かぶがダイエットに向いていないと言われる理由を解説します。他の野菜と比較してカロリーや糖質はどの程度高いのでしょうか。ダイエットに取り入れる際の注意点を解説していきます。
かぶ(皮付きの根・生)の可食部100gあたりのエネルギー量は18kcalで、糖質は3.1g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は93.9g、たんぱく質は0.7g、炭水化物は4.6g、脂質は0.1g、食物繊維は1.5gです。
また生のかぶの葉の可食部100gあたりのエネルギー量は20kcalで、糖質は1.0gです。水分は92.3g、たんぱく質は2.3g、炭水化物は3.9g、脂質は0.1g、食物繊維は2.9gです。
かぶは根の部分の方が糖質が高めですが、水分が90%以上で低カロリーな食品です。ちなみに、かぶは旬の時期である冬になると甘みが増します(糖度が上がります)。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
かぶの根はそもそも栄養価が高い野菜ではありません。そのためダイエット効果のあるビタミン・ミネラル類などの栄養素の含有量が少ないです。そのため、かぶ自体は低カロリーですが、ダイエット食としてもあまり活躍しません。
例えばダイエット効果のある栄養素にはビタミンB群があります。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。特にビタミンB1は糖質をエネルギーにするために多量に消費されるビタミンです。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素と言えます。
ただ、かぶの葉はビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
かぶは腹持ちがよくないので、主食の代わりにはなりません。例えばカリフラワーであればカリフラワーライスにして主食の代わりになり、ダイエット食としても重宝されています。
しかしかぶはカロリーが低くても水分ばかりでお腹に溜まらないので、たくさん食べてしまったり味付けをしてしまってダイエット効果が期待できません。
かぶ自体はカロリーが高くないですが、淡泊な味であるため調理の際に味付けが濃くなりがちです。煮物や甘味噌などは砂糖などを使い糖質が高くなることも。
ダイエット中は食材だけでなく、味付けにも注意しましょう。
ビタミンCは水溶性の栄養素のため、生のまま食べることをおすすめします。かぶの根は同じく水溶性の栄養素であるカリウムも含まれているので、ビタミンCだけでなくカリウムも茹でたりすると溶け出してしまいます。そのため、ビタミンCなど水溶性の栄養素を無駄なく摂取する場合はサラダや漬物などがおすすめです。
上述したように茹でたりするとビタミンCは流れ出てしまうので、水を使って加熱をするときは味噌汁やスープなどにして汁ごと食べられるようにしましょう。
また、電子レンジで加熱すると水溶性の栄養素の流失を最小限にとどめることができます。
かぶの葉にはβ-カロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率を油がアップしてくれるので、炒めものなどにして油と一緒に食べることをおすすめします。
さらに、ビタミンKも含まれていますが、同じく脂溶性なので油炒めや良質な油を使ったドレッシングで油と一緒に食べる調理法がいいでしょう。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。鶏肉や卵などと一緒に摂ると、さらに効果アップが見込めます。また、ビタミンA(β-カロテン)がビタミンCのこの作用を助ける働きがあります。ビタミンAやたんぱく質が多く含まれた食材と一緒に食べると大変効果的です。
ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を一緒に食べるようにするといいでしょう。
鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。
葉の部分にはカルシウムも含まれているので、ビタミンDを多く含む食材と一緒に摂ると骨が鍛えられます。これは、ビタミンDが腸でのカルシウム吸収を促進させるからです。
ちなみにビタミンDを多く含む食材は魚類です。また肉類やきのこ類にも含まれています。魚の中でもまいわしや鮭、さんまに多く含まれています。
かぶに多く含まれるアミラーゼは、炭水化物であるでんぷんや糖を分解します。その分炭水化物をエネルギーに変換できるため、体に炭水化物が蓄積されず太りにくくなります。さらに、ダイエットのために運動を取り入れている人にとってもエネルギーになるため、炭水化物を摂るときはアミラーゼを一緒に摂ることをおすすめします。
かぶはカロリーが低いからといって「主食をすべてかぶに置き換える」「食事全体をかぶに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。また、食物繊維を摂取しすぎることで下痢になることもあります。
実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
かぶの摂取目安量は明確には定められていません。そのため淡色野菜の摂取目安量を基準にするといいでしょう。
大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。
緑黄色野菜は緑色や黄色、赤色など色鮮やかな野菜=β-カロテンが豊富な野菜が分類され、それ以外の野菜が淡色野菜に分類されます。
かぶの根は淡色野菜なのでそれを基準に考えると1日230g以上なのですが、これは他の淡色野菜も含めた目安になります。多くても100g程度が理想的です。
出典:厚生労働省|健康日本21(第二次)
ダイエットにおすすめのかぶの取り入れ方は、食事の前にサラダとして食べることです。ただ、サラダで食べる際のドレッシングのカロリーが高いので、ダイエット中は注意が必要です。
ダイエットでかぶをサラダとして食べるのであれば、なるべくノンオイルの低カロリーなものを選びましょう。ドレッシングに含まれる糖類にも注目しましょう。
そこでサラダに一番おすすめなのは、クセがない(熱に弱いのでサラダにおすすめな)えごま油です。オメガ3が豊富に含まれていてダイエットに効果的です。オメガ3の効能には血液の中性脂肪の合成を抑えコレステロールを減少する働きがあり、最近では、代謝を上げて脂肪の燃焼効率をアップするという研究も進んでいます。また心臓発作予防やうつ予防の効果があると言われています。それに塩をちょっとプラスすれば、おいしくサラダをいただけます。
かぶに含まれ、直接的または間接的にダイエットに関係する栄養素とその効能について解説していきます。かぶの詳しい栄養素と効果についてはこちらの記事を参考にしてください。
かぶにはアミラーゼ(ジアスターゼ)という消化酵素が含まれます。アミラーゼは体内でそのまま吸収できないデンプンを糖に分解する働きがあります。
アミラーゼの値が高い人はデンプンを素早く糖に分解することで、甘みをすぐに感じ食べる量が減り、血糖値の上昇を抑えるインスリンの分泌量が少なくなる傾向があります。インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれ、分泌量が多いと脂肪がつきやすくなります。
また、ダイエッターに関わらず、すぐに胃もたれしてしまう人は積極的にかぶを摂取したいものです。
かぶに含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だと言われています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。
かぶにはビタミンB1、B2、B6などのB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。
ビタミンBの中でもビタミンB1は糖質をエネルギーとして使うときに多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素と言えます。
ビタミンB1が豊富に含まれる食品には他に豚肉やうなぎ、たらこ、えのきたけ、玄米などがあります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉を作ったり、関節の動きをよくする働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進すると言われています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。
さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
最後に、ダイエットにおすすめのかぶのレシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
焼いたかぶは旨味が凝縮して美味。マリネ液のレモン果汁がアクセントに。
レモンには抗酸化力の強いビタミンCをはじめ、クエン酸、ルチン、カリウムなど様々な栄養素が含まれています。
かぶはこんがり焼くことで甘みが増します。
かぶのレモンマリネのレシピはこちら
かぶに含まれるビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素を無駄なくいただきます。
このレシピでは玉ねぎを使用しています。玉ねぎに含まれる硫化アリルには血栓の生成を防ぐ効果が期待できます。
豆乳は焦げやすいので、混ぜながら煮立たないように温めましょう。
かぶのポタージュのレシピはこちら
甘塩鮭の塩けを活かした、シンプルな味付けがおいしいひと皿。
鮭に含まれるアスタキサンチンは、抗酸化作用(アンチエイジング)や抗炎症作用が期待できる成分です。
かぶはしっかり焼いて焦げ目をつけることで、甘みが増し、味なじみもよくなります。
鮭とかぶのシンプル煮のレシピはこちら
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