山菜の一種であるうど(独活)。天然物と栽培物(人工栽培)に大別することができ、スーパーなどで販売されているうどは栽培物の「軟白うど(うど)」であることがほとんどです。今回はうどの正しい保存方法と保存期間を解説していきます。山うども同じ保存方法で保存することができますので、ぜひ参考にしてください。
うど(独活)は、日本原産の山菜です。野菜として栽培しているのは日本のみですが、近年では海外でも「udo salad」として注目されています。
「山うど」と「うど」の違いは、生産方法や見た目にあります。
日本の山野に自生しているものを「山うど」、人工的に栽培されているものを「軟白うど」といい、スーパーでよく見かけるうどは「軟白うど」であることがほとんどです。そして「軟白うど」のことを「うど」と呼ぶことが多いです。
山うどは太陽光を浴びて育つため穂先または全体が緑色になっています。一方で軟白うど(うど)は、うど小屋と呼ばれる光が当たらない場所で育つため、全体的に白っぽい色をしています。
うどは日本料理において昔から特有の香りと歯ざわりが好まれてきました。
うどは光に当てることで固くなったり変色してしまう性質があります。また、光に当てることで苦味やえぐみを感じやすくもなります。したがって、自宅で保存する際は、新聞紙やキッチンペーパーなどに包んでから保存するようにしましょう。
常温で保存する場合は、直射日光が当たらない冷暗所での保存がおすすめです。
うどは香りが強いだけでなくアクも強い食材です。したがって食べる前には必ずアク抜きを行いましょう。
うどの皮を厚めに剥き、お好みの大きさに切ったらすぐに水にさらします。うどは褐変しやすいため、水に酢やミョウバンなどを加えると変色を防ぐことができます。水にさらす時間は5分程度です。また、うどを茹でる際も酢を加えることで白く仕上がります。
ちなみに、うどの苦味成分の正体はポリフェノール化合物といわれています。うどが褐変するのもポリフェノール化合物によるもので、ポリフェノールオキシダーゼによりポリフェノール成分が酸化されることで褐変します。うど特有の風味はα-ピネンやβ-ピネン、サビネンなどの60種類以上の成分によるものです。山野に自生している山うどの風味が強いのは、軟白うど(うど)よりもこれらの成分が3倍以上も含まれているためだといわれています。
うどは収穫直後から鮮度が落ちていくので、基本的には常温保存は向いていません。スーパーに陳列されているうどは、収穫から時間が経過していることがほとんどです。すぐに食べる場合のみ常温での保存が可能ですが、そうでない場合は冷蔵庫で保存するようにしましょう。
当たり前ですが、新鮮なうどをを購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なうどには下記のような特徴があります。
穂先がピンとしていて、産毛に覆われている
触ってみてチクッとする
全体的にまっすぐ伸びていて、太さがほぼ均一
筋が太くてしっかりしている
うどは常温で保存することが可能です。ただし常温保存はあまり日持ちしないので、すぐに食べる場合のみにしましょう。
常温保存する際は、新聞紙やキッチンペーパーで包み、直射日光が当たらない冷暗所で立てて保存します。
うどだけに限らず野菜全般にいえることですが、横にした状態で保存するとストレスがかかってしまい鮮度が落ちやすくなってしまいます。畑で育った環境にできるだけ近づけてあげることで、鮮度を保って保存することができます。
うどを常温保存する場合は1〜2日ほど日持ちします。すぐに傷んでしまうので、長く保存したい場合は常温以外の方法で保存するようにしましょう。
うどを丸ごと冷蔵保存する場合は、水で濡らしたキッチンペーパーまたは新聞紙でうど全体を包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ野菜室で保存します。うどは低温に弱いので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。
丸ごと冷蔵保存する際も、常温保存と同様になるべく立てて保存することで鮮度を保つことが可能です。
この方法でうどを保存すると、約1週間ほど日持ちします。食べる直前に下茹でをしてアク抜きを行いましょう。
うどをカットしてから冷蔵保存することも可能です。1本を3等分にカットし、切り口に酢水をつけラップを巻きます。水で湿らせたキッチンペーパーでうど全体を包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じ野菜室で保存します。
できれば立てて保存する方がベストです。使いかけのうどもこの方法で保存することができます。
この方法で保存したうどは2〜3日ほど日持ちします。
冷蔵する前に食べやすい大きさにカットしてから保存する方法も。
うどの皮を厚めに剥き、お好みの大きさにカットし酢水(水200mlに対して酢小さじ1)もしくは塩水(水200mlに対して塩小さじ1/5)に10分程浸します。ザルにあげキッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵します。
酢水と塩水の違いですが、酢水の方がえぐみや苦味は和らぎますが変色しやすく、塩水は変色はしづらいですがえぐみや苦味が残りやすいです。
カットしたうどは傷みやすいので1日ほどしか日持ちしません。すぐに食べきるようにしましょう。
うどの皮も無駄なく使えるので捨てずに保存するようにしましょう。
皮をお好みの大きさにカットし、酢水(水200mlに対して酢小さじ1)もしくは塩水(水200mlに対して塩小さじ1/5)に10分浸します。ザルにあげキッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵します。
冷蔵したうどの皮は1〜2日ほど日持ちします。うどの皮はきんぴらにして食べると美味しいですよ。
うどは冷凍することでより長期間(冷蔵と比べて)保存することができます。冷凍する前にアク抜きをすると、解凍時すぐに調理に使えて便利です。
生のまま冷凍する方法が一番手軽にできます。
うどの皮を厚めに剥き(剥いた皮は捨てないで!)、短冊切りや拍子切りなどお好みの大きさにカットします。酢水(水500mlに対して酢大さじ1程度)に10分程浸し、ザルにあげキッチンペーパーで水けをしっかり拭き取ります。小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて密封して冷凍庫へ。金属トレイの上にのせて急速冷凍するのがおすすめです。
剥いた皮の冷凍方法は後ほどご紹介します。
うどを冷凍する際は、アク抜きをしてから冷凍するのがおすすめです。冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
皮を厚めに剥いてお好みの大きさに切り(短冊切り、拍子切り、斜め切りなど)、湯量に対して1%の酢を入れた熱湯で2分ほど茹でます。ザルにあげて冷まし、冷めたらキッチンペーパーで水けをしっかり拭き取ります。小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
金属トレイの上にのせて急速冷凍するのがおすすめです。また、うどに穂先が付いている場合は穂先を切り落とし、産毛をこそぎ落として冷凍しましょう。
剥いた皮も食べることができるので、捨てずに冷凍保存しましょう。
剥いた皮を酢水もしくは塩水に10分浸したあと、ザルにあげキッチンペーパーで水けを拭き取ります。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
冷凍したうどを加熱調理にする場合は、解凍せず凍ったまま使用します。酢の物などに使う場合は前日もしくは半日前に冷蔵庫に移して低温で自然解凍するのがおすすめです。
うどは乾燥させてから保存することができます。乾燥させたうどは常温もしくは冷蔵で1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。皮を厚めに剥いて4〜5cmほどの長さにカットし酢水もしくは塩水に浸けてアク抜きをします。キッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取り、ザルに広げて天日干しします。
天日干しする時間帯は午前10時から午後3時がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にカットしたうどを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りない場合はさらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にうどを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジによる乾燥は、焦げたり燃えたりする場合があるので、注意しながら乾燥させましょう。
うどをオイルや塩などに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。うどの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
うどを水洗いしお好みの大きさにカットします。湯量の1%の酢を加えた熱湯でさっと下茹でして冷水にさらし、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。冷蔵用保存袋にうどを入れ、うどの重量の3〜5%の塩を加え全体になじませてから冷蔵庫で保存します。
1〜3%の塩を加えれば浅漬けになり、10〜15%の塩を加えればさらに長く保存することが可能です。
保存用なのでそのまま食べると味が濃いです。水洗いして塩けを取り、炒めものなどに使用しましょう。
うどを水洗いし、皮付き生のまま適当な長さ(タッパーに入る長さ)に切ります。保存容器にカットしたうどと味噌ダレ(味噌:酒:みりん=4:1:1)に漬け蓋をし冷蔵庫で保存します。
こちらも保存用なのでそのまま食べると味が濃いです。水洗いして余分な味噌を取ってから食べましょう。
最後に、うどの作り置きレシピをご紹介します。作り置きレシピは冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
練りからしがアクセントになっているうどの酢みそあえです。
酢には疲労回復や血糖値の上昇を抑えるのに効果的なクエン酸や、血行を良くしたり免疫力向上の効果が期待できるアミノ酸などが含まれています。酢には他にもミネラルの吸収や胃酸の分泌を高め消化を促進するなどの働きもあります。
うどの酢みそあえのレシピはこちら
春を感じるうどをナムルに仕上げました。
ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。
うどのナムルのレシピはこちら
うどの皮を使ったきんぴらレシピです。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。メープルシロップは、カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
うどの皮のきんぴらのレシピはこちら
うどの皮を使ったガーリック炒めです。
にんにくの香り成分である硫化アリルには、血栓の生成予防、血中コレステロールの増加抑制などの効能が期待できます。
うどの皮のガーリック炒めのレシピはこちら
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