しいたけには虫がついていることがあります。本記事では虫がついているしいたけは食べられるのかどうかやしいたけについた虫を取る方法などを紹介します。
スーパーなどで販売されているしいたけは、虫食いやカビ、汚れなどの不良品を取り除くために慎重に選別されており、しいたけの表面に付着している樹皮や小石などの異物も取り除かれます。しかし、流通時に虫がついてしまうこともあります。
また、自宅で栽培キットを使ってしいたけを栽培する場合に虫がついてしまいやすいです。
しいたけに虫がついてしまっていた場合、衛生面上食べられるのか心配になる方が多いかと思います。基本的に白い虫や黒い虫など小さな虫がひだなどについているだけで腐敗している様子が見られなければ、虫を取り除けば食べても大丈夫です。
万が一虫がついていることに気がつかずに食べてしまった場合でも、人体に害はないと言われています。
虫がついているところを見てしまうと気分は悪いですが、しいたけ自体が腐敗していたり鮮度が落ちているわけではないのでしっかりと取り除いて食べるようにしましょう。
白い虫や黒い虫など、だいたいの虫はしいたけについてしまっても食べることができます。しかし、万が一なめくじがついていたという場合は食べずに破棄するのが無難です。
なめくじには、「広東住血線虫」と呼ばれる寄生虫がいる可能性があり、広東住血線虫を口に入れてしまうと頭痛や吐き気、倦怠感などの症状が出る可能性があります。また、細菌などを媒介することもあります。
なめくじがつくことはあまりありませんが、万が一ついているようであれば破棄しましょう。
出典:住血線虫症(厚生労働省)
市販の乾燥しいたけの場合は開封前の密閉された状態であれば、虫がついているということはほとんどありません。
しかし、開封後は正しく保存できていないと虫がついてしまうことがあります。そのため、水で戻したときに虫が一緒に浮いていて驚いたことがある方も多いでしょう。
乾燥しいたけの場合も虫がついていたと思うと食べる気が失せてしまいますが、しっかり除去できていれば食べても問題ありません。
しいたけにつく虫の種類は下記の通りです。
しいたけについていることが多い虫は、白〜半透明のフタモントンボキノコバエやナカモンナミキノコバエの幼虫です。しいたけの傘の裏についているひだに潜んでいることが多いです。
しいたけ以外のきのこ類についていることもあり、きのこにつく虫の多くはハエの幼虫です。蝿(ハエ)と聞くと不衛生だと感じる方も多いと思いますが、上述したように人体に害がないことに加えて、しいたけにも悪い影響を及ぼさないといわれています。
しいたけには黒い虫がついていることもあります。しいたけについていることが多い黒い虫は、トビムシです。
トビムシは細長い形をしていて、かなり小さいのが特徴です。一見黒いカスがついているように見えますが、よく目を凝らしてみるとうじゃうじゃと動いています。
トビムシがついている場合も見た目は気持ちが悪いですが、食べても人体に害はありません。
乾燥しいたけについてしまうことが多い虫は「タバコシバンムシ」です。
タバコシバンムシは、体長は約2〜3mm程度の小さな甲虫です。体色は茶色から黒褐色で、楕円形の体型をしています。また、翅を持ち、飛行能力を持つことも特徴です。
タバコシバンムシは乾燥した食材を好むため、乾燥しいたけを開封後正しく保存できていないとあっという間に増えていってしまいます。
しいたけは基本的に洗わずに調理したり保存することができます。しかし、虫がついているとなると、やはりしっかり取り除くべきです。冷凍保存する場合なども、予め虫がいないことを確認し、虫がついていた場合は除去してから冷凍するようにしましょう。
しいたけの場合は、主に原木栽培と菌床栽培の2つの方法で栽培されます。
原木栽培では、しいたけの菌糸を植えつけた木の原木(げんぼく)にしいたけを栽培します。しいたけは木の中の栄養を利用して成長し、木の表面にきのこが現れます。
菌床栽培では、しいたけの菌糸を培地(菌床)に接種して栽培します。培地は通常、稲わらや木くずなどの有機物で作られます。しいたけは培地の中で栄養を摂取し、きのことして成長します。
原木栽培は菌床栽培と比較して虫がつきやすいです。
しいたけにつく虫はしいたけを食べてしまいます。そのため、自分の体長と同じぐらいの穴をポツポツと開けていきます。
スーパーで販売されるしいたけに関しては、生産者側やお店で虫がついているしいたけを取り除いていることがほとんどなのですが、自家栽培のしいたけなど虫がついているのが原因で穴があいていることがあるので、穴が空いていた場合は要注意です。
上述したように、虫はしいたけを食べてしまいます。そのため傘の裏側も穴があいてスポンジのようにスカスカになってきます。
しいたけの裏側がスカスカなっている場合は虫が潜んでいないかしっかりと確認しましょう。
しいたけは旨味成分を流出させないためにも洗わずに調理することが推奨されます。
虫がついている場合はさすがに洗わずに使う選択はとれませんが、できるだけ旨味成分や栄養素の流出はさけたいですよね。しいたけに虫がついていたときの対処法を紹介します。
塩分濃度が3~5%になるように、たっぷりの水に塩を入れた塩水にしいたけをつけると、素早く虫を落とすことができます。
具体的には、1リットルの水に対して30~50グラムの塩を使用します。しいたけの裏側を塩水に浸し、完全に浸かるようにします。しいたけが沈むように重しを乗せることもできます。しいたけを塩水に浸す時間は約10分程度です。
塩水に浸している間に、しいたけについていた虫が自然と出てきます。虫が出てくるのを確認したら、虫を取り除きます。また、塩水の中でしいたけがふやけていることで、ひだに詰まっていたゴミや汚れも取り除かれます。
塩水につけるとしいたけの旨味成分や栄養素が流出してしまうのを防げるといわれることがありますが、科学的根拠はありません。塩水にひたすということは、水溶性の栄養素が流出してしまうので、長く塩水につけすぎないことが大切です。
しいたけを袋に入れて密閉することでも虫を除去することができます。
密閉することで内部の空気がなくなり、虫は窒息死すると考えられています。この方法では、塩水処理と比較して栄養素の流出の心配はありません。
具体的な手順は、しいたけを袋に入れて密封し、通気性のない状態にしておくだけです。密封後は約1日そのまま放置し、使用する際に洗って虫を取り除きましょう。
ただし、この方法は1日ほど置く時間が必要なので時間がかかるのがデメリットといえます。また、しいたけが密閉された状態で水分が蒸れることもありますので、虫を除去したら早めに袋を開けてしいたけを取り出し、使用することをおすすめします。
密閉する方法は栄養を保ったまま虫を除去できる利点がありますが、時間がかかるため急いで使用する必要がない場合に試してみると良いでしょう。
ただし、しいたけは鮮度を保つために早めに調理することが望ましいので、密閉処理後はできるだけ早く使用することを忘れずに心掛けてください。
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