白菜を茹でる際は、芯と葉を切り分けて時間差で茹でることで、葉の食感を残すことができます。クタッとした白菜がお好みの方は芯と葉を一緒に茹でて◎。基本的に白菜は下茹で不要の食材ですが、巻白菜やおひたしにする時などは調理する前に茹でて柔らかくします。
白菜などの葉物野菜を茹でる際は、水からではなくお湯から茹でるのが基本です。加熱時間を短くすることで色落ちや栄養素の流出を防ぎ、歯ごたえを残すことができます。ポイントは、たっぷりの熱湯でさっと茹でることです。
ちなみに、水から茹でるのはじゃがいもや大根、にんじん、ごぼうなどの根野菜は水から茹でます。お湯で茹でてしまうと、内部に火が通る頃にはまわりが煮崩れしてしまいます。水からじわじわと茹でることで全体的にムラなく火が通ります。
白菜の芯と葉では火の通り時間が異なりますので、芯と葉に切り分けてそれぞれ適した茹で時間で茹でるのがおすすめです。
芯は水分量が多くまた厚みがあるので、葉と比べると火が取るのに時間がかかります。そのため、茹でる(煮る)際は芯を先に入れてしばらく加熱した後に、時間差で葉を加えて加熱するとよいです。
芯と葉それぞれの加熱時間は白菜の量や切り方、加熱方法によって異なりますが、目安としては芯で2〜3分、葉で2分ほどです。後ほど詳しく解説していきます。
白菜を茹でる際は塩を加えるとよいです。塩を加えることで色鮮やかに茹で上がります。
白菜の緑色は、色素成分である「クロロフィル」によるものです。塩にはクロロフィルの退色を防ぐ効果があります。
白菜だけでなくほうれん草や小松菜などの緑色の葉物を茹でる際も、塩を加えることで色が鮮やかに仕上がります。
出典:和食普及研究会
「白菜を煮ても柔らかくならない」という方は、時間と切り方を調整するのが基本です。茹でる時間を長くしたり、小さめに切ったりしてみましょう(ただし小さく切りすぎると栄養素が流出してしまうので△)。
逆に「白菜を茹でたら柔らかくなりすぎてしまう」という方は、茹で時間を短くしたり、大きめのカットにして茹でたりしましょう。
また、白菜を柔らかく煮たい場合は、冷凍した白菜を使うのがおすすめです。白菜は冷凍することで水分が膨張することで細胞壁が崩れるため、柔らかくなりやすいです。また、細胞壁が壊れることで味が染み込みやすくなるというメリットも。加熱料理には冷凍白菜がぴったりです。冷凍しておいた白菜を凍ったまま調理に使用してOKです。
そもそも、白菜は下茹でを必要としない野菜です。下茹でとは、本調理前に食材を茹でておくことを指します。予め火を通すことでアクやぬめり、臭みを取り除いたり、味が染み込みやすくなります。例えば、里芋や大根、肉類などは下茹でをします。
白菜に関しては、アクやぬめり、臭みがない食材ですし、火が通りやすく味も染み込みやすいため調理前の下茹では基本的には不要です。ただし巻白菜は、白菜を柔らかくして巻きやすくするために下茹でをします。
調理時に白菜を茹でる際のデメリットとして、水溶性の栄養成分の流出があります。白菜には、ビタミンCやカリウム、マグネシウムなどの水溶性成分が含まれており、これらの成分は茹でたり水にさらすことで溶け出してしまいます。白菜はこれらの栄養素が豊富、というわけではありませんが、少しでも水溶性成分を無駄にしないためには、短時間でさっと茹でたり、スープにして汁ごといただくのがおすすめです。水で茹でるのではなく、電子レンジを使って火を通したり、少ない水分で蒸し茹でにするのも◎。これらの方法は後ほど詳しくご紹介していきます。
まずはじめに、白菜の基本の茹で方をご紹介します。
白菜の葉と芯は火が通る時間が異なるので、上の写真のように切り分けるのが◎。葉1枚を広げ芯と葉を切り分け、ぞれぞれお好みの大きさにカットします。葉は芯よりも薄く火が通ると小さくなりやすいので、芯よりも少し大きめにカットするのがおすすめです。
鍋に湯を沸かし、塩(水1リットルに対し小さじ2)を加え軽く菜箸でかき混ぜます。塩を加えることで、色鮮やかに茹で上がります。冒頭でもご紹介しましたが、白菜は水からではなく沸騰した湯から茹でます。
お湯が沸騰したら、芯→葉の順で茹でてきます。茹で時間の目安は芯が2〜3分、葉が1分ほどです。
まず最初に芯を加え1〜2分ほど茹でた後、葉を加えて1分茹でます。この方法で茹でると、芯と葉が同じタイミングで茹で上がります。芯と葉を別々に茹でる場合は、芯は2〜3分、葉は1分ほど茹でます。
途中、菜箸などを使ってかき混ぜたり、芯の上下を返すことで火の通りがよくなります。
茹で上がったらザルにあげ冷まします。冷水に取って冷ます方法もありますが、冒頭でご紹介した通り、水に漬けることでさらに水溶性成分が溶出してしまうためあまりおすすめしません。
次にご紹介する茹で方は、芯と葉を一緒に茹でる方法です。芯と葉を切り分けず一緒に茹でます。
まずはじめに、白菜を5〜6cm幅ほどのざく切りにします。白菜本体から1枚の葉を取るには、葉の根元の部分に包丁で切れ込みを入れて葉先から根元に向かって剥がすようにすればきれいに切り分けることができます。
上記でもご紹介しましたが、葉の部分は火が通るとクタッとなりやすいので、芯の部分よりもやや大きめにカットするのがおすすめです。
基本の茹で方と同様に、鍋に湯を沸かし、塩(水1リットルに対し小さじ2)を加え軽く菜箸でかき混ぜます。
ざく切りにした白菜を加えて2〜3分ほど茹でます。途中、菜箸などを使って全体をかき混ぜて火の通りをよくしましょう。
2〜3分ほど茹でたら、ザルにあげて冷まします。
芯と葉を一緒に茹でる方法では、葉の部分はクタッと柔らかくなっているのが上の写真でわかるかと思います。葉の食感を残したい場合は、最初にご紹介した芯と葉を切り分けて茹でる方がおすすめです。
次に、電子レンジを使って加熱する方法をご紹介します。電子レンジを使えば水溶性の栄養素の溶出の心配がなく、また短時間で火が通るので◎。ただし芯と葉の部分で火の通りにムラができやすいので、加熱途中で全体を混ぜて再度加熱するようにしましょう。
まず最初に、白菜を5〜6cmほどのざく切りにします。芯と葉を切り分けて、それぞれをざく切りにしてもOKです。
耐熱皿もしくは耐熱ボウルにざく切りにした白菜を入れ、ふんわりとラップをかけ加熱します。100gあたり1分30秒〜2分30秒(600W)が目安です。1分30秒だとまだ芯の食感が残っており、2分30秒の加熱では、全体的にクタッとした食感になります。お好みの食感に合わせて時間を調整しましょう。
芯と葉を切り分けて電子レンジで加熱する場合は、芯と葉をそれぞれ別に加熱しましょう。加熱時間の目安は、芯が1分〜2分30秒ほど、葉は1分ほどです。
加熱の途中で一度取り出し、ラップを外して全体を混ぜ、再度ラップをして再度加熱することで、加熱ムラを防ぐことができます。熱くなっているので、やけどに十分注意して行いましょう。
最後にご紹介する茹で方は、フライパン使った「蒸し茹で」です。少量の水を使って蒸しながら火を通します。火加減に注意し、葉が焦げないように途中でかき混ぜながら加熱するのがポイントです。
白菜を5〜6cmほどの幅にざく切りにします。芯と葉を切り分けてから、それぞれをざく切りにしてもOKです。
フライパンに水を少々(50mlほど)入れ、白菜を入れます。その上から塩小さじ1/3をふって火にかけます。
芯と葉を別々に蒸し茹でする場合は、まずはじめに芯のみを入れましょう。
蓋をして中火で3〜5分ほど蒸し茹でにします。焦げやすいので火加減には注意してください。また、途中で全体をかき混ぜて火の通りを均一にしましょう。
芯と葉を別々に蒸し茹でする場合は、芯を入れて3分ほど蒸し茹でしたら葉を加え、追加で1〜2分ほど蒸し茹ですると同時に蒸し終わります。
白菜の量や火加減によって蒸し終わりの時間は異なりますので、途中で様子を見ながら調整するようにしましょう。
茹でた白菜の保存方法をご紹介します。
白菜の正しい保存方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
カットして茹でてから冷蔵保存しておけば、調理時間が短縮できます。冷蔵の保存期間の目安は2〜3日です。
ざく切りや細切りなど料理に合わせてカットした白菜をさっと茹でます。粗熱が取れたら水けを拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫へ。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
ざく切りや細切りなど、お好みの大きさにカットし固めに茹でます。粗熱が取れたら水けを絞り、小分けにしてラップで包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
前日(または半日前)に冷蔵庫に移して自然解凍し、おひたしや和え物などに使用できます。凍ったままの状態でスープや炒めものの具材として調理するのも◎。
最後に、茹でた白菜のおすすめレシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
簡単に作れる白菜のおひたしです。電子レンジを使うことで短時間で火を通すことができます。
副菜や箸休めとしてぜひお楽しみください。
白菜のおひたしのレシピはこちら
レンジで加熱するので時短で作れます。ごま油と鰹節の風味がクセになるひと品です。
白菜のおかかあえのレシピはこちら
しょうがの辛味が効いたさっぱりナムル。ごま油がアクセントに。
白菜のナムルのレシピはこちら
キャベツの代わりに白菜を使用したロール白菜です。
白菜は茹でることで柔らかくなるので巻きやすいです。
ロール白菜のレシピはこちら
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