カロリーが低いだけではなく、ダイエット効果が期待できる様々な栄養素が含まれる大根について解説していきます。ダイエット中におすすめの食べ方も紹介します。
生の大根の皮付きの根の可食部100gあたりのエネルギー量は15kcalで、糖質は2.7g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は94.6g、たんぱく質は0.5g、炭水化物は4.1g、脂質は0.1g、食物繊維は1.4gです。
また生の大根の葉の可食部100gあたりのエネルギー量は23kcalで、糖質は1.3gです。水分は90.6g、たんぱく質は2.2g、炭水化物は5.3g、脂質は0.1g、食物繊維は4.0gです。
大根の根は約95%が水分です。その分栄養素は少ないですが、大根はたくさん食べられることから、栄養を摂取することができます。また、大根は葉の方が栄養が豊富です。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8g野菜の中で低い方ですが、大根もトマトやピーマンとほとんど変わりません
大根は低カロリー・低糖質で、ダイエットに向いている野菜であることがわかります。
ちなみに、白米(ご飯一杯150g)あたり糖質53.4gで234kcalです。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gで51.9gで550kcalにもなります。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
カロリー・糖質が低いこと以外にも、ダイエット効果が期待できる栄養素が大根には含まれますので、ご紹介します。
大根にはアミラーゼ(ジアスターゼとも)という消化酵素が含まれます。アミラーゼは体内でそのまま吸収できないデンプンを糖に分解する働きがあります。
アミラーゼの値が高い人はデンプンを素早く糖に分解することで、甘みをすぐに感じ食べる量が減り、血糖値の上昇を抑えるインスリンの分泌量が少なくなる傾向があります。インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれ、分泌量が多いと脂肪がつきやすくなります。要するにアミラーゼをしっかりと摂取していると、脂肪がつきづらくなるということです。
また、ダイエッターに関わらず、すぐに胃もたれしてしまう人は、すりおろした大根を食事の前に食べるのがおすすめです。
大根に含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたりする働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方は積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
大根の根に含まれるアミラーゼが熱に弱いため、栄養を活かすなら生で食べるのがベストです。さらにビタミンCやカリウムも水溶性であるため、茹でることで水に溶け出してしまいます。熱を通す場合は、スープなどにして汁ごと食べる方がいいでしょう。
辛み成分イソチオシアネートはすりおろすなど細胞壁を壊すと生成されます。大根の皮の周囲にはビタミンCが多いので、大根おろしなどは皮ごとすりましょう。皮を剥いてしまうと、栄養が減ってしまいます。また、大根おろしで出てくる水分を捨てないようにしましょう。この水分にも栄養が含まれています。水分ごと一緒に食べるようにしてください。
生のまま皮ごとすりおろした大根を味噌汁に入れたり、サラダと一緒に食べたり、お肉やお魚に添えたりする食べ方が一番ダイエットに効果的といえます。
大根の葉にはβ-カロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいといわれています。このβカロテンの吸収率を油がアップしてくれるので、炒めものなどにして油と一緒に食べることをおすすめします。
さらにビタミンKも含まれていますが、同じく脂溶性なので油炒めや良質な油を使ったドレッシングで油と一緒に食べる調理法がいいでしょう。
しかし、油はカロリーが高く、肥満の原因になるので、摂取過剰には注意しましょう。
大根はカロリーが低いからといって「主食をすべて大根に置き換える」「食事全体を大根に置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
大根の摂取目安量は1日あたり100gくらいが妥当です。副菜として大根を取り入れることで、ごはんなどカロリーの高い食材の食べ過ぎを防ぐことができます。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。鶏肉や卵などと一緒に摂ると、さらに効果アップが見込めます。
また、ビタミンA(β-カロテン)がビタミンCのこの作用を助ける働きがあります。ピーマンにはどちらも含まれていますので、たんぱく質と一緒に食べるのが大変効果的と言えます。
程よく塩けが効いた大根とレモンで甘みが際立ったりんごが美味しいひと皿。前述した通り、大根は生で食べるのがおすすめです。水溶性のカリウムなども失わずにすみます。
りんごと大根のサラダのレシピはこちら
切り干し大根は、保存食ではありますが、大根の水分が蒸発する過程でカリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛・マンガンなどさまざまな栄養が凝縮され「栄養の塊」といわれることがあります。大根は淡色野菜でβ-カロテンが少なめなので、人参をプラス。野菜には含まれないビタミンDを干し椎茸でプラス。栄養満点のひと皿です。
切り干し大根の煮物のレシピはこちら
ダイエット中で炭水化物をがっつり抜いている方におすすめ!満足感の高いひと皿です。ごま油やメープルシロップを使っていますが、炭水化物を抜いている方はカロリーをそこまで気にする必要ありません。
大根ステーキのレシピはこちら
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