三色団子は、ピンク色・白色・緑色の三色の団子を串にさした和菓子です。お花見の季節には必ずといっていいほど見かけますよね。本記事では三色団子の特徴や色の意味、カロリーなどを詳しく解説します。
三色団子は、ピンク色・白色・緑色の三色の団子を串にさした和菓子です。
原料は上新粉、もち粉またはだんご粉と砂糖とシンプルで、みたらし団子や餡団子(あんだんご)とは異なり、タレや餡子(あんこ)などを使っていないのも三色団子の大きな特徴です。
ピンク色・白色・緑色と色が鮮やかなので、体に悪いのでは?と心配になる方も多いかと思いますが、老舗の和菓子屋などでは着色料などを使わずに色付けをしていることが多いです。気になる方は和菓子屋で購入すると良いでしょう。
春らしいパステルカラーが特徴で、桜が咲く頃に食べられることが多いため「花見団子」という別名がついています。英語で「three colored dumplings」といいます。
現在でも「花見団子」や「お花見団子」という名前で販売されていることもありますが、一般的には「三色団子」といわれることが多いです。
三色団子は「花見団子」といわれる通り、お花見で食べられることが多い和菓子です。しかし、三色団子が食べられるのはお花見の季節だけではありません。
縁起物として食べられる三色団子は、ひな祭りに食べられることも多いです。ひな祭りといえば女の子の健やかな成長や厄除け、子孫繁栄、長寿を願って食べられる「菱餅(ひしもち)」ですが、三色団子と同じく上からピンク色、白色、緑色にお餅が重ねられており、菱餅の代わりに串に刺さっていて食べやすい三色団子を食べることもあります。
しかし、三色団子を食べる時季はお花見やひな祭りなど春だけではありません。現在では季節関係なく食べられています。
三色団子は一般的にピンク・白・緑で、これといって地域による違いはありません。なぜなら、三色団子の色には意味があるためです。
ただし、和菓子屋さんによっては黄色・白・緑などピンク・白・緑以外の組み合わせで「三色団子」として販売していたり、中に餡が入っていることもあります。
三色団子の始まりは、1598年の安土桃山時代に豊臣秀吉が京都の醍醐寺で催した「醍醐の花見」というお茶会であるといわれています。
醍醐の花見で秀吉が来客に振る舞ったのが三色団子でした。
それまでの花見は歌を詠んだり舞や音楽を楽しむ貴族の遊びであり、飲食を伴うものではありませんでしたが、醍醐の花見をきっかけに桜の美しさを楽しみながらお菓子を食べたりお茶を飲むスタイルになり、それが庶民にも広まったと同時に三色団子も春に欠かせない和菓子として食べられるようになりました。
豊臣秀吉は三色団子だけではなく全国の銘菓を集めたものを振る舞ったともいわれています。しかし全国の銘菓を集めるのは難しいため、結果的に手軽に手に入れることができる三色団子が花見で食べるお菓子として定着したといわれています。
現在でも三色団子は春を連想させる和菓子として知られていますが、縁起物とされているため季節を問わず、日常的に食べるおやつとしても老若男女問わず一般的に食べられています。
三色団子の色の意味には諸説あります。
一つは、ピンクは桜、白は3月3日の桃の節句に飲むお酒である「白酒(しろざけ)」、緑は春に芽吹く緑やよもぎといったように一本で春を表しているという説です。
「白酒」とは、みりんや焼酎に蒸したもち米や米麹加えて1ヶ月程熟成させてできた「もろみ」を、さらにすりつぶして作った日本酒の一種で、古くからひな祭りでお祝いのお酒として出されていたことで知られています。
ピンクは春、白は冬、緑は夏といったように一本で四季を表しているという説もあります。
季節は春・夏・秋・冬と4つあるのだから、「秋がない」と疑問に思う方も多いと思いますが、秋がないのは食べても「飽きがこない」と団子屋の「商い(あきない)」をかけた洒落た言葉遊びであるといわれています。
お花見などで振る舞われたり、身分が高い人に献上するために縁起が良いとされている色にしたともいわれています。
古くから「赤・ピンク」は運気を上げる色、紅白の紅、「白」は清浄を表す色、緑は「邪気を払う色」と言われ、縁起が良いとされていました。
三色団子は上からピンク色、白色、緑色と決まった順番で串に刺さっています。
順番に関しては、花見で振る舞われたこともあり
ピンク→桜のつぼみ
白→開花の様子
緑→花が散り葉が育つ様子
というように、桜の開花を表す順番にしたのではないかといわれています。
ピンク→春の太陽
白→残雪
緑→雪の下に芽吹く新芽
というように早春を表すための順番なのではないかともいわれています。
お花見やひなまつりなど春の季節に食べられることが多い三色団子は、ピンク・白・緑の順番通りに刺さっており、順番が変えられていることはありません。
上述したように老舗の和菓子屋では食紅を使わずに色をつけていることが多く、色をつけるために使う食材は店舗によって異なり、食材によって風味や味が異なります。一本で三種三様の味が楽しめるのも三色団子の良いところです。
ただし、スーパーなどで販売されている三色だんごの場合は食紅で色付けを行っていることも多くあり、この場合は全て同じ味がします。
ピンク色は梅や赤しそなどでつけており、口に入れるとふんわりと梅や赤しその味がします。
春らしく桜の葉の塩漬けを細かくみじん切りにしてお団子にねりこんでいるお店も多く、桜の葉の塩漬けを使っている場合は、ふんわりと桜の風味が口いっぱいに広がります。
緑色は、よもぎで色をつけていることが多いです。
よもぎで色付けをした団子は、口にいれるとよもぎの爽やかな風味がします。よもぎといえば「草だんご」ですが、よもぎは繁殖力が高いため子孫繁栄の願いを込めて、桃の節句に食べることも多いです。
近年では抹茶で色付けをしていることもあります。抹茶の場合は、甘みの中にほろ苦さがでます。
よもぎと抹茶はどちらも程よい苦さと風味を楽しむことができます。
白色の団子は、色付けをしていないので団子の基本的な優しい甘みがあります。
店舗によってはゆずなどを細く刻んで練り込み風味をよりよくしているところもあります。同じ三色団子でも「味が違う」と感じることがあるのは、店舗によって色付けに使っている食材が異なる為であると考えられます。ぜひお好みの味の三色団子を見つけてみてください。
坊っちゃん団子は、緑・黄色・茶色の三色の団子が串に刺さった愛媛県松山市の銘菓です。三色である点は三色団子と共通していますが、坊っちゃん団子は求肥で作った団子を三色の餡で包んでいるという点で、三色団子とは異なり、味わいも異なります。
坊ちゃん団子の名前の由来は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」といわれています。坊っちゃんの話のなかで、道後温泉で団子を食べる場面が登場することから「坊ちゃん団子」と呼ばれるようになりました。しかし、実際に夏目漱石が食べていたのは「湯晒し団子」と呼ばれるもので、餅に小豆あんをまぶした素朴なものだったといわれており、坊っちゃん団子が今の三色の団子になったのは道後温泉の団子が有名になった後です。
みたらし団子は、砂糖醤油で作った餡をかけた串団子です。「 醤油だれ団子」といわれることもあり、「みたらし」丁寧語で「おみた」といわれることもあるようです。
みたらし団子の由来は諸説ありますが、京都にある下鴨神社で行われた御手洗祭(みたらしさい)のときに、お供え物として作られていたため「みたらし団子」と呼ばれるようになったといわれています。
もともとは今のような形ではありませんでしたが、大正の頃に加茂みたらし茶屋で醤油と黒砂糖を使ったタレが考案され、現在のようなみたらし団子になりました。
三色ういろうとは、ういろうをピンク・白・緑の三色に着色したもので、ひな祭りの「菱餅」の代わりに食べられることが多いです。
ういろう(外郎)とは、本わらび粉や小麦粉に砂糖や温水を練り込み蒸し上げてつくる和菓子です。ういろう自体は羊羹のように棹状に成形されているものが一般的で、伝統的なういろうは黒糖を使って作られている一色のものです。
名古屋の銘菓として知られていますが、山口や京都、小田原など様々な場所で作られています。菱餅のように三角形のものやういろうであんを包んだもの、スティックタイプなど形は様々で、味も黒糖や抹茶、小豆、桜など、様々なバリエーションがあります。
三色すあまは、ピンク・白・緑のすあまを串にさした和菓子です。
団子にとても良く似ていますが、すあまは、うるち米を原料に作られる上新粉や米粉に砂糖などを加えて蒸してつくる餅菓子の一種で、もち米を原料に作られるだんご粉や上新粉などで作った三色団子とは、食感も味わいも異なります。
すあまは関東を中心に販売されている和菓子で、関西に住んでいる人の中には「食べたことがない」という方も多いですが、実は江戸時代から食べられていた歴史のある和菓子です。
すあまの名前の由来は、「うす甘い味をしているため」と言われています。すあまは赤(ピンク)に着色され白いすあまと一緒に販売されており、縁起をかついで「寿甘」と表記されることもあります。そのため、お祝いの席などで食べられることも多いです。
二色団子は、緑・ピンクなど二色の団子のことをいいます。色の違う2つの団子が串に刺さっている串団子も二色団子ですし、ピンク・白・ピンクなど3つ串にささっていても二色なので「二色団子」という名前で販売されていることがあります。
お店によっては紅白の二色団子にし、めでたさを表していることがありますが、三色団子のように歴史があるわけではありません。
ピンク・白・緑の三色団子に餡団子をつけて四色団子として販売している和菓子屋もあります。また、近年では団子に紫芋やさつまいも、抹茶などで作ったカラフルな餡を乗せた四色団子を販売しているお店も多くあります。
特に浅草にある「そらつき」というお店や鎌倉にある「鎌倉さくらの夢見屋」などの四色団子が食べ歩きスポットとして人気があるようです。
五色団子は、粟団子や糝粉(しんこ)団子、草団子とピンク色に色付けした団子のことです。また、小豆餡や白餡、紅餡、挽茶餡、潰し餡を団子につけたものを五色団子ということもあります。
残念ながら詳しい情報は不明ですが、江戸時代から食べられていた歴史ある和菓子です。
近年では一串に五色の団子が刺さっているのではなく、みたらし団子や餡団子など4種類の串団子を1箱に入れたものを「五色団子」として販売していることも多くあります。
三色団子は自宅でも簡単に作ることができます。
上新粉…180g
砂糖…大さじ3
ぬるま湯…145ml
桜の花パウダー…小さじ1/2 (食紅でも可)
抹茶パウダー…小さじ1 (よもぎパウダーでも可)
まず、ボウルに上新粉と砂糖、ぬるま湯を入れてよくこねます。こねたら丸めて蒸し器で約20分程蒸し、蒸した後にすりこぎ棒でよくつきます。よくついたら、三等分に分けて桜のパウダー、抹茶パウダーを入れて色をつけていきます。色がついたら、それぞれ一口大の大きさに丸めて串に刺して完成です。
上新粉はもち粉やだんご粉、白玉粉、米粉でも代用可能です。ただし、それぞれ食感が異なります。例えばもち粉で作ると口当たりなめらかで良く伸びます。だんご粉はその名の通りだんごを作るのに適した粉であるため、柔らかくなりすぎず、しっかりとしている団子になり串団子にするのにぴったりです。白玉粉は粒子が細かいため、表面はつるんとしていてなめらかで柔らかい食感になります。米粉はさらに粒子が細かく口当たりなめらかになりますが、上新粉やだんご粉ほどしっかりとしたコシはでません。
また、玄米粉を使って作ることもできます。玄米粉を使うことで、栄養価を高めることができます。
三色団子は団子の生地に色付けするための食材を加えているだけなので、食べたときに物足りなさを感じる方も多くいます。特に甘党の方には質素な味に感じることでしょう。
三色団子は団子の中に餡子を加えて作ることも可能です。餡子を加えることで餡子の甘みがプラスされるので濃厚な味わいになります。ただし、餡子はカロリーが高く糖質量も多いためダイエット中の方は注意が必要です。
三色団子は軽く表面を焼いて焼団子にしても美味しく食べられます。表面を軽く焼き目がつくまで焼くと、香ばしさがプラスされ、一味違った三色団子の味わいを楽しむことができます。アレンジはしたいけどカロリーや糖質量はあげたくないという方におすすめです。
三色団子の色は食紅を使うのが手っ取り早いです。しかし、食紅を使ってしまうと3つの味すべてが同じ味になってしまうので、物足りなさを感じます。また、食紅を使いたくないという方も多いでしょう。上述したように団子は食紅を使わずとも色をつけることができます。
桜の花のパウダーや抹茶パウダーを使って着色する三色団子の作り方を紹介しましたが、梅を使ってもよいですし、よもぎを使っても良いです。
三色団子のカロリーや糖質量は、使う材料によって異なります。
例えば上新粉と白糖で作る場合の三色団子は、1本あたり(50g程度)114kcal程度、糖質量は26.4g程です。販売されている三色団子だと、例えば山崎製パンが製造・販売している三色団子は一本あたり126kcal、糖質量は約30gです。
1本辺りのカロリーをみるとそれほど高くないように思えますが、糖質量は8枚切りの食パン1枚と同じ量です。和菓子は洋菓子と比較すると低カロリー・低糖質のように思えますが、食べすぎてしまうと太ってしまう原因になるのでダイエット中の方は注意しましょう。
一般的に販売されている三色団子1本分の重さはだいたい50g〜60g程です。みたらし団子やあん団子と比較しても、タレや餡子が乗っていない分軽くなります。
自宅で作る場合は団子の大きさによっても異なりますが、団子はだいたい一口で食べられる大きさで作るので、あまり差は出ないと考えられます。
三色団子に多く含まれているのは、タンパク質・炭水化物・脂質の三代栄養素です。
三色団子1本60gあたりに含まれている三代栄養素は下記の通りです。
タンパク質…1.89g
脂質…0.3g
炭水化物…24g
ビタミン類やミネラル類が全く含まれていないというわけではもちろんありませんが、主な原料がもち粉やだんご粉であるため野菜などと比較するとやはり劣ります。
三色団子に多く含まれている炭水化物は、エネルギーの元になる大切な栄養素です。
出典:食品成分データーベース(文部科学省)
三色団子は、イオンや業務スーパーなどの一般的なスーパー、春にはコンビニでも置かれているので手軽に購入することができます。基本的には春に販売されていることが多いですが、上述したように三色団子は今では一般的に食べられている和菓子なので、春以外にも取り扱っている店舗は多くあります。
置かれている場所は、和菓子コーナーです。春にはひなあられなどと一緒に置かれていることもあります。コンビニではレジの横などに置いてあることもあります。
値段は、スーパーやコンビニでは2~3本入りで100~200円程度です。
洋菓子を中心に取り扱っているシャトレーゼなどでも三色団子を販売していることがあります。
スーパーなどで販売されている三色団子は、食感を良くする目的で小麦を原料に作った「α化でんぷん」など小麦由来の成分が入っていることがあります。
自宅で上新粉などを使って作る場合は心配ないのですが、小麦アレルギーの方は小麦由来の成分が原因でアレルギー症状が出ることがあるので、スーパーなどで購入する場合はパッケージをよく確認して購入してください。
和菓子屋さんの三色団子も美味しいですが、スーパーやコンビニで販売されている三色団子も人気で、特に山崎製パンが製造・販売している三色団子が美味しいと評判です。手軽に購入することができ、味も美味しいので小腹を満たすのにぴったりです。
ヤマザキの三色団子は着色料を使って色付けをしているので、1本1本異なる味がするわけではありませんが、シンプルな味わいで食べやすいことから人気があるようです。
その他にも「明日香食品株式会社」が製造販売を行っている三色団子を取り扱っているスーパーも多くあるようです。
三色団子にかぎらず、団子は基本的に時間が経つとでんぷんが老化し固くなってしまうので、1日〜2日で食べきるのが良いです。
特に冷蔵庫での保存はでんぷんの老化をすすめてしまうので、すぐに食べない場合は常温保存しましょう。常温保存する場合は、乾燥しないようにラップに包んだりタッパーに入れ、直射日光の当たる場所や高温多湿の場所を避けた冷暗所に置きます。
三色団子をすぐに食べきれない場合は、団子をラップに包んで密封して冷凍すると、1ヶ月程度もちます。
冷凍した三色団度を食べるときは、自然解凍するよりもレンジなどで軽く温めた方が元の柔らかい食感に戻りやすいです。しかし、やはり固くなってしまうこともあるので、しつこいようですがその日のうちに食べきるのがおすすめです。
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