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トマトは冷凍で栄養キープ!正しい保存方法を解説

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トマトは冷凍で栄養キープ!正しい保存方法を解説

トマトに限らず食材は冷凍することで長持ちさせることができるメリットがありますが、冷凍しても栄養は変わらないの?と疑問に思ったことはありませんか?本記事では、冷凍したトマトの栄養について解説します。

トマトに豊富な栄養素・成分

トマト100gあたりの主な栄養素

「トマトが赤くなると医者が青くなる」とヨーロッパで言われるほど、栄養価が高いことで知られています。栄養豊富なトマトですが、特に特質すべきトマトの栄養を紹介します。

リコピン

トマトの栄養素の中でも注目してもらいたいのは「リコピン」という栄養素。多くの人が耳にしたことであろうリコピンですが、実はトマトの赤色の成分なのです。トマトのほかにもスイカや金時人参、柿にも含まれています。

リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つβ-カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と言われています。肌や血管の老化を防いだり動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。

また熟すにつれてリコピン(と、カロテン)が増加し、緑色素のクロロフィルが消失するため赤色になります。

ビタミン

「トマトの赤色はカロテンではなくリコピンです」と言われることがあり、間違いではありませんが、トマトにはβ-カロテンも豊富に含まれています。

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換されます。皮膚や喉など全身の粘膜を健康に保ち、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐことで免疫力をアップします。また、抗酸化作用もあるので、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果が期待できます。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目や視力低下の抑制効果、他にも皮膚の健康維持に関与していることから乾燥肌やニキビ肌の改善など美肌効果も期待できます

また、トマトにはビタミンCも含まれています。ブロッコリーなどと比較するとそれほど多い量ではありませんが、トマトは1度に多くの量を食べられる他、1年を通して食べられることから、ビタミンCの大切な補給源です。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。 そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

カリウム

カリウムは野菜や果物に多い栄養素で、トマトにも含まれています。
カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

その他、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

旨味成分も豊富に含まれている

トマトはグルタミン酸が豊富に含まれており、熟すにつれて量が増えます。ビタミンB2と合わせると吸収率が上がります。

グルタミン酸は体内で合成することが出来る非必須アミノ酸の一種で日本で最初に発見されたうま味物質です。
興奮系の神経伝達物質として働き脳機能を活性化させるので記憶力や学習能力、そして集中力を高める効果があります。また、脳の機能にダメージを与えるアンモニアを解毒・排出を促進する効果があります。さらに、血圧が下がります。

トマトは冷凍すると栄養が減る?

上記で紹介したようにトマトには様々な栄養が含まれていますが、これらの栄養は冷凍することで減ってしまうのでしょうか。解説していきます。

冷凍すると栄養をキープできる

基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。

冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。

そのため、トマトも冷凍することで栄養を減らしてしまうことなく長期保存できるメリットがあります。

冷凍すると栄養を吸収しやすくなる

食材によっては冷凍することでビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうため、栄養が減ってしまうことが懸念されることがあります。

トマトの場合も水溶性の栄養素の流出は避けられませんが、そもそもそこまで水溶性の栄養素は多く含まれていないので大きく栄養を損なうということはありません。

むしろトマトは、冷凍することで細胞壁が壊れ、加熱時に栄養素が出てきて体内に吸収しやすくなると言われています。特にリコピンは細胞壁の中に多く含まれているのですが、生のトマトを咀嚼で壊せる細胞壁はごくわずかであることがわかっています。

そのため、リコピンは冷凍して細胞を壊してから食べた方がしっかりと摂取することができます。

旨味も増す

野菜など食材によっては、冷凍することで味が薄くなってしまうことがあります。

トマトの場合は冷凍することで旨みも増します。上述したように細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨み成分も出てくるのです。

冷凍したトマトは旨味成分がたっぷり出てくるので料理の味が変わります。

冷凍トマトはまずい?

食材によっては冷凍することで食感が柔らかくなってしまったりして、冷凍するとまずくなるといわれることがあり、トマトも例外ではありません。

特にトマトは水分量が多いため、冷凍して解凍するとどうしても食感が悪くなってしまったり水っぽくなってしまうデメリットがあります。

しかし、正しい冷凍方法で冷凍し、解凍方法にも注意すれば冷凍トマトも美味しく食べることができますよ。

トマトを美味しく冷凍する方法

トマトを冷凍すると長持ちするだけではなく、栄養面でもメリットがあることはおわかりいただけたでしょうか。ここからは、トマトを美味しく冷凍する方法を紹介します。

丸ごと冷凍する

トマトは丸ごと冷凍することができる

トマトは丸ごと冷凍することもできますし、カットしてから冷凍することもできます。おすすめは、丸ごと冷凍です。

トマトはカットすると組織が崩れてしまうため、冷凍すると食感が損なわれてしまいます。一方、丸ごと冷凍する場合は凍っても形が崩れないため、解凍後の食感が悪くなりにくいです。

用途が決まってなくても丸ごと冷凍すれば何でも使えるのも、便利で嬉しい点です。

丸ごと冷凍するときは、ヘタを取ってから保存袋に入れます。

カットしてから冷凍するときは

トマトはざく切りにしてから冷凍保存することもできる

ざく切りにして冷凍する場合は、できるだけ重ならないようにポリ袋に入れるのがポイントです。重なるように入れてしまうと細胞が傷つき、風味や食感が悪くなってしまいます。

重ならないように入れれば、使いたい分だけポキっと折って取り出すこともできて便利なので、重ならないように入れるようにしましょう。

水けをしっかりとる

トマトの水けをキッチンペーパーで拭き取る

丸ごと冷凍する場合、カットしてから冷凍する場合、どちらも水けをしっかりとキッチンペーパーなどで拭き取ってからポリ袋に入れることも大切です。

余計な水分がついた状態で冷凍してしまうと、解凍されたときに余計な水分まで出てきてべちょべちょになってしまいます。特にカットしてから冷凍する場合は注意が必要です。

カットしてから冷凍する場合は、カットする前に一度水分を拭き取っておきましょう。

ポリ袋の空気をしっかり抜いて密閉する

トマトを入れた保存袋の空気をしっかり抜く

ポリ袋にトマトを入れたら、空気をしっかり抜いて密閉して保存しましょう。

しっかりと空気を抜いておくことでトマトが空気に触れることで酸化してしまったり、冷凍庫の臭いがついてしまうことを防ぐことができます。

金属トレイの上に置く

トマトを冷凍する際は、金属トレイの上にのせる

トマトに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をした方が旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いた方が早く冷凍することができます。

遅くても1ヵ月以内には食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

冷凍トマトの解凍方法

上述したように冷凍トマトは解凍すると水っぽくなってしまうので、解凍方法にも注意が必要です。

基本的に冷凍した食材はレンジで解凍してから使うことが多いと思いますが、トマトは解凍せずにそのまま調理するのがおすすめです。そのまま調理することで水っぽくなってしまったり、水分と一緒に水溶性の栄養素が流出してしまうのを防ぐことができます。

冷凍トマトを解凍・調理方法を紹介します。

すりおろす

冷凍したトマトをすりおろし器でおろす

丸ごと冷凍したトマトはおろし器を使ってすりおろし、めんつゆやドレッシングに入れると美味しくいただけます(レシピは、この記事の最後にご紹介します)。冷凍室から取り出したトマトを解凍せずそのままおろし器ですりおろします。ジャリジャリと比較的すりおろしやすいですが、怪我には注意しましょう。

そのままシャーベットとして食べても非常に美味しいです。

ミキサー

冷凍したトマトをミキサーにかける

カットして冷凍したトマトは、おろし器ではすりおろすのが難しいので、ミキサーを使います。冷凍室から取り出したトマトをミキサーに入れます。なるべく小さなかたまりで取り出して入れると素早く細かくなります。

お好みの粗さになるまでミキサーにかけ、ドレッシングやめんつゆなどに使ったり、トマトスムージーとしても美味しく召し上がることができます。レシピは後ほどご紹介しますね。

冷凍トマトを使ったレシピ

最後に冷凍トマトを使った簡単レシピをご紹介します。

Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

トマトとレタスのスープ

トマトとレタスのスープ

トマトとレタスのシンプルなスープ。レタスのほのかな甘みとトマトの酸味がマッチ。

レタスは栄養がないと思われがちですが、レタスはβ-カロテン、ビタミンC・Eといったビタミン類をはじめ、カリウム、カルシウムなどのミネラル類、食物繊維などが含まれています。中でも比較的多いのはビタミンEです。ビタミンEは抗酸化作用があるので、トマトとの栄養面での相性がGood。

レタスとトマトのスープのレシピはこちら

トマトドレッシング

トマトドレッシング

こちらのレシピでは冷凍トマトをすりおろして使います。

このドレッシングでは、オメガ3が豊富に含まれるえごま油を使っています。えごま油は熱に弱く、クセがないのでサラダにぴったりです。

トマトドレッシングのレシピはこちら

トマトめんつゆ

トマト麺つゆ

冷凍トマトで作る、さっぱりイタリアンめんつゆです。夏のそうめんにぴったりです。一度食べたらクセになるおいしさです。

トマトめんつゆのレシピはこちら

トマトスムージー

トマトスムージー

りんごとメープルシロップと合わせることで、デザート感覚でも楽しむことができます。

トマトスムージーのレシピはこちら