そら豆はダイエットに効果的な食材なのでしょうか?そら豆をダイエット食材として使うときのメリットとデメリットを分かりやすく解説していきます。
生のそら豆の可食部100gあたりのエネルギー量は102kcalで、糖質は12.9g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。1粒(4g)あたりカロリー4kcalで、糖質0.5gです。
水分は72.3g、炭水化物は15.5g、たんぱく質は10.9g、脂質は0.2g、食物繊維は2.6gです。
乾燥させたり、素揚げすると、糖質が上がります。揚げたそら豆である「いかり豆」は436kcalとかなり高いので、ダイエット中の方は避けるようにしましょう。ダイエット中にそら豆を食べる場合は塩茹でがベストな調理法です。油を使わずに調理することでカロリーを抑えられます。
出典:食品成分データベース(文部科学省)
他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。見てわかる通り、そら豆は野菜の中では糖質が高い部類に入りますので、食べ過ぎには注意が必要です。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いです。糖質の高いイメージのあるじゃがいもでも100gあたりカロリー59kcal・糖質8.4gです。
ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal・糖質35.6gです。ミルクチョコレートだと100gあたりカロリー550kcal・糖質51.9gです。ごはんやお菓子に比べたら、そら豆の糖質は低いといえます。
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
そら豆は比較的カロリーと糖質が高い野菜に分類され食べ過ぎには注意が必要ですが、ダイエットに嬉しい栄養素も多く含まれています。ダイエットに直接的または間接的に関連する、そら豆の栄養素とその効能について解説していきます。そら豆の詳しい栄養素と効果についてはこちらの記事を参考にしてください。
そらまめ可食部100gに含まれる食物繊維総量は2.6gです。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。
水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックして血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。
さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
そら豆可食部100gあたりのたんぱく質の含有量は10.9gです。そら豆のたんぱく質の量は野菜の中でもトップレベルです。たんぱく質は筋肉を作るのに不可欠であり、筋肉量が増えると代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなります。
筋肉を付けるにはたんぱく質が必要ですが、筋肉を付けるための運動をするためにはエネルギー源となる糖質がある程度必要です。そのため、運動習慣のある人にとってはそら豆はとてもダイエット向きといえます。運動をしっかりしてダイエットする方はたんぱく質と糖質(炭水化物)が必要なので、脂質を控えるダイエットが向いています。
そら豆にはビタミンB1、B2、B6などのB群が豊富に含まれています。特に多いのがビタミンB1です。可食部100gあたりのビタミンB1の含有量は0.30mgです。糖質がエネルギーとして使われるためには多量のビタミンB1が必要です。
使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。
ビタミンB1が豊富に含まれる食品には他にも豚肉やうなぎ、えのきたけ、たらこ、玄米などがあります。
可食部100gあたりのビタミンCの含有量は23mgです。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
そら豆可食部100gあたりのカリウムの含有量は440mgです。カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットでは、肉や魚をはじめとしたおかずを食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
そら豆可食部100gあたりの亜鉛の含有量は1.9mgです。新しい細胞をつくるために細胞分裂が必要です。亜鉛はさまざまな酵素の補酵素として、細胞分裂が正常に行われるように働きます。
亜鉛の補酵素としての働きの中には、たんぱく質の合成が含まれます。たんぱく質は筋肉をつくるため、太りにくい身体づくりに寄与します。亜鉛は汗をかくことで多く消費されてしまうので、ダイエット中に運動する方は亜鉛不足に注意です(過剰摂取は急性中毒を引き起こすこともあるので注意が必要です)。
また、加工食品には亜鉛の吸収を妨げる添加物が多く含まれているので、加工食品はなるべく食べないようにしましょう。
そら豆可食部100gあたりのカルシウムの含有量は22mgです。カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
そら豆可食部100gあたりのマグネシウムの含有量は36mgです。マグネシウムは、カルシウムととても関わりが深く、この2つの栄養素のチームプレーによって筋肉が動かされています。マグネシウムは筋肉を緩めてくれる作用があります。そして、筋肉細胞に入り込むカルシウムの量を調整し、筋肉の収縮を促しているのもマグネシウムです。マグネシウムが少なくなると筋肉疲労が起き、効率的な運動ができなくなります。亜鉛と同様に汗によって失われる成分ですので、運動をするときや夏の時期は積極的に摂取しましょう。
出典:食品成分データベース(文部科学省)
そら豆がごはんよりカロリーが低いからといって「主食をすべてそら豆に置き換える」「食事全体をそら豆に置き換える」といった極端なダイエット方法は推奨されません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしてしまったり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまうことがあります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
そもそも、そら豆は野菜の中ではカロリーが高い方なので、ダイエット中の方は食べ過ぎ注意です。
そら豆の摂取目安量は、1日10粒(約58g)前後で、多くても20粒(約116g)くらいにしましょう。
ビタミンB群、C、カリウムはどれも水溶性なので、茹でたりするときはなるべく短くするように心がけましょう。また、ビタミンCは熱にも弱いので、なるべく茹でる時間は短いほうがいいでしょう。ただ、そら豆は皮に守られているので、比較的に損失は少なくて済みます。栄養素の流失が気になる方は、スープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。また、電子レンジで加熱するのもおすすめです。
そら豆に限りませんが、揚げ物や炒め物など油を多く使って調理すれば、その分カロリーは上がってしまいます。味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。そら豆の場合は塩分の摂り過ぎにも注意する必要があります。
そら豆を使った加工食品にも注意しましょう。乾燥させたそら豆を油で揚げた豆菓子である「いかり豆」や、黒糖をまぶしたそら豆である「黒糖そら豆」などはカロリーがとても高いので注意が必要です。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、そら豆を副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
そら豆はおやつ代わりとして食べるのもおすすめです。スナック菓子やスイーツには多くの糖質と脂質が含まれています。これらをそら豆に置き換えるだけで大幅にカロリーカットができます。そら豆のホクホクとした食感は満足感が高く、食物繊維も豊富なことから腹持ちがよいのが特徴です。
そら豆は糖質がエネルギーに変わるのをサポートするビタミンB1が豊富に含まれるので、ごはんなどの炭水化物を食べるときに一緒に食べると、糖質が脂肪として蓄積されづらくなります。そら豆と栄養面で大変似ているグリーンピースの定番料理に「グリーンピースごはん」がありますが、グリーンピースをごはんに混ぜるのはそのためです。
そら豆にたっぷり含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンを合成するのに不可欠な栄養素です。そのため、鶏肉などたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に食べると効果的です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達しやすくなり、脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
間食としておすすめなのが焼きそら豆です。茹でたときと違い、味が薄まらず、豆の旨みが凝縮します。食感もベチャッとならず、ふっくらホクホクに仕上がります。塩だけのシンプルな味付けで美味しくいただけるのも◎。
そら豆の焼き方はこちら
皮付きのままじっくり煮込みます。常備菜としてもおすすめのひと品です。甘味はみりんのみ。油も使っていないのでとても低カロリーです。
そら豆の含め煮のレシピはこちら
マヨネーズと塩で味付けしたそら豆のサラダ。チキンも加わりボリューミーなひと皿に。ダイエットにおすすめの鶏ささみを使っています。マヨネーズは豆乳マヨネーズで使い、カロリーカット。
チキンとそら豆のサラダのレシピはこちら
一般的にカロリーといわれるものは、エネルギー量のことを指します。当たり前ですが、摂取するエネルギー量より、消費するエネルギー量が高ければ(あまり食べず、多く運動すれば)、人間は痩せていきます。
人間は食べ物を食べることで、エネルギーを摂取しています。エネルギーの元になるのは三大栄養素といわれる炭水化物、脂質、たんぱく質です。炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。人間のエネルギーを占める三大栄養素の割合は、炭水化物(糖質)が55〜60%、脂質が20〜25%、たんぱく質が15%〜20%です。
たんぱく質は健康を維持するのに大変重要なので、一般的なダイエットでは炭水化物か脂質の摂取量を減らします。一般的に炭水化物を減らすダイエット法を「糖質制限ダイエット」、脂質を減らすダイエット法を「カロリー制限ダイエット」といいます。たんぱく質が多くてカロリーが高い場合もあるので、カロリーだけで判断しないようにしましょう。
平均な現代人の食生活を考慮すると、糖質を減らし、脂質は質の高いものに入れ替えていくことが重要です。
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