文字通りタピオカを作るときに使うタピオカ粉ですが、原料や製造方法をご存知ですか?また、タピオカ作り以外での用途や代用品、片栗粉との違いも解説します。
タピオカ粉は、キャッサバの根茎から抽出したでんぷんを乾燥させて粉状にしたでんぷん粉の一種で、「タピオカでん粉」や「タピオカスターチ」、「マニオカでんぷん」「ユカでんぷん」ともいいます。
キャッサバはトウダイグサ科イモノキ属に分類される芋の一種です。キャッサバには、大きな根を付ける苦味種(にがみしゅ)と、小さく苦味のない甘味種(かんみしゅ)の2つの種類があり、タピオカ粉には甘味種を原料にしています。ナイジェリアやタイ、インドネシア、マレーシア、ブラジルなどが主産地ですが、最近では東南アジアでも生産されています。
わらびのでんぷんを乾燥させて粉状にするわらび粉などと比べると、キャッサバからでんぷんを分離するの容易であり、さらに製造中に不純物が混入しにくいため良質のでんぷん粉を得ることができます。
販売されているタピオカ粉の中には原材料名が「酢酸澱粉(さくさんでんぷん)」となっている場合があります。酢酸澱粉は、でんぷんに化学的薬品を加えるなどしてでんぷんの特性を改良した加工デンプンの一種です。食品添加物であるため、食品添加物を避けている方やケミカルアレルギーのある方は購入する際に原材料の確認をしてから購入しましょう。
タピオカ粉の見た目は白く、しっとりしていて片栗粉に似ています。
タピオカ粉は水を加えて加熱することによって糊化(こか)する性質があり、もちもちとした食感を与えます。糊化とは、粘りのある状態になることです。タピオカ粉は56℃〜60℃で糊化がはじまり、80℃以上で完全に膨潤(水分を吸収して体積が増加する)します。また、糊化する際に大量の水分を吸収する他、キャッサバのでんぷんは老化しにくいため時間がたっても固くならないという特徴があり、食用や工業用など様々な用途で使われます。
タピオカ粉の原料であるキャッサバに「グルテン」は含まれません。
グルテンは小麦などに含まれるたんぱく質の一種です。グルテンは料理をおいしくしますが、アレルギーの原因となる他、消化されにくいという性質があり、肥満やむくみの原因となったり、疲れやすくなるなどの症状が身体に出ることもあります。そのため、近年グルテンを摂取しないグルテンフリーの生活を人も多くいます。
タピオカ粉にはグルテンが含まれないため、小麦アレルギーの方やグルテンフリーの生活をしている人も小麦粉の代用品として使うことができます。
タピオカ粉はでんぷん粉なので、片栗粉などと同じように生で食べると消化不良を起こしてしまいます。基本的にはタピオカにしたり製菓材料として火を通して使います。
タピオカ粉はその名の通り、タピオカの原料として使われます。
タピオカ粉を水で溶いて加熱した後、粒状にして乾燥させたものをお湯で茹でて戻すとタピオカになります。本来のタピオカは乳白色でココナッツミルクなどに入れることが多く、黒砂糖などで着色されるとタピオカドリンクに入っている黒色のタピオカになります。タピオカ粉で作るタピオカはのどごしがよく、ミルクティーなどドリンクに入れることが多いです。
タピオカ粉は、小麦粉の代用品として使いパンを作ることもできます。
タピオカ粉を材料に使っていることで有名なパンは「ポンデケージョ」です。ポンデケージョはブラジルが発祥のパンで、ポルトガル語で「チーズパン」という意味があります。タピオカ粉を使うことで、外はパリッと中は柔らかくもちもちの独特の食感を生み出すことができます。小麦粉アレルギーのお子様のおやつや離乳食にもぴったりです。
また、ポンデケージョだけではなく、蒸しパンなど様々な種類のパンやフォッカッチャ、ピザ生地も作ることが可能です。
パンケーキやワッフル、シュークリーム、クレープなどの洋菓子を作ることもできます。小麦粉の代わりタピオカ粉を使うことで、もちもちとした食感に仕上がります。
ブラジルではタピオカ粉を原料に作った生地でクレープを作るのが人気で、日本では粒状にしたものを「タピオカ」と呼んでいますが、ブラジルではタピオカ粉で作ったクレープ生地も「タピオカ」と呼びます。
小麦粉で作るクレープ生地よりもザラザラしており、厚みがあってモチモチしています。
「タピオカ粉」という名前から和菓子とは無縁のようにも思えますが、上述したように水を加えて加熱すると糊化しお餅のようになる性質があるので、団子やくず餅、わらび餅、求肥、大福などの和菓子を作ることができます。海外では、白玉粉などがなかなか手に入らないためタピオカ粉で代用されることが多いです。
また、タピオカ粉を使って今川焼きや鯛焼き、どらやきを作るともちもちの食感をプラスすることができます。
タピオカ粉は、唐揚げや天ぷらの衣として使うこともできます。小麦粉を衣にして揚げたものよりも、サクサクの食感になります。例えば、鶏むね肉を一枚薄く伸ばし、タピオカ粉の衣をつけて揚げると台湾唐揚げ「大鶏排(ダージーパイ)」を作ることができます。ただし、衣を厚く付けすぎてしまうとガチガチになってしまい食べにくくなってしまうので、注意が必要です。
うどんやラーメン、パスタなどの麺は小麦粉を原料に作られていますが、タピオカ粉を混ぜて作ることでつるつるモチモチとしたのどごしの良い麺を作ることができます。実際に市販されている麺の原料には小麦粉の他にタピオカ澱粉と記載されているものが多いです。また、米粉とタピオカ粉を使ってグルテンフリーの麺を作ることもできます。
ベトナムでは、「バイカン」というタピオカ粉で作った麺料理があります。タピオカ粉のみで作る麺の見た目は白滝(しらたき)に似ていて、やはり弾力がありモチモチとした食感です。
ライスペーパーは、お米に水を加えたものを丸く伸ばして乾燥させたベトナムの食材で、生春巻きの材料として使われます。
古くはお米のみを原料に作られていましたが、タピオカ粉を入れて作ることで、ライスペーパーの強度が増し、もちっとした食感になる他、お米のみで作るライスペーパーよりも透明度が高くなり見た目も美しくなるため、現在はお米よりも多くのタピオカ粉を使って作られていることが多いです。
タピオカ粉を使って、透明の皮が特徴的な蒸し海老餃子を作ることができます。本来は、うき粉を使って作りますが、タピオカ粉で代用可能です。また、一般的な餃子を作ることもできます。タピオカ粉を使って皮を作ると、小麦粉のみで作る皮よりももちもちとした食感に仕上がります。
台湾では、さつまいも団子(地瓜圓)にも使われています。
タピオカ粉は片栗粉のように料理にとろみをつけることができるので、タピオカ粉を使ってあんかけやホワイトソースを作ることができます。離乳食にもちょうど良いとろみです。例えば、ひき肉や魚などぱさついて飲み込みにくいものを与えるときに、タピオカ粉でとろみをつけてあげると食べやすくなります。どんな食べ物でも食物アレルギーを発症する可能性は0ではありませんので、初めて食べさせる時は必ず少量から初めましょう。
その他にも、タピオカ粉はいもくずの天ぷらやジーマーミー豆腐やサーターアンダーギーなど沖縄料理でもよく使われます。
タピオカ粉は、犬が食べても問題ありません。アレルギーがある犬用のドックフードではタピオカ粉が使われていることもあります。ただし、タピオカにしたものはカロリーが高く肥満の原因になる他、窒息などの危険があるため与えないようにしましょう。
タピオカ粉は、56℃〜60℃で糊化がはじまり、80℃以上に完全に膨潤することや抱水力が高いという性質をもつことから、建材の接着する際にも使うことができます。
また、タピオカ粉に水を入れて混ぜると、粘土を作ることができます。原料がキャッサバのでんぷんであるため誤って口に入れても安全で、小さなお子様の五感を育てる感触遊びにぴったりです。お水の量を少なめにすると固めの粘土になり、お水の量を多めにすると、どろどろとしたスライムのようになります。
タピオカ粉は、イオンや業務スーパーなどの大手スーパーやカルディなどで購入することができます。
スーパーであれば、片栗粉などが置かれている粉物のコーナーや製菓コーナーに置かれていることが多いです。しかし、タピオカ粉を取り扱っていないスーパーも多いため、直接購入するのであれば製菓材料専門店のほうが良いでしょう。また、Amazonや楽天などのインターネット通販でも購入することができます。
タピオカ粉の値段は、製造メーカーによって異なりますがだいたい500g450円〜600円程です。
タピオカ粉の賞味期限はだいたい1年程です。ただし、記載されているのは未開封の状態での賞味期限であることが多いため、開封をしたらできるだけ早めに使いきるようにしましょう。
タピオカ粉は、直射日光が当たる場所や高温多湿の場所を避けた冷暗所で常温保存します。開封後は密閉できる容器に移し替えて保管します。
タピオカ粉100gに含まれる成分は、下記の通りです。
たんぱく質…0.1g
脂質…0.2g
炭水化物…85.3g
鉄…0.3mg
カルシウム…28mg
マグネシウム5mg
タピオカ粉は、製造過程で原料であるキャッサバのビタミンやミネラルがほどんど流れ出てしまうため栄養素はほとんど残っていませんが、体に悪い成分は含まれていません。
キャッサバには「青酸配糖体(シアン化合物)」という成分が含まれており、猛毒を生む性質があるためタピオカ粉は「毒がある」「体に悪い」といわれることがありますが、日本では適切に処理をし無毒化されたキャッサバのみを輸入しているため安心して口にすることができます。
タピオカ粉100gのカロリーは346kcalです。これは、お茶碗大盛りのご飯(200g)のカロリーよりも高いです。糖質量は炭水化物から食物繊維を引いた値ですが、タピオカ粉に食物繊維はほとんど含まれていないので、タピオカ粉の糖質約85gです。これは、うどん1玉(230g)の糖質量の約2倍です。さらにタピオカ粉は、そのままでは味がしないため、砂糖で甘みをつけたりして使うことがほとんどです。そのため、食べすぎると太ってしまう原因になります。
茹でたタピオカは100gで62kcalほどで、糖質量が約15gです。甘い飲み物にタピオカを入れるとさらにカロリーが高くなり、糖質量も多くなってしまいます。ダイエット中の方がタピオカドリンクを飲む際は、ストレートティーや烏龍茶などカロリーのが低く砂糖が入っていない飲み物を選ぶと良いでしょう。
タピオカのGI値は70です。
GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。
タピオカ粉は弾力があるため歯ごたえがありますが、血糖値が一気に下がりやすく空腹を感じやすいため腹持ちが良いともいえません。そのためタピオカはダイエットに利点があるとはいえないでしょう。
キャッサバ粉はタピオカの代用品になります。ただし、タピオカ粉とは製法が異なるため食感などに違いがでます。キャッサバ粉はタピオカ粉よりも粘性が低いため、キャッサバ粉で作ったタピオカはタピオカ粉で作るタピオカよりも弾力が劣ります。また、料理にとろみをつける場合もサラっとしたとろみになります。
キャッサバ粉は、タピオカ粉と同じくキャッサバを原料にして作られた粉です。
タピオカ粉はキャッサバの根茎からでんぷんを乾燥させて粉状にしているのに対して、キャッサバ粉はキャッサバの根の皮を剥き、乾燥させて粉状にしています。キャッサバの根をそのまま使用しているため、でんぷんを取り出して粉にしているタピオカ粉よりもビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。
キャッサバ粉の見た目は白く、サラサラとしています。
キャッサバ粉は無味無臭でクセがないため、小麦粉の代用品として使われることが多いです。
片栗粉はタピオカ粉の代用品としてタピオカやパンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことができます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。例えば片栗粉でタピオカを作ると弾力があまりでません。しっかりとした弾力を求める場合はタピオカ粉を使いましょう。
片栗粉(かたくりこ)はじゃが芋のでんぷんを乾燥させ粉状にしたでんぷん粉一種です。
その昔、「カタクリ(片栗)」と呼ばれるユリ科植物の鱗茎(球根)からとれるデンプンを原料にして作られていたので「片栗粉」という名前がついています。「栗」がついていますが、栗を原材料としているわけではありません。カタクリが減少し、明治以降にジャガイモが大量栽培されるようになると、原材料はじゃが芋のでんぷん(馬鈴薯でん粉)に切り替わっていきました。
片栗粉は、まず原料のじゃがいもを水でよく洗って汚れを落としたあと、洗ったじゃが芋をすりつぶして液体状にし、繊維質や不純物を取り除きます。その後洗浄し(~3回繰り返す)、しばらく寝かせて下に溜まった澱粉(でんぷん)を取り出し乾燥させるという方法で製造されています。
片栗粉の見た目も白く、タピオカ粉と同じようにしっとりとしています。
片栗粉は無味無臭で熱湯を加えるか水を加えて加熱すると粘性の強い液体になるという特徴があり、料理にとろみを付けるときに使うことが多いです。また、片栗粉も揚げ物の衣としても使うことができる他、焼き菓子を作るときに使うことができます。
コーンスターチはタピオカ粉の代用品としてタピオカやパンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことができます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。コーンスターチはタピオカ粉よりも粘性が低いためタピオカ粉で作るタピオカのような弾力のある食感にはなりません。しっかりとした弾力を求める場合はタピオカ粉を使って作りましょう。
コーンスターチはトウモロコシのんぷんを原料に作られるでんぷん粉の一種です。
コーンスターチに使われるトウモロコシは、一般的によく食されるスイートコーン(甘味種)ではなく、デントコーン(馬歯種)という品種です。スイートコーンは糖質が高くデンプンが少ないため、コーンスターチに向きません。
コーンスターチは、硬いトウモロコシをふやかすために薬品に漬け、機械で粉砕され、胚芽、皮、タンパク質、でん粉に分けられ、でん粉がコーンスターチとして販売されます。
コーンスターチは、すごく細かい粒子の白い粉で無臭です。指で触るとまとわりつく感覚があります。
コーンスターチの糊化温度は65〜76℃で、粘度は低くさらっとしています。
コーンスターチは、クッキーなどの焼き菓子をはじめ、料理にとろみをつけたり揚げ物の衣として使うことが多いです。コーンスターチでつけるとろみは、温度が下がっても粘度が持続するという特徴があるので、冷まして食べるお菓子のとろみ付けに使われることが多く、カスタードクリームやチーズケーキ、パンナコッタなどの使用に適しています。
白玉粉はタピオカ粉の代用品としてタピオカを作ることはできません。なぜならタピオカ粉とは原料が異なり性質も違うためです。白玉粉も粘性があるのでタピオカのように成形することはできますが、見た目も食感も全く異なる別物ができます。一方でパンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことはできます。
ただし、原料が違うため食感などに違いが出ます。白玉粉を使うともちっとした食感に仕上がります。
白玉粉は、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。古くは寒い冬の季節に作られていたため「寒晒粉(かんざらしこ)」という別名があります。
もち米とは白く不透明で、お餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。もち米と対になるのは「うるち米」です。うるち米は、一般的に食べられている半透明のお米のことです。有名な品種には「あきたこまち」や「コシヒカリ」などがあります。
白玉粉は、もち米を水洗いして水に浸して吸水させ、原料に対して1〜2倍の水を加えながら石臼で水びきします。この時に出る乳液をふるいにかけて粗粒を分離して、再び粗粒を水びきしたら、沈殿したもの(でんぷん)を圧搾機で脱水し、脱水したものを賽の目切りにして乾燥させるという製造方法で作られます。
白玉粉は、細かいかたまりが多くありザクザクとしています。白玉粉の細かいかたまりは、触れるとすぐに崩れます。
白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させて作られているため、米粉というよりはでんぷん粉に近く、独特の風味があります。もち米のでんぷんは粘り気を出す働きのあるアミロペクチンできているので、白玉粉には強い粘り気を出すという特徴があります。また、粒子が細かいためやわらかくなめらかな食感を出すことができる他、冷めても固くならないという特徴があり、白玉団子や大福などの和菓子に使われることが多いです。
強力粉はタピオカ粉の代用品としてタピオカを作ることはできません。なぜなら、原料や性質が違うためです。強力粉を使ってタピオカを作ると全くの別物になります。一方で、パンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことはできます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いが出ます。強力粉にはグルテンが含まれるため洋菓子などを作るとふんわりと仕上がります。
強力粉(きょうりきこ)は小麦粉の一種で、粒が最も硬い硬質小麦という種類の小麦を製粉したものです。
小麦を製粉した粉を小麦粉といいます。胚芽と外皮を取り除いてから製粉された小麦粉は色が白く、グルテン(麩質)の量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。小麦粉の種類は製粉方法ではなく、原料小麦の品種によって決まります。
強力粉は、小麦を挽いた後、ふるう・分離させるを繰り返して製造されています。
見た目は白色く粒が粗いのが特徴で、手で握っても指跡がつかないほどにサラサラしています。
強力粉は1.5~13.5%のグルテンを含み、粘りと弾力が最も強いのが特徴で、こねると生地がよく伸びモチモチふわふわの食感になるためパンやピザ生地を作る際に使われることが多いです。
薄力粉はタピオカ粉の代用品としてタピオカを作ることはできません。なぜなら、原料や性質が違うためです。薄力粉を使ってタピオカを作ると全くの別物になります。一方で、パンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことはできます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。薄力粉もグルテンが含まれるため洋菓子を作るとタピオカ粉よりもふわっと仕上がります。また、揚げ物の衣にするとサクッと歯切れがよくなります。
薄力粉(はくりきこ)も小麦粉の一種です。粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)という種類の小麦から製粉されています。「薄力小麦粉」といわれる場合もありますが、全く同じものを指し、違いはありません。「薄力小麦粉」を略して生まれたのが「薄力粉」という言葉です。
製造方法は上述した強力粉と同じです。
見た目は上新粉と同じく白色です。強力粉と似ていますが、薄力粉は軟らかい小麦からつくられているため、粒が細かくしっとりしているの特徴です。手で握るとある程度固まります。
薄力粉はグルテンの含有量が6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と最も少ない小麦粉です。グルテン量が少ないため粘りが出にくいのが特徴で、水でこねるとふんわりとした生地になります。そのため、クッキーやスポンジケーキなどのお菓子作りに使われることが多いです。
米粉はタピオカ粉の代用品としてタピオカを作ることはできません。なぜなら原料や性質が異なるためです。米粉を使ってタピオカを作ると、見た目も食感も異なる別物になります。一方で、パンケーキなどの洋菓子を作ったり、料理にとろみを付けたり揚げ物の衣として使うことはできます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。米粉を使う場合、タピオカ粉のようにもちっとした食感を出すことができませんが、粒子が細かいためなめらかな仕上がりになります。また、粘性は低く米粉で作るとろみはサラっとしています。
米粉は、米を製粉した白い粉の総称です。
米粉は大別してもち米から作られるものと、うるち米から作られるものがあります。
もち米からなる代表的な米粉は白玉粉です。
うるち米からなる代表的な米粉は上新粉です。
スーパーなどで「米粉」や「米の粉」として売られているものには「製菓用米粉」とグルテンを添加した「製パン用米粉」の二種類があり、原料はうるち米なので、上新粉と同じですが上新粉とは製法が異なります。一般的には、うるち米から2ロール製法で作られた粉が「上新粉」、胴搗き製法で作られた粉がスーパーなどで売られている米粉や米の粉に分類されます。
2ロール製法
水洗いした米を乾燥させロール製粉機で製粉するという方法です。胴搗き製法したものよりも強い粘性がありますが、水分量が少ないため硬化が早いです。
胴搗き製法
精米後にお米の水分が多く保たれた状態で、杆搗き臼(きねつきうす)で徐々に細かくしていく製法です。ロール製法よりも時間はかかりますが、より良い粉が得られます。関西地方では古くよりこの製法が主流であり、関西では上用粉がよく使われます。
「米粉」や「米の粉」として売られているものは「上新粉」として売られているものよりも粒が細かいのが特徴で、主にクッキーなどを作る際の小麦粉の代用品として使われます。
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