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白菜は生で食べられる?生のメリットと注意点、おすすめの食べ方を紹介

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白菜は生で食べられる?生のメリットと注意点、おすすめの食べ方を紹介

白菜は生でも食べることができる野菜です。本記事では白菜を生食するメリットや生で食べるときの注意点などを詳しく解説します。

白菜は生で食べて大丈夫?

白菜は生食できる

白菜は加熱調理をして食べられることが多い野菜ですが、生で食べることもできます。

野菜には、加熱を推奨されているものもあります。例えば、たけのこやほうれん草はアクが強く、さらに結石を作る原因となったりカルシウムの吸収を阻害すると言われているシュウ酸と呼ばれる成分が含まれているためアク抜きは必須となります。

白菜の場合は強いアクがあるわけではありませんし、人体に有害な成分も入っていないため生でも美味しく食べることができます。

生食に適しているのは中心部

白菜は、一番外側の葉と内側の葉、中心部にわけることができ、それぞれ異なる特徴をもちます。

最も生食に適していると言われているのが、中心部です。

白菜の中心部分には生長点があり、生長点に向かって白菜の栄養素や旨みが集まります。そのため中心部分が最も甘みや旨み、栄養素をたっぷり含み、糖度が一番高く葉が柔らかいため生食に適しています。

白菜の外側の葉は糖度が低く、内側の葉と比較すると歯ごたえがあるのが特徴です。生食も可能ですが、炒め物や煮物に適しています。栄養素的には、ビタミンCを多く含む部位です。

中間にある葉はほどよい柔らかさがあり、糖度は中程度(中心と外側の中間くらい)で煮物や鍋の具材に適しています。栄養素的には、カリウムなどのミネラル類を多く含みます。

白菜を生食するメリット

食感を楽しめる

白菜は水分を多く含む野菜ですので、生食することでみずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができるというメリットがあります。

炒めたり煮物にして柔らかくしても美味しく食べることができるのですが、サラダなどにしてシャキシャキとした食感を楽しむのもおすすめです。しっかりとした歯ごたえで食べごたえもあります。

水溶性の栄養素を逃さない

白菜の中には、水溶性や熱に弱い成分も含まれています。例えば、ビタミンCやカリウムなどです。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

カリウムはミネラルの一種で、ナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になることがあります。そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きがあるといわれています。

そのため、白菜の栄養素をしっかりと摂取したい場合は生で食べるのがおすすめです。

白菜を生食する時の注意点

鮮度

白菜を生で食べる場合は、白菜の鮮度が大事です。できるだけ新鮮な白菜を購入し、すぐに食べるようにしましょう。

新鮮な白菜には下記のような特徴があります。

  • 外側の葉の色が濃い

  • やや青臭い

  • 押すと弾力がある

  • 巻きがしっかりしている

  • 切り口がみずみずしく割れていない

  • ずっしりとした重みがある

  • 葉が隙間なく詰まっていて切り口が平ら(カット白菜の場合)

  • 中心部分が盛り上がっていないもの(カット白菜の場合)

購入してから時間が経ってしまっているものや、傷みはじめてしまっているものは食感も味もよくないため生食には不向きです。傷んでしまっている部分は取り除き、加熱調理をして早めに食べきるようにしましょう。

食べる量

白菜は低カロリー低糖質の野菜ですので、食べすぎても太る心配はほぼありませんが、白菜に含まれている食物繊維を大量に摂取することで腹痛などの症状が出てしまうことがあります。食べすぎないように注意しましょう。

食物繊維には水溶性と不溶性のものがあり、白菜にはどちらも含まれますが、ほとんどが不溶性です。

白菜には不溶性食物繊維の一種であるセルロースが含まれています。不溶性の食物繊維は腸内の水分を吸収してカサを増やし、便の量を多くすることで、大便の蠕動(ぜんどう)運動を触発して便秘の解消をしてくれます。しかし、摂りすぎると大腸を刺激しすぎてしまい、大腸の収縮が強くなって起こる痙攣性便秘の原因になってしまいます。ちなみに、水溶性食物繊維は摂りすぎると軟便や下痢症状を引き起こす場合があります。

不溶性食物繊維は消化・吸収されないため、一気にたくさん食べると胃が気持ち悪くなったり、お腹が痛くなることもあります。

汚れ・虫

白菜を生食するときは、しっかりと洗ってから食べることが大切です。

白菜は茎が伸びて実がなるトマトなどの野菜とは異なり、土に接した状態で成長します。そのため内側の葉は綺麗でも外側や根本付近には土で汚れていることが多いです。

また、土がついているということは土や堆肥(たいひ)に含まれる細菌がついている恐れがあります。食中毒といえば生肉や生魚などを食べることによって起こることが多いですが、実は土や堆肥にもボツリヌス菌などの食中毒の原因となる細菌がいる可能性があります。

また、白菜に限らず葉物野菜は害虫の被害に遭いやすく、虫がついていることもあります。

しっかりと泥汚れと虫を落としてから食べるようにしましょう。

出典:「食品衛生の窓」(東京福祉保健局)

芯はカットする

白菜の芯を切る

白菜の白い芯は固くて食べにくいため捨ててしまう方もいるかと思いますが、芯の部分にも食物繊維やカリウムなどが豊富に含まれているので、捨ててしまうのはもったいないです。

白菜を生で食べるときは、芯を細切りにするなど細かくすると食べやすくなります。

白菜に限らず野菜をカットするときは、繊維を断つ切り方と繊維に沿った切り方の2種類があります。サラダなど生食で食べるときは、繊維に沿って切るとシャキシャキとした食感が残るのでおすすめです。少しでも柔らかく食べやすくしたいという方は繊維を断ち切るように切ると良いです。

白菜の切り方についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

白菜を生食する時のおすすめ調理法

塩もみし、水抜き

白菜を生で食べる時に、よく実施される下ごしらえに塩もみがあります。

塩でもむことで水分が抜け、仕上がりの味付けがぼけるのを防いでくれます。また、塩もみした白菜は適度に塩けが感じられ、味がよくなります。白菜特有の香りも気にならなくなります。さらに、水分が抜けると葉がしおれて柔らかくなり、たくさん食べられる(その分栄養を多く摂れる)メリットもあります。

塩でもんだ白菜はそのまま浅漬けとして食べることもできますし、サラダやナムルに使うこともできます。炒め物など生食以外でも活用できます。

お湯をさっとかける

カットした白菜に熱湯をかける

じゃがいもを生食するときなどにも使われる調理法ですが、カットした白菜にお湯をさっとかけることでシャキシャキとした食感をより楽しむことができます。

これは「ヒートショック」と呼ばれるもので、白菜以外の野菜にも使える方法です。50度のお湯につけることで、閉じていた気孔が開き細胞が水分を吸いみずみずしくシャキシャキとした食感になります。

また、白菜をはじめとするアブラナ科の植物には「ミロシナーゼ」と呼ばれる酵素が多く含まれています。ミロシナーゼはグルコシノレートを辛味成分であるイソチオシアネートへ変化させる働きを持ちます。ミロシナーゼを摂りすぎると、甲状腺ホルモンの分泌に必要なヨウ素の摂り込むことができなくなり、人体に悪影響を及ぼすと言われています。医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」には、生の白菜を一日約900g~1.36kg食べ続けた女性が昏睡状態で病院に運ばれた事例が記載されています。

生でも適量の場合にはまったく問題ないため神経質になる必要はありませんが、ミロシナーゼは熱で失活することがわかっています。

お湯をさっとかければ、食感を活かしつつあまり栄養素は流失させず、酵素を失活させることができるので心配な方はお湯をさっとかけて食べると良いでしょう。

出典:アブラナ科野菜の加熱によるグルコシノレート含有量の変化

白菜を生でいただくレシピ

白菜を生でおいしくいただくレシピを紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

白菜の浅漬け

材料2つのシンプルな浅漬けです。

塩もみすることで白菜の水分が出てほどよい食感が楽しめます。

水分が出やすいので、絞ってから盛り付けましょう。

白菜の浅漬けのレシピはこちら

ほうれん草と白菜のじゃこサラダ

じゃこの香ばしい食感が美味しい冬野菜のサラダです。

ちりめんじゃこはたんぱく質が豊富です。大豆の約1.2倍で、カロリーは半分。カルシウムやビタミンDも豊富です。

ちりめんじゃこは、カリカリになるまで炒めましょう。

ほうれん草と白菜のじゃこサラダのレシピはこちら

白菜と人参のコールスロー

白菜の甘さとマヨネーズの酸味がマッチ。箸休めやお弁当にもおすすめです。

このレシピでは豆乳マヨネーズ(卵不使用)を使用しています。従来のマヨネーズと比べるとあっさりした味わいです。

野菜はしんなりしたら、しっかり水けを絞りましょう。

白菜と人参のコールスローのレシピはこちら

鮮度を保つ白菜の保存方法

上述したように白菜を生食するときには、鮮度が大切です。ここでは白菜の鮮度を保つことができる正しい保存方法を紹介します。生食する場合は、常温または冷蔵保存がおすすめです。冷凍した白菜は解凍すると食感が柔らかくなるので、加熱調理でそのまま使うのがよいでしょう。

常温保存

白菜丸ごと常温保存

寒い季節は常温での保存が可能です。常温で保存する場合は、直射日光が当たらない冷暗所で保存します。常温で保存すれば約1ヶ月前後日持ちします。

白菜を新聞紙に包みます。白菜が大きい場合は、新聞紙を数枚使用して全体を覆うように包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーや梱包材の紙を使用してもOKです。

段ボールなどに入れて立てて保存します。立てて保存することで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横に倒して保存してしまうと、白菜の重みで葉が傷んでしまうことも。

白菜は冷えると甘みが増すと言われています。鮮度を保つためにも、室温が上がりにくい冷暗所での保存を行いましょう。冬場で暖房器具を使用する場合は、室温が高くなってしまうので、常温以外の保存がおすすめです。

なお、カットした白菜は常に常温以外の方法で保存するようにしましょう。

冷蔵保存(丸ごと)

白菜を丸ごと新聞紙に包んで冷蔵保存

丸ごと保存する場合は、白菜全体を新聞紙で包みます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーなどでも代用可能です。野菜室で保存します。高さが問題なければ立てて保存するのがベストです。

冷蔵保存(1/2 or 1/4個)

1/2株の白菜をキッチンペーパーで包みラップをして冷蔵保存

カットした白菜を保存する場合は、白菜の生長を止めるために芯を切り落とします。カットした断面を濡れたキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包みます。切り口を下にして野菜室で保存します。

カットした白菜は切り口から傷みやすいので、1週間を目安に使い切るようにしましょう。

冷蔵保存(カット)

白菜をカットして冷蔵保存

カットして冷蔵保存することも可能です。

細切りやざく切りなど料理に合わせてカットし、冷蔵用保存袋に入れて密封し冷蔵庫で保存します。

カットした白菜は乾燥しやすく傷みやすいので、3〜4日を目安に食べきるようにしましょう。