桜餅を作るときに使う道明寺粉ですが、他にも用途があるのはご存知ですか?道明寺粉の名前の由来や代用品、原料など詳しく解説していきます。
道明寺粉(どうみょうじこ)は、もち米を原料にして作られている米粉の一種です。
もち米とは白く不透明で、お餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。もち米と対になるのは「うるち米」です。うるち米は、一般的に食べられている半透明のお米のことです。有名な品種には「あきたこまち」や「コシヒカリ」などがあります。
道明寺粉は、もち米を浸水して蒸した後、乾燥させて粗めにひくという製造方法で作られています。
粒のサイズによって、
6ツ割
5ツ割
4ツ割
3ツ割
2ツ割
全粒
と種類が分けられており、数字は粒の大きさを表しています。数字が大きいほど粒サイズは小さくなり、よりなめらかな仕上がりになります。粒の大きさによって、丸粒道明寺粉、中荒道明寺粉、細道明寺粉ということもあります。京都や名古屋などの上菓子店では5ツ割り程度のものが使われることが多いです。
ちなみに、道明寺粉を6ツ割よりもさらに小さく砕き、色が付かないように煎ったものを「新引粉(しんびきこ)」といいます。新引粉はおこしの原料や揚げ物の揚げ衣として使われます。
道明寺粉のはじまりは、大阪府藤井寺市にある道明寺の尼僧が、もち米を蒸した後に天日干しして乾燥させた
「糒(ほしいい)」と呼ばれる保存食です。年月が経っても変質・変色のしない糒は、戦国時代には軍糧や旅の携帯食として重宝され、道明寺の尼僧が考案したことから「道明寺糒(どうみょうじほしい)」と呼ばれていました。
道明寺糒は、江戸時代には将軍家に献納したのち、貴族の求めに応じて少量ずつ使われていた貴重なものでしたが、明治以後に一般市民にも販売するようになりました。
次第に保存食として使われていた道明寺糒を砕いて粉状にしたものを使って和菓子を作るようになり、この粉状にしたものが「道明寺粉」です。
道明寺粉の原料はもち米なので、蒸し上げると粘りが出て、お餅のようになります。
道明寺粉は小さな琥珀の集まりのように粒が粗いため、「粉」とついていますが粉末ではありません。上述したように粒の粗さには種類があり、目的や好みで使い分けます。食感を楽しみたい場合は2ツ割などの粗めタイプを使い、なめらかに仕上げたい場合は5ツ割など、より細かいものを使います。
道明寺粉を材料に使っているものとして最も有名なのが「桜餅(さくらもち)」です。一般的に知られている桜餅には関西風と関東風の二種類あり、道明寺粉を使っているのは関西風の桜餅です。関西では「道明寺餅」または略して「道明寺」とも呼ばれます。漫画『花より男子』のキャラクター「道明寺司」の由来でもあります。
関西風の桜餅は、道明寺粉を使ったつぶつぶとした生地に、あんを包みます。さらに桜の葉を巻くため、桜の甘い香りを楽しむことができます。見た目がピンクなのは、着色料を入れているからです。最近では天然着色料で予め色付けした道明寺粉も販売されています。関西には、「荒道明寺」と呼ばれる道明寺糒をひき割りせずに、粒のまま作った桜餅もあります。
ちなみに関東風の桜餅は、小麦粉を水でのばして薄く焼かれた生地にあんを包んだものです。関西風と同じくピンク色で桜の葉を巻いていますが、おはぎのような見た目の関西風の桜餅とは違ってクレープのような見た目をしています。道明寺粉を使っていないので、食感も異なります。
関東風の桜餅は、長命寺というお寺の門番が桜の葉を塩漬けにして薄い皮で包んだあんに巻きつけたものを門前で売り出したのが始まりといわれており、「長命寺(ちょうめいじ)」とも呼ばれます。
道明寺羹(どうみょうじかん)は、錦玉(寒天菓子)に道明寺粉を溶かして固めた羊羹(ようかん)の一種で、江戸時代から食べられていたといわれる歴史ある和菓子です。「霙羹(みぞれかん)」または「霙羊羹(みぞれようかん)」ともいわれます。
フルーツを入れたフルーツ道明寺羹にすることもできます。
道明寺粉は、おはぎなど桜餅以外の和菓子を作ることもできます。
おはぎは、基本的にもち米を蒸した後に好みの粒の大きさまでつぶして作りますが、道明寺粉は、すでに加熱されたもち米を原料としているため、味や食感はそのままにもち米を使用するよりも比較的短時間で作ることができます。
道明寺粉を使ってお団子や大福を作ることもできます。白玉粉やだんご粉を使ってつくるのとは違い、独特の食感を楽しむことができます。
道明寺揚げとは、材料に下粉をして卵白と道明寺をつけて揚げたものです。白いつぶつぶがついた見た目になります。鶏肉をはじめエビの道明寺揚げなどがあり、小麦粉や片栗粉を使った揚げ物よりもサクサクとした食感が出ます。
道明寺あられは、道明寺粉を炒ったものです。道明寺粉を炒ると膨らみ、あられのようになります。上述したように「新引粉」として販売されていますが、自宅でも手軽に作ることができます。道明寺粉は元々、水分が飛んでいるため、芯まで熱が伝わるのに時間がかかります。そのため、道明寺あられを作る際は、じっくりと4分~5分揚げるのがポイントです。揚げ時間が短いと固くなってしまうので注意しましょう。
道明寺あられは、唐揚げなどの揚げ物の衣にすることでサクサクの食感をプラスすることができます。
また、サラダにかけたりお茶漬けにかけるなど幅広い使用用途があります。
道明寺蒸し(どうみょうじむし)とは、道明寺粉を蒸したりゆでたりしたものを鯛やさわらなどの白身魚や鶏肉にのせたり、包んだりして蒸した料理のことです。日本料理の献立では、蒸し物や煮物の代わりに出すことが多いです。また、おしのぎ(食事の時間以外に出される軽食)として出されることもあります。
道明寺粉は、全粒など粗めのタイプを素揚げすることで中華おこげを作ることができます。中華おこげはスープに入れたり、海鮮あんかけをかけたりして食べることができます。
道明寺粉は、肉だねに道明寺粉を全体にまぶすように付けて蒸すともちもちとした食感のシュウマイを作ることができます。通常シュウマイは、小麦粉で作られた皮を巻いて作りますが、代わりに道明寺粉をまぶして作ることでグルテンフリーになるので小麦アレルギーの方でも安心して食べれるシュウマイになります。
道明寺粉を計量スプーン・計量カップで重さを測る目安は下記の通りです。
大さじ1杯...約4g
小さじ一杯...約12g
1カップ(200ml)...約160g
計量スプーンが自宅にない時は、これを目安にスケールで図ることができます。
道明寺粉は、取り扱っているスーパーであれば片栗粉などが置かれている粉もののコーナーか、もしくは製菓コーナーに置かれていることが多いです。値段は、200gで300円〜400円ほどです。業務スーパーやカルディでも売られているようです。しかし、白玉粉などの米粉に比べると取り扱っていないスーパーも多く、なかなか手に入らないということもあります。Amazonなどでも購入することができるので、近くに売っている店舗がないという場合はネット販売を利用しましょう。
もち米を使って自宅で作ることもできるので、道明寺粉を手作りするのもおすすめです。作り方は後述しますので、そちらを参考にしてください。
道明寺粉の賞味期限は、製造しているメーカーによって異なりますが、90日〜180日で長いものだと1年です。
ただし、これは未開封である場合や正しく保存されていた場合なので、できるだけ早めに使い切りましょう。
未開封の場合は、直射日光のあたる場所や高温多湿の場所を避けた場所で常温保存(20℃以下)することができます。開封をしたら、密封できる容器に移し替えて保存します。
道明寺粉100gあたりに含まれている成分は下記の通りです。
たんぱく質…7.1g
脂質…0.7g
炭水化物…80.4g
食物繊維…0.7g
ビタミンB1…0.04mg
ビタミンB2… 0.01mg
ビタミンB6…0.04mg
ナイアシン…0.4mg
葉酸…6μg
パントテン酸…0.22mg
ナトリウム…4mg
カルシウム… 45mg
カリウム…6mg
マグネシウム…9mg
リン…41mg
鉄…0.4mg
亜鉛…1.5mg
銅…0.22mg
マンガン…0.9mg
道明寺粉100gあたりのカロリーは、372kcalで、これは、ご飯一膳分よりも高いです。糖質量(炭水化物から食物繊維を引いたもの)は、約80gです。原材料がもち米なので、体に悪い成分は含まれていませんが、カロリーが高く、糖質量も多いので過剰摂取しないように注意しましょう。
道明寺粉には、「グルテン」が含まれません。グルテンは小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種です。グルテンは料理をおいしくしますが、アレルギーの原因になる他、消化されにくいという性質があり、肥満やむくみの原因になったり疲れやすくなるなどの症状が身体に出ることもあります。そのため、グルテンが含まれない道明寺粉は、小麦粉アレルギーの方やグルテンフリーの生活を送っている方も食べることができます。
道明寺粉は、自宅でも作ることができます。
もち米…500g
水…適量
もち米は予め一晩水につけておきます。
まず、もち米は水に浸して一晩おきます。一晩おいたらもち米の水気をきり、蒸し器に入れて芯がなくなるまで蒸します。量に合わせて蒸す時間は調節してください。芯がなくなるまで蒸したら、バットなどに広げて乾燥させます。ある程度乾燥してきたら、塊をほぐして一粒一粒バラバラにします。完全に乾燥してからだとバラバラにしにくいので、完全に乾燥する前にほぐしておくのがポイントです。バラバラにしたら、そこから1日おいて完全に乾燥させます。扇風機の風に当てておくと早く乾燥します。乾燥したら、細かくしすぎないように様子をみながらフードプロセッサーで粉砕し、完成です。
道明寺粉は蒸したもち米を乾燥させて砕いたものなので、そのままではとても固いです。道明寺あられにする場合など、そのまま使うこともありますが、桜餅や団子など和菓子を作る際は基本的にお湯につけたり蒸したりして柔らかい状態に戻してから使います。
まず必要な量の道明寺粉をさっと洗った後、ぬるま湯につけてラップをかけてしばらくおいておきます。 道明寺粉が水を十分に吸ったら、蒸し器に均等に平たく伸ばしフタをして15分程度蒸すと戻ります。
蒸し器がない場合は、レンジを使って戻すこともできます。レンジを使う場合は、耐熱ボウルに必要な量の道明寺粉と水を入れて混ぜたらラップをし、電子レンジで5分程度加熱します。(ご家庭のレンジに合わせて調節してください)加熱したら、そのまま5分程度蒸らします。
道明寺粉は炊飯器で炊いて戻すこともできます。
炊飯器で炊くときは、道明寺粉を水で軽くすすいで洗ったあと、150g程であればお米1合炊くのと同じ分量の水を入れて炊きます。
もち米は道明寺粉の代用品として、関西風の桜餅などの和菓子を作ることができます。また、あられにしたり揚げ物の衣として使うこともできます。
ただし、一般的に販売されている5ツ割の道明寺粉よりも粒が大きいため食感に違いがでます。フードプロセッサーで砕いてから使うと道明寺粉の食感に近づきます。
もち米は上述したように白く不透明でお餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。道明寺粉は製造の過程で蒸しているという違いはありますが、全粒の道明寺粉に近いため道明寺粉と同じように使うことができます。
うるち米を道明寺粉の代用品として、関西風桜餅などの和菓子を作ることができます。また、あられにしたり揚げ物の衣として使うこともできます。
ただし、原料が違うので食感に違いがでます。うるち米は道明寺粉の原料であるもち米よりも粘度が低いため、粘り気が少なく歯切れのよい食感に仕上がります。
うるち米とは、一般的に食べられている半透明のお米のことです。
もち粉は、道明寺粉の代用品として関東風の桜餅を作ったり、あられや中華おこげなどを作ることはできません。もち粉は道明寺粉よりも粒子が細かいためです。団子を作るときや揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
もち粉とは、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。
原材料は道明寺粉と同じですが、製造方法が違います。道明寺粉は、蒸したお米を乾燥させて粗めにひいていますが、もち粉は蒸さずにそのまま乾燥させて細かい粉状にしています。
見た目にも大きな違いがあり、小さな琥珀のようにザラザラとしている道明寺粉に対して、もち粉の粒子は細かくサラサラとしています。
もち粉は、水で溶くとなめらかで粘りのある生地になるのが特徴で、求肥を作る際に使われることが多いため「求肥粉」と呼ばれます。求肥の他にも、大福などを作る際や、ケーキやドーナツといった洋菓子にも使用することもできます。
もち粉のカロリーは100gあたり約360kcalで、糖質はおよそ80gです。カロリーはもち粉のほうが低いですが、糖質量は道明寺粉と同じです。
白玉粉も道明寺粉の代用品として関東風の桜餅を作ったり、あられや中華おこげなどを作ることはできません。白玉粉は道明寺粉よりも粒子が細かいためです。団子を作るときや揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
白玉粉も、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。古くは寒い冬の季節に作られていたため「寒晒粉(かんざらしこ)」という別名があります。
原材料は道明寺粉と同じですが、製造方法が大きく異なります。
白玉粉は、もち米を水洗いして水に浸して吸水させ、原料に対して1〜2倍の水を加えながら石臼で水びきします。この時に出る乳液をふるいにかけて粗粒を分離して、再び粗粒を水びきしたら、沈殿したもの(でんぷん)を圧搾機で脱水し、脱水したものを賽の目切りにして乾燥させるという製造方法で作られます。
白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させて作られているため、米粉というよりはでんぷん粉に近く、道明寺粉とは見た目も違います。白玉粉は細かい粉のかたまりが多くあり、ザクザクとしています。白玉粉の細かいかたまりは、触れるとすぐに崩れます。
白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させたものなので、強い粘り気を出すという特徴があります。また、粒子が細かいためやわらかくなめらかな食感を出すことができる他、冷めても固くならないという特徴があり、白玉団子や大福などの和菓子に使われることが多いです。
白玉粉のカロリーは100gあたり347kcalで、糖質はおおよそ80gです。白玉粉のほうがカロリーは低いですが、糖質量は道明寺粉と同じです。
上新粉も、道明寺粉の代用品として関東風の桜餅を作ったり、あられや中華おこげなどを作ることはできません。上新粉は道明寺粉よりも粒子が細かいためです。団子を作るときや揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
上新粉(じょうしんこ)は、うるち米を原材料として作られる米粉の一種です。うるち米とは、一般的に食べられているお米のことです。道明寺粉とは原料や製造方法が違います。
上新粉は、2ロール製法という製造方法で作られています。まず、水洗いしたうるち米を乾燥させロール製粉機で製粉します。製粉したものをふるいにかけて粒子の粗いものと細かいものとでわけたもののうち、目の細かいほうが上新粉になります。
2ロール製法は、洗米した後にもち米を乾燥させてロール製粉機で製粉する製法です。胴搗き製法したものよりも強い粘性がありますが、水分量が少ないため硬化が早いです。
道明寺粉と上新粉は見た目も大きく異なります。上新粉の見た目は白く、さらさらとしています。
上新粉のカロリーは、100gあたり約362kcalで、糖質はおおよそ77gです。そのため、上新粉のほうがカロリーが低く、糖質量も若干少ないです。
上新粉は食品の表面を滑らかにし、やわらかくもっちりとした歯ごたえを出します。そのため、まんじゅうの主原料として使われます。また、お湯を加えてこねるとお餅のようになる特徴があり、団子や柏餅、すあま、ういろうなどの和菓子を作る際に使われることも多いです。また、ちまきに使われたり料理にとろみをつけるための片栗粉の代用として使われることもあります。
だんご粉も、道明寺粉の代用品として関東風の桜餅を作ったり、あられや中華おこげなどを作ることはできません。だんご粉は道明寺粉よりも粒子が細かいためです。団子を作るときや揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
だんご粉は、うるち米ともち米を原材料として作られる米粉の一種です。道明寺粉はもち米のみを使用していますが、だんご粉にはうるち米も使われているという違いがあります。
だんご粉は、うるち米ともち米を(2つのお米の割合はメーカーによって異なります)精白し、水につけたあと挽き、乾燥させるという製法で作られています。メーカーによっては、でんぷんを入れている場合もあります。
だんご粉と道明寺粉も見た目が違います。だんご粉の見た目は白くサラサラとしています。
だんご粉は加熱後にこねなくてもほどよい粘りが出るのが特徴で、その名の通りお団子を作るのに適しています。みたらし団子などを作る際に使われます。
だんご粉のカロリーは100gあたり約360kcal、糖質は約77gです。カロリーはだんご粉のほうが低く、糖質量も若干少ないです。
米粉も道明寺粉の代用品として関東風の桜餅を作ったり、あられや中華おこげなどを作ることはできません。米粉は道明寺粉よりも粒子が細かいためです。団子を作るときや揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
米粉は、米を製粉した白い粉の総称です。
米粉は大別してもち米から作られるものと、うるち米から作られるものがあります。
もち米からなる代表的な米粉は白玉粉です。
うるち米からなる代表的な米粉は上新粉です。
スーパーなどで「米粉」や「米の粉」として売られているものには「製菓用米粉」とグルテンを添加した「製パン用米粉」の二種類があり、原料はうるち米なので、上新粉と同じですが上新粉とは製法が異なります。一般的には、うるち米から2ロール製法で作られた粉が「上新粉」、胴搗き製法で作られた粉がスーパーなどで売られている米粉や米の粉に分類されます。
胴搗き製法(どうつきせいほう)は、精米後にもち米の水分が多く保たれた状態で、杆搗き臼(きねつきうす)で徐々に細かくしていく製法です。別名杵搗き式(きねつきしき)ともいいます。
時間はかかりますが、良い粉を得ることができます。関西では、古くから胴付き製法で作られています。
上新粉として売られているものよりも粒が細かいのが特徴で、主にクッキーなどを作る際の小麦粉の代用品として使われます。
みじん粉も、関西風桜餅を作るときの代用品にはなりません。なぜなら、道明寺粉よりも粒子が細かいからです。一方、羊羹を作るときは代用することはできますが、より滑らかな仕上がりになります。揚げ物でも代用可能ですが、食感に違いが出ます。
みじん粉は、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。「微塵粉」または「味甚粉」と表記されることもあります。
道明寺粉と原材料は同じですが、製造方法が大きく異なります。みじん粉は、もち米を蒸してお餅にした後に煎餅状に平たく伸ばし、乾燥させてから細かく砕いて粉末状にしたもので、製造方法によって種類が別れます。蒸したもち米をのばした後に、焼いてから砕いたものを「焼きみじん粉」、焼きみじん粉よりも更に粒子の細かいものを「寒梅粉(かんばいこ)」といいます。
みじん粉の見た目は白く、道明寺粉よりも粒がとても細かいです。
みじん粉は、豆菓子や落雁(らくがん)などの和菓子を作るときに使われることが多いです。口どけがよく砂糖や和三盆などと合わせて型に詰め、押し固めることでほろっと口の中でほどけるような落雁を作ることができます。
みじん粉100gあたりのカロリーは約372kcal、糖質は約80gです。カロリーも糖質量も道明寺粉と変わりません。
小麦粉は、関西風の桜餅や羊羹などの和菓子を作る際やあられや中華おこげを作る際の代用品にはなりません。小麦粉は道明寺粉とは原料や性質が違うためです。揚げ物の衣の代用品にはなりますが、道明寺粉のようにつぶつぶとした食感を出すことはできません。
小麦粉は、小麦を製粉した粉です。
胚芽と外皮を取り除いてから製粉された小麦粉は色が白く、グルテン(麩質)の量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。小麦粉の種類は製粉方法ではなく、原料小麦の品種によって決まります。見た目はどれも白い粉で目視では判別できません。
薄力粉(はくりきこ)は、粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)から製粉された小麦粉を指します。「粒が柔らかい」=「グルテン量が少ない」ことを意味し、薄力粉はグルテンの含有量が6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と最も少ない小麦粉です。薄力粉は水でこねたとき、グルテン量が少ないため粘りが出にくく、ふんわりした生地になります。そのため、クッキーやスポンジケーキなどのお菓子作りに使われます。天ぷらや唐揚げの揚げ物にも薄力粉がよく使われます。
中力粉(ちゅうりきこ)は、粒の硬さが中くらいの中間質小麦から製粉された小麦粉を指します。中力粉の中には軟質小麦から作られているものもあります。中力粉はグルテンの含有量は8~9%です。中力粉はほどよく弾力が出るのが特徴で、主にうどんに使われます。そのため、中力粉は「うどん粉」「うどん用粉」「うどん用小麦粉」という名称で売られている場合もあります。
強力粉(きょううりきこ)は、粒が最も硬い硬質小麦から製粉された小麦粉を指します。強力粉のグルテン含有量は11.5~13.5%です。粘りと弾力が最も強く、こねると生地がよく伸びモチモチふわふわの食感になります。強力粉と中力粉の中間の位置付けである準強力粉というものもあります。強力粉は粒度が最も粗く、手で触るとサラサラしています。触れば薄力粉との違いがすぐわかります。強力粉は、主にパンを作るときに使われます。グルテンの量が多いほど基本的にパンは膨らみます。他にもピザ生地を作るときにも使われます。フランスパンなど硬めのパン(あまり膨らませないパン)は、準強力粉を使います。
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