世界最古の野菜の一つといわれるそら豆は、サヤが上向きにつくことから「空豆」と呼ばれるようになりました。「味も栄養も収穫から3日まで」といわれるほど鮮度が落ちるのが早い野菜です。そんなそら豆の保存方法と保存期限を解説します。
原産地は北アフリカからカスピ海沿岸といわれています。ヨーロッパでは新石器時代の遺跡から発見されており、世界最古の野菜の一つとされています。サヤが上を向いてつくことから「空豆」という名前になりました。他の豆類と同じく、タンパク質を豊富に含み、ビタミンB群やC、カリウム、リン、鉄などをバランスよく含みます。脂質のレシチンには動脈硬化予防の効果があるといわれています。そら豆の実はサヤと薄皮で二重に守られているので、農薬などの心配がいりません。そら豆は3月〜6月に出回る春の野菜です。4月の走りの時期はみずみずしいので塩ゆでなどシンプルな調理法が、6月の終わりの時期はポタージュなどがおすすめです。
そら豆の保存に関して一番注意しなくてはいけないのが傷むのが早いという点です。「味も栄養も収穫から3日まで」といわれるほど鮮度が落ちるのが早い野菜です。そのため、常温で保存するのは厳禁です。また、サヤから出して売られているものは、その日のうちに食べるようにしましょう。
当たり前ですが、なるべく新鮮なそら豆を購入した方が、保存するときに日持ちがよいです。新鮮なそら豆の特徴は下記です。
さやにツヤがあり色鮮やか
さやに弾力がある
豆の大きさがそろっていて、ふっくらしている
お歯黒が黒くない
お歯黒とは豆の上部にある黒いツメのことで、豆がさやに繋がっていた部分です。お歯黒が黒くないものが若いそら豆です。サヤに入って売ってることが多いので、購入前にはわかりませんが、サヤを剥いたら、お歯黒が黒いものから使い、黒くないものを保存用にしましょう。
正しい方法で保存しても、そら豆は傷むのが早いため、腐ってしまうことがあります。下記のような特徴があるそら豆は、腐ってる可能性が大なので、食べずに処分するようにしましょう。
皮が茶や黒に変色している
豆の表面がぬるぬるしている、糸を引く
酸っぱい臭いがする
そら豆はデリケートな野菜なため「すぐに冷凍保存」といわれがちですが、2〜3日なら冷蔵保存がベストです。冷蔵保存する場合は生でサヤごと保存します。そら豆はサヤから出してしまうとすぐに豆が硬くなってしまいます。また、一度加熱してしまうと風味や食感が落ち、栄養素も減ってしまいますので注意しましょう。
生のそら豆をサヤごとキッチンペーパーに包み、ジッパー付きポリ袋に入れ空気を抜き、野菜室で保存します。
通常の冷蔵室と野菜室は温度では大差ありませんが、野菜室の方が湿度が高く野菜を乾燥から守ります。キッチンペーパーを濡らすこともありますが、そら豆はサヤごと食すわけではないので、基本的に乾燥したキッチンペーパーで問題ありません。
すぐに食べられない場合は冷凍保存します。保存の目安は1ヶ月ほどです。
硬めに塩茹でしたそら豆を冷まし、キッチンペーパーで水けをしっかり切ったら、ジッパー付きポリ袋に重ならないように入れて、冷凍します。
豆を茹でずに生のまま冷凍する方法もあります。直接冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」、冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。家庭用冷凍庫では基本的にブランチングするのがおすすめです。家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないので、ダイレクトフリージングでは変色し、味が悪くなり、食感も損なわれることが多いです。そら豆は特にぼそぼそとした食感になり、特有の風味を失われます。
冷凍する前に一度茹でることで、酵素を不活性化させ変色を防ぎ、味もよくなり、パサパサとした食感にもなりにくくなります。ブランチングのデメリットは、手間がかかる点と、茹でることで栄養素が逃げてしまう点です。
生のままサヤごと冷凍保存する方法もあります。そうすると豆の香りが抜けづらいです。
炒め物やスープなどに凍ったまま加えて調理するのが、栄養が逃げないため一番おすすめです。
そのまま食べるときは凍ったまま茹でて解凍します。電子レンジで加熱すると水っぽくなるので不向きです。
生のままサヤごと冷凍した場合は、解凍せずにサヤごとグリルで丸焼きにするのがおすすめです。
マッシュしたそら豆をジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍保存する方法も。解凍方法は自然解凍か湯煎、レンジです。
そら豆は干して(天日干し)保存する方法もあります。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
サヤから出したそら豆をザルに離らかして並べます。干す期間はお好みで4日〜7日間が目安です。干したそら豆はジッパー付きポリ袋に入れて常温か冷蔵で保存し、1ヶ月ほど日持ちます。
食べるときは水に2時間ほど浸します。その後は通常通り調理できます。
サヤごと黒くカラカラになるまで1週間ほど干す方法もあります。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。そら豆を漬けるのにおすすめなのがオリーブオイルです。
そら豆はオリーブオイル漬けすることで、冷蔵で1〜2週間ほど保存することができます。
塩茹でして薄皮から出したそら豆をオリーブオイルに漬けるだけです。オリーブオイル100mlに対して塩小さじ1弱を加えます。プラスαで、ニンニクやハーブ、スパイス、唐辛子などを入れると風味がワンランクアップします。
そら豆の食物繊維と、オリーブオイルのオレイン酸で腸内環境の改善が見込めます。また、β-カロテン(ビタミンA)やビタミンKなどの脂溶性ビタミンの吸収率がアップします。
塩コショウで炒めて食べるのがイチオシです!もう一品ほしいときの副菜やおつまみとして活躍します。他にもそのまま食べたり、サラダに乗せてももちろん◎。
そら豆をオリーブオイル漬けにして余ったオイルは他の調理に使うことも可能です。そら豆の栄養素が滲み出ているため無駄なく使いましょう。
そら豆の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きレシピの保存の目安は冷蔵で2〜3日です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
皮付きのままじっくり煮込みます。だししょうゆのほっとする味付けです。そら豆から滲み出たビタミンCを無駄なく消費。
そら豆の含め煮のレシピはこちら
春が旬の野菜を使ったピーナッツバター和えです。大人も子供も楽しめる味付けです。グリーンピースは食物繊維が豊富で、腸内環境の改善が期待できます。
そら豆とグリーンピースのピーナッツバター和えのレシピはこちら
色々な場面で大活躍のそら豆のディップ。トーストやトルティーヤチップス、野菜スティックなどに添えてお召し上がりください。お肉やお魚、納豆と和えるのもGood。そら豆を大量消費したい時にもおすすめです。冷蔵も可です。
そら豆のディップのレシピはこちら
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