シャキシャキとした食感と甘みで牛丼に欠かせない玉ねぎ。この記事では玉ねぎの牛丼における役割や、代用に使える野菜などを紹介します。
玉ねぎには様々な役割があります。
甘辛い味付けの牛丼にぴったりなのが玉ねぎです。特有の辛味と甘みを持ちますが、主張は強くなく、火を加えることで辛味が和らいで甘みが増し、料理にコクと風味を加えてくれることからたくさんの種類の料理に使われています。また、たくさん使うことでかさ増しにもなります。
玉ねぎは煮る時間を短くすればシャキシャキの食感に、煮る時間が長くなればくたくたの柔らかい食感になります。好みに合わせて調整してみましょう。
玉ねぎは硫化アリルやケルセチンなどの特有の栄養も持つ栄養価の高い食材であり、値段も手頃で日持ちするため人気の食材です。
アリシンは糖の代謝を促し、エネルギーを生み出すビタミンB1と協力して血糖値とコレステロール値の上昇を抑え、生活習慣病予防の効果が期待されています。さらに、アリシンには抗酸化作用があるので、その点でも生活習慣病予防に役立つとされています。
ケルセチンはポリフェノールの一種で、活性酸素によるダメージを防ぎ、赤血球の働きを活発にさせて、血流を改善するほか、ケルセチンの働きにより、血中コレステロールと悪玉コレステロールが低くなることも分かっています。血糖値上昇を抑制する効果もあることから、高脂血症や糖尿病など生活習慣病予防の効果も期待できます。
もちろん、牛丼はタマネギ無しでも作ることができます牛肉の甘くジューシーな味わいを楽しむことができます。高級な牛肉を使う場合は、玉ねぎなしで作ってみても良いかもしれません。
ただし、玉ねぎを使わない場合、シャキシャキとした食感や、くたくたとした柔らかい食感が失われてしまいます。また、玉ねぎから出る甘みや旨味もないので、どこか物足りないテイストになってしまうでしょう。栄養面でも偏ってしまいます。
玉ねぎが苦手な方は次の項目で紹介している代用品を使ってみても良いでしょう。
牛丼に使う玉ねぎの量はお好みで構いませんが、基本的に大きめの玉ねぎなら1人あたり1/4~1/2くらいの量が使われることが多いです。
ただし、玉ねぎの使う量が多すぎると玉ねぎからたくさん水が出てしまい、味が薄くなってしまうことがあります。玉ねぎをたくさん入れる場合はよく味を確認し、薄いと感じた場合は醤油や出汁で調整しましょう。
玉ねぎは切り方によって食感が変わります。繊維に沿って切れば玉ねぎのシャキシャキとした食感を残せます。繊維に対して直角に切る場合、ほろほろとやわらかい食感になり、短時間で火が通りやすくなります。
あえて食感の違いを出すために切り方を分けてみるのもおすすめです。また、タマネギを鍋に入れるタイミングをずらすことでも食感の違いを生み出すことができます。
牛丼の玉ねぎは炒めずに煮るだけが多いですが、炒めることで火が通るので、煮込み時間を短くすることができ、時短調理にもなります。また、香ばしさもプラスすることができます。
ただし、炒めることで表面が油でコーティングされ、味が染み込みにくくなります。牛肉も一緒に炒める場合、味を染み込ませるために煮ることで、火の通しすぎで牛肉がかたくなってしまうこともあるので要注意です。
また、炒めることである程度火が通っているので、さらに煮込むことでシャキシャキとした食感が残りにくくなります。シャキシャキ感を残したい方は煮込む時間を短めにしましょう。
牛丼を煮込むだけの方法で作れば、ジューシーで柔らかめの牛丼に仕上がります。ただし、煮込むのは炒めるよりも時間がかかるので、パパっと牛丼を作りたいという方にはやや不向きです。
玉ねぎの独特な匂いが苦手という方もいるでしょう。玉ねぎのツンとした匂いや辛味は硫化アリルという成分が原因です。硫化アリルは玉ねぎの他にも長ネギやにんにく、ニラなどにも含まれている成分で、にんにくを食べると次の日まで臭うことがあるのはこのためです。
ただし、玉ねぎは加熱することで甘みが強くなり、硫化アリル由来のツンとした匂いや辛味は気になりにくくなります。玉ねぎの辛味が苦手な方はしっかり煮込んでみましょう。
硫化アリルは、玉ねぎの繊維を断ち切るようにして切る(繊維に直角に切る)ことや、薄くスライスして空気や水にさらして放置することで軽減することができます。しかし、空気や水にさらすことで栄養素も流出してしまうデメリットがあります。
また、玉ねぎが腐っていることが臭いの原因であることもあります。ガスのような臭いや、卵が腐った時のような臭いがする場合は、玉ねぎが腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄する方がよいでしょう。また、青臭い匂いが強い場合はカビが生えている可能性があります。カビが見えなくてもカビ菌が繁殖しはじめていることがあるので、心配な方は破棄しましょう。
臭いの原因や取り方、腐っている場合の見分け方はコチラの記事で詳しく紹介しています。
FILY:玉ねぎを食べると臭い!味が口の中に残る理由。臭みを消す方法とは?
FILY:玉ねぎが腐ってる時の見分け方|臭いや見た目はどうなる?
玉ねぎの代用品を紹介します。ただし、100%玉ねぎの代わりとなるような野菜はありません。
玉ねぎの代わりに使われることが多いのが長ネギです。長ネギは、ネギの中でも細長くのびて主に白い葉鞘の部分を食べるねぎを指し、「白ネギ」や「根深ネギ」と呼ばれることもあります。これに対し、緑の葉の部分を中心に食べるねぎを「青ネギ(葉ネギ)」と呼びます。
玉ねぎと似たシャキシャキの食感で、牛丼作りではあえて長ネギを使う方もいます。長ネギは炒めることで香ばしさが増すため、長ネギを使った牛丼を作る場合、炒めてから煮るのもおすすめです。
白菜の根本の部分はタマネギと似たシャキシャキとした食感と甘みを持つので、代用として使うのもおすすめです。低カロリーでビタミンや食物繊維などの栄養価も多く含んでいます。
旬の白菜は栄養価が高く、寒い時期は特におすすめの代用品です。
キャベツも芯の部分がシャキシャキとした食感で玉ねぎによく似ています。白菜同様に低カロリーでビタミンや食物繊維などの栄養価も多く含んでいますが、水分量が多いので熱を加えるとしんなりとして少なくなってしまい、味が薄くなってしまうこともあるので注意しましょう。
かさ増しのために刻んだ生のキャベツをトッピングする食べ方もあります。
価格の安いもやしは、手軽にカサ増しができ、玉ねぎに近いシャキシャキとした食感もあって、代用品として使うこともできます。
火が通りやすいですが、長めに煮込めばしんなりと食感に、短めに煮込めばシャキシャキの食感になります。お好みに合わせて煮る時間を調節してみてください。
値段が手ごろで、根っこを残して育て直せばもう一度食べられることから人気の豆苗は、トッピング具材として使うこともできますが、タマネギの代わりに中に入れることでしゃきしゃきの食感が楽しめる牛丼になります。
豆苗にはビタミンKやビタミンC、ベータカロテンなどの栄養素も豊富で、牛丼の栄養価を高めることもできます。
香味野菜のセロリもタマネギの代用としておすすめで、お肉の臭み取りとしての役割も果たし、牛丼がどこか上品な味に仕上がります。ビタミンや食物繊維をたっぷり含んでいて栄養価も高いです。
独特の香りが苦手な方は切った後に水にさらしておくと和らげることができます。湯通しするのも有効です。
牛肉と一緒に煮物が作られることの多い大根も玉ねぎの代わりとすることができます。大根を使う場合は甘みの強い葉っぱ側を使うのがおすすめです。
細く切ればより玉ねぎに近いテクスチャーになりますが、細く切った大根は煮込みすぎると崩れてしまうので注意しましょう。
オクラもシャキシャキの食感で玉ねぎの代用になります。独特のねばねば食感で好き嫌いの分かれる食材ですが、このねばねばは食物繊維のペクチンによるもので、食物繊維以外にも様々な栄養を含んでいます。
玉ねぎの代わりに入れることで様々な食感が楽しめる牛丼になります。下茹でしたものをトッピングするのもおすすめです。
牛肉とごぼうを使った料理はしぐれ煮が有名ですが、甘辛の味付けはほとんど牛丼と同じ味なので、玉ねぎの代わりにしても相性はとても良いことがわかるでしょう。
牛肉とごぼうだけでは固めの食感になるので、きのこ類などのシャキシャキとした食感の食材を一緒に入れると食感が豊かになります。
椎茸やエノキなどのきのこ類もおすすめです。それぞれが歯ごたえのあるシャキシャキとした食感と旨味を持っているので、美味しさはもちろん、食べごたえも感じることができます。
きのこ類は食物繊維などの栄養が豊富に含まれているので、旨味だけでなく栄養面でもバランスが取れ、おすすめの代用品です。
お肉のPH値(酸性・アルカリ性を表す尺度)を変えることでお肉が柔らかくなります。お肉はPH5という弱い酸性で、この数値は、繊維質が縮まっているので固くなりやすく、一番保水性が低いので水分や旨みが含まれる肉汁が流出しやすい数値です。
PH値が変わることで電荷の反発が起きて筋原線維タンパク質が緩み、緩んだ部分に水分が入り込むことでお肉が柔らかくなります。
PH値を変えてお肉を柔らかくする方法で最も一般的なのがお酒に漬け込む方法です。お酒に漬け込むことでお肉のPH値が酸性に傾き、柔らかくなるほか、臭みも取れ、うまみ成分を閉じこめる効果もあります。
料理酒はもちろん、牛肉と相性の良い赤ワインもおすすめです。お酒に漬け込むときは、30分ほど冷蔵庫でお肉全体を浸しておきましょう。赤ワインの独特な渋みが苦手な方は白ワインがおすすめで、癖のないすっきりとしたテイストで料理の色も変わりません。
生姜やにんにくを牛肉に漬け込むことで臭み消しとなりますが、臭み消し以外にも様々な効果があります。お酒と一緒に漬け込むのがおすすめです。
チューブの製品もあり手軽に使える生姜は、付け合わせに紅生姜が使われていることからもわかるように牛丼との相性も良く、少しさっぱりとしたテイストになります。ただし、入れすぎると風味が変わり、辛みを感じるような風味となってしまうので入れすぎに注意です。
すりおろしたにんにくはうまみ成分のグルタミン酸が豊富で、お肉の旨味を引き出してくれます。にんにくも入れすぎると風味が変わり、辛くなってしまうので入れすぎに注意です。
牛丼を美味しくするためには、調理前に牛肉を常温に戻しておきましょう。冷たい状態のまま焼くと火が通りにくいため、加熱時間が長くなり、固い仕上がりになってしまいます。
冷蔵庫から取り出して30分ほど常温でならしておけば火が通りやすくなります。
牛丼の作り方は牛肉やタマネギを炒めてから煮る方法と、炒めずに煮るだけの方法があります。一度炒めると煮込む時間を短くでき、旨味も出て香ばしい仕上がりになりますが、少し固めの仕上がりとなるので、ジューシーで柔らかい牛丼が好みな方は、煮るだけにすると良いでしょう。
牛肉は加熱によって弾力性が増すため、煮込みすぎると固い仕上がりになってしまうので要注意です。色が変わる程度の短時間煮込むのがおすすめです。タマネギから先に煮込むことで牛肉の煮込みすぎを防止できます。
タマネギのシャキシャキ感を残したい方は牛肉を先に煮込み、一度取り出してタマネギを煮込み、後から牛肉を加えるのがおすすめです。
タマネギを入れるタイミングでタマネギの食感が変わります。お肉を入れる前に煮込めばしんなりと柔らかくなり、お肉と一緒なら食感が残ります。
あえて最初に2/3の分量だけを使い、後から残りを入れることで食感の違いを生み出すこともできます。
お肉を冷凍すると冷凍中に細胞が壊れるため、肉質が柔らかくなります。細胞が壊れるのは品質の低下であると思われがちですが、肉類などの場合は肉質が柔らかくなることに役立ちます。
作り置きとしても便利なのが「下味冷凍」です。作り方はジッパー付きの保存袋にいつもの牛丼の材料と調味料を入れて冷凍するだけです。具材にしっかり味を染み込ませることができ、冷凍+タマネギの酵素で牛肉が柔らかくなります。調理も冷蔵庫で解凍しておき、中身をフライパンで煮るだけです。
ただし、冷凍していても劣化は進んでしまうので、長くても1カ月以内に調理するようにしましょう。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
牛肉と玉ねぎのうまみでご飯が進みます。甘辛のタレと牛丼がよく合います。
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卵でとじたごま油風味の韓国風牛丼です。
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