じゃがいもを茹でる時、蓋をすべきかどうか迷う方は多いと思います。本記事ではじゃがいもを茹でる時に蓋をするメリットやデメリット、その他じゃがいもを茹でる際のポイントについて詳しく解説します。
野菜を茹でるときに蓋をするべきか否か迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、じゃがいもを茹でる場合は蓋をしてもしなくてもどちらでも大丈夫です。
例えば、ほうれん草などの葉野菜を茹でるときは蓋をせずに茹でるのが基本です。茹で時間が短く、蓋をしていたらお湯から出すタイミングの判断がしにくいためです。葉物野菜は茹ですぎると色合いも食感も悪くなってしまうので、蓋はせずにさっと茹でて取り出します。
じゃがいもは、葉野菜など火が通りやすい野菜と比較して茹で時間が長い特徴です。そのため蓋をしてもすぐに外してお湯から出さなければいけないということはありません。そのため、蓋をしてもよい野菜といえます。
一方で、蓋をして茹でたからといって茹で時間が特段短くなるということもないので、どちらでも差し支えありません。
じゃがいもは水から茹でる野菜です。じゃがいもを沸騰したお湯から茹でると火の通り方にムラができて外側は十分柔らかいのに内側は火が通ってなくて固いといった加熱ムラが生まれ、内側まで火が通る頃には外側がボロボロになってしまうためです。
蓋をしてじゃがいもを茹でる場合は、沸騰してから蓋をします。じゃがいもの茹で時間は沸騰してから計るため、はじめから蓋をしていると沸騰したタイミングが分かりにくいということがあります。
じゃがいもを使ったレシピでも、じゃがいもを茹でる際に「沸騰してから蓋をする」という手順がしばしば記載されています。
じゃがいもを茹でる際は、「蓋をしない」または「蓋をする場合は沸騰してから」のどちらかと覚えておきましょう。
じゃがいもを茹でる時は蓋をしてもしなくてもよいのですが、レシピによっては蓋をするよう記載されている場合があります。それはいくつかメリットがあるためです。
じゃがいもを茹でる時に蓋をするメリットは、やはり熱が逃げづらいという点です。
じゃがいもは、外側は柔らかいのに中側は固いといった加熱ムラができやすい野菜です。
蓋をして茹でることで、鍋内部の熱を均一に分散させることができるため、茹で汁の中でじゃがいもがムラなく加熱され、外側と内側の茹で加減がより一致します。これにより、加熱ムラなく均一な食感と味わいを楽しむことができます。
また、多くのじゃがいもを茹でる場合は茹で時間が必然的に長くなります。その場合、蓋をしていないと茹で汁がどんどん蒸発してしまいます。これも均一に火が通らない原因になります。
蓋をしていると風味を逃さないというメリットもあります。
じゃがいもなどじっくり火を通していく野菜は、長い時間茹でることで茹で汁が蒸発し、風味や味となる成分も蒸気となって出ていってしまいます。
蓋をして茹でれば、茹で汁が蒸発しにくくなります。蓋をすることで茹で汁を鍋内に閉じ込めることができるため、じゃがいもがより旨味を含んだ状態で茹で上げることができます。
じゃがいもなどの根菜は火が通るのに時間がかかりますが、蓋をすれば鍋の中に熱を閉じ込めることができます。そのため、蓋をしないで茹でるよりもやや早く火が通りますが、茹で時間が大幅に短縮されることはありません。
蓋をして茹でると茹で加減を確認しにくいといえます。茹で時間はあくまでも目安であり、じゃがいもの大きさによっても異なります。そのため、時間を正確に計っていても茹ですぎてボロボロになってしまうこともあります。
蓋をせずに茹でれば、常にじゃがいもの状態を確認することができます。気がついたら形が崩れてしまっていたということもありませんし、いちいち蓋をとったり外したりする手間がかかりません。
自分の好みや料理に合わせてより細かく茹で加減を調節しやすいのが、蓋をせずに茹でるメリットといえるでしょう。
じゃがいもを茹でるときは皮を剥いたりカットしておくと調理をするときに便利ですが、丸ごと皮付きのまま茹でるほうがじゃがいもの栄養が流出しにくいのでおすすめです。
じゃがいもは「畑のりんご」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富に含まれています。可食部100gあたりに含まれるビタミンCの量は28mg!そんなビタミンは水溶性なので、皮を剥いた状態で茹でるとどんどん流れ出ていってしまいます。また、水溶性成分はビタミンCだけではありません。体内の余分な塩分を排出し、バランスを調整してくれる「カリウム」も流出してしまいます。
皮ごと茹でることで水溶性の栄養素を9割キープできるといわれています。皮付きのままでもカットしてあると断面から栄養素が流出してしまいますので、栄養素を重視するのであれば「丸ごと皮付き」がベストです。
じゃがいもに芽が生えていた場合は、しっかりと取り除きましょう。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれており、一定量摂取すると吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど症状が出る可能性があります。
ソラニンとチャコニンは、グルコースやガラクトースなどの「糖」と、植物由来の窒素を含んだアルカリ性(塩基性)物質である「アルカロイド」からできているグリコアルカロイド(糖アルカロイド)と呼ばれる成分の一種です。育っていく中で外敵に食べられてしまわないようにソラニンやチャコニンといった有害物質をもつようになったといわれます。
ソラニンやチャコニンは特に芽の根元に多く存在していますので、表面に出ている部分だけではなく根元から身もえぐり取るようにすることが大切です。まだ小さな芽の出始めの部分にもチャコニンやソラニンが含まれています。まだ小さいから大丈夫と思ってしまいがちですが、小さな芽も必ず取り除きましょう。
出典:食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報(農林水産省)
野菜は水から茹でる場合と沸騰したお湯から茹でる場合がありますよね。上述したようにじゃがいもは水から茹でるのが基本です。
水から茹でたほうが外側から内側まで均一に火が通るため煮くずれしにくくなります。じゃがいもを茹でるときは必ず水から茹でましょう。
じゃがいもの茹で時間はじゃがいもの大きさや皮付きかカットしているかなどの条件によって異なります。本記事では、水から茹でて、水が沸騰してから茹で上がるまでの時間を「茹で時間」とします(湯が沸騰するまでの時間は含みません)。
小・Sサイズ(58g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は15〜20分程です。
じゃがいもは大きければ大きいほど火が通るのに時間がかかるため、小サイズが最も早く茹で上がります。新じゃがは小サイズのものが多いため、じゃがいも小サイズの茹で時間を目安に茹でると良いです。
中・Mサイズ(92g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は20分〜25分程です。20分ほど加熱後に竹串を通してスッと通らなければ、1分ずつ茹で時間を追加して調節してください。
大・Lサイズ(157g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は30分程です。
やはり大きいサイズは最も時間がかかります。時間がかかるため大サイズのじゃがいもの茹でる時間を短縮したい場合は、カットしてから茹でると良いです。ただし、時間は短縮できてもカットすることにより栄養素は流れ出てしまいます。
じゃがいもは蒸しても美味しく食べることができます。蒸せば水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができますし、味が薄くなってしまうこともありません。
じゃがいも丸ごと皮つきのまま蒸す場合は、よく洗った後に切り込みを入れます。鍋に水を入れて沸騰させたら、じゃがいもを入れた蒸し器を入れて蓋をします。
蒸し時間はじゃがいもの大きさにもよりますが、だいたい20分程です。竹串がすっと通るようになったら完了です。
圧力鍋を使うと、よりスピーディー(約10分程)で火が通るので便利ですよ。
じゃがいもをレンジで加熱すると時短になります。また、茹でるのとは異なりビタミンCなどの水溶性の栄養素の流出を防ぐことができます。
じゃがいもを丸ごとレンジで加熱する場合は、綺麗に洗い、芽を取ったら1個ずつラップに包みます。このときじゃがいもの皮に切り込みを入れておくと加熱後皮が剥きやすくなりますが、切り込みを入れなくても剥くことができるのでそのままラップに包んでも大丈夫です。
複数個のじゃがいもをまとめてラップに包んでしまうと、熱が均一に伝わらなくなってしまうのでNGです。必ず1個ずつ包み、加熱も1個ずつ行うのがおすすめです。
ラップで包んだら、1個につき600Wで3分を目安に竹串がすっと通るようになるまで加熱します。
じゃがいものレンジでの蒸し方はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【レンチンするとじゃがいもがパサパサになる?】
じゃがいもをレンジで加熱すると、パサパサになってしまうことがあります。
これは電子レンジが食材の水分を蒸発させてしまうためです。じゃがいもは元々水分量が少ない野菜であり、さらに火が通りづらいため長時間加熱をすることで水分が飛んでしまいパサパサになってしまいます。
湿らしたキッチンペーパーで包んでからラップすると、水分が飛んでパサパサになってしまうことを防ぎ、柔らかい仕上がりにすることができます。
カットをしてから加熱することも可能ですが、切り口から水分が飛んでしまうためパサパサになることを防ぎたい場合はカットより丸ごとがおすすめです。
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