トマトが腐ってしまったけど、加熱すれば食べられるのではないかと考えたことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では腐ったトマトは加熱すれば食べられるのかどうか紹介します。
腐敗してしまったトマトは食べられるのか解説します。
異臭がしたり溶け出している箇所があるなど、腐敗してしまったトマトでも加熱すれば食べられるのではと思う方もいらっしゃると思いますが、腐敗してしまったトマトは残念ながら加熱をしても食べることはできません。
腐敗してしまった食材には細菌が増殖している状態です。すべての細菌が食中毒を起こす原因になるとは限りませんし、加熱すれば死滅する細菌の場合もあります。しかし、加熱しても死滅しない細菌の場合もありますし、小さなお子様や高齢者の方など免疫力が十分にない方や腸内環境が整っていない方など、体質的に食中毒になりやすい方もいます。
多少でも腐っている場合は破棄しましょう。
腐敗まではいかず、鮮度が落ちて傷み始めている程度であれば食べることができます。
しかし、傷み始めている場合は生食は避けたほうが良いでしょう。殺菌の意味でもしっかりと加熱してから食べることをおすすめします。
傷み始めていてもギリギリ食べられるトマトの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
ただし、上述したように加熱しても死滅しない細菌の場合もあるので、心配な方や小さなお子様、高齢者の方が食べる場合はやはり破棄が無難です。
完全に腐敗していて加熱しても食べられないトマトの特徴は下記の通りです。
腐敗が進むと、ヘタ周辺や実の表面にカビが生えます。白カビや黒カビが生えることが多いです。
ヘタの周りは細菌が多く発生するため、白カビはヘタの周辺に発生することが多いです。カビが全体的に生えてしまっている場合は食べることはできません。特に黒カビは白カビよりも毒性が強いと言われています。そのため、黒カビが広範囲に生えてしまっている場合は食べずに処分するようにしましょう。
カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。カビ毒は加熱をすれば大丈夫ということはないので注意してください。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)
熟して食べ頃のトマトは赤みが強いですが、腐敗が進むと全体的に黒っぽく変色します。特に、ヘタ周辺や表面の傷周辺から腐敗が進みやすいです。
ただし、中には黒い品種も存在します。「インディゴ・ローズ」というトマトの品種は、皮(外側)が黒く、中身は赤紫色をしています。
トマトが黒く変色する原因や対処法については下記の記事で詳しく解説しています。
トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説
腐敗が進むとトマト全体が柔らかくなるだけでなく、トマトの一部に穴が空いて中身が溶け出してる状態になります。
表面の傷や割れ目から穴が空くことが多いです。
トマトが全体的に柔らかくなっていて形が崩れているような場合は腐ってる可能性が大ですので、食べずに廃棄しましょう。食害にあったトマトも、他の菌が入り込む可能性が高いので食べない方が安全と言えます。
トマトが腐ると、トマトから異臭を放つ汁が出ます。この場合は、トマトが全体的に腐敗していることがほとんどなので廃棄処分しましょう。
新鮮なトマトでも、穴や傷、割れ目から汁が出ることもありますが、新鮮なトマトから出る汁は臭くありません。
汁が出ているからとすぐに捨てるのではなく、トマトの表皮の状態(ツヤ、ハリがあれば○)などを確認してから判断しましょう。
虫に食べられることがあります。その場合、トマトに穴が空いています。
トマトをよく食べる虫は、オオタバコガやタバコガ、ハスモンヨトウなどの幼虫です。丸く穴が空いている場合はオオタバコガ、クレーター状に跡がついている場合はハスモンヨトウによる食害です。
食害にあったトマトには糞や他の菌などが付着していることがほとんどなので、食べない方がベターです。
トマトは元々酸味のある野菜です。ですがトマトが腐ると、普通のトマトでは感じないような酸っぱい臭いがします。腐敗具合によっては、生ゴミやカビのような悪臭がすることもあります。
見た目は問題なくても、明らかにいつもと違う臭いがする場合は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄することをおすすめします。
臭いトマトは食べられる?腐ってる?臭くならない保存法は?
野菜といえば青臭さを感じるものが多いですが、トマトは特に青臭さを感じやすい野菜です。そのため、多少青臭くても腐敗しているというわけではありませんが、カビ臭い場合は注意が必要です。
カビが生えているようには見えなくても、カビの胞子が飛び散り繁殖し始めているとカビ特有の臭いを放つことがあります。
心配な方は食べずに処分するのが良いでしょう。
見た目や臭いで腐っていると判断できることがほとんどですが、腐っていることに気付かずに食べてしまうこともあると思います。
完熟したトマトはほどよい甘みと酸味があって美味しいですが、腐っているトマトは、強い酸味や時には苦味を感じることもあります。
トマトの味が変だなと思った時は、ただちに食事を中止しそれ以上食べないようにしましょう。
腐っているトマトは、トマト全体がブヨブヨとし、形が崩れてしまうほど柔らかくなります。トマトの腐敗が進んでいる証拠ですので、原型を留めないトマトを食べるのは避けましょう。
新鮮なトマトは、皮がピンとしていてハリがあります。そのため、多少の柔らかさはあっても、少し触った程度で型くずれすることはありません。
トマトを触るとトマトの表皮がヌルヌルとしていることがあります。きゅうりやトマトなどの水分が多い野菜は、腐り始めると表面にヌメリが出てくるのが特徴としてあります。
腐っている場合は、ぬるぬるするだけでなく変色していたり悪臭がすることが多いです。その場合は食べないようにしましょう。
稀に農薬などでぬめり感が出ていることがあるので、その場合は水洗いするとヌメリが取れます。
傷んではいるけれどギリギリ食べられるトマトの特徴は下記の通りです。
ヘタのみに白カビが生えていて、実まで侵食していない場合はギリギリ食べられます。
ヘタに白カビが生えているトマトを食べる際は、ヘタを取りいつもより入念に水洗いをしてください。そしてサラダなどの生食ではなく加熱料理として使う方がベターです。
ただし、上述したように見えない部分にもカビの胞子がついていて、カビ毒を発生させる可能性も0ではないため、心配な方や免疫力が低い子ども、高齢者の方は食べるのを控える方がよいでしょう。
ぶよぶよしていて柔らかくなっている部分があっても、異臭がしたり形が崩れだしていなければ単に食べ頃をすぎて過熟の状態になっているだけなので食べることができます。
トマトは収穫後も熟していくので、長く保存しているとどんどん熟していき柔らかくなっていってしまいます。腐敗のサインが見られなければ食べることはできますが、そのままにしていると腐敗していってしまうので、ぶよぶよになってきているなと思ったらできるだけ早く使い切りましょう。
トマトの皮がシワシワになっていることがあります。シワシワになっているからといって必ずしも腐っているというわけではありませんが、トマト内の水分がかなり蒸発してしまっています。
大玉トマトの場合、皮だけが乾燥していて中身はそのままであることが多いです。切って中身が問題なさそうであれば食べてもOKです。
皮がシワシワになったトマトを80℃ほどのお湯に10秒浸けたり、水に30分ほど浸けることでハリのある
しかし、あまりにも水分がなくなっている場合は栄養や味が劣りますので、食べずに処分する方がよいでしょう。
傷み始めてしまっているトマトは、生食は避けて加熱して食べましょう。傷み始めてしまっているトマトは柔らかくなってしまっていることが多いので、柔らかさが気にならない調理法で食べるのがおすすめです。
傷み始めて柔らかくなってしまっているトマトは、トマトソースを作るのに適しています。トマトソースを作る際は一度トマトを潰してペースト状にしますが、ぶよぶよのトマトであれば柔らかいので潰しやすく滑らかな口当たりに仕上がります。
トマトソースの状態にして冷凍保存しておくことも可能です。トマトソースは様々な料理に使うことができるのでトマトソースにして冷凍しておくと非常に便利です。
トマトソースのレシピはこちら
トマトはカレーの具材にもピッタリです。傷み始めたトマトは水分量が多いため、完熟〜過熟のトマトを使って無水カレーにするという方もいます。
トマトの水分だけで煮込むことによって、水を入れて作るカレーよりもトマトの旨味や酸味をしっかりと活かすことができます。トマトが苦手な方や小さなお子様でも比較的食べやすいのでおすすめです。
トマトたっぷりドライカレーのレシピはこちら
傷み始めたトマトは、ミネストローネなどのスープにしても美味しく食べることができます。
ミネストローネを作るときは、トマト以外のにんじんやウインナーなどの具材をオリーブオイルなどで炒めた後にぶよぶよのトマトと水、コンソメなどの調味料を加えて煮込みます。ミネストローネを作るときは、トマト缶を使うことも多いと思いますが、トマトを使うほうがより濃厚で旨味のある味わいに仕上がるのでおすすめです。
腐敗していなければ食べられるとはいっても、鮮度が落ちて傷み始めてしまったトマトの味や食感は新鮮なトマトと比較するとやはり劣ります。美味しくトマトを食べるためには、購入したら正しく保存し鮮度を保ち、早めに食べきることが大切です。
トマトの正しい保存方法と保存期間を紹介します。
熟していない青いトマトのみ常温で保存します。常温で保存した場合の賞味期限は、夏場は2〜3日、冬場は1週間ほどです。
追熟の最適温度は15〜25℃と言われているため、常温で保存することで成熟が進み、美味しいトマトになります。
常温で保存し、トマトを追熟させる場合は、1つずつ新聞紙にくるみ、ヘタを下にしてカゴに入れ、冷暗所に置いておきます。ヘタを下にすることで、トマトが乾燥するのを防げます。
上述の通り、トマトの追熟最適温度は15〜25℃です。熟したトマトを常温保存するとさらに熟して傷んでしまうため、熟したトマトは通年常温以外の保存がおすすめです。
ただし、冬場なら常温保存も可。その場合は8〜10℃以下になる場所で保存しましょう。暖房器具を使っている部屋などで10℃を超える場合は、冬場でも冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵保存で保存した場合のトマトの賞味期限は2週間です。
トマトを丸ごとそのまま、もしくはトマトを切って保存する場合で保存方法が異なりますので、それぞれを詳しく解説します。
熟したトマトは通年冷蔵保存します。熟したトマトは、トマト同士がくっつくとその部分から傷みやすくなります。さらに、トマトに含まれるビタミンCが15%も失われてしまうことも!(常温で1週間保存した場合)
しかし、保存最適温度(8〜10℃)以下の冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまうので、冷蔵保存する場合は低温になりすぎない野菜室で保存します。
1つずつ丸ごとペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じます。野菜室で約2週間保存できます。
切ったトマトはラップをして、そのままチャック付きビニール袋に入れて、野菜室で保管します。切ったトマトは傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。
冷凍でトマトを保存した場合の賞味期限は1ヶ月です。
トマトの細胞が壊れて旨味成分である「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」などが外に出やすくなるため、甘みとうまみが増しより美味しく食べることができます。また、冷凍することによりトマトの酸味が和らぎます。ただし冷凍したトマトは食感が劣るので、生食ではなくソースやスープなどの加熱料理に使用しましょう。
トマトの皮剥きが必要なレシピに使う時や、カットする時間がない時、用途が決まっていない時などはトマトを丸ごと冷凍するとよいです。
ヘタを取って、丸ごと冷凍用のチャック付きビニール袋に入れます。冷凍庫で約1ヶ月保存できます。
丸ごと冷凍したトマトを解凍する方法には自然解凍、水に入れて解凍、電子レンジで解凍などがあります。
自然解凍する場合は、凍ったトマトを5分ほど室温に戻します。しかし、水と一緒にトマトの汁も抜けてしまい味が劣ってしまうのでおすすめしません。
トマトの皮を剥く場合は、水にさらして解凍するのがおすすめです。トマトのお尻の方(ヘタの反対側)に十字に切れ目を入れ、水に30秒〜1分ほど浸けます。その後手で皮を剥きます。
電子レンジで解凍する場合は、耐熱皿にトマトをのせてそのまま解凍します。
皮を剥いたトマトはソースやスープなどに、皮つきのトマトはすりおろしてドレッシングなどにおすすめです。
ざく切りにして冷凍すると、料理をする時にすぐに使えて便利です。
トマトを水洗いし水けをしっかり取ります。好みの大きさにカットし、冷凍用のチャック付きビニール袋に入れて保存します。冷凍庫で1ヶ月保存できます。
トマトがなるべく重ならないように入れると、使いたい分だけ手で折れるので取り出しやすくなります。
上述の通り、冷凍トマトは解凍しても生食には適さないので、加熱して食べるのがおすすめです。解凍しすぎると旨味成分や甘み成分、栄養などが流れ出るため、冷凍のカットトマトは凍ったまま加熱料理に加えましょう。
なお、トマトソースを作って冷凍することも可能です。
トマトを乾燥させてから保存した場合の賞味期限も1ヶ月です。
野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥トマトはお味噌汁の具やサラダのトッピングとしてお使いいただけます。凝縮した旨みと、いつもと違う食感が楽しめます。
おすすめは天日干しです。天日干しすることで、トマトに含まれるリコピンの量が4倍になると言われています。リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と言われています。肌や血管の老化を防いだりガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。
なお、トマトの保存方法については下記の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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