぼ同じ使い方をすることができます。
タピオカ粉は浮き粉の代用品になります。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。例えばタピオカ粉を使って蒸し餃子を作った場合、浮き粉よりも弾力のあるもちもちとした食感に仕上がります。
タピオカ粉は、キャッサバの根茎から抽出したでんぷんを乾燥させて粉状にしたでんぷん粉の一種で、「タピオカでん粉」や「タピオカスターチ」、「マニオカでんぷん」「ユカでんぷん」ともいいます。
キャッサバはトウダイグサ科イモノキ属に分類される芋の一種です。キャッサバには、大きな根を付ける苦味種(にがみしゅ)と、小さく苦味のない甘味種(かんみしゅ)の2つの種類があり、タピオカ粉には甘味種を原料にしています。タピオカ粉も浮き粉と同じくでんぷん粉の一種ですが、原料が違います。
タピオカ粉の見た目は白く、しっとりしていて片栗粉に似ています。
タピオカ粉は水を加えて加熱することによって糊化(こか)する性質があり、もちもちとした食感を与えます。タピオカ粉の糊化温度は56℃〜60℃で、80℃以上で完全に膨潤(水分を吸収して体積が増加する)します。また、糊化する際に大量の水分を吸収する他、キャッサバのでんぷんは老化しにくいため時間がたっても固くならないという特徴があります。タピオカはもちろんのこと、料理にとろみを付けたり焼き菓子や揚げ物の衣として使うことができます。
上新粉は浮き粉の代用品になります。
ただし、原料や粒子の大きさが異なるため食感などに違いがでます。例えば上新粉を使って蒸し餃子を作ると浮き粉のように透明にはならず、しっかりとした歯ごたえのある食感になります。ぷりっとした食感を出したいのであれば浮き粉を使いましょう。また、浮き粉よりも粘度が低いため料理にとろみを付けるとさらっとしたとろみになります。さらに、上新粉は粒度が細かいため焼き菓子などに使うとキメが細かくなめらかに仕上がります。
上新粉は、うるち米を原料にして作られる米粉の一種です。
うるち米とは、一般的に食べられている半透明のお米のことです。有名な品種には「あきたこまち」や「コシヒカリ」などがあります。うるち米と対になるのはもち米です。もち米とは白く不透明で、お餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。もち米と対になるのは「うるち米」です。上新粉はでんぷんを精製しているわけではないので、でんぷん粉の一種ではありません。
上新粉は、2ロール製法という製造方法で製粉したものうるち米をふるいにかけて粒子の粗いものと細かいものとでわけたもののうち、目の細かいほうが上新粉になります。目の粗いほうは「並新粉(なみしんこ)」といいます。
2ロール製法は、水洗いした米を乾燥させロール製粉機で製粉するという方法です。胴搗き製法したものよりも強い粘性がありますが、水分量が少ないため硬化が早いです。
上新粉の見た目は白く、粒子が細かいためサラサラとしています。
上新粉はお湯を加えてこねるとお餅のようになる特徴があるため団子やすあま、ういろうなどの和菓子を作る際や、焼き菓子や洋菓子を作るときの小麦粉の代用品をして使われます。また、ちまきに使われたり料理のとろみ付けに使うことができます。
米粉は浮き粉の代用品になります。
ただし、原料や粒子の大きさが異なるため食感などに違いがでます。例えば米粉を使って蒸し餃子を作ると浮き粉のように透明にはならず、なめらかな食感になります。ぷりっとした食感を出したいのであれば浮き粉を使いましょう。また、浮き粉よりも粘度が低いため料理にとろみを付けるとさらっとしたとろみになります。さらに、粒度が細かいため焼き菓子などに使うとキメが細かくなめらかに仕上がります。
米粉とは、米を製粉した白い粉の総称です。
米粉は大別してもち米から作られるものと、うるち米から作られるものがあります。
もち米からなる代表的な米粉は白玉粉です。
うるち米からなる代表的な米粉は上新粉です。
スーパーなどで「米粉」や「米の粉」として売られているものには「製菓用米粉」とグルテンを添加した「製パン用米粉」の二種類があり、原料はうるち米なので、上新粉と同じですが上新粉とは製法が異なります。
一般的には、うるち米からロール製法で作られた粉が「上新粉」、胴搗き製法で作られた粉がスーパーなどで売られている米粉や米の粉に分類されます。
胴搗き製法は、精米後にお米の水分が多く保たれた状態で、杆搗き臼(きねつきうす)で徐々に細かくしていく製法です。徐々に細かくしていくので時間はかかりますが、より質の良い粉が得られます。
米粉はクッキーやケーキなどの洋菓子や焼き菓子を作るときの小麦粉の代用品として使われます。
白玉粉は浮き粉の代用品になります。
ただし、浮き粉とは原料が異なるので食感などに違いがでます。例えば米粉を使って蒸し餃子を作ると浮き粉のように透明にはならず、もちもちとした食感になります。ぷりっとした食感を出したいのであれば浮き粉を使いましょう。また、浮き粉よりもしっかりとしたとろみをつけることができます。
白玉粉は、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。古くは寒い冬の季節に作られていたため「寒晒粉(かんざらしこ)」という別名があります。
白玉粉は、もち米を水洗いして水に浸して吸水させ、原料に対して1〜2倍の水を加えながら石臼で水びきします。この時に出る乳液をふるいにかけて粗粒を分離して、再び粗粒を水びきしたら、沈殿したもの(でんぷん)を圧搾機で脱水し、脱水したものを賽の目切りにして乾燥させるという製造方法で作られます。
白玉粉は、細かいかたまりが多くありザクザクとしていてくず粉の見た目に似ています。
白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させて作られているため、米粉というよりはでんぷん粉に近く、独特の風味があります。もち米のでんぷんは粘り気を出す働きのあるアミロペクチンできているので、白玉粉には強い粘り気を出すという特徴があります。また、粒子が細かいためやわらかくなめらかな食感を出すことができる他、冷めても固くならないという特徴があり、白玉団子や大福などの和菓子に使われることが多いです。また、ケーキなどの焼き菓子に使ったり揚げ物の衣としても使うと、もちっとした食感に仕上げることができます。
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