じゃがいもを煮物などに使うと、煮崩れしてしまうことってありますよね。じゃがいもの煮崩れを防ぐには、料理に使用する前に電子レンジで加熱するといいです。本記事では、じゃがいもが煮崩れしない方法を詳しく解説しています。
じゃがいもを使って煮物などを作るときに、じゃがいもが煮崩れしてしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。
じゃがいもの煮崩れを防ぐには、調理する前に電子レンジで加熱するのがおすすめです。ポイントは、粗熱が取れてから煮込み料理に加えることです。一度冷やすことでじゃがいもが引き締まるため、煮込み料理に加えても形が崩れにくくなります。
【じゃがいもが煮崩れてしまう原因は?】
じゃがいもの煮崩れには主にデンプンとペクチンの2つの成分が関与していると考えられます(たんぱく質も影響していると言われています)。
じゃがいもにはデンプンが豊富に含まれています。デンプンは炭水化物の一種で、加熱して水を加えることで糊化(「こか」と読みます。デンプンが水を吸ってのり状になること)して膨らむ性質があります。それにより細胞同士の結びつきが弱まり、煮崩れしてしまいます。
じゃがいもをレンジで加熱した後、しっかりと冷ますのがポイントです。熱したじゃがいもを冷やすことでじゃがいもがぎゅっと引き締まり、煮込み料理に入れても煮崩れしにくくなります。
レンジで加熱した後は耐熱皿に広げたまま常温でしばらく放置し、ある程度粗熱が取れた状態で調理に使用するようにしましょう。
料理にじゃがいもを使う際、煮崩れしにくい品種を使うのもポイントです。上述したように、じゃがいもの煮崩れにはデンプンが関与しています。そのデンプンの含有量が少ない品種を使うことで、煮崩れを防ぐことが可能です。
一般的に煮崩れしにくく、煮物料理を作るときに使われることが多いのはメークインです。メークインは、俵(たわら)のような楕円形のじゃがいもで、表面は芽のくぼみが浅く凹凸が少ないためつるつるとしています。
メークインの他にデンプンの含有量が少なく煮崩れしにくい品種には、
とうや
インカのめざめ
インカのひとみ
ノーザンルビー
などがあります。
逆に、煮崩れしやすい品種(=デンプンの含有量が多い品種)には、男爵やキタアカリ、アンデスレッド、ベニアカリなどがあります。
じゃがいもの煮崩れを防ぐためのレンジでの加熱方法の手順を詳しく解説していきます。
まず、じゃがいもを綺麗に洗います。泥汚れなどが残っていると加熱をした際に土臭くなってしまいますので、しっかりと洗いましょう。
あまり汚れていない場合は軽く水洗いするだけで大丈夫です。土汚れがひどい場合は流水にさらしながらたわしや硬めのスポンジでこすると綺麗に落とすことができます。
じゃがいもに芽があれば取り除きましょう。じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれており、そのまま食べてしまうと中毒症状を起こす可能性があります。
じゃがいもを綺麗に洗ったら、じゃがいもの皮を剥いていきます。皮を剥いてからレンジ加熱する方が、皮付きのままレンジ加熱するよりも加熱時間が短縮できます。包丁やピーラーなどを使って皮を剥いてから茹でましょう。なお、じゃがいもは皮ごとでも食べられるので、皮剥きは必須ではありません。
皮を剥くデメリットとしては、じゃがいもの栄養素が流出しやすいという点が挙げられます。
じゃがいもの皮を剥いたら、料理に合わせた大きさにカットします。煮物に使う時は、煮る過程でじゃがいもが溶けてしまうので、大きめにカットするのがおすすめです。
カットしたじゃがいもを耐熱皿や耐熱ボウルに入れます。できるだけ重ならないように並べると火の通りが均一になります。
水適量(大さじ1程度)加えることで、しっとりと柔らかく仕上げることができます。水を加えたらふんわりとラップをします。
加熱時間は切り方やじゃがいもの量によって異なりますが、目安はじゃがいも1個(150g程度)につき600wで3分程度、500Wで5分程度です。熱の通り方にムラがでてしまうため、少ない量を加熱するのがおすすめです。複数個分をレンジで加熱する際は、2〜3個分ずつに分けてレンジ加熱するのが◎。
余熱でも火が通りますので、じゃがいもの表面に爪楊枝が刺さる程度でOKです。
レンジ加熱が終わったらラップを外し、耐熱皿に乗せたままでしばらく放置し粗熱を取ります。
じゃがいもの粗熱が取れたら、カレーや肉じゃが、シチューなどの鍋に入れます。
じゃがいも以外の材料を先に煮込んでおき、レンジで加熱したじゃがいもを後から加えて煮込みましょう。
レンジで加熱してから煮込み料理に加えれば、面取りをしていなくても煮崩れしにくくなります。
レンジ加熱以外の方法でもじゃがいもの煮崩れを防ぐことが可能です。
じゃがいもの煮崩れを防ぐには、面取りを行うといいです。面取りとは、野菜の角を薄く削ぎ取ることを言います。面取りをしておくことで角がなくなり、じゃがいもの表面積が大きくなるため火の通りが均一になり煮崩れしにくくなる他、味がしみこみやすくなる利点もあります。
面取りは、じゃがいもの角の部分に包丁を当て、角をなくすように薄く削ぎ取ることでできます。なお、面取りで削ぎ落とした部分も食べることができますので、捨てずに別の料理に使用するようにしましょう。
じゃがいもを茹でる前に水にさらして下ごしらえをしておくことでも、煮崩れを防ぐことができます。
これはじゃがいもを水にさらすことで、細胞膜のペクチン(食物繊維の一種)が水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぐことができるためです。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することで形をキープしたまま調理することが可能になります。
また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。
じゃがいもは沸騰させたお湯から茹でるよりも、水から茹でた方が煮崩れしにくいです。
じゃがいもを沸騰したお湯から茹でると、火の通り方にムラができて外側は十分柔らかいのに内側は火が通ってなくて固いなど加熱ムラがうまれ、内側まで火が通る頃には外側がボロボロになってしまいます。そのため水からじっくりと時間をかけて茹でた方が外側から内側まで均一に火が通るため煮崩れしにくくなります。
じゃがいもを煮込み料理に使うときは、大きめに切って火力は強くしすぎないのもポイントです。
じゃがいもは中まで火が通るまでに時間がかかるので、他の具材よりも大きめに切っておくと煮崩れしにくくなります。
また、煮込むときの火力は強くしすぎないようにしましょう。火力が強すぎてしまうと煮込んでいる最中にじゃがいもや他の具材がお湯の中に舞ってしまい、ぶつかり合うことで煮崩れしてしまいます。弱すぎても火が通るのに時間がかかり煮崩れしやすくなってしまいます。そのためじゃがいもの煮崩れを防ぐためには火加減が重要です。
煮込み料理を作る際に、時短目的で圧力鍋を使うこともあるかと思いますが、圧力鍋は圧力をかけることで一気に加熱するため特にじゃがいもは煮崩れしやすくなります。そのためじゃがいもは大きめに切ったり別の鍋で茹でて後から加えるなどの工夫をすると良いです。
煮物などを作る際には、梅干しを入れると煮崩れを防止することができます。
じゃがいもの煮崩れの原因となっているペクチンは、酸性になると分解されにくくなる性質があります。pH(ペーハー)という酸性とアルカリ性のレベルを表す水素イオン指数で表すと、ペクチンがもっとも分解されにくくなるのはpH4のときです。そのため酸性成分のクエン酸が含まれている調味料や食品を入れることで、じゃがいもの煮崩れ防止に繋がります。例えば梅干しや酢、レモンなどが効果的です。
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