保存していたアスパラガスがふにゃふにゃに柔らかくなってしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。本記事ではアスパラガスがふにゃふにゃになってしまう原因やふにゃふにゃになったアスパラガスを復活させる方法などを詳しく解説します。
保存していたアスパラガスを調理しようと思ったらふにゃふにゃに柔らかくなってしまっていたという経験がある方は多いのではないでしょうか。まずはじめにアスパラガスがふにゃふにゃになってしまう原因を解説します。
アスパラガスがふにゃふにゃになってしまうのは、水分が抜けてしなびてしまうためです。この場合は腐敗しているわけではないので食べることができますが、鮮度が落ちている状態なので早めに食べきるようにしましょう。
アスパラガスは収穫後も生長を続けます。そのため、保存している間も生長しようと水分や栄養分を消費してしまい長く保存していると水分が抜けて柔らかい状態になってしまうのです。
アスパラは上に伸びる性質があるため、特に横向きに置いて保存していたりすると穂先が上に向かって伸びようとするときに余計に水分や栄養を消費することになるため、しんなりとしてしまいやすいです。
アスパラガスは冷凍することでもふにゃふにゃとした柔らかい食感になります。この場合も腐敗しているわけではないので食べて問題ありません。
冷凍することで食感が失われてしまうのは、アスパラガスに含まれる水分が凍り解凍されるとそのまま水分として出てしまうためと、凍ることで食感となる繊維が壊れてしまうためです。
しっかりとした食感はなくなってしまいますが、繊維が壊れることで火が通りやすくなるというメリットもあります。
腐敗が原因で柔らかくなってしまっていることもあります。この場合は当たり前ですが食べることはできませんので破棄しましょう。
アスパラガスに限らず、食材は腐敗がすすむと柔らかくなり形が崩れていきます。軽く押しただけでグニュっと潰れてしまったり異臭がするといった場合は、腐敗しています。
腐敗しているアスパラガスの特徴は後述しますのでそちらを参考にしてください。
水分が抜けて柔らかくなってしまったアスパラガスは、調理をする前のひと手間である程度復活させることができます。
ふにゃふにゃになってしまったアスパラガスは、切り口を水につけておくことで復活させることができます。
まず、アスパラガスの根元を1cm程カットします。根元をカットしたらコップに入れた水にアスパラガスの根元がつかるように入れて、そのまま3時間程置いておきます。
そうすると、アスパラガスが水分を吸い再び張りを取り戻します。
アスパラガス全体を水につかるようにひたしても良いのですが、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えるため切り口だけを水につけるのが良いです。
ふにゃふにゃになったアスパラガスは50℃のお湯で洗うことでも復活させることができます。
まず、50℃のお湯をボウルに入れます。お湯の中にアスパラガスを入れて表面を洗い、そのまま2分〜3分置いておきます。ちなみに50℃のお湯は温度計を使っても良いですが、ない場合は沸騰させたお湯と水を1:1の割合で入れることで作ることができます。
お湯につけると逆にしんなりしてしまいそうな気がしますが、これはヒートショックと呼ばれるもので、50度のお湯につけることで閉じていた気孔が開き細胞が水分を吸いこむことができるため、みずみずしさを取り戻します。アスパラガス以外の野菜にも使える方法なので覚えておくと良いでしょう。
一度冷凍したアスパラガスは、全解凍するとふにゃふにゃになってしまいますし水っぽくなってしまいます。どうしても食感が損なわれてしまうので、冷凍したアスパラガスの場合は解凍せずにそのまま加熱調理するのがおすすめです。
解凍せずにそのまま炒めものにしたりスープにするなど加熱調理したほうが、食感や風味を損なうことなく美味しく食べることができます。
アスパラガスをふにゃふにゃにさせないためには、購入してから正しく保存し鮮度を保つことが大切です。特にアスパラガスは高温や乾燥に弱い野菜なので、常温保存はNGです。
購入したらすぐに食べる場合でも冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。
アスパラガスはキッチンペーパーとポリ袋に包んで冷蔵保存すれば、2〜3日保存が可能です。
アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。
アスパラガスは冷蔵保存するときは立てるのもポイントです。上述したようにアスパラガスを寝かせて置くと、立ち上がろうとして徐々に穂先が曲がっていきます。このときに栄養分や水分を消費してしまうので、鮮度と美味しさ、栄養価が損なわれてしまいます。コップや、ペットボトルを切って容器代わりにして使いましょう。
アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。
濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。
根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで乾燥を防ぐことができるので、10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。
その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。
茹でたアスパラガスを冷蔵で保存したい場合は冷水に浸けます。下茹でしたアスパラガスは傷みが早いので、この方法でも2〜3日が限界です。なるべく早く使い切るようにしましょう。
アスパラガスを美味しく長持ちさせるには硬めに塩茹でしてから冷凍するのがポイントです。アスパラガスを冷凍する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。
硬めに塩茹でしてキッチンペーパーで水けをしっかりとり、そのまま冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍室へ。金属トレイの上に乗せて冷凍室に入れると急速冷凍が可能です。切らずに冷凍しても凍ったまま包丁で切ることができます。切ったらそのまま調理に使えます。
黒くなった根元は5mmほど切りましょう。皮が硬いものは根元から1/3くらいピーラーでむきます。
サラダなどで使う場合は前日のうちに冷蔵に移して自然解凍を。前述した通り、冷凍したアスパラガスは食感が柔らかいのでサラダには向きません。
硬めに塩茹でしキッチンペーパーで水けをとったら、ぶつ切りや斜め切りにしてから冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れるのも◎。これだと凍ったまま、炒め物やスープ、パスタの具など調理に使えるのでとても便利です。
その他にも天日干しやオーブンで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、醤油や味噌に漬けて保存する漬け保存も可能です。アスパラの正しい保存方法はこちらの記事を参考にしてください。
水分が抜けて柔らかくなっただけであれば腐敗しているわけではないので食べることができますが、下記のような特徴があるアスパラは腐敗しています。
腐ったアスパラガスの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒・茶色に変色している
溶け出している
アスパラガスにフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。
アスパラガスは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒くなっていたり茶色くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。腐敗がすすむと水分が出てきたり溶け出している箇所があることもあります。このような場合は破棄しましょう。
腐ったアスパラガスの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミのような臭い
カビ臭い
酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。
アスパラガスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったアスパラガスの触感の特徴は下記の通りです。
柔らかい
ぬめりがある
アスパラガスを触ったときにグニュッとした感触があったり完全に張りがなくなっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なアスパラガスには切り口から水分が出てくることがありますが、ぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているアスパラは破棄しましょう。
ふにゃふにゃに柔らかくなってしまったアスパラガスも調理法を工夫すれば美味しく食べることができます。柔らかくなってしまったアスパラガスは加熱調理をして食べるのがおすすめです。
煮浸しと言えばほうれん草などの葉物野菜やナスなどの野菜を使って作ることが多いですが、アスパラガスを煮浸しにすることもできます。
柔らかくなってしまったアスパラガスは煮浸しにすることで、食感をカバーすることができますし味が染み込みやすい状態になっているので美味しく食べることができます。
シャキシャキとした食感は失われていますが、炒めものにしても良いです。シャキシャキとした食感はもやしなどその他の食感が楽しめる野菜を一緒に使うことでカバーすることができます。
アスパラガスに豊富に含まれているβ-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップします。また、脂溶性なので野菜炒めなど油と炒めることでβ-カロテンの吸収率は6倍にもなります。
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率を油がアップしてくれるので、炒めものにして食べると栄養面でも◎
スープや味噌汁などの汁物にしても、柔らかくなってしまったアスパラガスの食感の悪さが気にならなくなります。
汁物であれば、流出してしまうビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も汁ごと一緒に摂取することができるメリットもあります。
ミキサーにかけてポタージュにするのも良いでしょう。
柔らかくなってしまったアスパラガスを使うのにおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
だし汁がアスパラガスに染み込み、本来の甘みと相まって絶妙な美味しさに。
塩茹ですることでアスパラの鮮やかな緑色が保てます。
アスパラの煮びたしのレシピはこちら
野菜を茹でるだけの簡単レシピ。白みそと豆乳ヨーグルトで作るタレがクセになる美味しさ。
豆苗は湯に通す程度にし、茹ですぎないように注意しましょう。
アスパラと豆苗のみそ和えのレシピはこちら
じっくり煮込み野菜の旨味をスープにしっかり移します。ぜひお試しください。
蓋をしてからじっくり煮て、野菜の旨味をスープに移すのがポイントです。
チキンポトフのレシピはこちら
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