ブロッコリーを冷凍する際に、生のまま冷凍するのか茹でてから冷凍するのかどちらか迷う方は多いと思います。本記事では、ブロッコリーを生のまま冷凍、茹でてから冷凍するそれぞれのメリットや、ブロッコリーの冷凍方法、そして冷凍ブロッコリーの解凍方法をご紹介します。
野菜の冷凍保存は、野菜の種類によって向き不向きがあります。
水分が多い野菜や繊維が多い野菜は冷凍には向かない傾向がありますが、ブロッコリーは冷凍に適しています。ブロッコリーは水分が適度で繊維もそこまで多くないため、冷凍後も食感や味をそこまで損ねることなく長期保存が可能で、解凍後も美味しく食べられます。
適切な方法でブランチングや適切なパッキングを行い、冷凍保存することで鮮度を保ちながら、ブロッコリーの栄養や風味を楽しむことができます。ただし、他の野菜については冷凍保存には注意が必要です。野菜ごとに最適な保存方法を選び、鮮度を保つことが重要です。
ブランチングとは、食品の加熱処理法の一つです。野菜や果物などの食品を茹でたり蒸したり炒めたりして加熱処理した後に急速に冷やす方法です。食品を一定時間加熱した後に急冷し、冷凍保存することで、食品の品質を保ちながら長期間保存することができます。
ブランチングの主な目的は色や香り、食感を悪くする原因となりうる酵素を不活性化させることです。加熱して食品が持っている酵素を不活性化させることにより、野菜や果物の鮮やかな色を保てたり、冷凍における変色を防いだり、品質の劣化を防ぐことが可能になります。さらに、ブランチングすることで食品の表面に付着している微生物や汚れを取り除き、衛生的な状態にする効果も期待できます。
ただし野菜や果物の中には、ブランチングに向いていないもののあります。例えばトマトやレタスなど、元々水分を多く含んだり柔らかい食品はブランチングに適していません。反対に、ごぼうやれんこん、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガスなどの野菜はブランチングに向いています。
ブロッコリーはブランチングできる野菜だが、元々冷凍保存に強い野菜なので、ブランチングは必須ではありません。
上記でご紹介したように、ブランチングには様々なメリットがありますが、加熱したり加熱したものを冷ます手間があるのはデメリットといえます。一方で生のまま冷凍する方法では、加熱処理の手間が省けるため、忙しい日でも手軽に冷凍することができます。
ブロッコリーの場合は、生のまま冷凍するものと茹でてから冷凍ものの大きな違いは食感です。生のまま冷凍すればシャキシャキの食感を、茹でてから冷凍すれば柔らかい食感を楽しむことができます。したがって、ブロッコリーを冷凍する前にブランチングするかどうかは、ご自身の好みに合わせて選ぶことをおすすめします。
ブロッコリーを直接冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」といいます。ブロッコリーを生のまま冷凍するメリットをご紹介します。
ブロッコリーを茹でずにそのまま冷凍することで、ブロッコリーに含まれる水溶性の栄養素を守りやすくなります。
ブロッコリーに特に豊富な栄養素にはビタミンA(β−カロテン)やビタミンK、ビタミンC、カリウム、葉酸などがあります。その中でビタミンA(β−カロテン)とビタミンKは脂溶性の栄養素です。茹でることで失われてしまう水溶性の栄養素はビタミンCやカリウム、葉酸です。
ブロッコリーを直接冷凍することで、栄養価を維持しながら長期保存することができます。
ブロッコリーを直接冷凍する場合、茹でる工程を省くことができます。
茹でる時間だけでなく、お湯を沸かす手間粗熱を取る時間や手間も省くことができるので、時間がない時でも手軽に冷凍することが可能です。
茹でずに直接冷凍するだけでもブロッコリーを長期保存できる(約1ヶ月)ため、調理の手間や時間を削減したい方はダイレクトフリージングが適しています。
一般的に、生のまま冷凍した野菜は解凍時に凍った水分が溶け出てしまうことで食感が悪くなりやすいのですが、ブロッコリーに関しては解凍後もシャキシャキとした食感を保ちやすいです。
野菜を冷凍すると、野菜内の水分が膨張します。解凍時に水分が氷となって溶け出し、固まっていた部分が空洞になるため、食感が悪くなります。
ブロッコリーに関しては、他の野菜と比べて水分量が少ないため、解凍時も食感を損ねにくいです。歯ごたえのあるブロッコリーを楽しみたい方は、生のまま冷凍するのがおすすめです。
ブランチングしてから冷凍することで得られるメリットをご紹介します。
ブランチングをしてから冷凍することで、ブロッコリーの柔らかい食感を楽しむことができます。
ブランチングすることでブロッコリーが柔らかくなります。ブランチングにより、凍結による細胞の損傷を最小限に抑えることができるため、解凍後も水っぽくなることはほとんどありません。
これにより、冷凍ブロッコリーを使った料理でも、柔らかくて食べ応えのあるブロッコリーを楽しむことができます。
ちなみに、ブロッコリーを茹でるのではなく電子レンジで加熱して冷凍することもできます。
上記でも説明したように、ブランチングの主な目的は野菜の酵素を不活性化させ、色や食感、香りの変化を防ぐことです。ブランチングをしてから冷凍することで、貯蔵中の変色や変質を防ぐことができます。
野菜には酵素(ポリフェノールや酸化酵素など)が含まれており、これらが貯蔵中に酸化することで変色が生じてしまいます。ブランチングすることで酵素を不活性化させることにより、野菜が変色するのを防ぐことができます。
変色しやすい野菜にはブロッコリー以外にじゃがいもやれんこん、ごぼうなどがあります。
ブロッコリーを予め加熱することで、鮮やかな緑色をキープしやすくなります。
ブランチングには茹でる、蒸す、炒めるなどの方法がありますが、茹でてブランチングするのが一番効果的です。茹でる際に塩を加えるのもポイントです。塩には、ブロッコリーの緑色色素であるクロロフィルを安定させる作用があります。また、塩を加えて茹でることでブロッコリーの甘みが際立ち、より美味しく食べることができるメリットもあります。
ブランチングすることにより、殺菌することができます。
ブロッコリーに限らず野菜には様々な菌が付着しています。沸騰した湯で茹でたり、蒸気で蒸すことにより、野菜に付着した菌を殺菌することができるため、より安全に冷凍保存することが可能になります。
菌だけでなく、農薬やワックスなどを落とすことも可能です。
ブロッコリーを生のままダイレクトフリージングする際は、まずブロッコリーをしっかり洗います。ブロッコリーは形状上、虫や汚れが付着しやすいので、塩や酢、野菜用洗浄パウダーなどを用いて洗うのが◎。
ブロッコリーの洗い方は下記の記事で詳しく解説しています。
洗ったブロッコリーを小房にカットし水けを拭き取ったら、冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。
ちなみに、ブロッコリーの茎も食べることができますので、捨てずに房と一緒に冷凍しましょう。茎の外側は固いので切り落とし、薄く拍子切りにしたり輪切りにして保存しましょう。
ブロッコリーを茹でてから冷凍する際も、ブロッコリーをしっかりと水洗いして汚れを取り除きます。
ブロッコリー一房に対して水2リットルを鍋に沸かし、湯が沸騰したら塩大さじ1を加えます。しっかり塩味つけるなら塩は大さじ1強がおすすめです。茎と小房を同時に入れ、約1〜2分間茹でます。自然に冷まし水けと粗熱が取れたら、冷凍用保存袋に入れ空気をしっかり抜き保存します。
冷凍したブロッコリーを解凍する方法をご紹介します。それぞれの方法でメリット・デメリットがあります。
加熱料理に使用する際は、解凍せず凍ったまま調理してOKです。加熱調理によって解凍することができ、水分が蒸発しやすいので水っぽく仕上がるのを防ぐことができます。
非加熱調理に使用する際は解凍が必要になりますので、下記でご紹介するいずれかの方法で解凍しましょう。
ナムルなどの和え物に使用する場合は、冷蔵庫に移して低温でじっくり解凍するか、流水解凍がおすすめです。
常温での解凍は、室温が高いほどブロッコリーの水分が出やすくなり、ベチャッとした食感になってしまうためあまりおすすめできません。
使用する前日や半日前に冷凍庫から冷蔵庫へ移し、ゆっくりと時間をかけて解凍しましょう。
冷凍した人参を解凍する際に、電子レンジを使う方も多いと思いますが、実は冷凍ブロッコリーの電子レンジでの解凍はあまりおすすめではありません。
電子レンジで解凍することで一気に水分が抜けて食感が悪くなってしまうためです。また、水分が抜けてしまうことによって、ブロッコリーに含まれるビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまう点もデメリットといえます。
上述の通り、解凍方法には流水解凍や冷蔵庫解凍などがありますが、電子レンジ解凍が一番短時間で解凍できます。そのため時間がない時は電子レンジでの解凍が便利です。
冷凍ブロッコリーをレンジで解凍する際は、氷や霜をある程度取り除き、キッチンペーパーで包み耐熱皿にのせます。ふんわりとラップをして600Wで2分ほど加熱します。キッチンペーパーに包むことで、解凍中にキッチンペーパーがブロッコリーの水分を吸ってくれるので、仕上がりの食感がよくなります。
冷凍ブロッコリーを電子レンジで解凍する詳しい手順は下記の記事でご紹介しています。
冷凍したブロッコリーは蒸し器やせいろなどを使って蒸して解凍するのもおすすめです。蒸気で解凍するため、水溶性の栄養素の流出を抑えることができます。また、蒸し器やせいろで解凍したブロッコリーはふっくらとした食感にになり、冷凍ブロッコリーでも美味しく食べることができます。
鍋またはフライパンに湯を沸かし、冷凍ブロッコリーを並べたせいろをセットして5分ほど加熱します。ブロッコリーの解凍時間は、冷凍の状態やブロッコリーの量、せいろの性能などによって異なる場合がありますので、初めは5分程度から始め、ブロッコリーが適切に解凍・加熱されるまで時間を調整しましょう。
蒸し器やせいろがない場合は、フライパンを使って蒸して解凍することも可能です。冷凍ブロッコリー(一房分)と水大さじ1〜2をフライパンに入れて蓋をし、2〜3分ほど加熱します。蓋をあけて水分が蒸発するまでさらに加熱して解凍します。
冷凍ブロッコリーを蒸して解凍する方法は、下記の記事で詳しい手順をご紹介しています。
・冷凍ブロッコリーを蒸して解凍する方法。水っぽくならないコツも解説
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
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