コロッケはハンバーグのタネのように空気抜きをする必要はあるのでしょうか。この記事では、空気抜きを行う理由やコロッケ作りで空気抜きは必要か、コロッケを上手く仕上げるコツなどを解説します。
空気抜きを行う理由とコロッケ作りでの必要性について解説します。
空気抜きとは、ハンバーグなどの具材を混ぜてタネを作り、成型してから火を通す料理で行う工程の1つです。様々な方法がありますが、両手でキャッチボールをするようにタネに衝撃を与える方法が有名ですよね。
タネに衝撃を加えることでタネの中の空洞を潰し、加熱時にその空洞内で水蒸気が膨張して崩れてしまうのを防ぐことができます。
ハンバーグでは空気抜きの作業は必須ですが、コロッケは比較的混ざりやすいじゃがいもがメインの具材であり、混ぜる作業をしっかりと行えば崩れることはなく、基本的に空気抜きをする必要はありません。
業務用のコロッケを作る工程では空気抜きを行うこともあるようですが、家庭で作るコロッケの場合は混ぜるタネの量は少ないので、しっかり混ぜれば空気抜きは不要でしょう。逆に空気抜きをすることで形が崩れてひび割れなどができてしまい、揚げる時に崩れてしまうこともあります。
揚げている最中にコロッケが崩れてしまう場合、成型以外にも下ごしらえや衣の付け方、揚げ方に問題がある可能性が高いです。
コロッケはハンバーグのように空気が原因で破裂することは少なく、原因はタネの作り方や揚げ方にあります。コロッケが破裂する原因と対処法を簡単に解説します。
コロッケが揚げている最中に崩れてしまう場合、原因の多くはタネに使っている具材のじゃがいもや玉ねぎなどの野菜の水分です。
じゃがいもや玉ねぎは火を通してから混ぜてタネを作りますが、十分に水分を抜かないと、揚げている最中にタネの中に残った水分の温度が上がって水蒸気となり、衣を破って崩れてしまいます。
下ごしらえでタネの水分をしっかり減らし、発生する水蒸気の量を減らすことでコロッケを崩さずに仕上げることができます。ただし、隠し味で入れる牛乳や生クリームを入れすぎの場合もあります。入れる場合は量に注意です。
水分をしっかり減らしていてもタネの成型方法や衣の付け方が正しくないとコロッケが崩れてしまいます。
タネを成型する際、ひび割れた個所や大きな塊が飛び出ている個所があるとその部分の衣の付き方が甘くなり、揚げている最中に亀裂も入りやすく、そこから崩れてしまいます。
また、衣の量が少なかったり、つけ方が甘かったりしてもコロッケは崩れてしまいます。衣の量が少なくて薄い、つけ方が甘く薄い箇所があるという場合でも衣が中身の膨張に耐えられず崩れ出してしまいます。
タネの下ごしらえをしっかり行い、成形や衣に問題がなくても揚げ方が間違っていては上手に仕上げることはできません。
油の温度が低いと、衣がしっかり固まる前に中身が温まって膨張してしまい、崩れてしまうことがあります。また、揚げているコロッケが気になって触りすぎると衣がはがれてしまうので、やはり崩れる原因になります。
また、油を少なめで揚げるとヘルシーに仕上げられますが、鍋の底に衣がくっついて剥がれて崩れたり、裏返した際の衝撃で衣が剥がれて崩れたりします。油の温度も変化しやすく、上手く揚げることも難しいです。
サイズやタネをまとめやすくする方法などについて解説します。
コロッケのタネは手のひらに収まるくらい、重さで言えば40~50gくらいのサイズに仕上げましょう。大きすぎると衣をつける作業や揚げている際に崩れやすくなってしまうほか、揚げるのに時間がかかって焦がしてしまうなどの失敗が起きやすくなります。
形は定番の小判型、かわいらしい俵型や丸型などがあります。それぞれの形の特徴やメリット・デメリットは次の項目で解説します。
タネの下ごしらえが終わったら混ぜて成形をしますが、表面が滑らかになるように成形しましょう。すでに原因の項目で説明しましたが、ひび割れや大きな塊が飛び出た個所があるとそこから崩れてしまいます。
ひび割れを作らずに成形するには玉ねぎは細かくみじん切りにし、じゃがいもはしっかり潰しましょう。
コロッケに使うじゃがいもは下ごしらえをしてすぐの熱いうちに潰し、他の具材と混ぜて成型しましょう。熱いうちに成形することでタネがまとまりやすく、表面も滑らかに仕上がりやすいです。
冷めてからではじゃがいもが潰しにくくなり、具材同士も混ざりにくくなります。特にじゃがいもの形が残りやすく、滑らかに成形するのが難しくなってひび割れやすくなるので、コロッケが崩れる原因となります。
コロッケのタネの具材を混ぜる際、できれば手を汚したくないですよね。そんな時におすすめなのがラップやポリ袋に具材を入れてタネを混ぜる方法です。じゃがいもがまだ熱い場合にも火傷しづらいです。
やり方も簡単で、ラップや袋で包んだタネをよく揉み込み、まとめるだけです。筒状にまとめて袋から出し、包丁で切れば均等なサイズにタネを分けることもできます。
コロッケのタネの成型が終わったら冷蔵庫で寝かせましょう。バットに並べてラップをかけ、1時間程度がおすすめです。寝かせることで様々なメリットが得られます。
大きなメリットとしては、寝かせることで生地が落ち着き、衣をつける作業や揚げる時に崩れにくくなります。また、寝かせている間にある程度水分が飛んで崩れにくくなるほか、タネの温度がも下がるので、揚げた際に温度が急上昇して膨張が起きにくくもなります。
また、寝かせることで具材同士がよく馴染み、味が落ち着くので美味しさもアップします。ひき肉からは旨味も出ます。時間に余裕がある方は是非タネを寝かせてみてください。
コロッケは主に小判型、俵型、丸形に作られることが多いです。
小判(こばん)型はコロッケの形の定番で、お店で売られているほとんどのコロッケがこの形をしていますよね。食べる時も手で持ちやすく食べやすいです。
小判型は薄めなので揚げる際も両面に色を付けやすく、火も通しやすいので少ない油でも仕上げやすい形です。ただし、薄い分成型や揚げる作業で崩れやすいのがネックです。
かわいらしい俵(たわら)型に作るのも人気です。コロッケの中でもクリームコロッケは俵型に作られることが多いですが、これは小判型と比べると形が崩れにくいためです。
コロッケを俵型にする場合は小判型よりも厚みがある分、水蒸気による破裂が起きやすいので、タネをよく冷やして内部の温度を上がりにくくして揚げるのがおすすめです。
成型も簡単な丸形もかわいらしく人気です。コロッケは小さめの丸型にすると中身の膨張が起きにくく、崩さずに仕上げやすくなります。丸く作ると中心までの火の通りが心配という方もいるかもしれませんが、小さめに作れば火も通りやすいです。
揚げる時間を短くしても余熱で火を通すことができ、焦がしてしまう心配も減ります。ただし、小さい分食べ応えはイマイチかもしれません。ついつい食べ過ぎてしまう恐れもあります。
また、少ない油で揚げるのは難しいので、たっぷりの油で揚げるのがおすすめです。
コロッケ作りは下ごしらえが肝要です。
コロッケの具材の大部分を占めるのがじゃがいもですが、中までしっかり火を通し、じゃがいもの水分をしっかり飛ばしてからマッシュすることでコロッケは崩れにくくなります。
じゃがいもの下ごしらえの方法はいくつかあり、鍋で茹でる、蒸す、電子レンジで温めるのが主な方法です。
電子レンジでじゃがいもを温めるのはとても簡単ですが、温めムラが起きやすく、水分をしっかり抜くことが難しいです。水分をしっかり抜きたい、失敗せずに仕上げたいという方は鍋で茹でるか蒸す方法で下ごしらえをしましょう。
また、電子レンジで温めると外側ばかりが温まって水分が抜けすぎてしまい、パサパサとした仕上がりになりやすいため、温めすぎには要注意です。また、電子レンジで温めると冷めるのも早く、冷めて水分が抜けてからマッシュしてもやはりパサパサになりやすいです。
タネに混ぜる玉ねぎは細かくみじん切りにして、しっかり炒めましょう。みじん切りが粗い、炒める時間が短いといった場合、玉ねぎからは十分に水分が抜けていないので、タネに混ぜる際に水分が出てしまい、コロッケが崩れる要因となってしまいます。
また、玉ねぎもじゃがいも同様に電子レンジで火を通して水分を抜くことができますが、温め方が甘いとやはり崩れる原因となります。また、電子レンジで温めた場合はしっかりと玉ねぎから出た水を切ってから混ぜましょう。
玉ねぎやジャガイモ以外の野菜を加える場合も、しっかりと水分を抜くと崩れにくくなります。
コロッケの衣の量にも要注意です。衣は小麦粉、卵、パン粉の3種類使い、この順番で付けていくのが基本です。衣が少ないと具材の膨張に耐えられず、崩れ出してしまいます。十分な量の材料を用意しましょう。
また、衣がタネの表面に満遍なく付いていないと、そこから崩れてしまいます。一般的な小判型の場合、側面の部分はつけにくいので要注意です。
心配な方は卵とパン粉を二度付けすることでより満遍なく衣をつけることができますが、材料をたくさん使ってしまい、糖質量やカロリーも増えてしまいます。
小麦粉と水、卵を混ぜて作る「バッター液」とパン粉で衣を付ければ、衣を付ける手順が少なくなります。また、卵だけの場合よりも粘度が高いので厚めに衣が付けることができ、ムラなく衣が付きます。
ただし、バッター液にもデメリットはあります。衣が厚めにつく分、糖質量やカロリーが増加してしまいます。また、よく混ぜないとダマになってしまってパン粉の付きが悪くなってしまいます。
温度管理や一度にたくさん揚げすぎないといったポイントがあります。
コロッケを上げる際の油の量は、コロッケがしっかり浸かるくらいのたっぷりの油で揚げると崩れにくく、上手に仕上げることができます。鍋底から3cm程度の深さがちょうどよい量とされています。
少ない油で揚げることもできますが、コロッケを入れる際などに油の温度が変わりやすく、失敗しやすいです。
油の使用量を少なめにしたい方は、時間はかかってしまいますが小さめの鍋でコロッケを1~2個ずつ揚げるのがおすすめです。
コロッケを揚げる際の油の温度は180~200℃が基本です。温度が低いと衣が固まる前に中身が温まってしまい膨張・破裂が起きやすく、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。一方で温度が高すぎても焦げやすく、中身の温度が急上昇することによる膨張が起き、崩れやすくなります。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は衣のかけらを油に落としてみると大体の温度がわかります。
油に落とした衣が一度下に落ちても、すぐに上がってくれば適温の180℃くらいになっています。落として沈んだままなら180℃になっておらず、一度も落ちずにそのまま浮かんで揚がるようなら180℃よりも高温に油が熱せられています。
コロッケを一度にたくさん揚げてしまうと油の温度が下がってしまい、上手く揚げることができず、コロッケが崩れる原因になってしまいます。
鍋の大きさにもよりますが、一般的な20cm程度の揚げ物用の鍋であれば、3個くらいが適量です。一気にたくさん揚げるとコロッケを裏返したり鍋から上げたりするのも難しくなり、衣が剥がれて崩れてしまうことも。
また、コロッケを揚げている最中に触りすぎるのもコロッケが崩れる原因になります。触りすぎると衣に傷がついてしまい、そこからコロッケが崩れ出してしまいます。
コロッケを鍋に入れたら基本的には触らず、側面の方まで色が変わってきたらひっくり返しましょう。一度ひっくり返した後も触りすぎると衣がポロポロと剥がれ落ちてしまうので要注意です。
下ごしらえのちょっとした一工夫や隠し味などでコロッケを美味しく仕上げるコツを紹介します。
スーパーで見かけることの多い男爵とメークインではどちらがコロッケ向きなのでしょうか。
コロッケ作りには粘り気が少なく、粉っぽいじゃがいもが適しています。そのため、粘り気が少なく加熱するとホクホクとした仕上がりになる男爵がコロッケ向きとされています。
メークインもポテサラやコロッケなどの潰して使う料理に使えないわけではありませんが、粘り気が出てしまい潰しにくいことがあります。メークインを使うと口当たり滑らかに仕上がるので、より滑らかな口当たり・食感が好みの方はメークインを使うと良いでしょう。
男爵・メークイン以外ではキタアカリやインカのめざめなどもおすすめです。
じゃがいもは皮を剥かずに火を通す方法と皮を剥いてカットしてから火を通す方法があります。皮を剥かずに火を通せば栄養分や旨味を逃がさずに調理できますが、火を通すのに時間がかかり、じゃがいもが熱い状態で皮を剥かなくてはいけなくなります。
一方で皮を剥いてから火を通せば短い時間で火が通りますが、火を通している間に栄養分や旨味が逃げ出しやすく、火を通しすぎるとパサついた食感になりやすいです。どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分好みのやり方で火を通すと良いでしょう。
ちなみに、ジャガイモを茹でた場合、茹でたら鍋の水を捨てて鍋に火をかけ、軽く転がしましょう。水分をしっかり抜くことができます。
じゃがいもの加熱方法はいくつかありますが、茹でて比較的低温を保ちながら温めるとじゃがいもの甘みが出やすくなります。
これは、じゃがいもに含まれるアミラーゼが30~50度の温度でデンプンをよく分解し、甘みの元となる麦芽糖(マルトース)を作るようになるためです。
甘みを引き出すためにはジャガイモを水から中火で茹で、沸騰したら弱めの中火に変えてぐつぐつと沸騰させないようにしましょう。かぼちゃを使う場合も同じように温める甘みが増します。
じゃがいもはある程度形を残してマッシュすると風味が残りやすく、食べ応えも出ます。コロッケだけではなく、ポテトサラダなどのじゃがいもをマッシュして作る料理で風味をよくするコツの1つです。
ただし、残しすぎてしまうと上記の通りコロッケが崩れる原因となってしまいます。
ひき肉を炒めると出る脂にはお肉のうまみが詰まっているので、ひき肉を炒めた後のフライパンで玉ねぎを炒めると玉ねぎが旨味を吸うのでタネ全体のうまみをアップさせることができます。
別々に炒めるのが手間という方でも玉ねぎを炒めてから火の通りやすいひき肉を炒めれば旨味アップができます。
タネに牛乳を少し混ぜるとしっとりとした仕上がりになります。牛乳は脂肪分も多く、コクのある味わいにもなります。牛乳以外ではバターや生クリーム、豆乳もおすすめです。
ただし、混ぜすぎるとタネが緩くなってしまい、コロッケが崩れる原因になってしまうので要注意です。
コロッケのタネに隠し味を入れて味を調えると美味しく仕上げられます。醤油やめんつゆ、ナツメグやカレー粉が使われることが多いです。
醤油やめんつゆを使うとコロッケは少しシャープな味わいに変わり、日本人になじみ深い味わいになります。めんつゆには旨味もたっぷりなので美味しさをさらにアップできます。
臭み消しの定番であるナツメグを使えばお店で食べるような味わいに近づきます。ナツメグがない場合でもカレー粉で代用でき、カレー粉をたくさん入れてカレーコロッケにしても美味しいです。
ラードを使うことでコロッケのコクや旨味をアップさせることができます。お肉屋さんのコロッケが美味しい理由の1つは、ラードを使って揚げているためとよく言われます。
家で作る場合、揚げ物ができるレベルの量のラードを用意するのは難しいので、いつもの油に少し混ぜて使ってみましょう。少し入れるだけでも出来上がりが良くなり、お店の味に近づきます。
最後にコロッケの作り方をご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
王道コロッケレシピをご紹介します。米粉や米粉のパン粉を使ったヘルシーなコロッケです。
お好みでケチャップなどと合わせてお召し上がりください。
ポテトコロッケのレシピはこちら
ほぐした鮭がたっぷり入ったコロッケ。鮭のうまみがにじみ出て、そのままでも美味しくいただけます。
鮭コロッケのレシピはこちら
グルテンフリー(小麦粉不使用)のカニクリームコロッケのレシピをご紹介します。手作りトマトソース のレシピも紹介します。
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