人参を保存する際、ヘタを切り取ってから保存することでより長く美味しく保存することができます。本記事では人参を保存する際にヘタを取るべき理由や人参の保存方法などをご紹介します。人参には様々な栄養素が豊富に含まれていますので、それらを無駄にしない食べ方もあわせてご紹介します。
にんじんのヘタの近くに生長点があります。生長点があることで葉を生やそうとし、根の栄養分を消費してしまい、根の栄養価がどんどん下がってしまいます。
したがって、人参を保存する際は、ヘタを切り落としてから保存することで、根の栄養をキープすることができます。
人参を半分だけ使いたい場合も、ヘタの方から食べるのがおすすめです。
葉付き人参の場合、葉を付けたまま保存してしまうと、根の水分が葉に移動してしまい、スカスカになってしまいます。葉を切り落とす際にヘタの部分から切り落とすことで、根の水分と栄養をキープして保存することができます。
人参の葉と根は別々に保存します(根の保存方法は後述します)。葉は買ってきた日に使うのが理想ですが、保存する場合はラップできっちり包んで冷蔵庫で保存し、数日以内に食べるようにしましょう。
ヘタの部分には凹みがあり、土や雑菌などがたまりやすいです。土などの汚れがある状態で保存すると、場合によってはヘタの部分から傷んでしまいます。
人参の鮮度を保って保存するためにも、ヘタを取ってから保存するのがおすすめです。
包丁を使ってヘタの部分を切り落とします。包丁で真っ直ぐに切ると、可食部まで切り落としてしまうことになりますので、人参のヘタに包丁の根元(角)を差し込んで円を描くように包丁を動かせば、ヘタだけ取り除くことができます。
ヘタを切り落とした人参は冷蔵で保存するのが基本です。
人参全体をラップでしっかりと包み、冷蔵用保存袋に入れて口を閉じ冷蔵庫で保存します。
ヘタを切り落としてから冷蔵保存する場合の保存期間の目安は約1〜2週間程度です。ヘタの部分から乾燥したり傷みが始まりますので、なるべく早めに食べるようにしましょう。
ヘタを切り落とした場合、常温での保存は避けるべきです。切り口から乾燥が進み、傷みが早くなってしまうためです。
常温で保存したい場合はヘタ付きのまま保存します。
ヘタあり、なしに関わらず、人参を丸ごと1本冷凍するのはあまりおすすめしません。凍るのも解凍するのにも時間がかかってしまい、味や食感、栄養が悪くなってしまうためです。
人参を冷凍する場合は、料理に合わせたカットで保存するようにしましょう。例えば、輪切りや乱切り、角切りなど、料理別の大きさにカットし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。
冷凍したカット人参を解凍する際は、加熱料理の場合は解凍せず凍ったまま料理に加えて解凍調理します。急いで解凍したい場合や、非加熱料理に使用する場合は、電子レンジでの解凍も◎。
人参が腐ってしまった場合、どのような特徴があるのでしょうか。腐った人参の見た目、臭い、味、触感の特徴をご紹介します。
腐敗している人参の見た目の特徴は下記の通りです。
全体的にシワシワ
溶け出している
汁が出ている
人参の表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。人参のように固い野菜は表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ皮を厚めに剥けば食べることができますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は食べることができません。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があるため、心配な方や高齢者、小さなお子様が食べる場合は破棄するのが無難です。
新鮮な人参の表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは乾燥してしまっている状態です。単に乾燥しているだけであれば食べることができますが、溶け出していたり汁が出ていたりする場合は、腐敗してしまっているので食べることはできません。
腐敗している人参の臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
普段私達が食べているのは、人参の根の部分です。土に埋まった状態で育っているものを掘り起こして出荷されるため、泥臭さを感じることがあります。また、野菜特有の青臭さもありますが、そこまできつい臭いのする野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
人参に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐っている人参の触感の特徴は下記の通りです。
ぬめりがある
ぶにょぶにょしていて形が崩れる
人参には比較的多くのでんぷんを含む野菜であり、でんぷんが雑菌の餌となって細菌が繁殖しぬめりが出てきてしまうことがあります。洗うことで簡単に洗い流せる程度のぬめりであれば、皮を厚めに剥けば食べられることがありますが、触るとぶにょぶにょしていてすぐに形が崩れたり、指で押した跡が残るようであれば腐敗が進んでしまっている状態ですので、破棄しましょう。
人参の栄養を無駄にせず効率よく摂取できるおすすめの食べ方をご紹介します。
人参の葉には、根よりも多くの栄養素を含みます。例えば、葉には根の3倍のタンパク質、4倍のビタミンC、5倍のカルシウムが含まれています。葉付きで販売されている場合は、葉も捨てずに食べるようにしましょう。
人参の葉を使ったおすすめの料理には味噌汁や和え物、サラダ、かき揚げ、ふりかけ、スムージーなどがあります。農薬や汚れをしっかり落とすために、水洗いしてから使用しましょう。
人参の葉に含まれる栄養素についてはこちらの記事で詳しく解説してますので、ぜひご覧ください。
人参の主な栄養素であるβ−カロテンの吸収率を上げる食べ方は、油を使って加熱することです。
β−カロテンは、加熱調理することで吸収率が1.5〜2倍にアップするといわれています。また、β−カロテンは脂溶性ですので、油で炒めることで吸収率が6倍にもなります。
生食する場合はオリーブオイルなど油をかけて食べるだけで吸収率は4倍に。
β−カロテンは、人参の皮のすぐ下に最も多く含まれています。その量なんと中心部の2.5倍!ポリフェノールも中心部の4倍多く含まれています。したがって人参は皮を剥かずに皮ごと食べるのが◎。皮を剥く場合はなるべく薄くむくようにしましょう。
農薬が気になる方も多いと思います。日本で使用が認められている農薬は水溶性であることが多いため、流水で30秒以上洗えばある程度落とすことができるといわれています。それでも農薬が心配な方は、酢水や塩水、重曹で洗ったり、野菜専用の洗剤で洗ってから食べるのをおすすめします。
ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使うのも、残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水に人参を5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
β-カロテンは細かくするほど増えます。また、大きく切った人参よりもすりおろした方がβ-カロテンの吸収率もアップするため、人参を皮つきのまますりおろすといいでしょう。
すりおろした人参はポタージュや、野菜スープやドレッシングにできます。また、オムレツやハンバーグに混ぜてもおいしいですよ。人参嫌いな子供にもおすすめです。
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