しいたけは多湿環境で栽培されますが、保存時は水けを嫌う食材です。キッチンペーパーなどでしっかりと包んでから保存するようにしましょう。また、カサが下になるように保存することで、鮮度が長持ちします。この記事ではしいたけの正しい保存方法(常温・冷蔵・冷凍・漬物・乾燥)と保存期間を詳しく解説します。しいたけを使ったおすすめのレシピも合わせてご紹介します。
しいたけは水洗いすることで香りや旨み成分が逃げてしまい、また食感が悪くなってしまいます。それだけではなく、豊富な栄養素が流れ出てしまいます。例えば水洗いでポリフェノールが15%も、つけ置き洗いをすると鉄が最大40%、亜鉛が最大25%も、さらに水溶性ビタミンであるビタミンB1やB2の一部も流れ出てしまいます。
一般的に、しいたけは無農薬で菌床栽培(おがくずと栄養剤をあわせたもの)で栽培されるため、土や汚れがほぼついていません。気になる汚れがある場合は、湿らせたキッチンペーパーや布などでやさしく拭き取る程度でOKです。原木栽培(丸太に菌種を植え付けて栽培する方法)のしいたけは土や汚れなどがつきやすいので、手早くさっと水洗いするようにしましょう。
しいたけを含むきのこ類全般は水けに弱い食材です。そのため、保存する際はしっかりと湿気対策を行い、乾燥した状態を保って保存する必要があります。
しいたけは栽培時にある程度の湿度を必要としますが、保存時は必要ありません。購入した時のパックやビニール袋のまま保存すると、すぐに傷んでしまうのでNG。後ほど詳しく解説しますが、キッチンペーパーなどで包んでから保存するようにしましょう。
当たり前ですが、新鮮なしいたけを購入し保存する方が保存性が高くなります。新鮮なしいたけの見分け方は下記の通りです。
カサに丸みがあり肉厚で、開いていない
カサの表面が茶褐色
カサの裏面が白く薄い膜を張っている
柄が太くて短い
ひだが細かくて白い
正しく保存していても、下記のような特徴があるしいたけは腐っている可能性が高いです。食べずに廃棄するようにしましょう。
カサの表面が濃い茶色になっている
ヌメリがある
酸っぱい臭い、味がする
しなびている
カビが生えている
すぐに食べる場合のみ、常温保存が可能です。ただし、購入時のまま保存するのではなく、キッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷暗所で保存するようにしましょう。しいたけを常温で保存する場合の日持ちの目安は1〜2日です。
すぐに使わない場合は、常温以外の方法で保存するようにしましょう。
しいたけを1週間〜10日ほど保存したい場合は冷蔵保存がおすすめです。キッチンペーパーで包み湿気対策をしてから冷蔵室もしくは野菜室で保存します。
石づき(軸の先端部分)をつけたまま、2〜3個ずつキッチンペーパーで包みます。ポリ袋に入れ軽く口を閉じ、カサを下(軸を上)にして保存します。
しいたけを保存する際は、カサが下になるように置くのが基本です。カサを上にしてしまうと、カサの裏面(ひだ)についている胞子(細胞)が落ち、しなびたり黒ずんだりしてしまい傷みやすくなってしまいます。
しいたけは冷凍することで旨みが増します。細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨みや栄養分が溶け出し体内で吸収しやすくなります。冷凍したしいたけは1ヶ月程度日持ちします。長期保存しない場合(すぐに使う場合)でも冷凍保存はおすすめです。
石づきを切り落とし、軸とカサに切り分けて保存します。軸は捨ててしまう方もいらっしゃるかと思いますが、実は一番香りが強い部分で、美味しく食べられます。軸はラップに包んでまとめ、冷凍保存袋にカサと一緒に入れ密封します。
軸の根元を掴み、反対の手でカサを掴んでくるっとひねることでも軸とカサを切り離すことができます。包丁まな板いらずで事前処理が楽に済みます。
丸ごと冷凍したしいたけは、常温に1〜2分ほどおけば包丁で簡単に切れます。料理に合わせてカットし凍ったまま使用しましょう。解凍すると水分が抜けて食感が悪くなってしまいます。
軸の部分は冷凍すると食感が変わってしまいますが、薄く切ってスープや炊き込みご飯、炒め物などに使用するのがおすすめです。
お好みの大きさにカットしてから冷凍すると、調理の時すぐに使用することができて便利です。
石づきを切り落として、軸とカサを切り離し、それぞれお好みの大きさ(薄切りなど)にカットします。平らになるように冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。金属製バットの上で冷凍すれば短時間で凍らせることができます。
カットして冷凍したしいたけは解凍せず凍ったまま使用します。煮物や炒め物、炊き込みご飯などに◎。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。活性酸素の働きを止めることで変色しづらい、食感や味が悪くなりづらい、解凍後加熱せずに使えるなどのメリットがあります。特に家庭用の冷凍庫では瞬間冷凍ができないので、一度下茹でしてから冷凍するのをおすすめします。
しいたけの栄養成分の流出を最小限に抑えるため、茹で時間は短くします。しっかりと粗熱が取れてから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
下茹でして冷凍したしいたけも、解凍せずに凍ったまま使用します。和え物などに使用する場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍してから使用しましょう。
しいたけに下味をつけてから保存する方法も。
お好みの大きさにカットししんなりするまで炒めます。しょうゆ・みりん・砂糖をそれぞれ少々加え味付けをします。塩こしょうで味付けをするのも◎。
しっかりと冷ましてから、平らになるように冷凍用保存袋に入れ密封し冷凍室へ。下味をつけて冷凍したしいたけも凍ったまま調理に使用します。サラダのトッピングなどに使用する際は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍もしくは電子レンジ解凍します。
しいたけでだし汁を作って「しいたけ氷」として保存するのもおすすめです。味噌汁や煮物などに調味料代わりに使用するのがおすすめです。しいたけ氷の作り方は下記の通りです。
しいたけを塩やオイルなどに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。しいたけの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
しいたけの軸とカサを切り離しさっと茹でます。キッチンペーパーでしっかり水けを拭き取り密閉容器に入れます。塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。
塩の量ですが、基本的にはしいたけの重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにしいたけを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
塩漬けしたしいたけはスープやサラダ、炊き込みご飯などの具材としておすすめです。
オイルに浸けて保存する際も下茹でをします。キッチンペーパーで水けをしっかりと取ってから密閉容器に入れ、100mlのオリーブオイルと小さじ1弱の塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。
オイル漬けしたしいたけはそのまま炒め物やパスタなどに使用すると◎。
しいたけは乾燥させて干ししいたけにして保存するのもおすすめです。乾燥させることで保存期間が伸びるのはもちろんですが、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。天日干しして栄養価がアップするのは実はしいたけだけです!
乾燥させたしいたけは常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
柄の部分は味噌汁や鍋などでだしを取る際に大活躍します。
しいたけのカサを下にしザルに並べます。2日ほど天日干しし、乾燥したらポリ袋などに入れて常温で保存します。
しっかりと干したい場合は薄くスライスしてから干すのがおすすめです。
干したしいたけを戻すには、軽く水洗いし、カサの裏が水に浸るようにつけ、ラップを水面に密着させて冷蔵庫に入れ一晩起きます。しいたけの軸をつまんでやらわかくなったら◎。
天日干しでビタミンDが10倍に!?
日の当たらない室内で栽培されたしいたけには、実はビタミンDはほぼ含まれていません。しいたけに含まれる「エルゴステロール」が紫外線を浴びることでビタミンDへと変化するのです。そのため、すぐに使用する場合でも、30分ほど天日干しするのがおすすめです。
ビタミンDだけでなく食物繊維やビタミンB1の量も10倍にアップし、美容効果も期待できます。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にしいたけを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にしいたけを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
最後に、しいたけの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
副菜にもおつまみにもおすすめのひと品。豆乳マヨネーズと味噌を混ぜるだけでできる「味噌マヨ」は色々な料理に使えて便利です。ぜひお試しください。
スナップエンドウとしいたけのみそマヨのレシピはこちら
常備菜におすすめのレシピです。そのまま食べても、刻んで混ぜずしにしても◎。
しいたけの甘煮のレシピはこちら
椎茸の大量消費におすすめのレシピです。刻んだ椎茸も加熱すればしんなり。味噌がよく絡み、ご飯によく合います。
しいたけ鶏みそのレシピはこちら
こんがり焼いた椎茸を酢物に入れると、風味と食感がワンランクアップ。
しいたけとキャベツの酢の物のレシピはこちら
手羽元としいたけの旨みがたけのこに染み込み美味。食べごたえ満点のひと品です。夕飯の主菜にどうぞ。
鶏とたけのことしいたけの煮物のレシピはこちら
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