茶碗蒸しに入れる定番野菜には三つ葉や銀杏などがありますが、これら以外の野菜を入れても美味しく食べることができます。今回は、茶碗蒸しに入れるおすすめの野菜をご紹介します。茶碗蒸しの基本の作り方もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
茶碗蒸しは茶碗に具材と卵汁(卵液)を入れて蒸す料理です。卵汁(卵液)の基本的な材料は卵、だし汁、薄口醤油、みりん、塩です。
3〜4人分の分量は、卵2個、だし汁300ml、薄口醤油小さじ1、みりん小さじ1、塩ひとつまみが目安です。ボウルに卵を割りしっかり溶きほぐします。だし汁、薄口醤油、みりん、塩を加えてさらに混ぜます。卵液をザルやこしきでこして卵液は完成です。
卵液を作る際に注意すべきポイントは、卵の溶き方、だし汁の温度、そして卵液をこす点です。卵をボウルで溶く際に卵が泡立たないように混ぜることで、「ス」が入るのを防ぐことができます。また、だし汁は必ず粗熱が取れたものを使用しましょう。だし汁の温度が高い状態で混ぜると、卵がかたまってしまうためです。さらに、混ぜ合わせた卵液をザルやこしきでこすことで、なめらかな仕上がりになります。
茶碗蒸しに入れる具材は、食べやすい大きさに切っておきます。具材によっては下処理を行う必要があります。例えば、鶏肉や魚介類などは臭みを取り除くために酒をふっておいたり、さっと熱湯をかけておくのがおすすめです。また、定番の具材ではありませんが、ほうれん草や人参など、アクが強い野菜やかたい野菜は下茹でをすることでアクが取れたり、蒸す際に火が通りやすくなります。
具材に下味を付ける必要は基本的にはありませんが、肉類には塩を少々ふっておきましょう。
茶碗に具材を入れ、卵液を注ぎます。具材を入れずぎてしまうと火が通りにくくなってしまうので注意しましょう。卵液は加熱すると膨らむので、茶碗の8分目程度を目安に注ぎ入れます。
茶碗蒸しの蒸し時間は蒸す茶碗の個数や火加減などによって異なりますが、基本的な蒸し方は強火→弱火の火力で蒸します。まずはじめに、蒸し上がった蒸し器に茶碗蒸しの容器を入れ、蓋をし強火で3分ほど蒸します。その後、蓋をあけ、蓋と蒸し器の間に菜箸を挟んだ状態で弱火で10〜15分ほど蒸します。容器を傾けた時に透明な汁が出てくれば蒸し上がっているサインです(汁が濁っていれば追加で加熱します)。
茶碗蒸しを蒸す際は、蓋と蒸し器の間に布巾を挟むことで水滴が茶碗蒸しに付くのを防ぐことができます。もしくは、器の口を1個ずつアルミホイルで包む方法もあります。
茶碗蒸しは蒸し器を使って蒸すのが基本ですが、蒸し器がない場合は鍋やフライパンなどで代用が可能です。
鍋で蒸す場合は、鍋の底に蒸し台を入れ、蒸し器が浸る程度の水を入れ沸騰させ、茶碗蒸しの具材と卵液が入った器を入れ、フライパンと蓋の間に菜箸を挟んで蒸します。
フライパンを使って茶碗蒸しを蒸す場合は、フライパンの底に布巾を敷き、フライパンの1/3の高さまで水を入れ沸騰させ、茶碗蒸しの具材と卵液が入った器を入れ、フライパンと蓋の間に菜箸を挟んで蒸します。
鍋とフライパンで蒸す際の蒸し時間は、蒸し器の蒸し時間と同じです。途中で火の通り具合を確認しながら加熱しましょう。また、水滴が茶碗蒸しに付かないように、布巾を挟むか、容器の口をアルミホイルで包んで蒸しましょう。
まず最初に、茶碗蒸しに入れる定番の野菜をご紹介します。定番の野菜具材には三つ葉やしいたけ、銀杏などがあります。
茶碗蒸しの定番のきのこ具材といえばしいたけです。しいたけはきのこ類の中でも香りや風味が豊かなので、茶碗蒸しも味わいよく仕上がります。またしいたけはビタミンDなどの栄養価が高い食材なので、茶碗蒸しの具材として使うことで、しいたけの栄養価を効率よく摂取することが可能です。
茶碗蒸しに使用するしいたけは生しいたけでも干ししいたけでもどちらでも構いません。食感を重視したい場合は生しいたけ、風味を重視したい場合は干ししいたけがおすすめです。干ししいたけの戻し汁を卵と混ぜればよりしいたけの風味を楽しむことができます。
三つ葉も茶碗蒸しの定番具材の一つです。鮮やかな緑色が茶碗蒸しに彩りを加えてくれます。独特の香りや風味がクセになります。
三つ葉を水洗いしてキッチンペーパーで水けを拭き取り、根元を切り落として2〜3cm幅程度の食べやすい長さにカットします。三つ葉自体は軽い食材なので、沈むことなく表面に浮き出てきますので、見た目良く仕上げることができます。具材として卵液に入れるのではなく、蒸し上がった茶碗蒸しに後から三つ葉をのせると、より三つ葉の香りや風味、食感を楽しむことができます。
銀杏(ぎんなん)も茶碗蒸しには欠かせない具材ですよね。独特の風味や食感が特徴的な銀杏を茶碗蒸しに加えることで、風味豊かな茶碗蒸しを楽しむことができます。
銀杏の殻を剥き(薄皮は付いたままでOKです)、たっぷりの湯で茹でます。たまじゃくしや穴じゃくしの背で転がしながら茹でると薄皮が剥けるので、薄皮が取れたらじゃくしですくって水を張ったボウルに入れます。
百合根(ゆりね)とは、食用ゆりの鱗茎(りんけい)のことで、にんにくのような見た目をしています。
。冬に旬を迎える食材で、高級料亭などでは銀杏の代わりに百合根を使うことがあります。
百合根を茶碗蒸しに入れる場合は、水洗いをして鱗片を1枚ずつ外側から剥がします。見た目を重視する場合は茶色くなっている部分を切り落として茶碗蒸しに入れるとよいです。
つぶつぶの食感と甘みがクセになるコーンも茶碗蒸しの具材に適しています。子供からの人気も高い野菜なので、小さなお子様でも美味しく食べることができます。
コーンを入れる際にコンソメやブイヨンなどを加えると簡単に洋風の茶碗蒸しを作ることができます。粒状のコーンを入れるもの美味しいですし、クリームタイプのコーン缶を使うのもおすすめです。
お酒のおつまみとしても人気がある枝豆も茶碗蒸しの具材におすすめです。枝豆の緑と卵の黄色がマッチして見た目が可愛い茶碗蒸しに仕上がります。
枝豆を予め塩ゆでしさやから取り出しておきます。水けをしっかりと拭き取ってから耐熱容器に入れ卵液を流し入れて蒸していきます。トッピングにも枝豆を添えるとさらに見た目がよくなります。粒状ではなくペースト状にして卵液と混ぜて蒸すのも◎。
シャキシャキとした食感が美味しいスナップえんどうも茶碗蒸しに入れると美味しいですよ。スナップえんどうは春に旬を迎える野菜です。同じく春に旬を迎えるたけのこやハマグリ、菜の花などを一緒に作れば、春の食材を一度に美味しく食べることができます。
スナップえんどうの筋やヘタを取り塩を加えた湯でさっと茹でておきます。そのまま入れてもOKですが、食べやすいように半分にカットして入れるのもおすすめです。
スナップえんどうの筋の取り方や茹で方はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
意外な組み合わせですが、茶碗蒸しに蒸した大豆を入れても美味しく食べることができます。大豆を入れることで食べごたえのある茶碗蒸しに仕上がります。
市販の蒸し大豆を使用すれば簡単に作ることができます。乾燥大豆は一晩水に浸し、たっぷりの湯で1時間程度かけてじっくり蒸していきます。
秋に旬を迎える栗を茶碗蒸しに入れても美味しいですよ。栗のやさしい甘さが加わって、秋を感じる一品に仕上がります。
市販の栗の甘露煮を使用すると下処理の手間が省けるので◎。重みがある食材なので、蒸し上がった茶碗蒸しにトッピングとしてのせるのがおすすめです。
ちなみに秋田や青森、北海道などの地域では、栗が茶碗蒸しの定番具材として使用されています。
意外な組み合わせですが、梅干しを加えると一風変わった茶碗蒸しを楽しむことができます。梅干しの酸味と塩味がアクセントとなり、大人な味わいに仕上がります。
梅干しを茶碗蒸しの具材として入れる際は、予め種を取り除いておくと食べやすくなります。卵液の中に入れて蒸す分と、トッピング用に大きめの梅干しを半分に分けて使うのがおすすめです。
酸味と甘みがあるトマトも茶碗蒸しの具材として使用することもできます。意外な組み合わせですが、さっぱりとした茶碗蒸しを食べたい場合におすすめです。
トマトは水分が多い野菜なので、ミニトマトを使用するのがおすすめです。また、トマトジュースと卵液を混ぜて蒸せば、見た目が可愛い洋風の茶碗蒸しができます。チーズをのせて蒸すのも◎。
定番の夏野菜の一つであるナスも、茶碗蒸しに入れると美味しいですよ。やらかい食材なので、子供でも食べやすい一品に仕上がりますよ。
ナスを茶碗蒸しに入れる場合は、予め下茹でをして火を通しておくのがおすすめです。食べやすい大きさにカットして使用します。
夏に旬を迎えるオクラを茶碗蒸しに入れても美味しく食べることができます。切るときれいな形をしているので、見た目のアクセントにもぴったりです。
オクラを予め下茹でしてキッチンペーパーで水けを拭き取り、食べやすい大きさにカットします。上記でご紹介した梅干しと合わせればさっぱりとした茶碗蒸しを作ることができます。冷やして食べると◎。
赤や黄色、オレンジの見た目が鮮やかなパプリカも茶碗蒸しの具材としておすすめですよ。ピーマンほど味にクセがないので、茶碗蒸しのやさしい味わいとマッチします。
パプリカの種とヘタを取り、食べやすい大きさに切ってから加えます。卵液にコンソメを加えると洋風の茶碗蒸しに仕上がります。上記でご紹介したなすやズッキーニなどの夏野菜と合わせて作れば、旬の味わいを楽しむことができます。
夏に旬を迎えるズッキーニを茶碗蒸しに入れても美味しくなります。シャキっとした食感がプラスされ、緑色の見た目で彩りが豊かになります。
ズッキーニは生でも食べられる野菜なので、予め加熱調理する必要はありません。薄くスライスするかさいの目切りなど細かく切って茶碗蒸しに入れます。
意外な具材ですが、アボカドも茶碗蒸しとの相性がよい食材です。クリーミーな味わいが卵液とよく合い、少し変わった茶碗蒸しを作ることができます。
アボカドは薄切りもしくはさいの目切りにし、卵液の中に入れて蒸すか、蒸し上がった茶碗蒸しの上にトッピングして食べます。アボカドは色が変わりやすいので、調理する直前に切るようにしましょう。
加熱すると甘みが増すかぼちゃも茶碗蒸しの具材としておすすめです。鮮やかなオレンジ色が茶碗蒸しの彩りを豊かにしてくれます。
かぼちゃは予め加熱して火を通しておきましょう。ピューレ状にしたかぼちゃを蒸し上がった茶碗蒸しの上にのせて食べるのも美味しいですよ。
ほうれん草は三つ葉の代用品として使用することも多いです。
ほうれん草は予めさっと茹で水けを絞り、食べやすい大きさにカットしておきます。しっかりと水けを絞るのがポイントです。水分が残っていると、卵がかたまりにくくなってしまいます。
茶碗蒸しに小松菜を入れるのもおすすめです。小松菜はほうれん草よりも食べやすい味わいなので、ほうれん草が苦手なお子様にも◎。
小松菜も予め加熱し火を通しておくのがおすすめです。ほうれん草のよりもアクが少ないため下茹では必須ではありませんが、アク抜きをする方が子供でも食べやすくなります。小松菜のアク抜きの方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
水菜の茎が三つ葉の茎の見た目と食感に近いため、水菜も三つ葉の代わりによく使われます。三つ葉のようなクセがなく食べやすい食材です。
水菜をしっかりと水洗いし、キッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取り、2〜3cm程度の食べやすい大きさにカットして使います。
香味野菜としてよく使用される長ねぎや小ねぎを茶碗蒸しに入れても美味しいですよ。ネギの香りが加わることでより風味豊かな味わいを楽しむことができます。
ねぎを茶碗蒸しに入れる際は小口切りや斜め切り、みじん切りなど食べやすい大きさにカットします。卵液の中に入れて蒸すのもいいですし、トッピングとして少量のねぎをのせて食べるのも◎。入れすぎるとねぎの風味が強く出てしまうので、量には注意しましょう。
冬から春にかけて旬を迎える菜の花を茶碗蒸しの具材として使用しても美味しいですよ。鮮やかな緑色の菜の花が加わることでとても華やかに仕上がります。
菜の花は予めさっと塩ゆでし、水けを絞り3cm程度の長さに切っておきます。卵液の中に入れて蒸してもいいですし、蒸し上がった茶碗蒸しの上にトッピングとしてのせるのも◎。たけのこなどの旬の野菜やホタテやアサリなどの貝類を一緒に作ると美味しくいただけます。
タラの芽やワラビなどの山菜も茶碗蒸しに入れると美味しいですよ。山菜の旬はかなり限られていますので、美味しい時期に茶碗蒸しに入れることで、旬の山菜の味を贅沢に楽しむことができます。
山菜の種類によってはアクが強いものがありますので、具材として入れる前にアク抜きを行う必要があります。タラの芽の下ごしらえはこちらの記事で、ふきのとうの下ごしらえはこちらの記事でそれぞれ詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
ボリュームを出したい場合には、ブロッコリーを入れるのもおすすめです。ボリューム感がアップするだけでなく、緑色が加わることで見た目もより華やかに仕上がります。
ブロッコリーも予め下茹でをしておくのがおすすめです。ブロッコリーの加熱方法についてはこちらの記事で写真付きで詳しく解説しています。ブロッコリーが苦手な方や小さなお子様には、みじん切りにしたブロッコリーを加えた茶碗蒸しも◎。
甘みがある人参を茶碗蒸しに入れても美味しいですよ。オレンジ色の見た目も可愛いので、茶碗蒸しが彩り豊かに仕上がります。人参が苦手な方でも、蒸して食べることで人参の甘みが引き立つので食べやすくなります。
人参は火が通りにくい食材なので、予め下茹でしておくことをおすすめします。また、できるだけ小さく、薄く切ることで火が通りやすくなります。人参が苦手な方や小さなお子様が食べる際は、すりおろした人参を卵液に混ぜて蒸すのもおすすめです。
ホクホクとした食感が特徴的であるさつまいもやじゃがいもなどのイモ類も茶碗蒸しとよく合います。芋類は腹持ちもいいため、満足度が高い茶碗蒸しを作ることができます。
さつまいもやじゃがいもは予め下茹でをして火を通しておきましょう。食べやすく大きさにカットして耐熱容器に入れ、卵液を流し入れて蒸し上げていきます。
切り方次第で様々な食感を楽しむことができる長いもも、茶碗蒸しによく合う食材です。意外な組み合わせかもしれませんが、長いも自体は味のクセがないので、茶碗蒸しの味を損ねることなく美味しく食べることができます。
長いもはサイコロ状など食べやすい大きさに切るか、すりおろしてから入れるのも◎。すりおろした長いもと卵液を混ぜて蒸すことで、よりふわふわとして茶碗蒸しが完成します。
切り方によって様々な食感が楽しめるれんこんも、茶碗蒸しの具材に適しています。
れんこんの繊維を断ち切るように切れば柔らかい食感を、繊維に沿って切るとシャキシャキとした食感を楽しむことができます。また、すりおろしたれんこんを卵液と混ぜて蒸せばふわふわの食感に仕上がります。
春の訪れを感じさせるたけのこも茶碗蒸しの具材にぴったりです。上記でご紹介した菜の花と一緒に作れば、旬の野菜を美味しく食べることができます。
たけのこはアクがあるので、下ごしらえが必要です。たけのこの下ごしらえの方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
茶碗蒸しにはしいたけを入れるのが定番ですが、しめじを入れて作っても美味しく仕上がります。しいたけよりも香りが控えめなしめじですが、「香り松茸味しめじ」という言葉があるように、数あるきのこ類の中でもしめじは味がよいといわれています。
しめじを茶碗蒸しに入れる際は石づきを取って手で小房にわけます。そのまま入れると水分が出やすいので、予めフライパンで軽く炒めておき水けを飛ばしておくと◎。
しいたけやしめじが茶碗蒸しに合うように、えのきを入れても美味しく作ることができます。安価で手に入れやすい食材なので、気軽に取り入れられます。
えのきも石づきを切り落として食べやすい大きさにカットします。しいたけやしめじなど他のきのこ類と合わせてきのこたっぷりの茶碗蒸しにするとより美味しく食べることができます。
しっかりとした歯ごたえがあるエリンギも茶碗蒸しの具材としておすすめです。クセがそんなに強くないので、他の具材や卵液の味を損ねることなく美味しい一品に仕上がります。
エリンギを茶碗蒸しに入れる際は、石づき部分を切り落とし、食べやすい大きさにカットして入れます。薄切りやさいの目切りがおすすめです。他のきのこ類と合わせても美味しくいただけます。
高級食材である松茸も、茶碗蒸しの具材に適しています。香りがとても豊かな松茸を加えることで、贅沢な一品に仕上がります。
松茸の硬い根元部分は切り落とし、食べやすい大きさにカットします。松茸を予め軽く炒めておくことで、より松茸の香りや風味を楽しむことができます。
コリコリとした歯ごたえが特徴的なきくらげも茶碗蒸しの具材としておすすめです。食感こそ存在感のあるきくらげですが、味わいはやさしいため茶碗蒸しのシンプルな味を邪魔することはありません。
生きくらげは石づきを切り落とし、水洗いしてたっぷりの湯でさっと茹でます。水けをキッチンペーパーで拭き取ったら食べやすい大きさにカットして耐熱容器に入れ、卵液を流し入れて蒸します。
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