しめじを食べたときに苦味を感じたことがある方は多いのではないでしょうか。腐敗しているのではないかと心配になりますよね。本記事ではしめじが苦い原因や食べられるのかどうかなどを解説します。
しめじが苦い原因は下記の通りです。
しめじが苦い原因は、しめじがもつ苦味成分「テルペン」によるものです。
テルペンは、白楡木茸(しろたもぎたけ)属のぶなしめじに多く含まれている苦味成分で、オレンジなどの柑橘系の果物にも含まれていることで知られています。
一般的に販売されているしめじは、品種改良により苦味成分の含有量が抑えられているため通常はあまり強い苦味を感じることはありません。ただし、個体によっては苦味成分が多く生成され、わずかに苦味を感じることがあります。
食材は腐敗すると味が大きく変わります。そのため、強い苦味を感じると、腐敗しているのでは?と心配になる方も多いでしょうが、上述したようにしめじが苦いのは苦味成分によるもので腐敗ではありません。
腐敗したしめじの味やその他の特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
冷凍したしめじを調理をすると、苦味を感じやすいです。これは、冷凍することでしめじに含まれていた水分が凍り、解凍することで水となってしめじから出てしまうためです。水分が抜けてしまうと、旨味成分なども一緒に流出してしまい苦味成分だけが残ってしまうため、苦味をより強く感じやすくなるのです。
冷凍することでしめじに含まれている水分が凍ってしまうのを防ぐことはできませんが、解凍方法を工夫すれば美味しく食べることができますよ。
しめじが苦い原因はおわかりいただけたでしょうか。続いて、苦いしめじは食べられるのかどうか解説します。
上述したように、しめじの苦味は苦味成分によるものです。腐敗が原因ではないので食べても問題はありません。
例えばほうれん草やたけのこに多く含まれているのはシュウ酸と呼ばれる苦味成分で、シュウ酸の場合はカルシウムの吸収を阻害したり、結石の原因となります。そのため極力食べないようアク抜きをする必要がありますが、しめじの苦味成分テルペンはシュウ酸のように人体に害をもたらすことはありません。
また、天然毒素が含まれている野菜に強い苦味を感じる場合は、下痢や吐き気などの中毒症状が出る可能性がありますが、しめじに天然毒素は含まれていません。天然毒素による苦味でもないので安心して食べることができます。
テルペンは、上述したように人体に害を及ぼす苦味成分ではありません。複数の健康効果が期待できる成分です。
まず、テルペンにはリラックスを促す働きや血圧を下げる効果があり、ストレスの軽減や心身のリラックスに寄与すると言われています。また、その特有の香りから、アロマセラピーや香水に多く利用され、気分の改善やリフレッシュ効果が期待されています。
さらに、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系の疾患のリスクを軽減する可能性があり、健康な心血管機能の維持に寄与すると言われています。
しめじに苦味があっても食べることはできますが、食べにくいと感じる方も多いでしょう。しめじの苦味は調理法によって強く感じやすくなることがあります。そこで、しめじの苦味を軽減できる調理法を紹介します。
しめじなどのきのこ類は基本的に洗わずに調理をしてOKです。しめじの場合は、水洗いをすることで苦味を感じやすくなってしまうことがわかっているので、水洗いせずに調理しましょう。
水洗いせずに使うことで、しめじの旨味成分を流出させてしまうのを防ぐことができるため、よりしめじを美味しく食べることができます。
しめじの根本に小さなかわいいしめじがついていることがあります。石づきを取れば基本的にポロっと取れますが、苦味を軽減したい場合は小さなしめじは破棄しましょう。
根本についているしめじは未成熟な状態です。未成熟の状態のしめじは苦味成分の含有量が多いため、小さなしめじも一緒に調理をしてしまうと苦味を強く感じやすいのです。
上述したように人体に害がある成分ではないので、一緒に調理をしてももちろん問題はありません。しかし、小さなお子様が食べる場合など苦味が苦手な方が食べる場合は取り除いておくのがおすすめです。
しめじは生食すると食中毒の症状が出る可能性があるため加熱調理をするのが基本ですが、しめじの苦味を軽減したい場合は、長時間加熱しないようにしましょう。
しめじは加熱時間が長ければ長いほど苦味を感じやすくなることがわかっています。そのため、加熱をする際はできるだけ短時間で火を通すのが望ましいです。
例えば、生の状態のしめじをスープなどの汁物にしたい場合は、加熱しすぎてしまわないよう最後に加えるようにするのが良いでしょう。
苦味が気になる場合は、濃いめの味付けにして食べるのも一つの手です。醤油などの調味料を使って濃いめに味付けにすることで、苦味をカバーすることができます。
また、カレーなどのスパイスを使った調理に使うのも良いでしょう。苦味が軽減されて食べやすくなります。
冷凍しめじは、上述したようにどうしても解凍されたときに水分が出ていってしまい苦味が強調されてしまいます。そのため、苦味を軽減したい場合は凍ったまま加熱調理するのがおすすめです。
凍ったまま調理をすれば水分が出すぎて苦味が強調されてしまうのを防ぐことができます。また、ビタミンCなどの水溶性の栄養素の流出も防ぐことができます。
そのまま加熱調理することで食感もそこまで悪くならずにキープすることができるので、解凍せずに加熱調理するようにしましょう。
生のしめじを汁物にするときなどは、加熱しすぎて苦味が強くなってしまうのを防ぐため、最後に入れるのがおすすめと紹介しましたが、冷凍したしめじの場合は沸騰する前の水からしめじを入れて加熱するのがおすすめです。
水から茹でておくことで、しめじが水分を吸うため苦味が軽減されます。
苦みが気になるしめじでも美味しく食べられるおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
ししとうとしめじのカレー味が染み込み美味。ごはんが進みます。
ししとうとしめじのカレー炒めのレシピはこちら
しょうが風味でごはんのお供にピッタリなひと品です。
しめじそぼろのレシピはこちら
ステーキなどの肉料理の付け合せでも、ガーリックライス単体だけでも美味しくいただけます。
しめじガーリックライスのレシピはこちら
苦いしめじは腐敗しているわけではないため食べることができますが、下記の特徴があるしめじは腐敗しているため破棄しましょう。
腐ったしめじの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している箇所がある
石づきが茶色に変色している
全体的に黒・茶・緑に変色している
しめじに青・緑の物体がついている場合は青カビ、黒いすすのような斑点がついている場合は黒カビが生えています。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出る可能性があるので破棄しましょう。
明らかに溶け出している部分がある場合も、腐敗が進行している状態です。また、しめじは変色しているからといって腐敗しているとは限りませんが、石づきが茶色く変色していたり全体的に普段とは異なる色に変色してしまっている場合は腐敗している可能性が高いです。
腐ったしめじの臭い・味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生臭い
生ゴミの臭い
カビ臭い
しめじは独特のきのこ臭がしますが、酸っぱい臭いや味がする場合は腐敗しています。
しめじに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。明らかにいつもとは異なる酸っぱい味や生臭さ、生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。
カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったしめじの触感の特徴は下記の通りです。
ぬるぬるしている
ぐにゃっとしていて柔らかい
カサの部分などが崩れる
しめじを触ったときにぬめりがあったり糸を引くような場合も腐敗しています。ぬめりは雑菌が増殖しているサインです。また、簡単につぶれてしまうほどぐにゃっとしてしまっている場合も腐敗が進行しています。
しめじのカサの部分が簡単に取れてしまったり、石づきがボロボロに崩れてしまう場合も腐敗しているサインです。このような場合は残念ですが食べることができないので破棄しましょう。
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