小松菜はダイエットに向いている食品なのでしょうか?小松菜のカロリー・糖質をはじめ、ダイエット効果のある栄養素などを分かりやすく解説していきます。
生の小松菜の可食部100gあたりのエネルギー量は13kcalで、糖質は0.5(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は94.1g、たんぱく質は1.5g、炭水化物は2.4g、脂質は0.2g、食物繊維は1.9gです。
茹でた小松菜の可食部100gあたりのエネルギー量は14kcalで、糖質は0.6gです。水分は94.0g、たんぱく質は1.6g、炭水化物は3.0g、脂質は0.1g、食物繊維は2.4gです。
小松菜は90%以上が水分です。カロリー・糖質ともにかなり低くなっています。
他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いです。これらに比べても小松菜のカロリーと糖質が低いことがわかります。ちなみにじゃがいもの100gあたりのカロリーは59kcalで糖質は8.4gです。かぼちゃはさらに高くなります。
ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcalで糖質35.6gです。
小松菜は野菜の中でカロリーや糖質が低くダイエットに向いているといって差し支えないでしょう。ただ野菜は他の食品と比べるとカロリーも糖質も低いため、野菜全体がダイエットに向いていると言えます。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。さらに胃腸内をゆっくり移動するので、腹持ちがよくなっています。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
ピラジンは香りや苦味成分の原因物質です。ピラジンは血流促進作用があるため、高血圧予防の効果が期待できます。血流が良くなることで夏の冷え性対策にも効果があります。さらに代謝もよくなるため運動をしてダイエットをする人には効果があるかもしれません。また、血液が固まるのを防ぐので、血液が固まって血管を塞ぐ脳血栓や心筋梗塞の予防が期待できます。
β-カロテンはダイエットとは直接的に関係ありませんが、美容には大変重要な栄養素です。β-カロテンには強い抗酸化作用もあるので、肌を健康に保ち、老化を防ぐアンチエイジング作用があります。さらに、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは皮膚や粘膜、細胞の代謝を促進する働きがあります。さらに皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
鉄は赤血球中のヘモグロビンという成分の材料となります。ヘモグロビンは酸素と結びついて、血液の流れによって肺で酸素を取り込み、全身に酸素を運びます。
また、鉄はミオグロビンという成分の材料となり、筋肉中に存在します。ミオグロビンは血液中から筋肉に酸素を取り込むために働きます。ダイエット中に運動をする人にはとても大切な栄養素です。
小松菜自体に含まれるビタミンCには、鉄の吸収を上げる働きと、ヘモグロビンの生成を促す働きが一緒にあります。
小松菜はカロリーが低いからといって「主食をすべて小松菜に置き換える」「食事全体を小松菜に置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。
実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
成人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
小松菜は緑黄色野菜に分類されます。他の緑黄色野菜も食べることを考慮すると、1日あたり50gくらいが妥当といえます。多くても100g程度にしましょう。
ビタミンB群、C、カリウムはどれも水溶性なので、茹でたりするときはなるべく短くするように心がけましょう。また、ビタミンCは熱にも弱いので、なるべく茹でる時間は短いほうがいいです。小松菜などの葉野菜は特に損失が多いので、栄養素の流失が気になる方はスープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。
ほうれん草に多く含まれるシュウ酸は、小松菜にはそこまで多く入っておらず、一般的に下茹では不要とされています。調理で茹でるときはさっと短時間で実施するようにしましょう。また、電子レンジを使うことでも水溶性の栄養素の流失を防ぐことができます。
小松菜に限りませんが、かき揚げや炒め物など油を多く使って調理すれば、その分カロリーは上がってしまいます。また、味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。小松菜をサラダで使う場合もドレッシングの糖質・脂質に注意しましょう。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、小松菜を副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
小松菜に豊富に含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。そのため、鶏肉などたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に食べると効果的です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達し脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
汁ごと器に盛り付けて、小松菜の水溶性の栄養素であるビタミンCやカリウムも無駄なく頂きます。油揚げにはたんぱく質が含まれていて◎。メインディッシュを食べる前の前菜にどうぞ。
油揚げと小松菜の煮びたしのレシピはこちら
甘辛の味付けが小松菜と豚バラにからみ美味。小松菜のビタミンCと豚肉のたんぱく質が組み合わさリ◎。油で炒めることで小松菜のβ-カロテンやカルシウムの吸収率がアップします。豚肉に豊富に含まれるビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるのを助け、太りにくい身体づくりに貢献します。
糖質制限をしっかり行っている人は、たんぱく質と脂質はしっかりとってOKです。ボリューミーで満足感のあるひと品です。
小松菜と豚バラの甘辛煮のレシピはこちら
小松菜のシャキシャキ食感が美味。春雨はボリューミーで満足感が高くダイエットにもおすすめです。
小松菜のチャプチェのレシピはこちら
鶏ももと小松菜の体温まるスープです。パプリカを加えて食感と彩り、栄養をプラス。夕飯で炭水化物を抜きたい人におすすめのひと品です。満足感も高く、鶏肉のたんぱく質も摂れるのでおすすめです。もも肉をささみにかえても◎。
鶏と小松菜パプリカスープのレシピはこちら
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