ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコの違いをご存知でしょうか。本記事ではブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコの違いを解説します。
ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコはすべてアブラナ科アブラナ属の植物で、ケールを祖先とする野菜です。
ブロッコリーは同じくアブラナ科の植物であるキャベツの変種で、イタリアで品種改良されたことにより現在形になったといわれています。
カリフラワーはブロッコリーが突然変異し白くなったものを品種改良したものといわれています。
ロマネスコは、ブロッコリーとカリフラワーを交配してできた品種で、カリフラワーの一種です。
カリフラワーとロマネスコはどちらもブロッコリーが元になって誕生した品種で、ブロッコリー・カリフラワー・ロマネスコは見た目や栄養素など様々な違いがあります。
ブロッコリーの見た目は全体的に緑色をしています。太い茎の頭に「花蕾(からい)」と呼ばれる蕾(つぼみ)がついていて、花蕾が主に可食部として食べられています。
ブロッコリーの大きさはM・L・2Lと規格がありますが、一般的にスーパーなどで販売されるブロッコリーはLサイズ(12〜14cm程)が多いです。
カリフラワーの見た目は白色です。ブロッコリーと同じく太い茎の頭に花蕾がついていて、形はブロッコリーとてもよく似ていますが、ブロッコリーよりも花蕾がぎゅっと固く閉まっています。
カリフラワーの大きさは15cmほどで、一般的に販売されているブロッコリーと大きさもほぼ同じです。
ブロッコリーの品種には緑色をしているもの他にも紫色をしているものがありますが、カリフラワーにも紫カリフラワーやオレンジカリフラワーなどがあります。
ロマネスコの見た目はブロッコリーよりも明るい黄緑色っぽい色をしています。
ロマネスコも可食部となるのはブロッコリーやカリフラワーと同じく花蕾ですが、ブロッコリーやカリフラワーとは異なり花蕾がフラクタル構造になっているのが特徴です。フルクタル構造とは、一部を切り取って拡大した時に、全体と同じ形が再現されていく構造のことをいいます。カリフラワーと同じくギュッと固くしまっていて質感はカリフラワーに近いです。
小さなつぼみが密集して形作っている様子がサンゴに似ていることから「黄緑サンゴ」とよばれたり、ブロッコリーとカリフラワーの中間のような野菜であることから「カリッコリー」とよばれることがあります。また、不気味な見た目から「悪魔の野菜」「神が人を試すための野菜」といわれていたこともあるようです。
ブロッコリーはそこまでクセのある味ではありませんが、シュウ酸やイソチオシアネートなどの苦味となる成分が含まれています。そのために味を強く感じる人もいます。
ブロッコリーの食感はキュっとしています。生の状態だと固いですが、茹でるなど加熱をすれば柔らかくなり食べやすくなります。
カリフラワーはブロッコリーと比較して苦味が少なく、独特の優しい甘みがあります。
カリフラワーの食感はコリコリとしていて、口の中に入れて噛むとホロっと崩れるような感覚があります。ブロッコリーとカリフラワーは色が違うだけのように見えますが、味や食感が違います。
ロマネスコには苦味があり、どちらかといえば味はブロッコリーに近いですが、ブロッコリーよりも苦味は感じにくいです。
食感はカリフラワーに近く、口に入れて噛むとホロっと崩れるような感覚があります。ロマネスコはまさにブロッコリーとカリフラワーの中間といえます。
ブロッコリー100gに含まれる三大栄養素は下記の通りです。
たんぱく質...5.4g
炭水化物...6.6g
脂質...0.6g
β-カロテン…900μg
ビタミンC…140mg
食物繊維...5.1g
ブロッコリー100gのカロリーは37kcalで、糖質量(炭水化物から食物繊維を引いた値)は1.5gです。
ブロッコリーはブロッコリーは他の野菜が持っている栄養素をほとんど持っており、「栄養最強の野菜」です。特にβ-カロテンやビタミンCが特に豊富に含まれています。
ブロッコリーは100gあたり900μgのβ-カロテンが含まれているため、緑黄色野菜に分類されます。
ブロッコリーの栄養素の詳細はこちらで解説しています。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
カリフラワー100gに含まれている三大栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…3.0g
炭水化物…5.2g
脂質…0.1g
カリフラワー100gのカロリーは28kcalで、糖質量は2.3gです。
カリフラワーはβ-カロテンの含有量が100gあたり18μgであるため、ブロッコリーとは異なり淡色野菜に分類されます。
総合的な栄養価はブロッコリーに劣りますが、カリフラワーにはビタミンCが豊富に含まれていて「畑のビタミンC」「畑のレモン」などといわれます。
カリフラワーの栄養素の詳細はこちらで解説しています。
ロマネスコ100gに含まれる三代栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…1.88g
炭水化物…3.9g
脂質…0.88g
ロマネスコ100gのカロリーは20kcalで、糖質量は2.3gです。
ロマネスコのβ-カロテンの含有量は不明ですが、ブロッコリーと同じく緑黄色野菜に分類されます。そのためロマネスコにも600μg以上のβ-カロテンが含まれていることがわかります。
ビタミンCの含有量もトップクラスで、レモン果汁100mgと同等量のビタミンCが含まれているといわれています。
出典:日本食品標準成分表2020年版 八訂(文部科学省)
2022年度のブロッコリー1kgあたりの平均価格は382円です。スーパーなどでは1房170〜180円程で販売されており、旬を迎える11月〜3月頃に最も市場に出回るため、価格も安くなる傾向にあります。
2022年度のカリフラワー1kgあたりの平均価格は215円です。スーパーなどでは一房250~300円程で販売されています。ブロッコリーと同じく旬を迎える11月〜3月頃に価格は安くなりますが、ブロッコリーよりも需要が少ないなどの理由から、ブロッコリーよりも高い価格で販売されていることが多いです。
出典:市場時計情報(東京都中央卸売市場)
ロマネスコはスーパーなどでは一房700円〜1000円程で販売されています。
ロマネスコはブロッコリーやカリフラワーとは異なり、生産している地域が少なく希少価値が高いため販売されている店舗もあまり多くありません。
ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコはサラダにして食べたり、炒めものにして食べるなど基本的に食べ方は同じです。
ただし、日本ではブロッコリーは加熱してから食べるのが一般的です。ブロッコリーは生食できない野菜というわけではありませんが、シュウ酸やイソチオシアネートなどの苦味となる成分が含まれていて生では食べにくいことや、生の状態では固くて食べにくいため茹でたりレンジで加熱してアク抜きをしてから食べられています。海外では、ブロッコリーも生食することが多いようです。
ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコはどれも暑さや乾燥に弱い野菜なのです。そのため保存する際は温度や湿度には注意が必要です。
基本的にはどれも常温保存はおすすめできませんが、冬などの寒い季節は1日程度であれば常温保存することができます。常温保存する場合は新聞紙に包むなどして日光に当たらないようにしましょう。特にカリフラワーは日光に当たると茶色く変色していってしまいます。
おすすめは冷蔵保存または冷凍保存です。生のまま保存することもできますし、茹でてから保存することもできます。冷凍の場合は基本的に茹でてから冷凍するのがおすすめです。家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないので生の状態で冷凍するのには向きません。一度茹でてから冷凍することで、変色したり風味・食感が損なわれてしまうのを防ぐことができます。
ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコはお互いに代用することが可能です。ただし、上述したように見た目は似ていても、味や食感には違いがあります。ブロッコリーと比較してカリフラワーとロマネスコはたんぱくな味わいなので、食べやすいと感じる人がいる一方で「物足りないな」と感じることがあります。
ブロッコリーとカリフラワー、ロマネスコはそれぞれ違った味わいと食感を楽しむことができるので、3種類合わせてサラダなどにすると、彩りも鮮やかになりおしゃれな一品になります。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典