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ニラの茎の根元はどこまで食べられる?切る場合は何センチ?

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ニラの茎の根元はどこまで食べられる?切る場合は何センチ?

ニラはどこまで食べることができるのか、本記事では解説していきます。

ニラの根元は食べられる?

野菜は根元を切り落として食べることが多いため、ニラもなんとなく根元を切り落としてから調理をしている方は多いのではないでしょうか。

ニラの根元(茎)は食べられる

ニラの根元は食べることができます。実はニラの根元は葉よりも風味がよく、加熱すれば甘みが出て美味しく食べられる部分です。

野菜の根元といえば固く火が通りにくいため切り落としてしまうことが多いですよね。ニラの根元も固いため火が通りにくいですが、ニラの根元はそこまで固いわけではありません。

もちろん葉と同じように根元も生で食べることができます。

気になる場合は根元を数ミリ切り落とす

ニラの根元は食べられるが、気になる場合は根元を数ミリ切り落とす

ニラの根元の土汚れや乾燥しているのが気になる場合は、2mm〜3mm程切り落として食べると良いです。数ミリ切り落せば、問題なく食べることができます。

土汚れや乾燥が気になるからといって根元を全て切り落として葉だけを使うのは非常に勿体ないです。土汚れや乾燥が気にならなければ、切り落とさずに食べても大丈夫です。

先端も食べられる

ニラの先っぽも切り落として調理をしている方が多いようですが、切り落として食べる必要はありません。つまり、ニラは葉先から根元まですべてが可食部になります。

先っぽの部分は黄色っぽく変色していることも多いですが、枯れ始めていることが原因であることが多く、溶け出したり異臭がしているなど腐敗のサインが見られなければそのまま調理に使っても問題ありません。腐敗しているのか判断が難しい場合や、心配な方は変色している部分だけを切り落として食べると良いでしょう。

ニラの根元を調理に使うメリット

捨てられてしまいがちなニラの根元ですが、調理に使うメリットがあります。

風味が良い

ニラには独特の臭いと風味があります。これはニラに含まれている「硫化アリル」と呼ばれる成分によるものです。

硫化アリルは、細胞が壊れるとニラに含まれている酵素「アリイナーゼ」と結合し、アリシンと呼ばれる臭い成分が形成されます。これが、ニラの臭い・風味になります。購入したときはそれほど臭わなくても、カットすると臭いがきつくなるのはこのためです。

ニラの根元には葉の4倍もの硫化アリルが含まれています。そのため、ニラの根元はニラ独特の臭いや風味が強く、ニラ好きにはたまらないでしょう。

硫化アリルはツンとした辛みの元でもあり、ニラ以外にも玉ねぎや長ネギ、にんにくなどにも多く含まれていることで知られています。

栄養価が高い

ニラの根元に多く含まれている硫化アリルには様々な種類があり、特に酵素と結合することで形成されるアリシンには、血栓を予防する作用があるため食べると血がサラサラになるといわれています。また、血液中の悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きがある他、動脈硬化を遅くして心臓血管障害や脳血管障害を予防する効果が期待できます。

ある種の硫化アリルは胃の中に住み着いているピロリ菌を殺す作用も期待できます。さらには、血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防したり血圧を下げて高血圧を防ぐ効果があるといわれています。

ニラの根元は臭いがきついため食べにくいと感じる方も多いと思いますが、臭いの元になっている硫化アリルは非常に身体によい成分なので、できれば捨てずに食べたほうが栄養的には理想的です。

食感が良い

ニラの葉先は柔らかいですが、ニラの根元はシャキシャキとした食感を楽しむことができる部分です。例えば炒めものに使用した先、葉はしんなりとしてしまいますが茎は加熱をしてもシャキシャキとした食感が残りやすいので、食べごたえがでます。

シャキシャキとした食感は満腹中枢を刺激するため、満腹感を得やすくなります。

ニラの根元を調理するときのポイント

ニラの根元も食べることができることはよくおわかりいただけたかと思います。続いて、ニラの根元を調理するときのポイントを紹介します。

よく洗う

ニラの根元を調理する前に流水でしっかりと洗う

ニラは里芋などの根菜と比較すると綺麗に見えるので、さっと水で流すだけの方も多いと思いますが、ニラの
根元には土汚れがついていることもあります。土や泥にはボツリヌス菌などの細菌が分布していることもあり、食中毒の原因にもなります。また、しっかりと汚れを落とすことは残留農薬を落とすことにも繋がるので、必ずしっかりと洗ってから食べましょう。

ニラを洗うときは、丸ごとボウルにためた水に入れて、流水を当てながら優しくこすり洗いすることで汚れをしっかりと落とすことができます。

葉先は傷つきやすく、傷がついてしまうと風味が落ちたり食感が悪くなるので優しく洗います。ボウルにいれた水に入れて振り洗いでも良いです。

カットしてから洗うこともできますが、カットした断面から水溶性の栄養素が流出してしまうためカットする前に洗うのが栄養面的にも◎

風味を活かしたいときはみじん切り

ニラの風味を活かしたい場合はみじん切りにするとよい

上述したようにニラの根元には、ニラ特有の臭いや風味の元である硫化アリルが豊富に含まれており、硫化アリルはカットにより細胞が壊れることにより硫化アリルがアリシンへと変わり、臭いがきつくなります。

そのため、みじん切りにするなど細かくカットしたほうが香りが引き立つため、風味づけや料理のアクセントに使いたいときはみじん切りにして使うのがおすすめです。

臭いや苦味を軽減したいときは長めに

ニラの臭いや苦味を軽減したい場合は長めにカットするとよい

ニラの臭いや風味、辛みが苦手な方は細かくせずに長めにカットすると良いです。長めにカットすることで細かくカットするよりも細胞が壊されないので、アリシンが生成されず臭いや苦味が軽減されて食べやすくなります。

また、シャキシャキとした食感も残りやすいので炒め物に使う場合など食感を活かしたい場合は長めにカットして使うのがおすすめです。

加熱するときは葉とタイミングをずらす

ニラを加熱する際は、茎と葉の炒めるタイミングをずらすと火の通りが均一になる

葉よりも根元のほうが固く火が通りづらいので、炒め物にしたい場合など加熱調理をするときは加熱するタイミングを葉とずらすことが大切です。

加熱するときは、根元から先に加熱して後から葉を加熱していきます。そのため、カットしたら葉と根元はわけておいておきましょう。わけておいておけば、タイミングをずらして調理がしやすいです。

ニラの根元におすすめの調理法

ニラの根元を美味しく食べるおすすめの調理法を紹介します。

レバニラ炒め

ニラの根元は加熱をしてもシャキシャキとした食感を楽しむことができるので、炒めものにするのがおすすめです。ニラの臭いや辛みの元になっている硫化アリルは揮発性が高く、加熱することでも気化するためニラの臭いや辛みが苦手な方でも食べやすくなります。

おすすめはニラといえば定番のレバニラ炒めです。

ニラは栄養学的に豚肉と相性抜群です。アリシンは、豚に豊富に含まれるビタミンB1の吸収率を10倍にアップしてくれます!そのため、ニラの定番料理「レバニラ」は栄養面で理にかなっているといえます。豚肉の中でもレバーが特にビタミンB1が豊富で、ニラの香りはレバーの臭みも消してくれます。さらに、ニラに豊富に含まれるアリシンとβ-カロテンはともに脂溶性ですので、レバニラを作るときに油を使うことでこれらの吸収率もアップできます。また、ニラに含まれるセレニウムはレバーにも含まれるので、一緒に摂ることでさらなる効果アップが期待できます。

かき揚げ

ニラの根元はかき揚げにするのもおすすめです。ニラの葉は加熱すると柔らかくなるので食感が柔らかくなりますが、根元であれば固いので形も崩れませんし、シャキシャキとした食感と衣のサクサクとした食感と合わせることで食べごたえ抜群のかき揚げが出来上がります。

上述したようにニラには脂溶性の栄養素が豊富に含まれているので、油で揚げることで栄養素の吸収率も上げることができます。

餃子

ニラたっぷりの餃子

ニラの根元は細かく刻んで餃子に入れると風味を最大限に活かすことができます。

餃子の具に豚肉とニラは定番コンビですよね。ビタミンB1は炭水化物がエネルギーになるのをサポートする働きがあるので、ニラのアリシンによって吸収率がアップしたビタミンB1は餃子(炭水化物)の具にぴったりなんです。

餃子に限らず、炭水化物を摂るときに、豚肉+ニラを一緒に摂ると、疲労回復やダイエット効果が期待できます(もちろん炭水化物や油を摂り過ぎたらダイエットになりません)。

ニラたっぷりの餃子のレシピはこちらでご紹介しています。

スープ

ニラ卵スープ

ニラの根元の固さが気になる方は、スープにするのが良いでしょう。スープであればしっかりと加熱されるので柔らかくなって食べやすくなります。

スープであれば溶け出してしまったビタミンCなどの水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面でも無駄がありません。

ニラ卵スープのレシピはこちらでご紹介しています。

ナムル

ニラとえのきのナムル

ニラは根元ごとごま油とあえてナムルにしても美味しいです。ご飯のお供にもお酒のおつまみにもぴったりの一品です。ごま油と鶏ガラスープの元、塩などの調味料と混ぜ合わせるだけなので簡単に作れるのも嬉しい点です。

もやしと一緒に合わせて作ると、さらにシャキシャキとした食感がプラスされて食べごたえがでるのでおすすめです。

ニラとえのきのナムルのレシピはこちらでご紹介しています。

ニラだれ

ニラみそ

ニラの根元を細かく刻んで万能だれを作るのも良いでしょう。例えば豆板醤や味噌、生姜などの調味料と混ぜ合わせればあっという間にニラの万能だれの完成です。

そのままご飯にかけて食べても美味しいですし、ニラの独特の風味は薬味になるので冷奴などに乗せて食べても美味しいですよ。お肉と一緒に食べても◎

ニラみそのレシピはこちらでご紹介しています。

ニラの栄養素


ニラの根元には硫化アリルは葉の4倍もの硫化アリルが含まれていると紹介しましたが、ニラに含まれている栄養素は硫化アリルだけではもちろんありません。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換されます。皮膚や喉など全身の粘膜を健康に保ち、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐことで免疫力をアップします。また、抗酸化作用もあるので、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果が期待できます。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目や視力低下の抑制効果、他にも皮膚の健康維持に関与していることから乾燥肌やニキビ肌の改善など美肌効果も期待できます。

ビタミンK

ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成する働きがあり、出血を止める役割があります。月経過多の症状を軽減する効果も期待できます。また、出血を止めるだけでなく、血流が悪くならないよう凝固の抑制にも働きかけます。

さらにビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

カルシウム

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨の代謝に関わり骨の健康を保っています。

残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、大切な情報の伝達を行っています。それによって筋肉のなめらかな動きをサポートしたり、精神を安定させたりします。

カルシウムが不足すると、骨が弱くなったりこむら返りを起こすことがあります。特に野菜などのカルシウムは吸収率が低いため、ビタミンKなどカルシウムの吸収を助ける栄養素と一緒にとると良いです。

葉酸

葉酸はほうれん草の葉っぱから発見されたビタミンB群のひとつで、ビタミンB12と一緒に正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素で造血ビタミンとも言われています。

また、たんぱく質や核酸の合成を助け、細胞の新生や増殖に深く関わっています。細胞分裂が活発な胎児期に必須の栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を十分に摂ることでおなかの赤ちゃんの発達異常を防ぐ効果があるといわれています。

葉酸は水に溶けやすく、熱や光にも弱い性質があるため、葉酸を摂取したい場合は加熱せずに生野菜サラダや生搾りジュースがおすすめです。

ニラの正しい保存方法

最後に、ニラの正しい保存方法を紹介します。正しく保存することで鮮度を保ち、栄養素を無駄にすることなくより長持ちさせることができます。ニラを購入したら正しく保存するようにしましょう。

冷蔵保存

ニラは高い温度や乾燥に弱い野菜ですので、基本的に常温保存はおすすめできません。

ニラは購入後すぐに食べる場合は冷蔵保存がおすすめです。購入した際の袋からは取り出して保存するのがポイントです。袋に入れたままだと蒸れてすぐに傷んでしまいます。

丸ごと

ニラを丸ごと冷蔵保存するには水揚げをしたあとに新聞紙で全体を包みポリ袋に入れる

すぐに保存する場合は、そのまま丸ごと冷蔵保存しましょう。丸ごと冷蔵保存する場合、約3〜5日ほど日持ちします。

上記でご紹介した「水揚げ」を行い、根元に水を吸わせます。キッチンペーパーで水けをしっかり拭き取り、葉先を出した状態で、葉を折らないようにして新聞紙で包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じるか、ポリ袋を上からかぶせて乾かないようにしましょう。ラップを巻くのも◎。

できれば、冷蔵室に立てて保存するのがおすすめです。ニラが畑で育っていた環境になるべく近づけてあげることで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横にした状態で保存すると、元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。

カットして冷蔵

ニラはカットして水につけて冷蔵すれば約7〜10日ほど日持ちする

カットして冷蔵保存すれば、丸ごと冷蔵するよりも日持ちします。約7〜10日ほど保存することが可能です。

保存容器の長さに合わせてニラをカットし、保存容器に入れ、ニラが漬かる程度の水を入れて蓋をし、冷蔵庫で保存します。3日おきに水を取り替えるようにしてください。

この方法でニラを保存すると、確かに日持ちはしますが、ニラに含まれているビタミンCやアリシン、カリウムなどの栄養素が流れ出てしまうため、栄養価は下がってしまいます。栄養素を効率よく摂りたい場合は、上記でご紹介したように丸ごと保存するか、この後ご紹介する冷凍方法で保存するようにしましょう。

冷凍保存

ニラは冷蔵では長くても1週間ほどしか日持ちしませんが、冷凍で約1ヶ月ほど保存することができます。すぐに使い切れない場合は冷凍保存するようにしましょう。

湯通しして冷凍

ニラを冷凍する場合は湯通ししてから水けを絞りラップに包んで冷凍用保存袋に入れる

さっと湯通しをしてから保存します。

ニラを4cmほどの長さに切ってザルに入れ、上から熱湯をかけて湯通しをし冷まします。水けを取ってから小分けにし、ラップで包んで冷凍用保存袋に入れます。冷蔵庫の急速冷凍機能を使う(ない場合は金属トレイの上にのせて急速冷凍)すると◎。

生のまま冷凍

ニラは生のまま冷凍することもできる

生のまま冷凍することも可能です。

1cmほどの粗みじん切りや4cmほどの長さなど使いやすい長さに切って冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。こちらも急速冷凍機能もしくは金属トレイを使って短時間で冷凍するのがおすすめです。

ちなみに、ニラのみじん切りは、輪ゴムを使うことで簡単にできます。ニラが同じくらいの長さになるように揃え、輪ゴムで留めてからカットすれば、ニラが広がらずに切りやすいです。

粗みじん切りにしたニラは餃子のタネや味噌汁などの具材に、長めにカットしたニラはニラ玉などの炒め物におすすめです。

冷凍したニラの解凍方法

冷凍したニラは、作る料理に合わせて異なる方法で解凍するのがおすすめです。

味噌汁やスープなどの汁物に使う場合は、解凍せず凍ったまま使ってOKです。おひたしや炒め物などに使う場合は凍ったままだと水分が出やすいので、使う前日に冷蔵庫に移して自然解凍をし、水けを切って調理に使用します。

ニラは冷蔵保存や冷凍保存の他にも天日干しして乾燥保存したり、醤油や味噌につけて漬け保存することもできます。詳しいニラの保存方法についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。