たらの芽は「山菜の王様」といわれるほど、古くから高級な山菜として知られています。たらの芽は硬いはかまに包まれており、またアクが強いため、食べる前には下ごしらえが必要となります。今回はたらの芽の下ごしらえの方法について詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
たらの芽は日本各地の山野に自生するタラノキの若芽です。古くから高級な山菜として知られており「山菜の王様」といわれるほどです。
たらの芽の主な生産地は山形県や新潟県、群馬県などです。
他の山菜に比べてたんぱく質を多く含むため、食べた時に脂を感じます。たらの芽の苦味成分であるエラトサイドはサポニンの一種で、アルコールの吸収抑制や肝臓保護作用が期待されます。
たらの芽の皮には、三角の「はかま」がついています。はかまがあると口当たりが悪いので、下処理として取り除いてから食べるのが基本です。
ちなみに、たらの芽の種類によってははかまには棘(とげ)がありますが、茹でたり揚げたりすると柔らかくなるので、取り除く必要はありません。
たらの芽はアクが強い食材です。
アクとは、一般的に苦味やえぐみ、渋みなど味を損ねる成分の総称です。
アクには害のあるものと、そうでないものがあります。害のある代表的なアクには、たけのこのシュウ酸などがあります。体に害のあるアクは必ず下茹でや水にさらす工程を実施する必要があります。
一方、害のないアクの場合は、料理によってアク抜きを実施したり、しなかったりします。料理の味を良くするために行うこともありますが、食感が悪くなるのでやらない場合もあります。
たらの芽のアクとなる成分はポリフェノールです。ポリフェノールとは植物の苦味や渋みとなる化合物の総称で、構造の違いによって様々な種類があります。たらの芽に含まれているポリフェノールは「エラサイト」です。エラサイトには血糖値の上昇を抑える効果などがあり人体に害はありませんが、苦味やエグみを軽減し食べやすくするためにアク抜きをするのが一般的です。
天ぷらにする場合などアク抜きをしなくても苦味やエグみが気にならない調理法で食べる場合は、風味を損なわないためにアク抜きをしないこともあります。
たらの芽には天然毒性は含まれていません。
たらの芽に天然毒素があると思われることが多いのは、「ウルシ」と呼ばれるたらの芽によく似た植物に天然毒素が含まれているためだと考えられます。
たらの芽とウルシは非常に似ていますが、別の植物であり、たらの芽には天然毒素は含まれていないので安心して食べることができます。ウルシも加熱をすれば食べることができますが、ウルシオールとよばれる天然毒素をもっているため、手がかぶれることもあります。山菜採りをする際にはたらの芽と間違えてしまわないように注意しましょう。
上述したようにたらの芽にははかまがあり、そのままでは口当たりが悪くなってしまうため、まずはかまを取ります。
はかまは手で簡単にむしり取ることができます。
はかまと実の間には汚れや虫がたまりやすいので、はかまを取ったらしっかりと水洗いを行います。
山菜採りなどで収穫したたらの芽は、特に土汚れがついているので綺麗に洗い流すようにしましょう。土にはボツリヌス菌などの細菌が分布していることもあります。
たらの芽の根元の茶色い部分は固いので、包丁を入れて一周してむきます。
たらの芽は切り口が乾いていたり変色していることもあるので、その場合は変色している部分を切り落としておくと良いです。
最後に根元に浅く十字の切り込みを入れます。
たらの芽は短時間で火を通すことで風味や食感が損なわれるのを防ぐことができます。そのため、ひと手間かかりますが根元に十字の切り込みを入れておくのがおすすめです。
時短したい場合や小さなたらの芽の場合は、切込みをいれなくても大丈夫です。
はかまをとり下処理が済んだら、鍋にたっぷりの湯を沸かします。湯1ℓに対して塩大さじ1を加え、たらの芽を入れて2分〜3分茹でます。
茹ですぎてしまうと風味や食感が損なわれてしまうため、茹ですぎないようにしましょう。小さめのたらの芽は沸騰した塩水にさっとくぐらせる程度でも大丈夫です。
たらの芽を茹でたら、冷水にさらします。冷水にさらすことで、よりしっかりとアクを抜くことができますし、色合いも良くなります。
冷水にさらしすぎてしまうと、たらの芽に含まれている水溶性の栄養素も流出してしまうため長時間さらしてしまわないように注意しましょう。
冷水にさらしたら、水気をきってアク抜き完了です。
水気を切らないと料理が水っぽくなってしまうので、キッチンペーパーなどで包むようにして水けを切ると良いです。
はかまをはずして下処理をしたたらの芽や、茹でてアク抜きをしたたらの芽の保存方法を紹介します。
たらの芽はすぐに食べる場合でも冷蔵庫で保存するのがおすすめです。常温よりも長く保存することが可能です。
はかまをとって下処理をしたたらの芽は、小さく穴を開けたポリ袋に入れ、口を軽く閉じ野菜室で保存します。
この方法で保存したたらの芽は2〜3日ほど日持ちします。はかまを外して保存するため、調理時はすぐに使えて便利です。
茹でてから冷蔵保存する場合は、キッチンペーパーで水けをしっかり拭き取り、保存容器に入れて蓋をして冷蔵庫に入れます。
茹でてから冷蔵保存したたらの芽は1〜2日ほど日持ちします。生のまま冷蔵するよりも傷みやすいので、なるべく早く食べきるのがおすすめです。
たらの芽は冷凍保存することでより長く(冷蔵保存と比べて)保存することができます。
生のまま冷凍する場合は、下処理をしてはかまを外して4〜6個ずつ小分けにしラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
たらの芽を冷凍する際は、冷蔵庫の急速冷凍機能を使う、もしくは金属トレイの上に乗せて凍らせることで、鮮度や風味、食感をキープすることが可能です。
この方法で保存すれば、約1ヶ月ほど日持ちします。
はかまを外したたらの芽を茹でて冷凍保存する場合は、茹でて冷水にさらした後ザルにあげて水けを切ります。キッチンペーパーでさらに水けを拭き取ったら小分けにラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
丸ごとの状態で冷凍してもOKですし、細かく刻んで冷凍するのもOKです。茹でてから冷凍したたらの芽は約1ヶ月ほど日持ちします。
たらの芽の保存方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
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