夏に旬を迎えるとうもろこしは、実は長持ちしにくい野菜なのです。収穫直後から鮮度がすぐに落ちてしまうので、できるだけ早く食べるか保存する必要があります。この記事では、とうもろこしの保存方法と保存期間を解説していきます。
「お湯を沸かしてから畑に採りに行け」といわれるほど、とうもろこしは鮮度が落ちやすいです。1日経つと栄養価や甘みが半減するといわれていますので、購入後(収穫後)はすぐに食べるか、食べきれない場合は正しい方法で保存することが重要です。
とうもろこしの保存方法には、冷蔵や冷凍、乾燥など様々な方法がありますが、1週間程度の保存であれば冷蔵、長期保存したい場合は冷凍や乾燥保存がおすすめです。それぞれの保存方法は後ほど詳しく解説します。
とうもろこしは夏に旬を迎える野菜ですが、実は熱に弱いため常温保存は適していません。したがって、高温・乾燥状態での保存は避け、冷蔵庫で低温で保存するのがポイントです。
購入後すぐに食べる場合のみ常温保存も可能ですが、できるだけすぐに調理するようにしましょう。
とうもろこしの芯やヒゲを捨ててしまっていませんか?実はとうもろこしの芯もヒゲも調理することができるのです!
とうもろこしのヒゲには、むくみ解消効果があるといわれるカリウムが豊富に含まれています。最新の研究では花粉症などのアレルギー症状にも効果があるといわれています。ヒゲを乾燥させて煎じてコーン茶として飲むのがおすすめです(方法は後ほどご紹介します)。
とうもろこしの芯には、栄養価や甘みがたっぷりと含まれています。とうもろこしの粒を削ぐ時に芯に残ってしまう粒の付け根は「胚芽」といい、不飽和脂肪酸であるリノール酸や食物繊維、鉄分、亜鉛、ビタミンB群などが一番豊富に含まれています。そのため、芯は捨てるのではなくご飯と一緒に炊き込んだり、スープのダシにすると味に深みが出ます。
粒(実)を芯から取り除く際は、包丁で削ぐのではなく指で取ると栄養価を無駄にすることなく食べることができます。とうもろこしの縦2列分ほどを指で付け根から外し、その列から親指の腹で削ぐようにして回すと胚芽を芯に残さずに綺麗に取ることが可能です。
当たり前ですが、新鮮なとうもろこしの方が保存期間が長くなります。新鮮なとうもろこしには下記のような特徴があります。
皮がついたままのもの
外側の皮(オニ皮)がみずみずしく濃い緑のもの
全体がふっくらしてるもの
先端部分が凸凹していないもの
先端のヒゲが多くしっかりとしていて濃い茶色のもの
切り口が黄色く変色していないもの
とうもろこしのヒゲ1本はとうもろこしの実1粒とつながっているため、ヒゲが多いものほど粒がぎっしりと詰まっています。もしもとうもろこしの皮がついていない状態で販売されている場合は、粒がそろっていて指で押して少しへこむくらいのものを選ぶと良いです。
正しく保存しても、下記のような特徴があるとうもろこしは腐っている可能性が高いです。食べずに捨てるようにしましょう。
全体的に痩せていて軽い(実がスカスカになっている)
とうもろこしのヒゲが少ない、乾燥している
とうもろこしの実が茶色っぽく変色している
ぬめりがある
酸っぱい臭いがする
カビが生えている
粘り気のある食感がする
購入したとうもろこしをすぐ食べる場合は、生のまま冷蔵庫で保存します。とうもろこしを生のまま冷蔵保存する場合の保存期間の目安は2〜3日です。
水分が蒸発しないように皮付きのまま保存しますが、まず始めに土などで汚れている皮を取り除き、ヒゲを切り落とします。ヒゲは調理バサミで切り取るとまな板いらずで楽です。ラップでとうもろこし全体を包み、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて(軸を下にして)保存しましょう。
横に倒して保存してしまうと、立ち上がろうと上に曲がってしまいます。またこの際に糖をエネルギーに使ってしまうため、甘みが低下してしまいます。
2〜3日以内に食べきれない場合は、下茹でしてから冷蔵保存します。茹でてから冷蔵保存する場合の保存期間の目安は1週間です。
とうもろこしの皮を剥き実を水洗いします。茹でて粗熱が取れたらラップでとうもろこし全体を包み、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
また、とうもろこしを茹でる際にでる茹で汁は調理には使わず捨てることをおすすめします。栽培時や輸入時に使用される農薬が残っている可能性があるためです。
冒頭でも解説したように、とうもろこしは収穫直後から栄養価や甘みが急速に落ちてしまうので、長期保存したい場合は冷凍保存をしましょう。
冷凍する場合は、生のまま冷凍、下茹でして冷凍、ペースト状にして冷凍する方法がありますので、それぞれを詳しくご紹介していきます。
とうもろこしを生のまま冷凍保存する場合の保存期間の目安は2ヶ月です。皮を剥いてから保存するのも可能ですが、皮を剥いた状態だと味が落ちやすいので、皮付きのまま冷凍保存することをおすすめします。
汚れている外側の皮を数枚取り除き、ヒゲを調理バサミで切り落とします。ラップでとうもろこし全体を包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
皮付きのまま冷凍したとうもろこしは、解凍時に皮を剥いたらすぐに調理しましょう(味が落ちやすいため)。生のまま保存すると、解凍時に食感が損なわれてしまうので、コーンスープなど食感が気にならない料理に使用するとよいでしょう。
生のまま冷凍したとうもろこしを丸ごと食べる場合は、電子レンジ600Wで6〜8分ほど加熱するか、水から茹でて食べます。調理に使用する場合はラップをしたまま電子レンジで(600W)で1〜4分ほど加熱してから皮を剥き(皮付きの場合)、お好みの大きさに切って使います。また、凍ったまま調理するのも◎。
とうもろこしを茹でてから冷凍すると、調理時に使い勝手がよく便利です。生のまま冷凍するよりも保存期間が短くなってしまいますが、解凍してもとうもろこしのシャキッとした食感が損なわれにくいため、サラダや炒めもの、炊き込みご飯として食べると美味しくいただけます。
とうもろこしの皮を剥き、ヒゲを調理バサミで切り落とします。熱湯で固めに茹でたら粗熱を取ります。茹でたとうもろこしは輪切りにして保存します。
実を外して保存してもOK。実を外した状態で保存すると、調理したい時に簡単に使えて便利です。
実を外す方法は上記でご紹介したように、先に縦2列分ほどの実を取り除いた後に、その列から親指の腹で削ぐようにすると実を綺麗に取ることができます。冷凍用保存袋に入れ空気を抜いてからジッパーを閉め、冷凍庫で保存します。実を外して冷凍する場合は実同士がくっつきやすいので、使用する前に袋を振って実をほぐしましょう。
解凍する際は、自然解凍(前日に冷蔵庫に移し一晩置く)したり、流水解凍します。電子レンジで加熱したり、熱湯で解凍することも可能で、凍ったまま調理に使用するのもOKです。
とうもろこしをペースト状にしてから冷凍するのもおすすめです。ペースト状にして冷凍したとうもろこしの保存期間の目安は1ヶ月です。
茹でたとうもろこしをフードプロセッサーやミキサーなどで撹拌してペースト状にします。冷凍用保存袋に入れる時は、なるべく均一に、薄い平らに入れます。必要な分だけ手で折って取り出せるので便利です。
凍ったままの状態でミルクに溶かしてコーンスープが簡単に作れます。他にはクリームシチューやコロッケ、パン、離乳食にもおすすめです。
とうもろこしを乾燥させてから保存する方法もあります。乾燥とうもろこしはかなり長い間保存することができ、最長で半年も保存することが可能です。乾燥した後は密閉容器に入れ常温または冷蔵で保存するようにしましょう。
とうもろこしはまるごと天日干しします。皮を剥きますが、剥ぎ取るのではなく、バナナの皮を剥くように上から下(軸の方)に向かって剥いていきます。軸の方に集まった皮を紐のようにして使い、物干し竿などに括り付けます。雨などが当たらないような軒下やベランダで2〜4週間ほど干します。雨天時は一度室内に取り込むようにしましょう。
天日干ししたとうもろこしはそのまま食べることもできますし、水やお湯に戻してスープの具材などとして食べることもできます。お湯で戻せば時短になりますが若干食感が劣るので、水で戻すのがおすすめです。
冒頭でご紹介したように、とうもろこしのヒゲにはむくみ解消効果があるカリウムが豊富に含まれています。そのため、捨てずにとうもろこし茶(コーン茶)として飲むのがおすすめです。
切り落としたヒゲを使用しますが、茶色や黒い部分は取り除き、綺麗な部分のみを使用します。ザルに並べてカラカラに乾燥するまで天日干しします。乾燥させる目安は半日〜1日です。水分が抜けたヒゲをフライパンで香ばしい香りになるまで煎ります。水500ccに対して10〜15g程度のヒゲを入れて、30分ほど煮出してから飲みます。
また、とうもろこしの皮もとうもろこし茶として召し上がることができます。内側の綺麗な部分のみを使用します。皮を半日〜1日程度天日干しし、適当な長さに切ってフライパンで乾煎りします。水500mlに対して皮4〜5枚分をヒゲ10〜15g(とうもろこし1本分)と合わせて煮出してから飲みます。
とうもろこしを使ったおすすめの作り置きレシピをご紹介します。作り置きの保存期間の目安は冷蔵で2〜3日です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
しょうゆの香ばしさが美味しいコーン炒めです。とうもろこしの美味しい季節にどうぞ。
コーン炒めのレシピはこちら
たっぷりコーンの味噌焼きです。コーンの甘さと味噌の相性は抜群です。厚揚げも加えた食べごたえ満点レシピです。
コーンとピーマンと厚揚げの味噌焼きのレシピはこちら
コーンの甘みとパプリカの食感が美味しいピラフです。下準備が手軽で◎。
パプリカとコーンのピラフのレシピはこちら
とうもろこしと塩こんぶの炊き込みご飯のレシピをご紹介します。とうもろこしの甘みと塩こんぶの旨味が相性抜群です。
塩こんぶととうもろこしの玄米ご飯のレシピはこちら
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