ブロッコリーを加熱する方法の一つに、フライパンでの蒸し焼きがあります。本記事では蒸し焼きにするメリットや蒸し焼きにしたブロッコリーの美味しい食べ方、保存方法などを詳しく解説します。
フライパンでブロッコリーを蒸し焼きにするメリット・デメリットをご紹介します。
ブロッコリーをフライパンで蒸すと、栄養素の流出を抑えることができます。
ブロッコリーをお湯で茹でると、ブロッコリーに含まれる水溶性の栄養素が流出してしまいます。具体的には、灰分(かいぶん)が40%、カリウムが45%、その他の無機質成分は20〜30%、ビタミンB群・C、ナイアシンなどは50%ほど減ってしまうことがわかっています。
フライパンで蒸す際は、使用する水の量が少なく蒸気で加熱していくため、お湯で茹でるよりも栄養素を守りやすいです。
ブロッコリーをフライパンで蒸すと、ふっくらとした食感に蒸し上げることができます。
ブロッコリーは生食することができる野菜ですが、日本では生食されることはほとんどありません。その理由として、生では固くて食べにくいという点があげられます。特に茎(芯)の部分はそのままでは食べにくいです。
ブロッコリーに限らず野菜の細胞壁はセルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。加熱をするとペクチンが分解されるため野菜は柔らかくなります。
そのためブロッコリーは加熱して食べるわけですが、茹でるより蒸した(蒸し焼きにした)方がふっくらとして美味しいのが特徴です。
ブロッコリーは茹でることで旨味成分や甘みとなる成分も流出してしまいます。また、たっぷりのお湯で茹でることで水っぽくなってしまうため料理の味が薄くなってしまうデメリットもあります。
そのため、蒸したほうがブロッコリーの旨味や甘みがそのまま残り、ブロッコリー本来の味を楽しむことができるのもブロッコリーを蒸すメリットであるといえます。
ブロッコリーをフライパンで茹でる方法は、お湯で茹でるよりも時短になるのもメリットの一つです。
加熱時間自体は、鍋で茹でる方が短い(2分)のですが、お湯を沸かす時間が別に必要になります。
フライパンで蒸す場合はお湯を沸かす必要がないので、時間がない時でもすぐに火を通すことができます。
蒸し器やせいろを使うよりも、フライパンでの蒸しは手軽な方法です。日常的によく使用するフライパンに少量の水を入れ、ブロッコリーを加えて蓋をするだけで簡単に蒸すことができます。
蒸し器やせいろを用意する手間や洗い物も不要で、調理時間も短縮することが可能です。
蒸したブロッコリーを「まずい」と感じる人もいます。
もともとブロッコリーにはイソチオシアネートやシュウ酸などの苦味を感じさせる成分が含まれています。
イソチオシアネートとシュウ酸はどちらも水溶性の成分ですが、シュウ酸は熱に強い性質を持つため、蒸すだけではしっかりと落とすことが難しいです。そのため、蒸し器やせいろで加熱したブロッコリーは苦味やエグミを感じやすいです。
一方、フライパンでの蒸し焼きは、ブロッコリーが直接水に触れるので、蒸し器やせいろで蒸すより、苦味や臭いが残りにくいというメリットがあります。
ブロッコリーをフライパンで蒸す方法をご紹介します。ブロッコリーは切ってから洗う方が、汚れや農薬が落ちやすいのでおすすめです。フライパンでブロッコリーを蒸す際の加熱時間の目安は3〜4分です。
ブロッコリーを小房に分けます。房の大きさがなるべく同じように切り揃えることで、火の通りが均一になります。
大きい房を切る時は、軸(茎)に包丁で切れ目を入れて、手で裂くときれいに切り分けることができます。
ブロッコリーの茎の部分も食べることができますので、捨てないようにしましょう。茎は硬い表面の部分を切り落とし、拍子切りや輪切りにします。
小房に分けたブロッコリーを洗います。
ブロッコリーは切る前に丸ごと洗うこともできます。丸ごと水洗いする方がブロッコリーの栄養素を守りやすいですが、切ってから洗う方が虫や汚れ、農薬が落ちやすくなります。
カットしたブロッコリーを水をはったボウルの中に入れ洗います。ブロッコリーは水に浮きやすいので、手で水の中に浸けるようにやさしく揉み洗いしましょう。
ブロッコリーを水を入れたビニール袋に入れて口を閉じて水に浸ける方法もあります。
ブロッコリーの洗い方の詳しい手順はこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。
残留農薬やワックスを落とすのに特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
ブロッコリーの苦味が気になる方は加熱する前に、水につけておくことで苦味となるイソチオシアネートやシュウ酸を落とすことができるためアク抜きになります。
そのためブロッコリーの苦味が気になる方は予めアク抜きをしておくと良いです。このとき水に塩を加えて塩水にすると色止めにもなります。ただし、水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうため長時間つけないようにしましょう。
小房に分けて水洗いしたブロッコリーをフライパンに並べます。なるべく重ならないように入れましょう。
フライパンにブロッコリーを並べたら、水を回しかけます。水の量は1株に対して100mlを目安に調節してください。
フライパンで蒸す際に、塩やオリーブオイルを加えて蒸すとより風味豊かに仕上がります。塩(少々)を入れることで、色止めになり鮮やかな緑色を保つことができたり、ほんのり塩味がついて、ブロッコリーの甘みを際立たせることができます。また、オリーブオイルを加えることで、ブロッコリーに含まれる脂溶性の栄養素βカロテンが溶け出して吸収しやすくなるメリットもあります。
水を回しかけたら蓋をし加熱します。加熱時間の目安は中火で3分〜4分です。水が完全に蒸発してなくなったら完成です。
蒸し茹でだとふっくらした食感に仕上がりますし、水っぽくならずジューシーに仕上げることができます。
水がなくなるとブロッコリーが一気に焦げやすくなるので、火加減や加熱時間に注意しましょう。
ブロッコリーをフライパンで蒸し焼きにする際に、ひと工夫を加えるだけで、簡単に副菜をひと品作ることができます。
ブロッコリーをフライパンで蒸し焼きにする際に、少量のオリーブオイルと塩を加えることで下味をつけることができ、ブロッコリーの甘さが引き立ちます。
また、ブロッコリーに多く含まれているβ-カロテンは油溶性であるため、脂質があることで溶け出して吸収しやすくなるメリットもあります。
ブロッコリー1房に対し、オリーブオイル大さじ2〜4と塩ひとつまみ、水100mlを加えて蒸すだけでOK。併せて赤唐辛子(輪切り)や顆粒コンソメなどを加えると、一味加わってさらに美味しくなります。
香ばしいガーリックの香りがクセになる、ガーリック蒸しもおすすめです。
ブロッコリー1房に対し、にんにく1片が目安量です。皮と芯を取り除きみじん切りにし、オリーブオイル大さじ1、塩ひとつまみ、水100mlを加えて蒸すだけで完成です。
先にオリーブオイルでにんにくを炒め、にんにくの香りが立ってからブロッコリーと塩、水を加えて蒸す方法もあります。
とろっととろけたチーズとブロッコリーの相性は抜群ですよね。フライパンで蒸すだけで簡単にブロッコリーのチーズ蒸しを作ることができます。
まず最初に、上記でご紹介したやり方でブロッコリーを蒸し焼きにします。火が通ったらチーズ(ピザ用チーズやスライスチーズなどお好みのもので◎)をお好みの量加え、チーズが溶けるまで約30秒〜1分ほど加熱します。チーズがとけたら黒胡椒をかけて食べると美味しいですよ。
蒸したブロッコリーは、シンプルにタレやソースにつけて美味しく食べることができます。例えば醤油とマヨネーズを混ぜ合わせたマヨ醤油ソースなどが手軽に作れます。
じゃがいもなど、その他の野菜も一緒に蒸して温野菜にすると、美味しく野菜をたっぷり食べることができます。
蒸したブロッコリーはそのままサラダの具材として加えることができます。他の野菜と一緒に食べることで一品で栄養をたっぷりとることができますし、ブロッコリーはしっかりとした歯ごたえもあるので食べごたえも抜群です。しっかりとした歯ごたえは満腹中枢が刺激されて満腹感を得ることができるため、ダイエット中の方にもおすすめです。
ブロッコリーに豊富に含まれているβ-カロテンはドレッシングやマヨネーズなどの油と一緒に食べることで吸収率をあげることができるので栄養面でも◎ただし、油のとりすぎは肥満の原因や肌荒れの原因になるので摂取のしすぎには注意しましょう。
蒸したブロッコリーに醤油などの調味料をかつおぶしなどを混ぜ合わせれば、簡単に和え物にすることができます。忙しい日のおかずにぴったりです。ポン酢など酸味のある調味料を使えば、さっぱりとした一品になります。
β-カロテンの吸収率をあげたいのであれば、マヨネーズと醤油を混ぜ合わせた醤油マヨと和えても良いでしょう。様々なバリエーションが楽しめるので、「あと一品何か欲しい」というときに便利です。
蒸したブロッコリーは、ハンバーグなどの肉料理やムニエルなどの魚料理の添え野菜にもぴったりです。味付けをしてから添えても良いですし、そのままでも美味しく食べることができます。
お弁当の彩りにもなるので、見た目をよくするのが難しいお弁当も色合いがよくなります。
蒸し焼きにしたブロッコリーは冷蔵また冷凍で保存することが可能です。冷蔵保存、冷凍保存する場合の日持ちはどのくらいかを解説します。
フライパンで蒸し焼きにしたブロッコリーを冷蔵保存する場合の保存期間の目安は約2〜3日です。
ブロッコリーから水が出てベチャベチャとした食感になってしまうのを避けるため、保存容器に乾いたキッチンペーパーを敷き、ブロッコリーを立てて(房の部分を上にして)敷き詰めます。
生のまま冷蔵保存しているブロッコリーに比べて、茹でたブロッコリーの冷蔵保存は傷みが早いので、なるべく早く食べ切るようにしましょう。
フライパンで蒸し焼きにしたブロッコリーを冷凍保存する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。
冷凍する前に加熱処理することを「ブランチング」といいますが、ブランチングして冷凍することで変色を防いだり、食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
ブロッコリーをフライパンで蒸し焼きにしたら粗熱を取り、冷凍用保存袋に入れ空気を抜いて密封します。冷凍する際は金属トレイの上にのせて冷凍することで、鮮度や食感、風味などがキープしやすくなります。近年販売されている冷蔵庫には急速冷凍機能がついているものも多く、アルミトレイが内蔵されているものもあります。急速冷凍機能がついていない場合は、別途金属トレイを用意し、その上にブロッコリーを入れた袋をのせてから冷凍庫で凍らせると◎。
冷凍ブロッコリーの解凍方法について解説します。
冷凍ブロッコリーは、フライパンで蒸し焼きにして解凍することができます。
フライパンに凍ったブロッコリーを並べて水を大さじ1〜2程度入れて蓋をし、中火で2〜3分加熱します。加熱時間はブロッコリーの量やカットの大きさなどによって異なるので、様子を見ながら調整しましょう。
2〜3分蒸したら、蓋をあけてさらに水分がなくなるまで加熱します。水分が蒸発したら解凍されている状態です。蒸し解凍したブロッコリーは、水分が飛んでいるのでベチャッとした食感になりませんし、味も悪くなりにくいのでおすすめです。
水分が完全に飛ぶと焦げやすくなるので、水量や火加減には注意しましょう。
冷凍ブロッコリーの解凍する方法は他にも、
自然解凍
流水解凍
電子レンジ解凍
せいろ解凍
などがあります。一番手軽に解凍できるのは電気レンジでの解凍です。冷凍ブロッコリーをキッチンペーパーに包み耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをし600Wで2分加熱します。手軽な方法ですが、食感や味が落ちてしまうことがあります。
加熱料理に使用する場合は、解凍せず凍ったまま調理に使用することも可能です。和え物など非加熱料理に使用する際は、自然解凍や流水解凍がおすすめです。自然解凍の場合、常温で解凍するよりも、冷凍庫から冷蔵庫に移して低温でじっくり解凍する方が、食感がベチャベチャになりづらいです。
ブロッコリーはフライパン以外でも蒸すことができます。
蒸し器(せいろ)は蒸気で蒸し上げるので、フライパンで蒸すよりも水溶性の栄養素を逃すことなく柔らかく仕上げることが可能です。
深めの鍋またはフライパンに2〜5cm程水を入れて、加熱してお湯を沸かします。お湯が沸いて蒸気が出てきたら、小房にわけて綺麗に洗ったブロッコリーを乗せた蒸し器をセットし、蓋をして蒸していきます。
蒸し器で蒸す場合の加熱時間の目安も3〜4分です。好みの固さになったら完了です。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
一番お手軽な茹で方は電子レンジで加熱する方法です。
電子レンジでの加熱も、水溶性の栄養素の流出を抑えることができます。また、フライパンや蒸し器で蒸すより、時短で加熱することができる点もレンジ加熱のメリットですが、食感は鍋やフライパンに劣り、パサパサとやや硬い仕上がりになってしまいます。
耐熱皿にブロッコリーと水大さじ2、塩ひとつまみを入れ、ふわっとラップをし600Wで3分加熱します。電子レンジから出したら、ラップをしたまま冷やすと水分が逃げづらいのでおすすめです。
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