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ブロッコリーの栄養と効能。茹で・レンジの調理法での変化も解説

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ブロッコリーの栄養と効能。茹で・レンジの調理法での変化も解説

通年手に入り人気の高い野菜ブロッコリーの栄養素とそれらの効能について解説します。ブロッコリーの栄養を逃さない食べ方や冷凍した際の栄養の変化なども分かりやすく解説していきます。

ブロッコリーの栄養の概要

ブロッコリー100gあたりの主な栄養素を解説したイラスト

ブロッコリーは地中海沿岸原産の野生キャベツから生まれた野菜です。日本には明治時代に入ってきたといわれています。本格的に栽培が始まったのは戦後からです。

他の野菜が持っている栄養素はブロッコリーがほとんど持っており、「栄養最強の野菜」です。抗酸化作用が強いβ-カロテンとビタミンCが特に豊富です。

ブロッコリーのビタミン

テーブルの上に散らばったブロッコリー

ブロッコリーは野菜に含まれるビタミン類のほとんどが含まれています。中でもビタミンCの含有量は特別多く、積極的に摂取したい野菜のひとつです。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。

β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。

ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

ビタミンB1

日本人が不足しがちなビタミンB1が含まれています。

ビタミンB1は糖質がエネルギーになるのをサポートするビタミンです。不足すると、体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸の症状、太りやすくなったりします。また、糖質は脳や神経系のエネルギー源なので、ビタミンB1には精神を安定させる作用があるといわれています。

昔、日本人の主食は精白米ではなく玄米で、その玄米にはビタミンB1が含まれていたために、意識していなくても摂取することができました。しかし、昨今ではビタミンB1が豊富に含まれている米ぬかの部分が、精白米にする段階でほとんど取り除かれてしまいます。他にもお菓子やジュースなどの過剰摂取でビタミンB1は不足するとも言われているため、積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンC

ブロッコリーはビタミンCがとても豊富です。なんとレモンよりも豊富に含まれています。つぼみよりも茎の部分が豊富なので、なるべく使うようにしましょう。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。

さらにビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
また抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。

多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンはビタミンB群の仲間で、もともとはビタミンB3と呼ばれていました。ナイアシンはニコチン酸アミド、ニコチン酸として小腸から吸収されます。ナイアシンは体内で最も多く存在するビタミンで、補酵素として糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素を代謝に深く関わり、酵素の働きを助けエネルギーの産生を促進します。細胞膜やホルモンなどの材料となるコレステロールの合成を助け、皮膚や粘膜を健康に保ちます。また、血行促進作用があるため、冷え性を改善したり、血行不良による頭痛にも効果的です。
さらに、アルコールの分解にも働き、2日酔いにも効果があるといわれています。飲酒する人は積極的にナイアシンを摂りましょう。

葉酸

葉酸はほうれん草の葉っぱから発見されたビタミンB群のひとつで、ビタミンB12と一緒に正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素で「造血ビタミン」とも言われています。赤血球は約4ヶ月で生まれ変わり体内では常に新しい赤血球が作られています。

また、たんぱく質や核酸の合成を助け、細胞の新生や増殖に深く関わっています。細胞分裂が活発な胎児期に必須の栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を十分に摂ることでおなかの赤ちゃんの発達異常を防ぐ効果があるといわれています。葉酸は水に溶けやすく、熱や光にも弱い性質があるので、茹でたり水洗いすることで含有量が減ってしまいます。そのため葉酸が含まれた野菜や果実は加熱せずに生野菜サラダや生搾りジュースで効率よく摂ることをおすすめします。 

ビタミンE

通常、野菜からはなかなか摂れないと言われているビタミンEが、ブロッコリーには含まれています。

ビタミンEは抗酸化作用があります。体内の脂質が酸化するのを抑え、老化の予防をしてくれます。ビタミンEは血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあり、酸化によって進行してしまう動脈硬化の予防に役立ちます。さらにビタミンEは末梢血管の拡張させる働きがあるため、血行促進に繋がります。

また副腎や卵巣にも蓄えられる成分で、女性ホルモンや男性ホルモンなどを含むホルモンの代謝にビタミンEは関与しています。性ホルモンの生成や分泌の調整をする脳下垂体に働きかけ生殖機能の維持にも役立ちます。ビタミンEを十分に摂取することで、生理痛や月経前のイライラ、また生理不順などを改善する効果もあります。

ビタミンK

ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成する働きがあり、出血を止める役割があります。月経による出血が多い場合も、症状を軽減する効果が期待できます。ただ、血液は出血している箇所以外(血管内など)は正常に流れていなければなりませんが、ビタミンKは血流が悪くならないよう凝固の抑制にも働きかけています。

さらにビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。そしてカルシウムの合成に必要なたんぱく質を生み出し、腸内でカルシウムが吸収されるのを助けます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。

加齢や女性ホルモンの減少、またダイエットなどにより骨密度は低下します。それが重症化すると骨粗しょう症を発症します。特に女性に多いこの病気とされているので、日頃からカルシウムの吸収を助けるビタミンKとビタミンDを一緒に摂り、骨密度アップを心がけましょう。

ビタミンU(キャベジン)

あまり聞き慣れないかと思いますが、ビタミンUというものがあります。しかしこれは「ビタミン様物質」であり、ビタミンのような成分です。別名はキャベジンで、こちらは聞いたことある方が多いのではないでしょうか。

キャベツから発見されたビタミン様物質で、これがブロッコリーにも含まれています。まだ不明な部分があると言われている栄養素ですが、胃酸の分泌抑制や胃粘膜の新陳代謝の促進などの効果があると言われています。

胃潰瘍や胃炎などの回復の効果が認められており、医薬品としても利用されています。

ブロッコリーのミネラル

カリウム

カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。そのため、高血圧の予防になるミネラルの一つです。また心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。

またカリウムは水に溶けやすい性質があります。根菜類やブロッコリーは比較的損失が少なくなっていますが、葉菜類は茹でると50%以上が失われてしまうのでスープなどにして汁ごと食べることがおすすめです。ただしナトリウムを摂りすぎないよう薄味にしましょう。

カルシウム

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨も新陳代謝を繰り返しており、古い骨を壊しては新しい骨をつくり、なんと1年間で20〜30%が新しい骨に生まれ変わっています。この骨の代謝にカルシウムは深く関わり骨の健康を保っています。
そのためカルシウムが不足すると、骨が弱くなり、やがて骨粗鬆症を招きます。ビタミンKがカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取することで骨粗しょう症の予防も期待できます。

残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉などに広く存在し大切な情報の伝達を行っています。それによって血液中のカルシウム濃度が常に一定に保たれています。機能カルシウムはこの細胞内外の濃度の差を利用して、血液の凝固や酵素の活性化、ホルモンや神経伝達物質の放出をしています。さらには神経の興奮を抑え精神を安定させたり、筋肉を収縮させたりする働きもあり、筋肉のなめらかな動きをサポートしています。そのため、カルシウム不足でこむら返りを起こすことがあります。

鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、ヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。

そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。他にも鉄が欠乏して貧血になると、酸素が不足し細胞の働きが落ちてエネルギーの産生が悪くなります。エネルギーの産生には鉄が大きく関わっているので、とても大事な栄養素となります。

また、ヘモグロビンには筋肉の働きで生じる老廃物を回収する働きがありますが、鉄が不足すると乳酸などの疲労物質が回収できず溜まってしまい、酸素不足と疲労物質のダブルパンチで疲れやすくなります。

鉄は吸収率が低いと言われていますが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率をアップできます。小松菜にはそもそもビタミンCが含まれていますので、鉄を摂取するうえでとても効率の良い野菜となります。

クロム

クロムは、糖代謝を正常に行えるように、ブドウ糖を細胞内に取り込むホルモンであるインスリンの働きを助けるミネラルです。インスリンの働きが悪くなってしまうと、血液中の糖が利用できなくなり、血糖値が上昇して糖尿病のきっかけとなってしまいます。
さらに脂質の代謝も促すため、生活習慣病の予防効果が期待されます。

ただクロムはとても吸収率が低く、摂取状況によりますが1%程度と言われています。ほとんどが尿へと排出されてしまうので積極的に摂取したい成分のひとつです。
インスリンの合成・貯蔵・運筆に関与している亜鉛や、インスリンの合成を助けるマンガンなどと一緒に摂取すると、より糖の代謝がスムーズに進むなど効果アップが期待できます。

ブロッコリーのそのほかの成分

ブロッコリーには機能性成分も多く含まれます。

ルテイン

ルテインは緑黄色野菜に含まれる脂溶性の抗酸化作用を持つ黄色の色素です。

目の中の水晶体や黄斑部などに存在している成分ですが、体内で生成できないため摂取する必要があります。紫外線やブルーライトから目を守る効果があるため、天然のサングラスとも言われています。

スルフォラファン

スルフォラファンはイソチオシアネートの一種で、抗菌作用や動脈硬化予防などの効果が期待できる健康成分です。

スルフォラファンはイソチオシアネートの中でも特に研究が進んでおり、ブロッコリーに多く含まれていることが分かっています。

特にブロッコリースプラウトに豊富に含まれており、完熟ブロッコリーの約20倍です。ブロッコリースプラウトとは、かいわれ大根のようなブロッコリーの新芽のことです。

アリルイソチオシアネート

アリルイソチオシアネートも、スルフォラファンと同じイソチオシアネートの一種です。アリルイソチオシアネートはアブラナ科の野菜に含まれています。アブラナ科は、キャベツやブロッコリー、わさびや大根などの野菜が含まれます。アリルイソチオシアネートは辛味成分のひとつで、それが多く含まれるアブラナ科の野菜はツンとする野菜などが多いです。大根をすりおろすことで起きる化学反応でも生じるため、大根おろしは辛味が強くなります。

さらにアリルイソチオシアネートには、抗酸化作用があります。抗アレルギー効果もあると言われているので、花粉症予防の効果も期待できます。

また、辛味だけでなく苦味の原因にもなります。これは虫を寄せ付けないためであり、有害なわけではありません。

s-メチルシステインスルホキシド

s-メチルシステインスルホキシドとはアミノ酸です。アブラナ科の野菜に豊富に含まれており、ブロッコリーをはじめとしたキャベツやかぶなどに含まれています。このs-メチルシステインスルホキシドは、LDL(悪玉)コレステロール値を下げる傾向があるということが研究でわかっており、ブロッコリーなどを使った青汁などにも含まれるため注目されています。そのためアミノ酸がたんぱく質を形成していますので、体作りには欠かせない成分です。

α-リノレン酸

α-リノレン酸は不飽和脂肪酸で、オメガ3系脂肪酸に属する成分です。α-リノレン酸は体内で生成できないため、食べ物から摂取する必要があります。体の組織が正常に機能するために必要な脂肪酸なので積極的に摂るようにしましょう。植物油に多く含まれる成分で、えごま油などに多く含まれています。

食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、ブロッコリーの食物繊維は不溶性食物繊維です。水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
さらに、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

ブロッコリーの三大栄養素

三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。野菜には少ないたんぱく質や炭水化物(糖質)が主成分です。

ブロッコリーは低糖質な食品

可食部100gあたり(生のブロッコリー)

  • エネルギー...37kcal

  • 水分...86.2g

  • たんぱく質...5.4g

  • 炭水化物...6.6g

  • 脂質...0.6g

  • 食物繊維...5.1g

炭水化物から食物繊維を引いたのが糖質です。ブロッコリーの糖質は1.5gととても低くなっています。
ブロッコリーの糖類は、果糖が1番多く、ショ糖、ブドウ糖と含まれています。

他の野菜と比較すると

  • ほうれん草:カロリー18kcal、糖質0.3g

  • 小松菜:カロリー13kcal、糖質0.5g

  • トマト:カロリー20kcal、糖質3.7g

  • ピーマン:カロリー20kcal、糖質2.8g

  • じゃがいも:カロリー59kcal、糖質8.4g

  • 西洋かぼちゃ:カロリー78kcal、糖質17.1g

です。野菜の中で糖質が特に低いことがわかります。

ちなみにごはんの糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ブロッコリーは茹でると栄養素は変化する?

茹でると栄養は減る?

ブロッコリーは茹でることで、灰分(かいぶん)が40%、カリウムが45%、その他の無機質成分は20〜30%、ビタミンB群・C、ナイアシンなどは50%ほど減ってしまいます。

ビタミンCは他の野菜と比べてかなり多いので心配しすぎる必要はないという見方もあります。これは茹で時間を短くするだけでも対策になります。また、切り口から特に出るので、丸ごと茹でるという方法もあります。

電子レンジ加熱がおすすめ

栄養素が減るのが気になる場合は、電子レンジで加熱するのがおすすめです。電子レンジで温めれば、茹でたときよりもカリウム約2.4倍、ビタミンCは約2.5倍多くなっています。生の状態と栄養素ほぼ変わりません。

または、蒸し茹でもおすすめです。蒸し茹でもほぼ栄養素が流れ出ることはなく、しかも電子レンジで調理するよりもおいしく加熱することができます。ブロッコリーの茹で方についてはこちらで詳しく紹介しています。または、スープにすることで、流れ出た栄養素を摂取することができます。

茹でると量は減る?

葉菜類と異なり、ブロッコリーは茹でることで重量が1.1倍に増えます。これは茹でたときに水分を含むためです。

そもそもブロッコリーは、葉もの野菜に比べて1度に食べる重量が多くなっています。要するに、1度に摂取する栄養素が多いということになり、栄養素の供給源として非常に優れています。

油で炒めるのは◎

油にはβ-カロテン(ビタミンA)の吸収率をアップする相乗効果があります。

相乗効果とは、食材それぞれが持つ栄養成分が有効に働き、倍以上に生かされる組み合わせのことです。お互いに似た効能があると、効果が増強されます。

これはβ-カロテン(ビタミンA)が脂溶性であるため、脂質があることで溶け出して吸収しやすくなります。
例えば、にんにくと油で炒め物にしたり、マヨネーズや胡麻で和えて食べるなど工夫して食べてみてください。ただ食べすぎてしまうと油をとりすぎてしまい、ニキビや肥満の原因になりますので、注意しましょう。

ブロッコリーの栄養に関する豆知識

木製のボウル

カリフラワーとの違いは?

どちらも同じアブラナ科の野菜ですが、ブロッコリーは緑黄色野菜であるのに対し、カリフラワーは緑黄色野菜以外である淡色野菜に分類されます。

カリフラワーは地中海でブロッコリーから分化したもので、原型であるブロッコリーの方が栄養価が高くなっています。ちなみにブロッコリーはキャベツが変異したものです。

カリフラワーも栄養は豊富ですが、カルシウム、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維の含有量がブロッコリーよりも少ないです。ただ、茹でるとブロッコリーの方がビタミンCが多く損失されるので、茹でた後はブロッコリーもカリフラワーもビタミンCの含有量はほぼ同じになります。

また、ブロッコリーにはクロロフィルやカロテンといった色素成分が多いですが、カリフラワーにはほとんど含みません。そのため白色をしています。

ブロッコリーの茎にも栄養ある?

ブロッコリーの茎は栄養がたっぷり詰まっています。 花蕾(からい)よりも多くの食物繊維やビタミンを含んでいるので、茎は捨てずに調理して食べるようにしましょう。茎は甘みもあってとても美味しく、食感を楽しむこともできます。

細かく刻むと栄養の吸収が高まるのでおすすめです。そのままサラダやスープに入れましょう。茎の周りの硬い部分は捨ててしまうことが常ですが、これも横切りにして筋を断ち切れば食べられるので、ぜひ調理してみてください。

冷凍すると栄養は減る?

ほとんどのブロッコリーは加熱してから冷凍されることが多いため、加熱によって水溶性の栄養素であるビタミンCやカリウムの量が減ることがあります。

しかし急速冷凍などであれば、栄養素が壊れにくいようになっているため、大幅に栄養素が減る等の心配はありません。市販されている冷凍ブロッコリーもそのような処理をされていることが多いので、ブロッコリーの栄養をしっかりと摂ることができます。

スルフォラファンは放置すると活性化

ブロッコリーを切ってから放置すると、ミロシナーゼという酵素とスルフォラファンの前駆物質の反応が始まり、スルフォラファンが生成されます。

ただミロシナーゼは熱に弱いので加熱調理すると死んでしまい、切って生食すると消化されてしまうのでスルフォラファンの恩恵が受けられません。

ちなみに、放置する時間は5分ほどでよいといわれています。ぜひ試してみてください。

ダイエットや筋肉作りにおすすめ?

ブロッコリーはダイエットにおすすめです。まず、ビタミンやミネラルが豊富なので、他の糖質が高い食べ物を抑えてブロッコリーの量を増やしても、しっかりと栄養が摂れるという点があります。

さらに、ブロッコリーには「クロム」という血糖を調整するホルモンが含まれており、代謝をサポートしてくれるので脂肪の蓄積を抑える効果が期待できます。このクロムは体内に吸収しにくいミネラルなのですが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収しやすくなるため、ビタミンCが豊富なブロッコリーからは摂取しやすいと考えられます。

他にも、カリウムはむくみ対策に、食物繊維は便秘対策もできますので、ダイエットをしている方はぜひ積極的に摂取してほしい食材のひとつです。

ブロッコリーの旬は?

ブロッコリーは、最近では晩年出回っている野菜ですが、旬は寒い季節で11〜3月です。

基本的に、野菜は旬の時期のほうが栄養価が高いです。特にβ-カロテンとビタミンCが数倍増えることがあります。また、冬野菜は寒さにさらされた分、糖度が高くなり甘みが増しています。

新鮮なブロッコリーの見分け方は?

当然ですが、新鮮なブロッコリーの方が栄養価が高くなります。下記が新鮮なブロッコリーの特徴です。

  • 花蕾の中央部が盛り上がっている

  • 花蕾の色が濃い緑色で、花芽が硬くつまっている

  • 株の切り口がみずみずしい

  • 茎に空洞がない

ブロッコリーの効率的な食べ方

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。ブロッコリー自体にもたんぱく質は含まれますが、鶏肉や卵などと一緒に摂ると、さらに効果アップが見込めます。

また、ビタミンA(β-カロテン)がビタミンCのこのコラーゲンになる作用を助ける働きがあります。ビタミンAとCが含有されているブロッコリーはたんぱく質と一緒に食べるのが大変効果的と言えます。

タウリンと一緒に

ブロッコリーの食物繊維と、イカや牡蠣、あさりなどのタウリンには、コレステロールを下げる効能があるため、一緒に摂取することでより効果がアップします。
食物繊維は、コレステロールを吸着して体外に排出することで、血中のコレステロール値を低下させます。タウリンは、血中の悪玉(LDL)コレステロールを大きく低下させ、さらには善玉(HDL)コレステロールを増やします。全体の総コレステロールは低下します。

ビタミンEと一緒に

ブロッコリーは抗酸化作用のあるビタミンCが多く含まれていますが、同じ抗酸化作用のあるビタミンEと一緒に摂取することで相加効果になります。

相加効果とは、食材のそれぞれが持つ同じような効能が、さらに効果を発揮し向上させる食べ合わせのことを言います。

抗酸化作用は、アンチエイジングにとても重要で老化予防や生活習慣病予防が期待できます。
ブロッコリーにもビタミンEは含まれていますが、ビタミンEが豊富な食材にはナッツやかぼちゃ、さつまいもがあります。一緒に食べるといいでしょう。

栄養を逃さない保存方法

ブロッコリーの保存方法について解説します。

さらに詳しく知りたい方はこちらのブロッコリーの保存方法の記事をご覧ください。

常温

ブロッコリーは基本的に常温保存はおすすめしませんが、冬ならば冷暗所で1日程度保存可能です。その場合は新聞紙などで包むようにするとよいでしょう。常温保存はすぐに黄色くなってしまうこともあるので注意しましょう。

冷蔵

生を丸ごと立てて冷蔵

すぐに使うなら、冷蔵保存がベストです。ブロッコリーは正しく保存すれば、10〜12日程度冷蔵保存が可能です!

ブロッコリーをみずみずしく鮮度を保って冷蔵保存するには、茎の根元を切りグラスなどに挿し、茎の根元が数cm浸かる程度の水を入れ、ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めるのがベスト。冷蔵室でも構いませんが、野菜室の方が湿度が高くベターです。

ブロッコリーは他の野菜を劣化されるエチレンガスを放出するので、冷蔵庫内の他の野菜を守るためにもブロッコリーは密閉して保存することが重要です。

茹でたブロッコリーも冷蔵可

塩茹でしたブロッコリーが余ってしまった場合は、タッパーで2〜3日、冷蔵保存することも可能です。ブロッコリーから水が出てベチャベチャとした食感になってしまうのを避けるため、保存容器にキッチンペーパーを敷き、ブロッコリーを立てて(房の部分を上にして)敷き詰めます。

生のまま冷蔵保存しているブロッコリーに比べて、茹でたブロッコリーの冷蔵保存は傷みが早いので、なるべく早く食べ切るようにしましょう。

冷凍

長期保存するならば冷凍保存がおすすめです。ブロッコリーの冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。

茹でた小房をポリ袋で冷凍

小房に分けたブロッコリーを硬めに塩茹でし、自然に冷まし水けをしっかり切ったら、ジッパー付きポリ袋に入れ空気をしっかり抜き保存。茎も小さめに切っていれましょう。

生の小房をポリ袋で冷凍

生の場合も小房に分けたブロッコリーをジッパー付きポリ袋に入れ、空気をしっかり抜いて保存します。

ダイレクトフリージングでは栄養素が逃げずらい(特に水溶性のビタミンC)、茹でる面倒が省ける、解凍したときに柔らかい食感にならない(サラダなどに向く)というメリットがあります。

ブロッコリーのおすすめのレシピ

チキンとブロッコリーのマスタードマヨ炒め

酸味があるマスタードマヨがチキンとブロッコリーによくからみ、おいしい一品◎
ボリューミーなひと皿です。

鶏むね肉に含まれるタンパク質がコラーゲンになるのに、ブロッコリーとレモン汁のビタミンCは必要不可欠なので相性バツグン◎

またマヨネーズの油が、β-カロテンの吸収率をアップします。

チキンとブロッコリーのマスタードマヨ炒めのレシピ・作り方

ブロッコリーとあさりのスープ

ブロッコリーにあさりのだしが染み込んでいておいしいスープです。
しょうがで体が温まる一品です。ごま油で風味アップ。

さらに、先程も言ったようにタウリンが含有されているあさりが入っているので、コレステロール値を下げる効果がアップします。

ブロッコリーとあさりのスープのレシピ・作り方

ブロッコリーとさつま芋のレンジ蒸し

酸味のきいたマヨソースでいただく、蒸し野菜のひと皿です。食べごたえ◎
さつまいもに含まれるビタミンEと抗酸化作用の相加効果で、老化予防や生活習慣病予防を!

ブロッコリーとさつま芋のレンジ蒸しのレシピ・作り方