玉ねぎは加熱すると茶色になりますが、まれにピンク色に変色することがあります。腐っているのではないかと驚いてしまいますよね。本記事では玉ねぎを加熱するとピンクになる理由を解説します。
玉ねぎを加熱したときにピンクに変色する原因としては、まず玉ねぎに含まれている成分が酸と反応することがあげられます。例えば、甘酢炒めなど酢を使って調理をする場合などにおこりやすいです。加熱をしなくても酢漬けをする場合にもピンクに変化することがあります。
玉ねぎに含まれているアリシンと呼ばれる成分が油と反応してピンクになることもあります。
アリシンとは玉ねぎに豊富に含まれている硫化アリルの一種で、辛味成分として知られています。アリシンは収穫後に増えていくので、長い期間保存していた玉ねぎを使うとピンク色になることが多いです。ちなみにアリシンは玉ねぎの他にも長ネギやニラ、らっきょうなどにも含まれています。
皮を剥いたら中がピンク(紫)に変色していて驚いたという経験がある方も多いのではないでしょうか。
本来白いはずの玉ねぎが、ピンク色に変色してしまうのは「ロイコアントシアニン」とよばれるポリフェノールの一種であり、玉ねぎの天然色素が過剰に増えることが原因です。ロイコアントシアニンが増える原因としては、光合成を行っている葉緑体が過剰な紫外線を浴びるなどのストレスを感じることがあげられます。玉ねぎは紫外線を浴びるなどのストレスを感じると葉緑体を守るためにロイコアントシアニンを大量に生成し、ピンク色に変色するといわれています。
一般的に食べられることが多い玉ねぎは「黄たまねぎ」と呼ばれるもので皮が茶色で中身が白いですが、玉ねぎには様々な品種があり元々ピンク色に近い品種もあります。
いわゆる「紫玉ねぎ」と呼ばれるもので、「赤玉ねぎ」や「レッドオニオン」ともいわれます。品種には「アーリーレッド」や「湘南レッド」や「くれない」などがあります。実は紫色と白色の層が交互に重なっています。
ちなみに白色の玉ねぎの品種も存在します。白玉ねぎは、春先に「新たまねぎ」として出回る皮も中身も白い玉ねぎです。一般的な玉ねぎよりも辛味が少なく柔らかいのが特徴で「サラダオニオン」ともいわれます。
玉ねぎを調理してピンク色に変色してしまうと驚いてしまうと思いますが、上述したように玉ねぎに含まれている成分が化学反応をおこしてピンク色に変色しているのであり、腐敗が原因ではありませんので問題なく食べることができます。
特に油に反応してピンク色になるアリシンは、血栓を予防する作用があるといわれています。玉ねぎを食べると血がサラサラになるといわれるのはこのためです。また、血液中の悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす働きがあります。動脈硬化を遅くして、心臓血管障害や脳血管障害を予防すると考えられています。
玉ねぎの皮を剥いて切ってみると、一部だけが茶色く変色していることがあります。この場合は玉ねぎが病気にかかっていたり腐敗してしまっている可能性が高いため、変色している部分をしっかりと取り除いてから食べるようにしましょう。
一部ではなく玉ねぎの全体が変色している場合は、腐敗が進んでしまっていますので残念ながら食べずに廃棄しましょう。
玉ねぎの表皮や根の部分に白い綿のようなフワフワとした白カビが生えている場合は、「タマネギ乾腐病(かんぷびょう)」という伝染病である可能性が高いです。根から腐敗が進み、可食部である白い実まで侵食します。
白カビを発生させるタマネギ乾腐病の原因は、「フザリウム オキシスポルム フォルマスペシャーリス セペ(Fusarium oxysporum f.sp. cepae)」という病原菌です。土壌伝染や玉ねぎの傷の部分から侵入します。また、この病原菌は、28度前後の高温で活発に活動する性質を持っています。そのため、玉ねぎの肥大期である真夏に繁殖しやすいです。
皮のみであれば取り除けば問題ありませんが、中身全体まで侵食してしまっていたり腐敗している場合は破棄しましょう。
皮に黒や茶色のススのような斑点がある場合は、黒カビが発生してます。皮に生えているカビは、基本的には内部まで侵食することはないので、皮を剥いたら問題なく食べることが可能です。
ただし、中には玉ねぎの可食部にまでカビが生えてしまっている場合もあります。上述したようにカビの範囲が狭い場合はその部分を取り除けば食べることができますが、広範囲にカビが生えている場合は食べずに処分しましょう。
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