グリーンピースのダイエット効果について解説していきます。糖質・カロリーをはじめ、ダイエット効果が見込める栄養素の効能についても解説します。この記事は管理栄養士が監修しています。
グリーンピース(生)の可食部100gあたりのエネルギー量は76kcalで、糖質は7.6g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。
水分は76.5g、炭水化物は15.3g、たんぱく質は6.9g、脂質は0.4g、食物繊維7.7gです。
やはり揚げると、カロリーも糖質も高くなります。ダイエット中にグリーンピースを食べる場合は塩茹でがベストな調理法です。油を使わずに調理することでカロリーを抑えられます。
また、缶詰・冷凍グリンピースの糖質はほとんど変わりません。グリーンピースの正しい保存方法に関してはこちらの記事をご覧ください。
他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。見てわかる通り、グリーンピースは野菜の中では糖質が高い部類に入りますので、食べ過ぎには注意が必要です。
食卓によく並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質2.8gと低いです。糖質の高いイメージのあるじゃがいもでも100gあたりカロリー59kcalで糖質8.4gです。
ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal・糖質35.6gです。ミルクチョコレートだと100gあたりカロリー550kcal・糖質51.9gです。ごはんやお菓子に比べたら、グリーンピースの糖質は低いといえます。食べ方次第でダイエットに活用できることがわかります。
グリーンピースは野菜類と豆類のいいとこどりをした栄養の宝庫です。直接的または間接的にダイエットによい影響がある栄養素とその効能について解説していきます。グリーンピースのより詳しい栄養素と効果についてはこちらの記事を参考にしてください。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。
水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。
さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
グリーンピースにはたんぱく質も含まれています。たんぱく質は筋肉を作るのに不可欠であり、筋肉量が増えると代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなります。
筋肉を付けるにはたんぱく質が必要ですが、筋肉を付けるための運動をするためにはエネルギー源となる糖質がある程度必要です。そのため、運動習慣のある人にとってはグリーンピースはとてもダイエット向きといえます。運動をしっかりしてダイエットする方はたんぱく質と糖質(炭水化物)が必要なので、脂質を控えるダイエットが向いています。
グリーンピースにはビタミンB1、B2、B6などのB群が豊富に含まれています。特に多いのがビタミンB1です。糖質がエネルギーとして使われるのには多量のビタミンB1が必要です。
使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。ダイエット中はそもそも炭水化物を控えるべきですが、炭水化物を食べる際はグリーンピースと一緒に食べるとダイエット効果が見込めます。
ビタミンB1が豊富に含まれる食品には他にも豚肉やうなぎ、たらこ、えのきたけ、玄米などがあります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずをはじめとするおかずを食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
新しい細胞をつくるために細胞分裂が必要です。亜鉛はさまざまな酵素の補酵素として、細胞分裂が正常に行われるように働きます。
亜鉛の補酵素としての働きの中には、たんぱく質の合成が含まれます。たんぱく質は筋肉をつくるため、太りにくい身体づくりに寄与します。亜鉛は汗をかくことで多く消費されてしまうので、ダイエット中に運動する方は亜鉛不足に注意です(過剰摂取は急性中毒を引き起こすこともあるので注意が必要です)。
また、加工食品には亜鉛の吸収を妨げる添加物が多く含まれているので、加工食品はなるべく食べないようにしましょう。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
マグネシウムは、カルシウムととても関わりが深く、この2つの栄養素のチームプレーによって筋肉が動かされています。マグネシウムは筋肉を緩めてくれる作用があります。そして、筋肉細胞に入り込むカルシウムの量を調整し、筋肉の収縮を促しているのもマグネシウムです。マグネシウムが少なくなると筋肉疲労が起き、効率的な運動ができなくなります。亜鉛と同様に汗によって失われる成分ですので、運動をするときや夏の時期は積極的に摂取しましょう。
グリーンピースがごはんよりカロリーが低いからといって「主食をすべてグリーンピースに置き換える」「食事全体をグリーンピースに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
そもそも、グリーンピースは野菜の中ではカロリーが高い方なので、ダイエット中の方は食べ過ぎ注意です。
グリーンピースの摂取目安量は1日あたり50〜100gくらいが妥当です。
ビタミンB群、ビタミンC、カリウムはどれも水溶性なので、茹でたりするときはなるべく短くするように心がけましょう。また、ビタミンCは熱にも弱いので、なるべく茹でる時間は短いほうがいいでしょう。ただし、グリーンピースは皮に守られているので、比較的に損失は少なくて済みます。栄養素の流失が気になる方は、スープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。また、電子レンジで加熱すれば栄養が流失する心配がないのでおすすめです。
β-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップ。また、脂溶性なので野菜炒めなど油と炒めることでβ-カロテンの吸収率は6倍にもなります。β-カロテンはダイエットに直接的には関係ありませんが、抗酸化作用がありアンチエイジングに大きな役割を果たします。
ただし、脂質は摂りすぎると太ってしまうので、ダイエット中の方は注意が必要です。現代人は良質な油が不足しているので、よい油は適量摂取し、糖質(炭水化物)を減らすように心がけましょう。カロリーを最小限に抑えたいならば、下茹でしたものをサラダなどで頂くのがベストです。グリーンピースを揚げた豆菓子である「グリーン豆」もカロリーが高いのでダイエット中は気をつけましょう。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、グリーンピースを副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
グリーンピースは糖質がエネルギーに変わるのをサポートするビタミンB1が豊富に含まれるので、ごはんなどの炭水化物を食べるときに一緒に食べると、糖質が脂肪として蓄積されづらくなります。グリーンピースの定番料理に「グリーンピースごはん」がありますが、グリーンピースをごはんに混ぜるのはそのためです。
グリーンピースにたっぷり含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンを合成するのに不可欠な栄養素です。そのため、鶏肉などたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に食べると効果的です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達しやすくなり、脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
生のままグリーンピースを入れて炊き込みます。旬のグリーンピースの香りを活かす塩だけのシンプルな味付け。前述しましたが、グリーンピースに豊富に含まれるビタミンB1は、ごはんの糖質がエネルギーになるのをサポートします。ダイエット中にごはんの食べ過ぎはいけませんが、グリーンピースと一緒に食べるとダイエット効果が期待できます。
グリーンピースごはんのレシピはこちら
グリーンピースの柔らかい食感と鮮やかな緑色が楽しめる翡翠煮です。グリーンピースを使った定番和食料理です。密閉容器に入れて冷蔵で2〜3日保存できます。甘味料はみりんだけ、油は不使用なので、低カロリーです。ビタミンB1・Cやカリウムなど水溶性の栄養素も一緒にいただけるのが◎。ダイエット中の副菜としてどうぞ。
グリーンピースのひすい煮のレシピはこちら
一般的にカロリーといわれるものは、エネルギー量のことを指します。当たり前ですが、摂取するエネルギー量より、消費するエネルギー量が高ければ(あまり食べず、多く運動すれば)、人間は痩せていきます。
人間は食べ物を食べることで、エネルギーを摂取しています。エネルギーの元になるのは三大栄養素といわれる炭水化物、脂質、たんぱく質です。炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。人間のエネルギーを占める三大栄養素の割合は、炭水化物(糖質)が55〜60%、脂質が20〜25%、たんぱく質が15%〜20%です。
たんぱく質は健康を維持するのに大変重要なので(日本人は不足している人が多いので)、一般的なダイエットでは炭水化物(糖質)か脂質の摂取量を減らします。一般的に炭水化物を減らすダイエット法を「糖質制限ダイエット」、脂質を減らすダイエット法を「カロリー制限ダイエット」といいます。たんぱく質が多くてカロリーが高い場合もあるので、カロリーだけで判断しないようにしましょう。
平均な現代人の食生活を考慮すると、糖質を減らし、脂質は質の高いものに入れ替えていくことが重要です。
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