じゃがいもを食べたときに酸っぱかったり、酸っぱい臭いがして食べられるのか判断に困ったことはありませんか?本記事では、じゃがいもが酸っぱい・酸っぱい臭いがする原因を解説します。
じゃがいもが酸っぱい原因は下記の通りです。
じゃがいもの味が酸っぱかったり、酸っぱい臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
じゃがいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい味がしたり、酸っぱい臭いがします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」とよばれます。
あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や臭いがする場合は、無理して食べず破棄しましょう。
じゃがいもを皮ごとフライドポテトにした場合など、皮ごと食べたときに皮が酸っぱいのは天然毒素が原因です。じゃがいもにはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれています。
ソラニンとチャコニンは、グルコースやガラクトースなどの「糖」と、植物由来の窒素を含んだアルカリ性(塩基性)物質である「アルカロイド」からできているグリコアルカロイド(糖アルカロイド)と呼ばれる成分の一種です。育っていく中で外敵に食べられてしまわないようにソラニンやチャコニンといった有害物質をもつようになったといわれます。
ソラニンやチャコニンは日光に当たることで生成されるため、直射日光や蛍光灯の光が当たる場所に置いていると日光や光に最も当たっている皮にはソラニンやチャコニンが多く生成されてしまいます。ソラニンやチャコニンが多く生成されていると、酸っぱかったり舌がしびれるような苦味がするなど普段のじゃがいもとは異なる味がします。
この場合は、無理して飲み込まず必ず吐き出して処分するようにしてください。
じゃがいもは「畑のりんご」と言われるほど、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCが多く含まれている食材として知られているのはレモンやりんごといった酸味のあるものが多いので、じゃがいもも酸味があるのではと思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、レモンやりんごの酸味となっているのは「クエン酸」や「りんご酸」です。ビタミンC自体に酸味があるわけではないので、ビタミンCが豊富に含まれているじゃがいもに酸味はありません。酸っぱい味や臭いがする場合は腐敗と考え、破棄しましょう。
ちなみにビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
じゃがいもが酸っぱい味や臭いがする原因はおわかりいただけたでしょうか。酸っぱい味や臭いがする原因となる腐敗はなぜ起こるのか、解説します。
じゃがいもは生の状態だと比較的長く保存することができます。直射日光が当たらず風通しのよい涼しい場所なら、秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は常温保存することが可能です。
しかし、加熱調理した途端傷みやすくなります。例えばカレーや肉じゃがなどの煮込み料理、フライドポテトなどの揚げ物、味噌汁やポトフなどの汁物全てです。
加熱すると傷みやすくなってしまうのは、じゃがいもがもつ特性によるものです。じゃがいもにはでん粉が豊富に含まれており、その細胞壁が弱いため、加熱すると細胞壁が破壊されやすくなります。この細胞壁の破壊により、じゃがいも内部のでん粉が露出してしまうことで、細菌が侵入しやすい環境が作られます。
でん粉は細菌のエサとなり、細菌の増殖を促進します。このため、じゃがいもを使った料理は他の食材よりも早く腐敗しやすい傾向にあるのです。
腐敗を防ぐためには、適切な冷蔵保存や早めの消費が必要となります。また、じゃがいもの加熱を最後にする、もしくは少し固めに煮るなどの工夫も効果的です。
じゃがいもが腐敗してしまう原因として最も多いのが「保管状態が悪い」です。
じゃがいもを保存するときに注意すべきなのは、湿度です。日本は比較的湿度が高い気候で、特に梅雨の時期などは食べ物の保存には十分に注意が必要です。多湿な環境にじゃがいもを放置しておくと、腐敗が一気に進みやすくなります。また、水分を含む土がじゃがいもについたままだと、それでもじゃがいもは腐りやすくなります。
また、直射日光が当たらない冷暗所で保管することも大切です。じゃがいもが日光に当たることで、有毒物質であるソラニンやチャコニンが増えてしまいます。上述したように蛍光灯の光でもソラニンやチャコニンを生成してしまうので、冷暗所で保存しましょう。
直射日光が当たらない冷暗所で保存しておくことで、じゃがいもから芽が出てしまうのを防ぐこともできます。じゃがいもの芽にも天然毒素が含まれているので発芽を防ぐことも大切なポイントです。
酸味以外の注意すべきじゃがいもの味や臭いは下記の通りです。
じゃがいもを食べた時に、苦味やえぐみ、舌のしびれを感じるようであれば、ただちに食べるのをやめましょう。
このような味がするのは、じゃがいもに含まれる「ポテトグリコアルカロイド」という成分が原因といわれています。ポテトグリコアルカロイドは天然毒素の一種で、食べた時に舌がピリピリしたり、苦味などを感じます。
生ゴミのような臭いがする場合はかなり腐敗が進んでいる状態なので食べることはできません。
上述したように食材は腐敗すると多くのバクテリアが活動します。バクテリアが食材を分解する際には様々な有害物質を発生させます。これが、腐敗した食べ物から悪臭がする原因です。
生ゴミの臭いがする場合も破棄しましょう。
カビ臭い場合は、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。
カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。
カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出ることがあるので、心配な方は破棄するのが無難です。
せっかく購入したじゃがいもが酸っぱくなってしまったら残念ですよね。じゃがいもに限らず長く美味しく食べるためには正しく保存することが大切です。
じゃがいもの正しい保存方法を紹介します。保存期間の目安も紹介しますので、参考にしてください。
じゃがいもは最も保存しやすい野菜の一つといわれており、上述した通り常温でも秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は保存が可能です。
じゃがいもは水分が多い野菜ですが、貯蔵において低温に弱いわけではありません(低温で保存できないわけではありません)。しかし、0〜5℃の温度で保存すると、でんぷんが糖化し、ホクホクとした食感が損なわれてしまいます。そのため、冷蔵・冷凍保存にはあまり向かず、常温保存がおすすめです。
ダンボールや紙袋に入れ保存します。じゃがいもはそこまで乾燥に弱いわけではありませんので、一つずつ新聞紙やキッチンペーパー等で包む必要はありません。
りんごと一緒に常温保存するのがおすすめです。りんごから放出されるエチレンガスは果実の熟成を進めますが、じゃがいもの発芽を抑える効果があります。じゃがいもは暖かく明るい場所で発芽が進むので、繰り返しになりますが、冷暗所で保存するのが大切です。
前述した通り基本的には常温保存がおすすめなじゃがいもですが、下記の場合は冷蔵保存がおすすめです。
夏場に1ヶ月よりも長く保存したい(夏も安心して保存したい)
冬場であっても3ヶ月より長く保存したい
カットしたじゃがいもを保存したい
じゃがいもは正しく冷蔵すれば半年ほど保存することができます。また、じゃがいもは低温保存すると、収穫直後では少なかった糖分(0.1〜0.5%)が、増加(0.5〜2.5%)します。
じゃがいもを丸ごと保存する場合は一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて軽く口を締め、野菜室に入れます。カットしたじゃがいもは水に浸けて保存します。傷みが早いため、2〜3日以内に食べるようにしましょう。茹でたじゃがいもはさらに傷みが早いため、極力その日のうちに消費するようにしましょう。
長期保存のためにする冷凍ですが、じゃがいもの場合は常温や冷蔵の方が長く保存できてしまいます。じゃがいもは丸ごと保存したり、生のまま保存すると、解凍後ブヨブヨになってしまい美味しくありません。下茹でしてマッシュしたりカットしたものを保存するには冷凍がおすすめです。色々な調理にすぐに使えるので便利です。
皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。
冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。
新じゃがは、普通のじゃがいもと比べて水分が多く含まれていることから、普通のじゃがいもよりも賞味期限が短いといわれています。
普通のじゃがいもと同様に、常温での保存が基本です。直射日光や高温多湿を避けて保存します。
常温で保存した場合、1週間〜10日間ほどの保存が可能です。しかし上述したように、新じゃがは水分が多いため、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
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