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じゃがいもに火が通ったか確認する方法。基準は?生茹でを避けるには?

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じゃがいもに火が通ったか確認する方法。基準は?生茹でを避けるには?

じゃがいものような固い野菜は火が通りにくいので、加熱調理をしたら火が通っていなかったということがよくあります。本記事ではじゃがいもに火が通ったか確認する方法やじゃがいもにしっかり火を通すポイントなどを紹介します。

じゃがいもに火が通ったか確認する方法

じゃがいもにしっかり火が通っているか確認する方法は下記の通りです。

竹串を刺す

最も一般的なのは、加熱したじゃがいもに竹串やフォークなどを刺して確認する方法です。

じゃがいもの中までしっかりと火が通っていれば、竹串やフォークがスッと入っていきます。反対にしっかり火が通っていなければ、竹串やフォークが中まで入っていかずつっかかる感覚があります。

しっかり火が通れば通るほど簡単に竹串やフォークが入っていくので、お好みの固さになるまで加熱をしていくと良いでしょう。

見た目を確認する

じゃがいもは火が通ると表面が半透明になります。じゃがいもに火が通ると半透明になる現象は、じゃがいもの細胞に含まれるでん粉が加熱によって変化するためです。

じゃがいもに含まれるでん粉は、水と結合すると糊状になり、これを「糊化」と言います。この糊化現象は、じゃがいもに含まれる水分とでん粉が加熱によって化学反応を起こすことで引き起こされます。加熱すると、じゃがいもの細胞壁が壊れ、細胞内部に含まれていたでん粉が水分と反応して膨張します。この膨張したでん粉は、光を異なる角度で反射または屈折させるため、見た目には半透明に見えるようになります。

このため、火が通ったじゃがいもは生の状態よりも半透明に見え、これは火がしっかりと通ったことを示しています。なお、糊化したでん粉は、じゃがいもの特徴的なホクホクとした食感を引き立て、じゃがいもの料理を美味しくする要因の一つともなっています。

感触を確認する

新じゃがなど小さなサイズのじゃがいもの場合は、直接触って感触を確認することもできます。

オーブンミトンや耐熱の手袋、あるいは折り畳んだキッチンタオルなどを使ってじゃがいもを持ち上げます。これは、加熱後のじゃがいもは高温であるため、直接手で触れると火傷をする可能性があるからです。
次に、持ち上げたじゃがいもを軽く指で押します。これにより、じゃがいもの内部まで火が通っているか、すなわちじゃがいもの中心部まで熱が行き渡っているかどうかを確認します。じゃがいもが柔らかくなっていれば、火が通っている証拠となります。

ただし、大きなじゃがいもの場合、表面は柔らかくなっていても中まで火が通っていないことがあるので、竹串やフォークを刺して中まで柔らかくなっているか確認する方が確実です。

味見をする

じゃがいもが適切に調理されているかどうかを確認する最も簡単で直接的な方法は、小さく切って味見をすることです。この方法では、じゃがいもの内部まで火が通っているか具体的に確認することができます。

実際に食べてみることで、同時に適切な調味がされているかも試すことができる点です。具体的には、塩分が適量であるか、料理全体としての味わいが良いかどうかを確認することが可能です。

じゃがいもは半生・生煮えでは食べられない?対処法は?

しっかりと火が通っているか確認してからお皿に盛って食べるのがベストですが、確認せず料理を食べてみたら火が通っていなかったということもあるでしょう。半生・生煮えのじゃがいもは食べられないのでしょうか。解説します。

食べられる

煮物や炒めものなど加熱調理してから食べることが圧倒的に多い野菜ですが、実は生食することができます。そのため、シャキシャキしていても食べることはできます。

じゃがいもは生食できないと多くの人が思っているのは、じゃがいもにソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているためであると考えられます。

ソラニンやチャコニンは日光に当たることで生成されます。スーパーなどで販売されているじゃがいもは収穫後日光に当たらないよう保管されており、中毒症状を引き起こす量の天然毒素は含まれていません。そのため、じゃがいもを生で食べても健康上大きな問題はおこらないといえます。

そもそも、ソラニンやチャコニンは加熱調理をしても分解されません。ソラニンやチャコニンが多く含まれているじゃがいもの場合、加熱をすれば安全に食べられるというわけではないので、加熱調理する場合と生食する場合どちらも、ソラニンやチャコニンが増えているじゃがいもには注意する必要があります。

消化不良に注意

上述したように、じゃがいもは生で食べることができますが、食べ過ぎてしまうと消化不良を起こし、腹痛などを引き起こしてしまう恐れがあります。

じゃがいもの主成分であるでんぷんは、生の状態ではβ−デンプンと言い、β−デンプンは消化されにくい性質を持っています。β−デンプンは、加熱をすると消化されやすいα−デンプンへと変化します。ちなみに、β−デンプンは片栗粉にも使われます。片栗粉を摂りすぎるとお腹を壊してしまうのは、β−デンプンが含まれているからです。

また、じゃがいもには食物繊維も含まれています。加熱したからといって食物繊維が減るわけではありませんが、過剰摂取すると便秘や下痢、腹痛、吐き気の原因となる場合があります。
消化機能が未熟な小さなお子様や高齢者の方、胃が弱い方などはしっかりと火を通して食べた方が安心です。

再加熱すると◎

食べてみてシャキシャキだった場合、食べても問題ないとはいえやはり、美味しくないと感じる方も多いでしょう。加熱後もシャキシャキだった場合は、まず加熱不足を考えて再加熱してみましょう。

例えば、煮物などの煮込み料理の場合はそのまま15分ほど再加熱します。炒めものなどそのまま加熱すると焦げてしまう場合は、耐熱皿に乗せて水を少々ふりかけ、ラップをして600wで1分ほど加熱します。

ただし、加熱しすぎると水分が抜けて反対に固くなってしまうので、様子を見ながら加熱時間を調節することが大切です。

じゃがいもにしっかり火を通す方法【茹でる】

水からじっくり茹でる

じゃがいもは水から茹でる

野菜は水から茹でる場合と、沸騰したお湯から茹でる場合がありますよね。じゃがいもは水から茹でるのが基本です。

じゃがいもを沸騰したお湯から茹でると、火の通り方にムラができ、外側は十分柔らかいのに内側は火が通ってなくて固いといった「加熱ムラ」が発生し、加熱してもシャキシャキに仕上がってしまう原因になりますし、内側まで火が通る頃には、外側がボロボロになってしまいます。

水から茹でればじっくりと内側まで均一に火を通すことができるため、煮崩れしにくいですし、ホクホクに仕上げることができます。水から時間をかけて茹でましょう。

蓋はする?しない?

じゃがいもを茹でるときは、蓋はしてもしなくてもどちらでも大丈夫ですが、茹でる時に蓋をするメリットは、やはり熱が逃げづらいという点です。

蓋をして茹でることで、鍋内部の熱を均一に分散させることができるため、茹で汁の中でじゃがいもがムラなく加熱され、外側と内側の茹で加減がより一致します。これにより、加熱ムラなく均一な食感と味わいを楽しむことができます。

また、多くのじゃがいもを茹でる場合は茹で時間が必然的に長くなります。その場合、蓋をしていないと茹で汁がどんどん蒸発してしまいます。これも均一に火が通らない原因になるので、加熱してシャキシャキになってしまうのを防ぎたい場合は蓋をして茹でると良いでしょう。

基本の茹で時間

じゃがいもの茹で時間はじゃがいもの大きさや皮付きかカットしているかなどの条件によって異なります。本記事では、水から茹でて、水が沸騰してから茹で上がるまでの時間を「茹で時間」とします(湯が沸騰するまでの時間は含みません)。

小・丸ごと・皮付き:15〜20分

小・Sサイズ(58g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は15〜20分程です。
じゃがいもは大きければ大きいほど火が通るのに時間がかかるため、小サイズが最も早く茹で上がります。新じゃがは小サイズのものが多いため、じゃがいも小サイズの茹で時間を目安に茹でると良いです。

中・丸ごと・皮付き:20〜25分

中・Mサイズ(92g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は20分〜25分程です。20分ほど加熱後に竹串を通してスッと通らなければ、1分ずつ茹で時間を追加して調節してください。

大・丸ごと・皮付き:30分

大・Lサイズ(157g)のじゃがいもを皮付きのまま水から茹でる場合の茹で時間は30分程です。
やはり大きいサイズは最も時間がかかります。時間がかかるため大サイズのじゃがいもの茹でる時間を短縮したい場合は、カットしてから茹でると良いです。ただし、時間は短縮できてもカットすることにより栄養素は流れ出てしまいます。

じゃがいもにしっかり火を通す方法【レンジ】

レンジ加熱はレンジの構造上、どうしても加熱ムラができやすいというデメリットがあります。

しかし、茹でるのとは異なり水溶性の栄養素が流出しないメリットがあります。じゃがいもにはビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も豊富に含まれているので、栄養素を無駄にしたくない場合はレンジで加熱するのが良いでしょう。また、鍋で茹でるよりも時短になるのがメリットです。

十字の切り込みを入れる

じゃがいもに十字の切込みを入れる

切り込みは入れなくても大丈夫ですが、加熱ムラを防ぎたい場合やじゃがいもをレンジで加熱することで爆発するのが心配な方は、じゃがいもを洗ったら十字に切り込みを入れておきましょう。

十字に切り込みを入れておくことで火が通りやすくなります。

水がついたままラップする

じゃがいもをラップに包む

濡らしたキッチンペーパーに包んでも◎

洗ったじゃがいもを、湿らしたキッチンペーパーで包んでからラップをしても良いです。湿らしたキッチンペーパーで包むことで水分が蒸発してしまって固くなってしまうのを防ぐことができます。

また、パサパサになってしまうのを防ぐことができるのでホクホクとした食感に仕上げることができるメリットもあります。

600wで3分ほど加熱する

加熱しすぎないことも重要です。じゃがいもは火が通りにくい野菜なので加熱しすぎてしまいがちですが、加熱のしすぎは水分が蒸発してしまい、固くなってしまったり爆発する原因になります。

加熱時間の目安は、じゃがいも1個(皮つき、約150g)につき600Wで3分程度です。竹串などを刺してみて硬いようであれば20秒ずつ追加で加熱していき、竹串などがすっと通るようになれば加熱完了です。

2個加熱する場合の加熱時間は5〜6分を目安にし、3分経過した時点で一度裏返し1個のときと同様に様子を見ながら追加で加熱していきます。

500Wなら、じゃがいも1個(皮つき、約150g)3分半〜6分を目安に様子を見ながら火が通るまで追加で加熱していきます。

じゃがいもの大きさや電子レンジのワット数、皮付きか剥いた状態か、丸ごとかカットしているかなど、条件によって若干ではありますが加熱時間が変わってくるので、はじめから長めに加熱せず短めに加熱して、少しずつ様子をみながら追加で加熱していくのが良いでしょう。

蒸し器を使うのがおすすめ

レンジ用の蒸し器をつかってじゃがいもを蒸す

シリコンスチーマーなどレンジで使える蒸し器を使ってレンジで加熱すれば、マイクロ波でじゃがいもを温めるのではなく、水蒸気でじゃがいもを温めることができるのでしっかり柔らかくすることができますし、爆発する心配なく加熱可能です。

レンジで使える蒸し器は100円均一などでも販売されているので、手軽に購入することができます。

おすすめの蒸し器はこちら

電子レンジで加熱するだけで美味しいゆで野菜ができる二重構造になっています。じゃがいもの加熱時間の目安は約2分30秒です。じゃがいもだけでなく、大根や人参、かぼちゃ、ブロッコリーなど様々な野菜を蒸すことができます。

じゃがいもにしっかり火を通す方法【炒める】

炒めものにするじゃがいもの場合は、シャキシャキとしたじゃがいもでも食感がアクセントになって美味しいのですが、しっかりと火を通したい方も多いでしょう。固くならないじゃがいもの炒め方を紹介します。

下茹でをする

炒めものをする場合もじゃがいもは、生の状態のまま炒めてしまうと火が通りにくく、シャキシャキとした食感になってしまいがちです。

そのため、じゃがいものホクホク感を出したい場合は、予め茹でておいたり、レンジで加熱しておくと良いです。茹で時間やレンジでの加熱時間は、上記で紹介したよりも短めで大丈夫です。

下茹で時間が長すぎると炒めたときに加熱されすぎて固くなってしまうことがあるので、ちょっと固さが残っているぐらいでちょうど良いでしょう。

大きさは均等にカットする

炒めものにしたい場合など、じゃがいもをカットしてからレンジで加熱する場合は、大きさはできるだけ均等になるようにしましょう。大きさにムラがあると、加熱ムラができやすくなってしまって固い部分ができてします。

細かくカットしすぎると焦げてしまうので、程よい大きさで均等にカットするのがポイントです。

味付けは火が通った後

炒めものをする場合も、味付けをするときはしっかりとじゃがいもに火が通ってからが基本です。

さっと炒めてさっと味付けをしてしまいがちですが、上述したように浸透圧で水分が抜けて固くなってしまうので、味付けはじゃがいもにしっかりと火が通ってからにしましょう。

炒め時間は3分〜4分

炒め時間の目安はカット方法にもよりますが、下茹でをしておけばは3分〜4分です。下茹でなしで炒める場合は、長めに加熱する必要があります。

厚めにカットしている場合は、竹串などを刺してすっと通るまでしっかりと加熱しましょう。加熱時間を長くすると焦げてしまいやすいので、火が通りやすいように小さめにカットするのをおすすめします。