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卵の賞味期限1ヶ月切れ...食べられる?加熱すればOK?

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卵の賞味期限1ヶ月切れ...食べられる?加熱すればOK?

卵には賞味期限の記載がありますが、賞味期限切れの卵は食べられるのか疑問に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、賞味期限切れの卵は食べられるのか詳しく解説します。

賞味期限とは

まずはじめに、賞味期限について解説します。

消費期限と賞味期限の違い

食品には「消費期限」と「賞味期限」のどちらかが記載されており、違いは下記の通りです。

消費期限は、定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日です。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもので、急速に品質が劣化しやすい食品に表示されます。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではありません。

賞味期限は、定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日です。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることがあります。比較的品質が劣化しにくい食品に表示され、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要があります。


出典:食品の期限表示について(農林水産省・厚生労働省)

賞味期限の表示義務がない食材もある

食品の多くは、賞味期限や消費期限が表示されていますが、表示義務がない食材もあります。例えば、なすやきゅうり、りんごといった生鮮食品や、アイスクリームなどです。

基本的に長期保存しても品質の変化が急激に起こりにくい食品においては、賞味期限や消費期限の表示を省くことができます。ただし、劣化が起こらないわけではないので、正しく保存することと、腐敗していないかしっかりとチェックしてから食べることが大切です。

卵の賞味期限について

続いて、卵の賞味期限について解説します。

卵に記載されているのは賞味期限

食品に記載されているのは、消費期限と賞味期限の2種類あることはおわかりいただけたかと思います。卵に記載されているのはどちらなのでしょうか。

卵に記載されているのは賞味期限です。基本的に、採卵後2~3週間ほどに設定されていて、これはサルモネラ菌が繁殖しない期間となっていて、安全に生食できる期間が記載されています。

サルモネラ菌とは、食中毒の原因となる細菌です。卵を生んだ鶏がサルモネラ菌を保持していたり、卵の表面がサルモネラ菌に汚染されてしまうと菌が増殖してしまうことがあり、サルモネラ菌が増殖しないよう余裕を持って早めに賞味期限を設定しているため、賞味期限内であれば安心して食べることができます。

卵の賞味期限は季節によって変わる?

実は、卵の賞味期限は季節によって変わります。

上述したように、卵の賞味期限は採卵してからサルモネラ菌が増殖しない期間です。サルモネラ菌は20℃〜40℃前後で活動が活発になり増殖するといわれているため、気温の高い季節は賞味期限が短くなり、気温が低い季節は長くなるのです。

季節ごとの卵の賞味期限の目安は下記の通りです。

  • 春(4月〜6月)採卵から25日以内

  • 夏(7月〜9月)採卵から16日以内

  • 秋(10月〜11月)採卵から25日以内

  • 冬(12月〜3月)採卵から57日以内

ただし、メーカーによっては季節関係なく一番短い夏や春に合わせて賞味期限を設定していることがあります。そのため、冬場などの寒い季節は記載されている賞味期限よりも長持ちすることもあります。

出典:日本卵協会

賞味期限切れ1ヶ月の卵は食べられる?

卵の賞味期限についておわかりいただけたでしょうか。それでは、賞味期限が1ヶ月過ぎた卵は食べられるのか解説します。

加熱をすれば食べられることも

上述したように卵に記載されているのは賞味期限ですので、賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることがあり、必ずしも食べられなくなるわけではありません。正しく保存されていれば、1ヶ月過ぎてしまっていても食べられることが多いです。

ただし、安全に生食できる期間は過ぎていますので、しっかりと加熱をしてから食べましょう。賞味期限を過ぎてしまった卵は、中心温度70度で1分を目安に火を通す必要があるので、半熟の状態で食べないようにしてください。

あきらかに腐敗しているサインが見られる場合は、加熱をしても食べることはできません。腐敗のサインが出ていないかしっかりとチェックして判断してください。腐敗している卵の特徴については後述します。

ゆで卵や温泉卵は?

1ヶ月賞味期限を過ぎてしまったゆで卵や温泉卵の場合は、食べられません。

食材は火を通した方が長持ちすることが多いですが、卵の場合は例外です。実は、卵白には「リゾチーム」と呼ばれる酵素が含まれています。リゾチームには細菌感染から守る働きがあり、加熱することで働きが失われてしまうことがわかっています。

そのため、加熱してゆで卵や温泉卵にしてしまうとサルモネラ菌が増殖しやすくなってしまいます。必ず賞味期限内に食べきり、期限が切れてしまった場合は破棄しましょう。

賞味期限内に食べきるのがベスト

卵は生の状態であれば賞味期限切れ1ヶ月を過ぎても多くの場合は食べられます。しかし、美味しく安全に食べるためにはやはり期限内に食べきることが大切です。

賞味期限1ヶ月切れの卵を発見した場合は、食べられる状態であってもそのままにしておかず、できるだけ早めに食べきりましょう。

食べられない卵の特徴

割れた卵

賞味期限が過ぎてしまっていても食べることができると紹介しましたが、下記のような特徴がある場合は破棄しましょう。賞味期限内であっても、正しく保存できていない場合は腐敗してしまうことがあるので、しっかりチェックしてから食べるようにしてください。

殻にヒビが入っている

卵の殻にヒビが入っている場合は、注意が必要です。

殻にヒビが入ってしまうと、サルモネラ菌が増殖しやすくなってしまいます。ヒビが入ってしまってから1日〜2日以内であれば食べても問題ないとされていますが、いつ入ったかわからないヒビが入ってしまっている場合は破棄するのが無難です。

万が一ヒビが入ってしまったら、すぐに食べきるようにしましょう。

内側にカビが生えている

表面は綺麗でも、内側に黒い斑点がある場合があります。これは、カビが生えている状態ですので破棄しましょう。

カビはカビ毒を発生させ、中毒症状が起こることがあります。カビ毒は加熱をすれば大丈夫ということはありませんので、注意してください。

出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)

白身が変色している

卵を割ったときに、白身が緑色や、ピンク色に変色していたり、緑色の斑点がある場合も食べられません。これは、細菌が繁殖している状態です。

すべての細菌が食中毒を起こす原因になるとは限りませんし、加熱すれば死滅する細菌の場合もありますが、安全に食べられる保証はありません。必ず破棄しましょう。

水に浮く

腐敗していないか判断が難しい場合は、水に入れて確認するのも一つの手です。水に入れたときに浮いてしまう場合は、腐敗しています。

腐敗した卵が水に浮く理由は、内部の気体の増加にあります。新鮮な卵の殻内にはほとんど空気が含まれておらず、殻の中にある殻膜によって空気が外部から侵入するのを防いでいます。しかし、古い卵では殻の微細な穴を通じて外部の空気が内部に侵入し、空気が増えることで水に浮きやすくなると言われています。

一方、新鮮な卵は内部にほとんど空気が含まれていないため、水中に沈みます。ですから、卵を水に浮かべることで、その新鮮さや腐敗の度合いを簡単に判断することができます。

カラカラと音がする

卵を振ったときに、カラカラと音がする場合、腐敗している可能性が高いです。

卵は経時的に、殻の微細な穴から水分や二酸化炭素が抜け出す傾向があります。その結果、黄身や白身から水分が蒸発し、内部の空気が増加すると考えられています。このため、卵の内部に空洞が形成され、質量が減少した卵が殻の中で振動し、音がするのです。

臭い

酸っぱい臭いや硫黄臭、カビ臭さを感じる場合も注意が必要です。卵の場合は特に硫黄臭がすることが多いです。

卵に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり硫黄臭がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。

腐敗が進むと生ゴミのような臭いがすることもあります。明らかに異臭がすると感じる場合は破棄しましょう。

卵を保存するときのポイント

卵をパックに入れた状態で保存する

卵を鮮度を保った状態で長持ちさせる保存のポイントを紹介します。

卵の保存方法の詳しい手順などはこちらの記事でご紹介しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。ゆで卵の保存方法はこちらの記事でまとめています。

冷蔵保存がおすすめ

卵は常温保存することもできますが、10℃以下での保存が推奨されています。そのため、購入したら冷蔵保存するようにしましょう。

特に夏場などの気温や湿度が高い季節は傷みやすいので、すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。

パックのまま保存する

卵はパックのまま保存するようにしましょう。

卵の殻にはサルモネラ菌が付いていることがあり、パックから出して保存してしまうと他の食材にサルモネラ菌がついてしまうことがあります。

また、卵は尖っている方を下にして保存した方が長持ちします。これは、卵の丸い方に空気の入った「気室」と呼ばれる部屋があり、古くなった黄身が浮かんでも直接殻に触れてしまうのを防ぐことができるためです。さらに、尖った方は殻が厚くなっており、衝撃を受けても割れにくいです。

卵は尖っている方を下にした状態でパック詰めされているため、パックのまま保存すれば向きを気にする必要がありません。

ドアポケットに入れない

多くの冷蔵庫はドアポケットに卵を入れるケースがついています。そのため、ついついドアポケットに卵を入れてしまいがちなのですが、ドアポケットには入れず冷蔵庫の奥の方へ入れるようにしましょう。

ドアポケットは扉を開けることで温度の変化が最も激しい部分です。温度変化によって鮮度が落ちてしまいますし、ドア開け閉めする衝撃で殻にヒビが入ってしまうこともあります。

できるだけ温度変化が少なく、衝撃を受けにくい奥へ入れた方が安全に美味しく食べることができます。

洗わない

卵を保存するときに、洗った方が良いのではと思う方もいらっしゃるようですが、水洗いNGです。

卵の殻には小さな穴が開いているため、水洗いしてしまうと中に水分が入ってしまいます。水分が入ってしまうと細菌が増殖する原因になるので、汚れが気になる場合は濡れたふきんなどで優しく拭き取るようにしてください。

おすすめ卵消費レシピ

賞味期限が近い、または切れてしまった卵の消費におすすめのレシピをご紹介します。

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