かぶの正しい保存方法と保存期間を解説します。常温・冷蔵・冷凍などそれぞれの保存期間の日数も紹介します。
かぶ貯蔵の最適温度は0℃といわれています。野菜の中でも寒さに強い部類に入ります。冬場の常温保存は可能ですが、夏場は避けた方がよいでしょう。冬野菜のイメージが強いかぶですが、春が旬のかぶも存在します。
かぶ貯蔵の最適湿度は90〜95%といわれています。乾燥保存させる場合は別ですが、かぶを保存する場合は乾燥から守る必要があります。新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋などを使うひと手間がとても重要です。
貯蔵限界は2ヶ月ですが、一般に品質が保たれるのは10日以内といわれています。
かぶは買ってきたらすぐに葉を切るのがポイント。放置しておくと、葉が実(茎または根)の水分をどんどん吸収しスカスカになってしまうためです。
葉を切るときに茎をどのくらい残すかは料理によります。煮物などでは2〜3cmほど茎を残すと見栄えがきれいです。茎を残す場合は、水につけて竹串かフォークで土を取るようにしましょう。
小さいかぶの皮は柔らかく煮物などにしたときに煮崩れしてしまうので、むかずに調理することが多いです。逆に大きいかぶは皮が硬く、皮の近くにある筋が食感を悪くするので切ることが多いです。保存する際も大きさで判断するとよいでしょう。
小さいかぶであっても、皮は変色しやすいので、長期保存するときは切ることが多いです。農薬などが残っている心配もあるので剥いてしまうのが安心という考え方もあります。
ひげ根も切り落とします。
かぶの皮のむき方・実の切り方はこちらの記事を参考にしてください。
当たり前ですが、新鮮なかぶを購入した方が、保存するときに日持ちします。新鮮なかぶの見分け方は下記です。
茎は真っ直ぐで色ムラがない
実(茎)は白くツヤがあり傷がない
実の形が丸くて変形がない
実は卵よりやや大きいくらい
持ったときにしっかり重さがある
ひげ根が長い(切って売られているものも多い)
ちなみに、かぶの白い部分は茎(厳密には根と茎の間)が肥大化したものです。
かぶはアクがないので、基本的には下茹でが必要ない野菜です。しかし、保存方法によっては茹でた方がよい場合があります。
基本的には塩茹でするのですが、そのとき米の研ぎ汁を入れると黄色くならず白くきれいに茹でることができます。これは米の研ぎ汁が弱アルカリ性であることが関連しています。
ただし、かぶは柔らかいので茹ですぎると溶けてしまうので、注意しましょう。
かぶは94%が水分であり傷むのが早い野菜なので正しく保存しても腐ってしまうことがあります。下記の特徴があるかぶは腐っている可能性が高いので、食べずに捨てるようにしましょう。
表面が黒や茶に変色している
触ると汁が出てきて、ぬめりがある
酸っぱい臭いがする
カビが生えている
冬場に限り、かぶの実(茎)は常温で保存することができます。保存日数の目安は1〜2日です。かぶの茎は新聞紙(新聞紙がない場合はキッチンペーパーで代用可)で、一つずつ丁寧に包み、保存します。切り落とした葉は常温保存することはできません。
かぶの葉は傷みやすいので常温での保存は避けましょう。すぐに食べる場合でも一度冷蔵庫に入れて保存します。
すぐに食べない場合は常温保存せずに冷蔵保存します。かぶは実(茎)と葉を分けて保存します。また、冷蔵保存では生で保存するのが基本。下茹でしてから冷蔵保存することもできますが、傷むのが早いので避けましょう。
かぶの茎は下茹でが必要ない野菜なので、生のまま冷蔵保存します。一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて口を締めます。
この方法で保存したかぶの冷蔵保存の期間の目安は1週間です。
カットしたものを冷蔵するときはラップをきっちり巻き、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。切ったかぶは傷みが早いので、2〜3日で食べ切るようにしましょう。
かぶの葉は常温保存できないので、購入した日に切って冷蔵保存します。濡れたキッチンペーパーで茎の部分を包み、ポリ袋に入れて立てて冷蔵庫へ。冷蔵保存の期間の目安は1週間です。野菜室に入れる必要はありません。
かぶの葉の冷蔵保存期間は2〜3日です。
かぶの葉はふりかけや和え物、炒め物など幅広く使えます。ハンバーグやナゲットのタネとしてひき肉と混ぜて使うのもおすすめです。
かぶを長期保存したいときは、冷凍保存します。冷凍かぶの保存期間の目安は約1ヶ月です。様々な冷凍方法を紹介しますが、用途(作りたい料理)によって使い分けるとよいでしょう。
一番お手軽な方法は丸ごと冷凍です。かぶをよく洗い、キッチンペーパーで水けを取ったら、ラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて空気を抜いて、ジッパーを閉じます。
冷凍したかぶはシャキシャキ感がなくなり、柔らかくなるのが特徴。丸ごと冷凍したかぶは凍ったまま電子レンジで加熱(600Wで3分ほど)するとトロトロの状態になります。塩コショウで丸ごと食べたり、スープに入れたりするのがおすすめです。
かぶを食べやすい大きさにカットして、硬めに塩茹でしてから冷凍する方法も。ラップは使わず直接ジッパー付きポリ袋に入れます。冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいますが、野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。生のまま冷凍するよりも、食感がスカスカになりづらいです。解凍方法ですが、塩茹でした冷凍かぶはそのまま煮物や味噌汁に入れて使うのがおすすめです。
生のかぶをいちょう切りなど、薄めに切って塩もみする方法も。塩もみした後は水けを絞り、ジッパー付きポリ袋に入れて冷凍庫へ。塩もみすることで水が出て、かつ茹でないので柔らかくならず、この方法が一番シャキシャキ感が残ります。塩もみした冷凍かぶは前日に冷蔵庫に移し自然解凍し、あえ物やサラダに使うのがおすすめです。
生のかぶを味つけして冷凍する方法もあります。かぶ1個(100g)と、めんつゆ小さじ2の割合で、ジッパー付きポリ袋に入れます。平らにして冷凍します。前日に冷蔵庫に移して自然解凍し、そのまま食べます。もう一品ほしいときの簡単副菜になります。
かぶの葉は生のまま冷凍はNGです。ブランチングしてから冷凍します。保存期間の目安は1ヶ月です。かぶの葉は苦味が苦手な方がいると思いますが、茹でて冷凍すると苦味がとぶので食べやすくなります。ふりかけにしてご飯のお供に最高です。
かぶは乾燥保存することもできます。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させたかぶは密閉容器にいれ常温または冷蔵で1ヶ月ほど保存することができます。
5〜6mm幅に輪切りしたかぶをキッチンペーパーで水けをしっかり取り、ザルに並べ、3日ほど天日干しします。新鮮なかぶは葉つきのまま干してもOKです。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しすることでビタミンDが増加し、風味が増します。通常のかぶとは違うコリコリとした食感が楽しめます。味をよく染み込むので、煮物やスープ、味噌汁におすすめです。
天日干しができない方はオーブンで乾燥させる方法もあります。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にかぶを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
かぶの葉は天日干し以外の方法は不可です。オーブンやレンジを使うと燃えることがあるので注意しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にかぶを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することも可能です。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃いですが、ご飯のお供にピッタリ。かぶは塩漬け、塩麹漬け、酢漬けがおすすめです。かぶの漬け保存はどれも冷蔵で2週間ほど保存することができます。
かぶはよく洗い、半月切りにし、キッチンペーパーで水けを取ります。葉も食べやすい大きさに切って、水けを取ります。かぶと、かぶの重量の3〜5%分の塩をジッパー付きポリ袋に入れて、冷蔵保存します。
しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにかぶを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
かぶは昆布と相性抜群なので、お好みで入れてもよいでしょう。そのまま食べても美味しいですし、和え物やサラダにしても◎。料理に使うときは軽く水分を絞ってから使います。
かぶの漬物保存といえば古くから塩麹がポピュラーです。上記と同じようにかぶの茎と葉を切り密閉容器に入れて、塩麹を全体に絡ませれば出来上がりです。ひと晩寝かせたら食べごろです。
かぶは酢漬けもおすすめです。酢150mlに対して、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1の割合で漬けだれを作り、切って水けを取ったかぶがひたひたになるまで密閉容器に入れます。箸休めにぴったりです。
最後にかぶの作り置きにおすすめなレシピを紹介します。かぶの作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
すりごまをたっぷり加えた風味豊かなかぶのナムルです。簡単に作れますので、ぜひお試しください。
かぶのナムルのレシピはこちら
ごまの風味でごはんが進むひと品。調理で余ったかぶの葉を活用ください。
かぶの葉のナムルのレシピはこちら
焼いたかぶは旨味が凝縮して美味。マリネ液のレモン果汁がアクセントに。
かぶのレモンマリネのレシピはこちら
調理で余ったかぶの葉を活用したレシピです。かつおぶしと胡麻を混ぜて作る簡単ふりかけです。ごはんにかけてお召し上がりください。
かぶの葉のふりかけのレシピはこちら
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