肉じゃがが失敗してしまう原因としてよく挙げられるじゃがいもの煮崩れはどうして起こってしまうのでしょうか。この記事では、肉じゃがの煮崩れが起こってしまう原因や対処法などを詳しく解説します。
肉じゃがのじゃがいもは成分の変化や煮込んでいる際に動いてしまうせいで崩れてしまいます。
じゃがいもの煮崩れは、ジャガイモに含まれるデンプン(炭水化物の一種)とペクチン(食物繊維の一種)の2つの成分が煮込むことで高温になり変化してしまうことが主な理由です(たんぱく質も影響しているといわれています)。
じゃがいもにはデンプンが豊富に含まれています。デンプンは加熱して水を加えることで糊化(「こか」と読みます。デンプンが水を吸ってのり状になること)して膨らむ性質があります。高温になるとでんぷんが糊化して膨張してしまい、細胞が球形化し、細胞同士が離れることでじゃがいもは崩れてしまいます。
また、じゃがいもを高温で煮るとペクチンが分解され、細胞の結合を強める作用が弱まってしまいます。ペクチンが分解されることによってじゃがいもは柔らかくなりますが、上記のデンプンの糊化と相まってじゃがいもは煮崩れしてしまうのです。
肉じゃがを煮込む際、火加減が強いことや、フライパンやなべの大きさに対して具材が少ないといった理由で野菜が動いてお互いにぶつかってしまうことでもじゃがいもが崩れてしまいます。
肉じゃがを作る際は中火で炒め、弱火で煮込むことが推奨されています。また、煮込んでいる最中に具材が動くのを防ぐために適切なサイズの鍋やフライパンを使う、落し蓋をするといった対策方法や、ぶつかって崩れにくくするためにじゃがいもの面取りをするという対策方法もあります。
現在日本での生産量1位の「男爵」は、調味料の味が染み込みやすく、火を通すことでほっくりとした食感になります。しかし、男爵にはでんぷんが多く含まれているため、上記の糊化が起きやすく、崩れやすいのも特徴です。
じゃがいもを崩さずに肉じゃがをきれいに仕上げたい方はメークインなどの崩れにくい品種を使って肉じゃがを作りましょう。
いくつかのポイントを抑えることでじゃがいもの成分変化を防ぐことができ、崩れにくくなります。
じゃがいもを水にさらすことで、煮崩れを防ぐことができます。カットしたら5~10分程度水にさらしておきましょう。
じゃがいもを水にさらすと、ペクチンが水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぎ、煮崩れしにくくなります。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することでも形をキープしたまま調理することが可能になります。
また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。デンプンを取り除くことでジャガイモ同士がくっつきにくくもなります。
じゃがいもを煮込む際、沸騰させた煮汁に入れるのではなく、沸騰させる前の冷たい状態から入れて煮込みましょう。50℃~80℃の温度ではペクチンは固くなり、形状を維持しやすくなる「硬化現象」が起きるため、じゃがいもが崩れにくくなります。
また、冷たい状態から煮ることででんぷんの糊化が起きにくくなる、ジャガイモの内側と外側の温度差が小さくなるといったメリットもあります。特にじゃがいもは外側にでんぷんが多く含まれているので、沸騰した煮汁にじゃがいもを入れると外側ばかりが高温になり、煮崩れてしまうわけです。
肉じゃがを作る際は具材をさっと炒めますが、そこに冷たい煮汁を追加して煮込むのは理にかなっていたわけですね。
肉じゃがはじっくり煮込んで作るイメージがありますが、煮込みすぎるとじゃがいもの成分の変化がどんどん起きてしまいます。また、お肉のたんぱく質が縮んで固くなってしまい、玉ねぎも溶けてなくなってしまいます。
煮込む時間は弱火で20~30分程度が基本です。具材のサイズや量、調鍋やフライパンの素材などによって必要な煮込み時間は前後するので、肉じゃがを煮込んでいる際は時々鍋の状態を確認するようにしましょう。
強火で短時間煮込むことで、じゃがいもの成分変化を起こさせないうちに仕上げるという調理方法もあります。強火で5~10分だけ煮込み、冷ますだけです。
この方法は時短になりますが、煮込んでいる最中に具材が動きやすく、煮汁が蒸発しすぎて煮詰まったり、焦げ付いたりしてしまうる恐れがあるため、正しいサイズの鍋やフライパンを使い、落し蓋でしっかりと具材を抑える必要があります。
また、食材をくっつきにくくするコーティングが施されている鍋やフライパンを使っている場合、コーティングは高温に弱く、強火で使うことで劣化を早めることにもつながるのであまりおすすめできません。
煮込みすぎて高温になることでじゃがいもは崩れてしまいますが、あらかじめ電子レンジで火を通しておき、調理の最後の方で加えることで高温になることを防ぐことができ、煮崩れが起きにくくなります。
やり方も簡単で、ジャガイモ以外の材料を炒めて水を加えて煮込み、中火で沸騰させたら電子レンジで2~3分温めて冷ましておいたじゃがいもを加え、そのまま弱火で煮込むだけです。じゃがいもはしっかり冷ますことでぎゅっと引き締まり、煮崩れしにくくなります。
味の染み込み具合が気になるという方もいるかもしれませんが、肉じゃがは主に火を止めて冷ましている間に味が染み込むので、問題ありません。
バターを入れて煮込むことでも煮崩れを抑えることができます。バターの油分がじゃがいもの表面をコーティングするため、高温になって分解されたペクチンの流出を抑えることができるためです。
また、バターは肉じゃがの隠し味としてもつかわれることがあり、コクのある味わいに仕上げることもでき、一石二鳥というわけです。使う量は4人前あたり5gです。
梅干しと一緒に煮ることでもじゃがいもの煮崩れを抑えることができます。梅干しに含まれるクエン酸がじゃがいものペクチンをゼリー化させるため煮崩れしにくくなり、煮汁が賛成に傾くことによってもペクチンが分解されにくくなります。
ただし、梅干しを入れることで味がおかしくなってしまうため、この方法はあまりおすすめできません。
じゃがいもをコーティングする、煮込んでいる最中に動かなくするといった方法があります。
じゃがいもはカットした後に「面取り」という下ごしらえをすると、煮込んでいる際に具材同士がぶつかっても崩れにくくなります。崩れるのが気になる方は面取りをしっかり行いましょう。出来上がりの見栄えも良くなります。
面取りはじゃがいもの角ばっている部分を包丁で浅く削り、角ばっている部分をなくしましょう。ピーラーを使って削ることもできます。
肉じゃがの具材のうち、お肉やにんじん、じゃがいもを炒めることで表面が固くなり、油でコーティングされるので煮込んだ際に崩れにくくなります。具材から旨味が引き出され、香ばしい風味を纏うようになるといったメリットも。
ただし、牛肉は火が通りやすく、加熱しすぎると固くなってしまうので煮込む際に入れるのも良いでしょう。
煮物の定番の落し蓋ですが、落し蓋は煮物において重要な役割を果たし、その中の1つに程よく煮汁を蒸発させ、水分の抜けすぎを防ぐ役割があります。また、煮汁の減少を防ぐ以外にも様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。
落し蓋を使用することで煮汁が落し蓋に当たり、絶えず下へと循環するため、味が均一に広がります。また、鍋全体の温度が均一になるため、加熱ムラを防ぐ効果もあります。また、上から落し蓋で具材を軽く抑えることで、中で素材が大きく動かなくなり、煮崩れしにくくなります。
落し蓋は完全に密封するわけではないため、魚や肉などの生臭さがこもることなく、臭いが逃げやすくもなります。煮魚や角煮などでも落し蓋を使うのがおすすめです。
鍋の大きさに合わせてサイズを自由に調整できます。
煮汁の量が多すぎると具材が動きやすくなってしまい、落し蓋でしっかり押さえることが出来ないためじゃがいもが崩れやすくなってしまいます。
煮汁の量は具材がギリギリ浸るくらいがベストです。多すぎる場合はおたまですくって減らしましょう。すくった煮汁は他の量の出汁としてリメイクもできます。
材料の量にあった大きさの鍋やフライパンを使いましょう。大きすぎるとレシピ通りの煮汁の分量では具材がしっかり煮汁に漬からないために味がちゃんと染み込みません。また、煮汁の蒸発が早く、具材が煮えないうちに煮汁が無くなってしまい、味が濃くなってしまうほか、場合によっては焦げ付いてしまいます。
一方、小さすぎても煮汁が入りきらずに具材がしっかり煮汁に漬からないこともあるほか、火の通りや味の染み込み具合にムラが生じてしまいます。また、具材が重なってしまうので、重なった具材の重みで形が崩れてしまうこともあります。
肉じゃがは中深鍋がおすすめで、具材の量は鍋の深さの1/2程度を目安にしましょう。
崩れにくい品種を選ぶことで肉じゃがを綺麗に仕上げることができます。
一般的に煮物やカレーなどの煮込み料理には、「メークイン」という品種が使われます。メークインは俵(たわら)のような楕円形が特徴的な見た目で、イギリス原産の品種です。
メークインはでんぷん量が男爵などと比較して少なく、しっとりとしていて固めの食感ですが、滑らかな口当たりが楽しむことができます。しっかりしている分煮込む際も崩れにくいですが、味が染み込みにくくもあります。
また、メークインは糖分が収穫直後から男爵などそのほかの品種より多いためほんのりとした甘味が感じられ、この甘味は低温で貯蔵することで更に増します。
じゃがいもは男爵やメークイン以外にも様々な品種が流通しています。いわゆるじゃがいもらしい黄色くて丸い形状のものから、赤や紫の色をした品種まで様々です。
メークイン同様に崩れにくさを重視するなら「とうや」、「はるか」、「インカのめざめ」、「ノーザンルビー」、「きたむらさき」などがおすすめです。
サツマイモで作る肉じゃがは「肉さつま」と呼ばれます。じゃがいもより甘みのあるさつまいもと甘辛のたれがよく合います。
作り方は肉じゃがと基本的に一緒です。サツマイモもじゃがいも同様に火加減などに気を付けて煮込まないと崩れてしまうので注意しましょう。サツマイモも品種によって崩れにくさに差がありますが、皮つきで煮ると崩れにくくなります。
煮崩れした、味が少しおかしいといった失敗はリメイクするのもおすすめです。
失敗した肉じゃがを手っ取り早く食べられるようにするのがスープにする方法です。出汁と味噌を加えれば簡単にみそ汁になりますし、コンソメスープをプラスして洋風のスープにするのも美味しいです。少し濃い目の味付けにしてスープパスタにすればランチにもピッタリです。
2日目の肉じゃがにスープを足してホットジャーに入れてお弁当にするのも人気のあるリメイク方法で、手軽に作れるのに腹持ちのいいランチになります。
肉じゃがリメイクの定番であるコロッケもおすすめです。コロッケはジャガイモを茹で潰す工程が面倒ですが、肉じゃがを潰して入れれば、出汁がしっかり染みた下味の付いたタネがあっという間に完成します。
肉じゃがを使うときは汁気をしっかり切ることで成形しやすくなります。残った肉じゃがを袋の中に入れて潰し、小麦粉をまぶして揚げれば完成です。
成型の作業や油で揚げるのが面倒という方や、ヘルシーにリメイクしたい方は、パン粉をまぶしてトースターで焼くスコップタイプのコロッケも人気です。余っているお米も混ぜて焼けばライススコップコロッケになり、食べ応えのある食事のメインに早変わりです。
肉じゃがは水を加えてカレーのルーを溶かすだけですぐカレーに変わります。だしの旨味がたっぷり詰まったどこか和風なテイストのカレーになります。うどんにかければカレーうどんにもなります。
ただのカレー以外にもカレー風ドリアにするのも人気です。肉じゃがにカレー粉を和えてごはんを混ぜ、チーズをのせてオーブンやトースターで焼くだけです。こちらも2日目の肉じゃがのリメイクとしてとても人気です。
カレーも美味しいですが、肉じゃがはシチューにもリメイクできます。コンソメを加えれば和風と洋風の出汁が活きる旨味たっぷりのシチューに仕上がります。煮込む際はジャガイモが柔らかくなっているので、混ぜすぎて崩さないようにしましょう。シチューのルーがない場合は、牛乳や豆乳とコンソメを加えるだけでも美味しく仕上がります。
シチューは鶏肉の肉じゃがを作った場合、特に相性が良いのでおすすめです。牛肉を使っている場合はビーフシチューにするのもおすすめです。
肉じゃがを卵でとじてまろやかな味わいに変え、ご飯やうどんの上にのせるだけで食べ応え抜群の一品になります。2日目以降の肉じゃがをリメイクする方法としても人気です。
忙しい時のお昼ご飯や、疲れた時の夕飯でもにパパっと作って食べることができます。肉じゃがの味がいまいちな場合や、汁があまり残っていない場合はコンソメスープで洋風の味付けにするのもおすすめです。
肉じゃがにホワイトソースを混ぜ、チーズをのせて焼けば簡単にグラタンになります。ジャガイモにも火が通っているので、短い焼き時間でじゃがいもがホクホクに仕上がります。具材にマカロニやペンネ、パンを入れるのもおすすめで、ご飯を入れればドリアにもなります。
肉じゃがを使うポイントとして、肉じゃがは具材が大きい場合は軽くつぶすのがおすすめです。煮汁が多い場合も軽く切って使いましょう。肉じゃがを完全に潰してどろどろの状態にし、醤油やマヨネーズをかけてチーズをのせて焼くのもおすすめです。
ホワイトソースがない場合は牛乳や豆乳とコンソメを混ぜ、チーズをのせて焼くだけでも美味しいです。味噌のソースなどで味を変えるのもおすすめで、クリーミーでコクのある風味が楽しめます。青ネギを散らすとより風味のある味わいになります。
肉じゃがをピザ生地の上にのせ、チーズをまぶして焼けば簡単にピザが出来上がります。野菜が苦手なお子さんでも食べやすくなるのでおすすめです。ジャガイモやニンジンが大きい場合は小さくカットしなおすと食べやすくなります。
ピザは定番のトマトソースでも相性が良いですが、肉じゃがの和風な風味を生かしてマヨネーズをかけた照りマヨ風味にするのも美味しいのでおすすめです。
ピザにするほどの量がない、ピザ生地がないという方は、肉じゃがをパンの上にのせてチーズをまぶして焼き、ピザトーストにするのもおすすめです。こちらもケチャップで洋風の味付けにしても美味しいですし、マヨネーズを混ぜて和風の味で食べても美味しいです。
肉じゃがは、ふわふわの卵で包んでオムレツにリメイクするのもおすすめです。ケチャップは肉じゃがの隠し味として使われることもあり、肉じゃがオムレツにかけても違和感なく食べることができます。
煮込んでいる段階でジャガイモが崩れてしまった場合、いっそ潰してしまって卵焼きの具材にアレンジするのもおすすめで、卵の生地に混ぜて焼いてスパニッシュオムレツにしてしまうのも手です。味付けはケチャップも良いですが、卵焼きによく合うおろし醤油やおろしポン酢がとても相性が良いです。
卵焼きやスパニッシュオムレツはお弁当の具としてもおすすめです。肉じゃがは粗めに潰すと食感が残って美味しく食べられます。
肉じゃがを下味の付いたタネとして春巻きや餃子の皮に包んで焼くと美味しく食べられます。おかずはもちろん、おやつやおつまみとしても最適です。
作り方も簡単で、潰した肉じゃがを、春巻きや餃子の皮に包んで焼くだけです。肉じゃがの汁はよく切っておくとタネとしてのまとまりが良くなります。
ホクホクのじゃがいもにパリパリの皮がとてもよく合います。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずとしてもおすすめです。お好みでマヨネーズやケチャップをつけるのもおすすめで、カレー風味にしても美味しく、カレー粉とチーズを入れて混ぜて春巻きの皮で包めばインドでよく食べられる軽食「サモサ」に近いテイストになります。
油揚げの中に肉じゃがや大葉、ピザ用チーズを包み、フライパンでこんがり焼き上げた巾着焼きもおすすめです。おかずはもちろん、おつまみにもおすすめです。油揚げは焦げやすいので焼く際に注意が必要ですが、焼き目がとても香ばしい仕上がりになります。
肉じゃがはよく汁を切り、具が大きい場合は小さめにカットすると食べやすくなります。スパゲティーを小さく折って油揚げの口が開いた部分を縫うように刺すと焼いている間に中身が出にくくなります。
肉じゃがの味をガラッと変えたいときにおすすめなのが、潰してポテトサラダにしてしまうリメイク方法です。だしがよく効いているので、醤油とマヨネーズをベースにする和風ポテトサラダにするのがおすすめです。
冷めても美味しく食べられるのでお弁当のおかずとしてもおすすめです。お肉が少ない場合はツナ缶を足すと食べ応えはもちろん、風味もアップします。
ポテトサラダにするのがめんどくさいけど野菜をプラスしたい方は刻んだキャベツやレタスの上に肉じゃがをのせ、マヨネーズやドレッシングをかけてサラダ風にして食べる方法がおすすめです。
冷蔵庫の中に中途半端に葉物野菜が残っている時の消化レシピとしてもおすすめです。ドレッシングもどんな味でもよく合うので、余りがちなものをかけてみても良いでしょう。
肉じゃがを潰し、お好み焼き粉やキャベツに混ぜて焼けば、美味しさ満点のお好み焼きを作ることができます。ジャガイモが入っているのでもちもちとした食感も楽しむことができます。
こちらもキャベツがたくさん余っている時の消化にもおすすめです。食べ応えをプラスしたい方はチーズをのせるとコクもアップして更に美味しくなります。
冷凍のタルト生地が余っている方は、肉じゃがを使ったキッシュを作るのもおすすめです。卵と牛乳、チーズなどを肉じゃがと混ぜてタルトの生地に流し、オーブンで焼けばキッシュのできあがりです。肉じゃがの残りが少ない場合はキッシュの定番のホウレンソウやベーコンなどの具材を足すのもおすすめです。牛乳は豆乳でも代用できます。
普段お菓子を良く作る方でタルト生地がない方でホットケーキミックスがある方は、フランスのおかずケーキとも呼ばれるケークサレもおすすめです。ホットケーキミックスにほぐした卵と牛乳や油、肉じゃがを混ぜてオーブンで焼くだけです。
肉じゃがにしっかり出汁の味がついているので、追加で味つけする必要もなく、混ぜて焼くだけで簡単に作ることができます。おかずとしてはもちろん、おやつにもぴったりです。
肉じゃがを上手に作るコツを解説します。
肉じゃがは具材の切り方で火の通りや味の染み込む時間が変わります。じゃがいもの大きさがバラバラだと火の通りに差が生じ、場合によっては煮崩れてしてしまいます。
じゃがいもは大きさにもよりますが、6等分程度のサイズで乱切りにするのがおすすめです。にんじんはじゃがいもより味が染み込みにくいので、小さめに切りましょう。
玉ねぎはしゃきしゃきした食感を好む方は繊維に沿って大きめのくし切りに、柔らかくクタッと味のしみた玉ねぎが好みな方は繊維通りにまっすぐ包丁を入れて切りましょう。
煮物は煮込むことで具材が柔らかくなり、味が染み込んで美味しく仕上がりますが、ちょうどよい柔らかさになる時間と、しっかり味が染み込むまでの時間には差があり、具材が柔らかくなった段階ではまだ具材に味が染み込んでいません。しかし、肉じゃがは煮込みすぎるとお肉が固くなり、煮崩れも起きてしまい、美味しくなくなってしまいます。
そこで、程よく煮込んだ後に火を止めて放置しておくことで、余熱である程度の温度をキープすることができ、具材に味が染み込んでいくようになります。これが「煮物は冷めていく時に味が染みこむ」と言われる所以です。また、冷めていく間に味が落ち着くという効果もあります。味付けが終わったら火を止めて1~2時間放置しておくのがおすすめです。
ちなみに、冷ます理由として、浸透圧によって味が染み込むという説もあります。食材を加熱することで食材の中の細胞が膨張し、水分が外へ出ていってしまいますが、冷ますことで具材の中と煮汁の濃度を同じにしようと煮汁が食材に入っていくことにより、味が染み込むという説です。
どちらの説が正しいかは決着がついていませんが、火を止めておくことが味の染み込みにつながることは間違いないようです。
じゃがいもは夏場であっても1ヶ月は常温保存が可能です。
しかし、一般的に野菜は高温多湿に弱く特に梅雨の時期などは食べ物の保存には十分に注意が必要です。じゃがいもも多湿な環境にじゃがいもを放置しておくと、腐敗が一気に進みやすくなります。冷暗所が確保できない場合は、冷蔵保存や冷凍保存をしたほうが長持ちします。
さらに、じゃがいもの冷蔵・冷凍保存には注意が必要です。じゃがいもは0〜5℃の温度で保存するとでんぷんが糖化し、ホクホクとした食感が損なわれてしまいます。また、じゃがいもは常温保存でも十分に長期保存ができる野菜です。そのため、一年を通して基本的には冷蔵・冷凍保存はあまり向かず、常温保存がおすすめです。
じゃがいもは、
90%〜95%の湿度
15℃〜20℃の気温
明るい場所
という条件が揃うと休眠期間を終えて発芽してしまいます。そのため、夏場、日光の当たる場所での常温保存は発芽しやすいので注意が必要です。
しかし、冬場でも全く芽が出ないといわけではありません。暖房が効いた暖かい部屋で常温保存していたり蛍光灯の光に当たっていると発芽してしまいます。また、発芽しやすい品種もあります。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているため、そのまま食べてしまうと吐き気や胃痛などの中毒症状が起こる可能性があります。腐敗しているわけではありませんが、じゃがいもの芽はしっかりと取り除いてから食べる必要があります。
上述したように、高温多湿の場所はカビを繁殖させるなど腐敗をすすめる原因となりますので注意しましょう。また、じゃがいもが日光に当たることで、有毒物質であるソラニンやチャコニンが増えてしまうといわれています。そのため、直射日光が当たる場所での保存は避けることも大切です。
じゃがいもを多く購入した場合は、新聞紙を下に敷いたダンボール等にまとめて入れて、上から新聞紙をかぶせます。
じゃがいもの数がそこまで多くない場合や、ダンボールや新聞紙がない場合は、紙袋に入れましょう。
じゃがいもはそこまで乾燥に弱いわけではないので、一つずつ新聞紙(またはキッチンペーパー)に包まなくても、長く保存できます。特に数が多いときは面倒なのでまとめて保湿。直射日光が当たらず風通しのよい涼しい場所なら、秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は常温保存が可能です。
ビタミンが多く「大地のりんご」ともいわれるじゃがいもですが、りんごと一緒に常温保存するのがおすすめです。りんごから放出されるエチレンガスは果実の熟成を進めますが、じゃがいもの発芽を抑える効果があります。じゃがいもは暖かく明るい場所で発芽が進むので、繰り返しになりますが、冷暗所で保存するのが大切!じゃがいもの芽はソラニンなどの天然の毒を持っているので、必ず取り除いてから食べるようにしましょう。
前述した通り基本的には常温保存がおすすめなじゃがいもですが、夏場に1ヶ月よりも長く保存したい(夏も安心して保存したい)場合は、冷蔵保存のほうが良いです。
じゃがいもは正しく冷蔵すれば半年ほど保存することができます。また、じゃがいもは低温保存すると、収穫直後では少なかった糖分(0.1〜0.5%)が、増加(0.5〜2.5%)します。
丸ごとじゃがいもを冷蔵保存する場合は、一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて軽く口を締め、野菜室に入れます。キッチンペーパーに包むことで寒さからじゃがいもを守ることができます。ポリ袋に入れることで乾燥しすぎることを防ぎながら、口は軽く締めることで通気性を保ちます。
1週間に1度はキッチンペーパーが湿っていないか確認し、湿っている場合は新しいものに取り替えましょう。野菜室は温度・湿度ともに冷蔵室より高いので、じゃがいもに適しています。冷蔵保存でもりんごを一緒に入れると効果があります。
夏場に関わらず切ったじゃがいもは傷みが早く、生のまま放置すると切り口が褐変します。これはポリフェノール物質がポリフェノラーゼなどの酵素によって酸化するためです。また、チロシンがチロシナーゼによってメラニンとなるのも褐色に変わる原因です。
カットしたじゃがいもは常温保存できないので、水に浸けて冷蔵保存します。2〜3日以内に食べるようにしましょう。茹でたじゃがいもはさらに傷みが早いので、極力その日のうちに消費するようにしましょう。
長期保存のためにする冷凍ですが、丸ごと保存したり、生のまま保存すると、解凍後ブヨブヨになってしまい美味しくありません。
下茹でしてマッシュしたりカットしたものを保存するには冷凍がおすすめです。色々な調理にすぐに使えるので便利です。
皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。
ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。
冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。
ひと口大にカットし下茹でしたじゃがいもを冷凍保存することも可能です。
最後に、肉じゃがのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。
こちらのレシピでは牛肉を使用しています。
肉じゃが(牛肉)のレシピはこちら
豚肉を使った肉じゃがのレシピです。作り方はとてもシンプルですが、食べ応え満点です。
豚肉じゃがのレシピはこちら
めんつゆで簡単に作れる肉じゃがのレシピを紹介します。めんつゆ以外にはお酒を加えることで、お肉を柔らかく仕上げることができます。
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