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アボカドはダイエットに効果的?高脂質なのになぜ?食べ方や注意点を解説

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アボカドはダイエットに効果的?高脂質なのになぜ?食べ方や注意点を解説

アボカドはダイエットに向いているのでしょうか?アボカドは脂質が高いことから「森のバター」と呼ばれており、それにも関わらずダイエット食材として人気な理由を探ります。

アボカドのカロリーと糖質

アボカドはカロリー176kcal・糖質2.3g

アボカドの可食部100gあたりのエネルギー量(カロリー)は176kcalで、糖質は2.3g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は71.3g、たんぱく質は2.1g、炭水化物は7.9g、脂質は17.5g、食物繊維は5.6gです。

食品のカロリーは、たんぱく質・炭水化物・脂質がそれぞれもつカロリーの合計です。たんぱく質と炭水化物は1gあたり4kcalであるのに対して、脂質は1gあたり9kcalもあります。アボカドは炭水化物(糖質)はそこまで多くはありませんが、脂質が全体の17.5%を占めるので、結果的に高カロリーです。これがアボカドが「森のバター」といわれる所以です。

アボカドは低糖質・低カロリーなので、糖質制限ダイエットに向いており、カロリー制限ダイエットには不向きといえます。

他の野菜と比べると

よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gです。いも類であるじゃがいもは100gあたりカロリー59kcalで糖質は8.4g、実野菜の西洋かぼちゃは78kcal・糖質17.1gですが、それ以上にアボカドはカロリーが高いです。

ちなみにごはん(白米)100gあたりカロリー156kcalで糖質35.6gです。ごはん1杯(150g)だとカロリーは234kcalで、アボカド1個(可食部150g)のカロリーは268kcalのためカロリーはほぼ同じです。

他の果物と比べると

アボカドは甘くないので野菜のように扱われることが多いのですが、果物に分類されます。農林水産省では概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを果物として定義しています。

アボカドは他のフルーツと比較してもカロリーが高いのが分かります。一方、糖質はとても低いです。

アボカドのダイエット効果が期待できる栄養素

アボカドは糖質が低いことでダイエッターから人気な果物ですが、その他にもダイエット効果が期待できる栄養素が豊富に含まれています。

オレイン酸(不飽和脂肪酸)

アボカドの果肉の20%弱が脂質ですが、アボカドの主な脂質はオレイン酸という不飽和脂肪酸で構成されています。オレイン酸はオリーブオイルに豊富に含まれています。

オレイン酸は血液をサラサラにして血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化を予防する効果が期待できます。また、オレイン酸は脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食欲を抑える作用があると注目されています。

ビタミンB群

アボカドにはビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。

特にビタミンB1は炭水化物(糖質)がエネルギーに変わるのを助けます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。

ビタミンB群がなければ、炭水化物をエネルギーとして消費したり、筋肉を作ったりすることが難しくなるため、ダイエット中にはとても重要な栄養素となります。

ビタミンC

アボカドにはビタミンCも豊富に含まれています。

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。

また、コレステロール値を下げる作用もあります。さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。

食物繊維

あまりイメージはないかもしれませんがアボカドは食物繊維の多い食材の1つです。アボカド1個で食物繊維は約7.8g摂れます。これは1日の目標量の1/3以上の量にあたります。

食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。

また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

カリウム

アボカド1個あたりのカリウムは830㎎含まれていて、これは成人女性の1日の目安量の1/3以上の量にあたります。

カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。

カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。

また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。

ビタミンE

アボカド可食部100gあたりビタミンEは3.6g含まれており、これはリンゴやバナナの5倍にもなります。アボカド1個あたり(可食部150g程度)で摂取できるビタミンEの量は1日の目標量の半分以上の量にあたります。

ダイエット効果というよりは、美容効果の強い栄養素です。ビタミンEは強い抗酸化力をもつため、シミやシワといった見た目の老化だけでなく血管などの体の内側の老化も防いでくれます。そのため若返りのビタミンとも呼ばれています。

ビタミンEは脂溶性で、アボカド自体に豊富に脂質が含まれるので、アボカドに含まれるビタミンEは吸収率が高いという特徴があります。

アボカドダイエットの注意点

アボカドばかり食べるのはNG

アボカドは糖質が低いからといって「主食をすべてアボカドに置き換える」「食事全体をアボカドに置き換える」といった極端なダイエット方法はやめましょう。

近年、流行っている糖質制限ダイエットですが、糖質を抜くだけなので実践しやすく、すぐに結果が出やすいというメリットはあります。ただし、糖質が減る分たんぱく質や脂質の量が高くなり、食べ過ぎると腸内環境の悪化や腎臓や肝臓へ負担がかかるなどのリスクがあります。

また、糖質を代謝する機能が落ちるため糖尿病になるリスクが高くなるという研究結果もあります。実は炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。

糖質を我慢したことでの反動によりダイエット終了後に甘いものへの欲求が抑えきれなくなりリバウンドしてしまうケースもあります。ダイエット中の体調が心配な方は信頼できる専門医に相談しながら、ダイエットを実施するようにしましょう。

アボカドを毎日食べたいのなら、1日の1/2個を目安にしましょう。アボカド1/2個でも125kcalほどあります。

余ったアボカドの保存方法


余ったアボカド(1/2個)を保存する際のポイントは2つあります。

一つは種が付いている方を保存することです。種が付いている方はアボカドが空気に触れる表面積が小さくなるので酸化を少しだけ抑えることができます。もう一点はレモン汁を断面にかけることです。レモンに含まれるビタミンCが酸化酵素の働きを抑制してくれます。レモン汁の他にも酢や食塩をかける、玉ねぎの切れ端を袋の中に入れる、という方法もあります。
種のついた方にレモン汁をかけたら、きっちりラップをし、ポリ袋に入れ口をしっかり閉じます。

アボカドの詳しい保存方法はこちらの記事をご覧ください。

アボカドを夜に食べるのは避ける

アボカドを食べるタイミングですが、食物繊維が多いため食前に食べると糖質の吸収がゆっくりになり血糖値の急激な上昇を抑えることができます。また、脂質(オレイン酸)が多いために食前に食べることで満腹感を得られやすく食べすぎ防止にもなります。

しかし、消化に時間がかかり睡眠の質を下げる可能性があるため、寝る前は避けたほうが良いでしょう。食べるのであれば朝か昼がおすすめです。

脂質の低い食べ物と

アボカドは脂質が多く含まれているため、揚げ物や脂身の多い食材、マヨネーズなど脂質の多い食材と一緒に食べてしまうと1日の脂質の摂取量やカロリーをオーバーしてしまう可能性があります。ダイエット中は注意しましょう。

脂質の少ない食材には白身魚や魚介類、鶏むね肉、豆腐、野菜全般などがあります。

アボカド自体の調理法も揚げ物などを避けて、シンプルに生のままサラダとして食べましょう。ドレッシングにも油が使われていることが多いので、醤油や塩を少々かけていただくのがおすすめです。

アボカドと一緒に脂質の多い料理を食べる際は、同じ日の他の食事を調整しましょう。

未熟なアボカドは固いので注意

アボカドの適熟を見極めるポイントは、

  • 皮の色が黒と緑の中間くらい(こげ茶)

  • 握ると手にしっとり吸いつく感じがあり、適度に弾力がある

  • へたの周りが乾燥し、皮からやや浮いているもの

です。

皮の色がダークチョコレートのようなこげ茶をしていたら食べごろだと覚えておきましょう。皮が緑色したものは未熟な状態で、果肉が固く、苦味やえぐみがあります。皮が真っ黒なものは過熟で、果実の繊維の部分も黒ずんでいる場合が多く、白かびが生えることもあるので注意しましょう。ヘタが取れてその箇所が真っ黒なものも過熟している証左です。

アボカドの追熟方法はこちらの記事をご覧ください。

ダイエット効果の高いアボカドの食べ合わせ

たんぱく質と一緒に

アボカドにはビタミンB6という栄養素が豊富に含まれています。アボカド1個で推奨量の1/3以上を摂ることができます。ビタミンB6はたんぱく質がエネルギーに変わるのをサポートし、丈夫な筋肉や血管をつくるのに寄与します。必要量はたんぱく質を摂取した量に比例するため、筋肉量を増加させるためにプロテインなどたんぱく質を多くとっている人はビタミンB6を多く摂る必要があります。不足すると肌荒れや口角炎などを起こすことがあります。

また、アボカドに含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンになるのに不可欠な栄養素です。コラーゲンも丈夫な筋肉をつくるのに大切です。

たんぱく質が豊富な食品には肉類や卵、豆類などがあります。

緑黄色野菜と一緒に

アボカドは脂質が多いため、トマトやブロッコリー、人参などの緑黄色野菜に含まれる、脂溶性のビタミンA(β-カロテン)の吸収を助けてくれます。ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つ効果があるため美肌に効果があります。

アボカドのダイエットにおすすめのレシピ

アボカドなめたけ和え

クリーミーなアボカドに、甘じょっぱいなめたけがマッチ。常備菜としてもおすすめです。前菜としてどうぞ。

アボカドなめたけ和えのレシピはこちら

アボカドのスクランブルエッグ

クリーミーなアボカドと卵の相性が◎。レンジで作る簡単レシピです。たんぱく質がたっぷり摂れるひと皿です。満足感が高いのも◎。

アボカドのスクランブルエッグのレシピはこちら

アボカドヨーグルトジュース

ダイエット中、1日の食事で主食や主菜を完全に抜くのはおすすめしませんが、1食分はジュースなどに置き換えて摂取カロリーを抑えるのは◎。アボカドの食物繊維と脂質で腹持ちがよいのでおすすめです。

アボカドヨーグルトジュースのレシピはこちら