寒い冬に旬を迎える白菜。1玉が大きいので、すぐに食べきるのが難しい食材ですよね。そこで今回は、白菜の正しい保存方法を詳しく解説していきます。丸ごと1個の場合は常温保存もできますが、カットした白菜は冷蔵や冷凍、乾燥、漬物保存を行いましょう。正しく保存すればより長く鮮度をキープして白菜を楽しむことができます。
白菜の一番外側の葉は、しおれてしまっていることが多いですが、保存する際は捨てずに有効活用しましょう。
一番外側の葉は、天然のラップとして適度に水分を保ってくれます。乾燥や変色が見られても捨てず、保存時にはそのままにしておくのがおすすめです。ただし傷みが激しいようでしたら、保存前に取り除いておくのがベター。
外側の葉は農薬が多く残る部分なので、食べる際は剥くようにしましょう。
白菜の芯に切れ込みを入れた状態で保存すれば、保存性が高まります。
白菜は収穫後も、白菜の芯(生長点とよぶこともあります)に向かって栄養が送られ続け、生長しようとしています。芯をそのままの状態で保存してしまうと、葉の栄養が中心に集まってしまい、栄養が抜けた状態で食べることになってしまいます。
そのため、白菜を保存する際は芯に切り込みを入れるのがおすすめです。丸ごと1個の場合は、切り込みを入れるの難しいので、芯に爪楊枝を3〜4本ほど刺してから保存します。カットした白菜は、芯の両端から、三角錐になるようにカットし、手で芯を取り除きます。包丁で切り込みを入れるだけでもOKです。
白菜を保存する前に水洗いするのは基本的にはNGです。水分が付着することで傷みが早くなるためです。汚れが気になる場合は、湿られたキッチンペーパーで軽く拭き取る程度でOK。調理の直前に水洗いするようにしましょう。
農薬が心配な方は、冷凍前に茹でたり炒めたりして、加熱してから保存するのがおすすめです。
多くの人が、白菜は外側から食べ始めると思います。しかし実は、白菜は葉の中心部分、つまり芯の部分から食べる方が栄養素的には◎なのです。
上述した通り、白菜の中心には生長点があります。この生長点に向かって白菜の栄養素や旨みが集まり、収穫後も生長を続けようとします。白菜の栄養や甘みは外側の葉で作られ中心部に送られます。内側の葉から先に食べることで、栄養や甘みがそのまま外の葉に蓄積されて美味しさが増します。
【黒いぶつぶつは食べられる?】
白菜の葉をよく見ると、黒い斑点が付いていることがあります。これは白菜に含まれるポリフェノールが黒く変色したものです。ストレスなどが原因で現れます。腐っていたり病気にかかっているわけではなく、成分的には問題ないのでそのまま食べてもOKです。
低温で食材を蒸す調理法は、水分や栄養のロスが少ない調理法として知られていますが、野菜のアミノ酸の量や性質を変化させるという効果もあり。白菜の場合、一部のアミノ酸量が変化しますが、中でも疲労回復やストレス軽減に効果的なアミノ酸・GABAが8倍に増えるだけでなく、糖をエネルギーに変えるアラニンまでもが2倍にアップ!ほかにも低温蒸しなら、加熱に弱いビタミンCがほぼ100%残るなどのメリットもあります。
白菜のGABA、アラニンをアップさせるには、55〜60℃で5〜20分程度低温蒸しをするのがおすすめです。
白菜は部位によって糖度や栄養素が異なるのをご存知でしたか?
白菜の中心部分には生長点があるため、甘みや旨み、栄養素をたっぷり含みます。糖度が一番高く葉がやわかいため生食に適しています。GABAやアミノ酸、グルタミン酸などがほかの部位よりも多く含まれています。白菜の中心部分に含まれるグルタミン酸は外側の葉のなんと14倍!
白菜の外側の葉は糖度が低く、内側の葉と比較すると歯ごたえがあるのが特徴です。生食も可能ですが、炒め物や煮物に適しています。栄養素的には、ビタミンCを多く含む部位です。
中間にある葉はほどよい柔らかさがあり、糖度は中程度(中心と外側の中間くらい)で煮物や鍋の具材に適しています。栄養素的には、カリウムなどのミネラル類を多く含みます。
当たり前ですが、新鮮な白菜を購入した方がより長く美味しく保存することができます。新鮮な白菜には下記のような特徴があります。
外側の葉の色が濃い
やや青臭い
押すと弾力がある
巻きがしっかりしている
切り口がみずみずしく割れていない
ずっしりとした重みがある
葉が隙間なく詰まっていて切り口が平ら(カット白菜の場合)
中心部分が盛り上がっていないもの(カット白菜の場合)
葉の中心部分が盛り上がっているものは、外側の養分が中心部分に送られている証拠なので注意が必要です。その場合は中心部分から食べるようにしましょう。
冬場は常温での保存が可能です。常温で保存する場合は、直射日光が当たらない冷暗所で保存します。常温で保存すれば約1ヶ月前後日持ちします。
白菜を新聞紙に包みます。白菜が大きい場合は、新聞紙を数枚使用して全体を覆うように包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーや梱包材の紙を使用してもOKです。
段ボールなどに入れて立てて保存します。立てて保存することで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横に倒して保存してしまうと、白菜の重みで葉が傷んでしまうことも。
白菜は冷えると甘みが増すといわれています。鮮度を保つためにも、室温が上がりにくい冷暗所での保存を行いましょう。夏場や、冬場でも暖房器具を使用する場合は、室温が高くなってしまうので、常温以外の保存がおすすめです。
なお、カットした白菜は常に常温以外の方法で保存するようにしましょう。
冬場でも長く保存したい場合や、カットした白菜を保存する場合は、冷蔵保存がおすすめです。白菜は冷蔵で保存することで2ヶ月(丸ごと冷蔵する場合)日持ちします。
丸ごと保存する場合は、白菜全体を新聞紙で包みます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーなどでも代用可能です。野菜室で保存します。高さが問題なければ立てて保存するのがベストです。
カットした白菜を保存する場合は、白菜の生長を止めるために芯を切り落とします。カットした断面を濡れたキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包みます。切り口を下にして野菜室で保存します。
カットした白菜は切り口から傷みやすいので1週間を目安に使い切るようにしましょう。
カットして冷蔵保存することも可能です。
細切りやざく切りなど料理に合わせてカットし、冷蔵用保存袋に入れて密封し冷蔵庫で保存します。
カットした白菜は乾燥しやすく傷みやすいので、3〜4日を目安に食べきるようにしましょう。
カットして茹でてから冷蔵保存しておけば、調理時間が短縮できます。
ざく切りや細切りなど料理に合わせてカットした白菜をさっと茹でます。粗熱が取れたら水けを拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫へ。
ただし冷蔵方法の中では1番傷みが早いので、2〜3日以内に使い切るようにしましょう。
白菜は大きい野菜なので、すぐに使い切れない場合は冷凍保存を。冷凍すれば約1ヶ月ほど保存することができます。
ざく切りなど使いやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて冷凍することができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
凍ったまま調理に使用することができます。全解凍してしまうと、白菜の水分が流れ出てしまい、食感や味、栄養が落ちてしまいます。
塩もみをして冷凍すれば、色や食感がキープしやすく、また白菜の水分が抜け長持ちします。
生のまま細切りにした白菜を塩(適量)でもみ、水けを絞ります。小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。なるべく薄く、平らに包むことで、短時間で凍らせることができます。
食べる際は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍がおすすめです。塩の味がついているので、そのまま和え物などに使用したり、スープやチャーハンなどの具材にも使用できます。凍ったまま使ってもOKです。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
ざく切りや細切りなど、お好みの大きさにカットし固めに茹でます。粗熱が取れたら水けを絞り、小分けにしてラップで包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
前日(または半日前)に冷蔵庫に移して自然解凍し、おひたしや和え物などに使用できます。凍ったままの状態でスープや炒めものの具材として調理するのも◎。
下味をつけてから冷凍することもできます。
白菜をざく切りにして熱したオリーブオイルでさっと炒め、塩こしょうで味付けをします(醤油、酒、砂糖の味付けでも可)。粗熱が取れたら小分けにしラップで包んで冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。
凍ったままの状態で野菜炒めなどに使用したり、鍋の具材として使うのが◎。蒸した鶏や豚肉などを加えるだけで簡単に一品料理も作れます。
白菜は乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた場合、常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存が可能です。乾燥させることで、甘みが増す、いつもとは違う食感が楽しめる、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させた白菜は味噌汁やスープの具材として使用したり、炒め物にもおすすめです。水で戻して和え物などにするのも◎。
芯をつけたままの状態で4等分に切り、ザルの上にのせて3日ほど干します。途中上下を返すことで、均一に水分を飛ばすことが可能です。
白菜の葉を1枚ずつにばらして天日干しにすれば、3〜4時間ほどで乾燥させることができます。時短で天日干しを行いたい人にはおすすめです。
白菜が乾燥したら、密閉袋や容器に入れて常温(または冷蔵)で保存します。
オーブンを使うと、短時間で乾燥させることができます。
天板の上にクッキングシートを敷き、天日干しと同様に1/4にカットした白菜(または葉を1枚ずつにした白菜)をオーブンに並べます。100〜110℃で20〜30分を目安にしましょう。乾燥が足りない場合はさらに加熱します。
乾燥が足りないようなら、さらに加熱しましょう。
電子レンジを使えばもっと簡単に乾燥させることができます。
上2つ同様に、1/4等分にした白菜(または葉を1枚ずつにした白菜)をキッチンペーパーを敷いた耐熱皿に並べます。600Wで5〜8分を目安にしましょう。乾燥が足りない場合はさらに加熱します。
電子レンジによる加熱では、葉が焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。白菜も例外ではありません。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。大量消費にもおすすめです。白菜の漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
水洗いして細切りにし、キッチンペーパーで水けを取ります。ボウルに白菜を入れ、塩(白菜の重さの3〜5%の量)とよく混ぜ合わせたら冷蔵用保存袋または保存容器に入れて密封し冷蔵庫で保存します。
半日ほどで味がなじみ食べ頃になります。そのままでも食べることができますが、味が濃いと感じる場合は、一度水に浸けて水分を絞ってから食べると◎。また、柚子や昆布を一緒に入れて漬けると、一味違う塩漬けを楽しむことができます。
水洗いして一口大にカットし、キッチンペーパーで水けを取ります。保存容器や冷蔵用保存袋に入れ、酢漬けダレ(酢150mlに対して塩小さじ1、砂糖大さじ1)をひたひたに注ぎ冷蔵庫で保存します。
半日ほどで味が染み込みます。酢のクエン酸には、疲労回復効果やミネラルの吸収促進効果が期待できます。そのまま食べても美味しいですし、サラダや和え物にしてもおすすめです。
最後に白菜の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きレシピの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
生の白菜とコーンで作るコールスローです。さっぱりとした味わいは、箸休めにもおすすめです。
このレシピでは豆乳マヨネーズ(卵不使用)を使用しています。従来のマヨネーズと比べるとあっさりした味わいです。
白菜はしっかり水けを絞り、美味しく仕上げましょう。
白菜のコールスローのレシピはこちら
しょうがの辛味がきいたさっぱりナムル。ごま油がアクセントに。
こちらのレシピではしょうがを使っています。しょうがの辛み成分であるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには、新陳代謝を上げる作用が期待できます。
白菜の食感が残るように、さっと茹であげましょう。
白菜ナムルのレシピはこちら
中華料理の前菜としておなじみのラーパーツァイ(白菜の甘酢漬け)は、ごま油と赤唐辛子がアクセントになっています。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
こってりしたおかずの副菜におすすめです。
ラーパーツァイのレシピはこちら
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