1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. 切ったじゃがいもの保存方法|常温・冷蔵・冷凍でベストなのは?

切ったじゃがいもの保存方法|常温・冷蔵・冷凍でベストなのは?

公開日

更新日

切ったじゃがいもの保存方法|常温・冷蔵・冷凍でベストなのは?

調理をする際にじゃがいもを多くカットしすぎてしまったなど保存方法に迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では切ったじゃがいもの保存方法について詳しく解説します。

切ったじゃがいもの保存のポイント

断面が黒色や茶色に変色してしまう

切ったじゃがいもは傷みが早く、生のまま放置すると切り口が黒色や茶色に変色してしまいます。

これは切り口が空気中の酸素にふれることでポリフェノール物質がポリフェノラーゼなどの酵素によって酸化するためです。

酸化による変色は、腐敗しているわけではないので食べても人体に影響はありませんが、鮮度が落ちてしまっている状態です。見た目も悪くなってしまうので、じゃがいもを切って保存するときは空気に触れないように保存することが大切です。

常温保存は不可

切る前のじゃがいもは直射日光の当たる場所や高温多湿の場所を避けた冷暗所で常温保存することができますが、カットしたじゃがいもは切り口から傷んでいってしまうため常温保存してしまうと腐敗してしまいます。

カビが生えるなどの原因にもなりますので、切ったじゃがいもは必ず常温保存せずに冷蔵保存や冷凍保存してください。

食べられないじゃがいもの特徴

通常長期保存が可能なじゃがいもですが、カットしたじゃがいもは腐敗が早いので注意しましょう。

下記の特徴があるじゃがいもは腐っている可能性が大なので、食べずに捨てるようにしましょう。

切ったじゃがいもの冷蔵保存

2〜3日で使い切れる場合はこちらの方法がおすすめです。

水に浸けて冷蔵(2〜3日)

カットしたじゃがいもを水につけて冷蔵保存する

皮を剥きカットしたじゃがいもは、変色を防ぐため容器に入れた後かぶるぐらいの水を入れて冷蔵保存します。じゃがいもが水から出ている部分があると、変色してしまうため注意してください。

ただし、水に浸けて冷蔵保存しても長持ちするというわけではありません。また、水に長時間つけていることでじゃがいもに含まれているビタミンCなどの栄養素が流れてしまいます。基本的には調理をする前に皮を剥いてカットし、余ってしまった場合は2日〜3日を目安に早めに使いきるようにしましょう。

白い物体はデンプン

水にさらした時に水が白く濁ったり、白い粉のようなものが沈んでいることがありますが、これはアクではなくデンプンです。デンプン(炭水化物の一種)は白い粉末状で、デンプン自体は水に溶けません。デンプンは水に沈澱するため、「澱粉(でんぷん)」という名称になりました。

ちなみに、デンプンの含有量はじゃがいもの品種によって異なります。一般的には男爵やキタアカリなどのホクホクとした食感の品種はデンプン量が多く、メークインやはるかなどのしっとりとしたじゃがいもはデンプンの含有量が少ないといわれています。

切ったじゃがいもの冷凍保存

切ったじゃがいも長期保存させたい場合は、冷凍保存がおすすめです。

茹でて冷凍(1ヶ月)

カットして茹でたじゃがいもを冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

茹でずに冷凍することも可能ですが、加熱しておくことで酵素の働きを抑えることができるため変色したり食感が悪くなってしまうのを防ぐことができます。冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。

茹でて冷凍する際は、じゃがいもを食べやすい大きさにカットし茹でます。粗熱が取れたら水けをとり冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。下茹でをしておくことで様々な調理にすぐに使うことができます。

じゃがいもに限らず白菜などその他の野菜もブランチングをしてからの冷凍がおすすめです。

マッシュして冷凍(1ヶ月)

茹でたじゃがいもをマッシュして冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。

冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。

切ったじゃがいもの乾燥保存

じゃがいもは乾燥保存することもできます。通常の野菜は干すことで保存期間が伸びますが、じゃがいもには当てはまりません。しかし、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。

天日干し(1ヶ月)

カットしたじゃがいもを天日干しして保存する

乾燥させる方法で一番おすすめなのは天日干しです。天日干しすることでビタミンDが増加します。

じゃがいもは皮を剥き、1cm幅に切って硬めに塩茹でします。その後、重ならないようにザルに並べて3日ほど干します。ねっとり、もっちりした食感が楽しめます。切り方を変えれば料理の幅が広がります。

注意点としては長時間日光に毒素成分であるソラニンが生成され、じゃがいもが緑化する可能性があります。腐敗しているわけではありませんが、緑色に変色した部分にはソラニンやチャコニンが多く含まれていますので、食べずに廃棄するようにしましょう。

乾燥させたじゃがいもは素揚げが一番おすすめです。そのままオイルをかけてトースターで焼くのも美味。煮物やスープに入れてもいつもと違う食感が楽しめて◎。

オーブン(1ヶ月)

カットしたじゃがいもをオーブンで乾燥させて保存する

天日干しできない場合は、下茹でしたじゃがいもをオーブンで乾燥させる方法もあります。クッキングシートを敷いた天板の上にカットしたじゃがいもを並べて、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。乾燥が足りなければさらに加熱します。

レンジ(1ヶ月)

カットしたじゃがいもを電子レンジで乾燥させて保存する

レンジで乾燥させる方法も。キッチンペーパーを敷いた耐熱皿の上にカットしたじゃがいもを並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。

切ったじゃがいも漬け保存

野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。じゃがいもの漬物はあまり馴染みがない人が多いかと思いますが、じゃがいもも漬けて保存することができます。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃く、水で洗ってからならご飯のお供にも。大量消費にもおすすめです。じゃがいもの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。

醤油漬け(2週間)

カットしたじゃがいもを醤油ダレに漬けて冷蔵保存する

千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。冷蔵で2週間ほど保存できます。

そのまま食べる場合はしょっぱいので水で洗ってから水けをとって食べましょう。そのまま野菜炒めなどに使うのもおすすめです。

オイル漬け(2週間)

カットしたじゃがいもをオイルダレに漬けて冷蔵保存する

千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、オリーブオイル100mlに対して塩小さじ1弱の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。

こちらも炒め物などに使えます。漬けたあとのオリーブオイルはじゃがいものビタミンCが滲み出て栄養価が高いので、無駄にせず使うようにしましょう。