ピーマンの種が黒い...食べられる？原因と対処法を解説

ピーマンの種が黒い理由

ピーマンの種が黒く変色する原因は下記の通りです。

劣化

ピーマンの種が黒くなってしまう原因の一つは、劣化です。

ピーマンは熟す前に収穫されている未熟果です。そのため、収穫後時間が経つと熟していき種は白色から茶色→黒と変色していきます。

熟す=腐敗ではありませんが、収穫してから時間が経ち鮮度が落ちている状態です。黒色になっているということは、かなり鮮度が落ちていると考えて良いでしょう。

黒カビの可能性も

黒カビが生えたことが原因で黒く変色してしまうこともあります。

黒カビは、クラドスポリウム属の病原菌で、170種以上いると言われています。黒カビはほこりなどと一緒に空気中に舞っていて、繁殖できる場所を見つけるとどんどん増えていきます。

黒カビが生えてしまった場合は、

• カビ臭い

• 周りが溶け出している

などの特徴があります。

ちなみに、黒カビは種だけではなく表面に生えることもあります。

種が黒いピーマンは食べられる？対処法は？

ピーマンの種が黒くなってしまう原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、黒く変色してしまったピーマンは食べられるのか解説していきます。

腐敗していなければ種を取って調理

劣化が原因で種が黒くなったピーマンは、腐敗しているわけではないので食べることができます。ただし、鮮度は落ちている状態なので腐敗のサインが見られないか必ずチェックしてから判断しましょう。腐敗しているピーマンの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。

腐敗していない場合は、種・わたをとって調理をするのが無難です。わたとは、ピーマンの種がついている白い部分のことです。

ピーマンの種・わたにも栄養素が含まれているので、栄養面を考えると種・わたごと調理をするのが望ましいですが、黒く変色してしまっている場合は無理に食べずに破棄するのが良いです。

ピーマンの種・わたの取り方はこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

黒カビは破棄

黒カビが原因で黒く変色している場合は食べることはできません。

じゃがいもなどの密度が高い野菜は表面のみであればカビが生えていても食べることができるとされていますが、カビはカビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。

カビの胞子は小さいので目に見えない部分にも侵食していることがありますし、かび毒は加熱すれば大丈夫ということはありません。まとめて袋などに入れて保存している場合、カビの胞子が飛んですべてにカビが生えてしまうので、1つでもカビが生えていたらすぐに取り除いて破棄しましょう。

出典：かびとかび毒についての基礎的な情報

腐敗しているピーマンの特徴

種が黒くなっていても鮮度が落ちて劣化しているだけであれば食べることができますが、下記のような特徴がある場合は腐敗しています。残念ですが破棄しましょう。

見た目

腐ったピーマンの見た目の特徴は下記の通りです。

• カビが生えている

• 水分が完全に抜けてシワシワ

• 溶け出している

• 茶色い液体が出ている

ピーマンには白カビが生えることもあります。表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビが生えています。白カビの場合もカビ毒を発生させる危険があるので破棄するのが無難です。

また、新鮮なピーマンの表面はハリがあり、パリっとしています。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に水分が抜けてしわしわになっている場合も食べられない状態です。溶け出している部分がある場合も腐敗しているので破棄してください。

臭い・味

腐ったピーマンの臭いや味の特徴は下記の通りです。

• 酸っぱい臭い・味

• 生ゴミ臭

• カビ臭い

野菜には特有の青臭さがありますが、ピーマンはそこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。

ピーマンに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。明らかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

腐ったピーマンの触感の特徴は下記の通りです。

• ぶにょぶにょしていて柔らかい

• 全体的にぬめりがある

• 糸を引いている

新鮮なピーマンは張りがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした触感になります。また、全体的にぬめりが出ていたり糸を引く場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。

表面が黒く変色する原因は？

ピーマンは種だけではなく表面が黒く変色することもあります。

お尻が黒いのは尻腐れ病

ピーマンのお尻の部分だけが黒く変色している場合は、尻腐れ病が原因である可能性が高いです。尻腐れ病の場合は食べることができます。

尻腐れ病は、生育中にカルシウムが欠乏することが原因で起こる生理現象です。例えば、野菜の栽培には窒素肥料が欠かせませんが、窒素肥料を多くあげすぎてしまうとカルシウムの吸収が阻害されてしまいます。また、水分不足で乾燥してしまうこともカルシウム不足となり、尻腐れ病になる原因となります。

腐っているように見えるため「尻腐れ病」と名がついていますが、腐敗しているわけではありません。

熟し始めで黒くなることもある

熟し始めて表面が黒く変色したり、黒い斑点が出てくることもあります。熟し始めで黒く変色している場合も問題なく食べることができます。

上述したように私達が普段食べているピーマンは花が咲いてから15日～20日程の未熟なものです。収穫の時期が遅れたり、収穫後に追熟されると、黒→黄色→オレンジ→赤と変色していきます。

熟し始めたことで黒くなっている場合は、

• 実にハリとツヤがあり元気

• グラデーションになっている

などの特徴があります。

熟し始めたことが原因で黒く変色した場合は、黒カビや病気とは異なり、ピーマン自体は元気で異臭がしたり溶け出しているなどの異変は出ません。

ピーマンが完全に熟すと苦味が軽減されて、苦味が苦手な方でも食べやすくなります。ただし、熟してからは腐敗するのが早いので日持ちしません。早めに食べきるようにしましょう。

病気

黒枯病などの病気に感染したことが原因で表面に黒い斑点ができることもあります。病気が原因の場合は破棄するのが無難です。

黒枯病は糸状菌（カビ）が原因で発症する病気で、葉や茎にも黒い斑点ができます。ピーマンに黒い斑点ができる病気は黒枯病の他にも「炭疽病」や「斑点病」があります。

病気が原因で黒い斑点ができている場合は、

• 斑点ができている部分が凹んでいる

• 実に元気がない

などの特徴があるので、判断の目安にしてください。

病気に感染したピーマンは収穫の段階で取り除かれるので店頭に並ぶことはあまりありませんが、家庭菜園でピーマンを育てている場合は注意しましょう。

ピーマンの正しい保存方法

生育環境が関係している生理障害や病気が原因で黒く変色してしまうのは、購入してから防ぐことはできませんが、劣化や黒カビ、腐敗などが原因で黒く変色してしまうのは正しく保存することで防ぐことができます。

正しく保存することで鮮度を保ち、より長く美味しく食べることができます。ピーマンを購入したら正しく保存しましょう。

常温保存

丸ごと（1週間）

ピーマンは常温保存することも可能です。保存期間の目安は1週間ですが、すぐに食べないならば冷蔵保存がおすすめです。また、夏場は必ず冷蔵保存するようにしましょう。

常温保存する場合は、直射日光が当たらず低い室温に保たれた冷暗所に新聞紙かキッチンペーパーで包んで、なるべく立てて保存しましょう。一つずつ丁寧に包みましょう。新聞紙やキッチンペーパーによって乾燥から守ります。
カットしたピーマンの常温保存は不可です。カットしたら常温保存は避け、この後ご紹介する冷蔵方法で保存するようにしましょう。

冷蔵保存

ピーマンは保存する場合は野菜室での冷蔵保存がベストです。風味や食感をあまり損なうことなく、それなりの長さ保存することができます。冷蔵ピーマンの保存の期間の目安は約3週間です。

丸ごと(3週間）

ピーマンはできれば丸ごと冷蔵保存がおすすめ。野菜が傷みにくいです。キッチンペーパーに一つづつ包み、ポリ袋に入れます。

ピーマンは夏野菜なのでキッチンペーパーを包むことで冷えすぎるのを防ぎます。ポリ袋はやや口を開けておくか、フォークで穴を空けるなどし密閉を避け通気性を高めるようにするのがポイントです。湿気やガスが貯まるのを防ぎます。

購入時の袋でそのまま保存するのはおすすめしません。取り出してキッチンペーパーで一つずつ水けを拭き取るようにしましょう。

カット（2〜3日）

カットしたピーマンを冷蔵保存することも可能です。ラップで一つづつきっちり包むのがポイントです。酸化を防ぎます。その後、冷蔵用のジッパー付きポリ袋に入れて保存します。切ってしまったものは傷みが早いので、密閉します。2〜3日で使い切るようにしましょう。

また、種とわた、へたは傷みが早いので、切ってから保存する場合はなるべく取り除くようにしましょう。

冷凍保存

ピーマンを長期保存させたい方は冷凍がおすすめです。冷凍ピーマンの保存期間の目安は約1ヶ月です。

丸ごと（1ヶ月）

ピーマンは丸ごと冷凍保存することもできます。水けをしっかり取り除き、一つずつラップに包み、冷凍用のジッパー付きポリ袋に入れて保存しましょう。

冷凍したピーマンを和え物に使うときは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍します。炒め物やスープに使うときは凍ったまま使うことができます。

カット（1ヶ月）

あらかじめカットしておくと調理するときが楽です。ラップで小分けにし、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。

調理して（1ヶ月）

ピーマンに限らず野菜は冷凍すると、変色したり風味が落ちたりします。加熱調理をしてから冷凍することでそれを防ぐことができます。

2個のピーマンを1cm幅に細切りし、オリーブオイル小さじ1、塩小さじ1/4で炒め、冷ましたものを保存しています。

その他にも天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存したり、醤油や味噌に漬けて漬け保存することも可能です。ピーマンの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

新鮮なピーマンの選び方

当たり前ですが、新鮮なピーマンを購入した方が長く美味しく保存することができます。新鮮なピーマンの特徴は下記の通りです。

• 鮮やかな緑色で、皮にハリとツヤがある

• ヘタのまわりがへこみ、肩が盛り上がっている

• 底の部分はフカフカせず、つややかで締まっている

• ヘタの切り口が新鮮で変色していないもの

袋に入ってる場合は必ずしも確認できるわけではありませんが、上記の点を参考にしてみてください。