肉じゃがのにんじんやじゃがいもの仕上がりが固かったことはありませんか。この記事では、肉じゃがのにんじんやじゃがいもが固くなってしまう原因や、柔らかく仕上げる方法を解説します。
煮込み方や切り方、ジャガイモの品種などが原因です。
にんじんやじゃがいもはしっかり煮込ないと柔らかくなりません。基本的な煮込み時間は20~30分程度とされています。ただし、長く煮込みすぎると、じゃがいもが崩れてしまい、お肉も固くなってしまう恐れがあります。
煮込み時間を短くするには、炒めてから煮込むのがおすすめです。炒めて火を通しておくことで煮込む際の火の通りがスムーズになります。また、表面が固くなることで煮崩れもしにくくなるメリットがあります。
煮込む際の火加減は弱火が基本ですが、ずっと弱火にするわけではありません。肉じゃがを調理する際には、煮込む火加減には調整が必要です。適切な火加減を守りましょう。
鍋で炒めた具材に水を入れ、まず中火で軽く沸騰させた後、弱火にして煮込むのがポイントです。具材を入れてすぐに弱火にすると、十分に火が通らず、具材が固いままになってしまいます。
また、中火や強火で煮込むと、煮崩れが起きやすくなり、お肉が固くなる恐れもあります。さらに、煮汁が急速に蒸発してしまい、鍋底に焦げ付く可能性もあります。このような調理方法では、肉じゃがの素材が適切に火を通せず、食感や風味が損なわれやすいでしょう。
肉じゃがは具材の切り方で火の通りや味の染み込む時間が変わります。サイズが大きすぎると煮込み時間が長くなってしまい、ジャガイモが煮崩れ、お肉が固くなってしまうので気を付けましょう。
また、じゃがいもやにんじんのサイズがバラバラだと火の通りに差が生じ、火が通っているものとそうでないものに分かれてしまいます。大きな具材に火を通そうと煮込み時間を長くすると小さな具材が崩れてしまいます。
じゃがいもは大きさにもよりますが、6等分程度のサイズで乱切りにするのがおすすめです。にんじんはじゃがいもより味が染み込みにくいので、少し小さめに切りましょう。
じゃがいもには男爵やメークインなどの品種がありますが、品種の違いで固さが異なります。流通量が多い男爵は煮るとほくほくとした柔らかい食感になりますが、メークインはしっとりとしていて固めの食感です。
しかし、男爵は柔らかく仕上がるものの崩れやすいため、カレーや煮物ではしっかりとしていて崩れにくいメークインが選ばれることが多いです。
じゃがいもにしっかり火が通って柔らかくなっているか心配な方は、完成したと思ったらじゃがいもに爪楊枝や竹串などを刺して固さを確かめてみましょう。
すっと刺さるようであれば中までしっかり火がとっています。力を入れないとまで刺さらない場合は火がしっかり通っていないということになるので、再加熱しましょう。
ほんの少し固いぐらいであれば余熱で火が通るので、無理に加熱をしなくても良いでしょう。
じゃがいもやにんじんが固い場合、鍋やフライパン、電子レンジで加熱し直すのがおすすめです。加熱し直す際は固いにんじんやじゃがいもだけを加熱しましょう。お肉は加熱しすぎると固くなってしまいます。
簡単に固さを解消することができるのが電子レンジで温める方法です。肉じゃがから固いじゃがいもやにんじんを取り出して耐熱皿に移し、電子レンジで加熱してみましょう。
固さにもよりますが、1分加熱して固さを確認し、まだ固ければ1分追加して温めて・・・というように少しずつ時間を追加して加熱しましょう。加熱のしすぎはジャガイモが崩れてしまいます。
具材を入れた鍋やフライパンを中火で温めて軽く沸騰させましょう。固さによりますが、少し固い程度ならお肉を戻して余熱で火を通してみましょう。
固さがかなり残っている場合は5分程度弱火で加熱し、固さを確かめて柔らかくなっていたらお肉を戻しましょう。
煮込みすぎはジャガイモの煮崩れにつながる恐れがあります。
肉じゃがを美味しく上手に作るコツを解説します。
じゃがいもを水にさらすことで、煮崩れを防ぐことができます。カットしたら5~10分程度水にさらしておきましょう。
じゃがいもの煮崩れは、煮込むことでジャガイモに含まれるデンプン(炭水化物の一種)とペクチン(食物繊維の一種)の2つの成分が変化してしまうことが主な理由です(たんぱく質も影響しているといわれています)。
じゃがいもを水にさらすと、ペクチンが水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぎ、煮崩れしにくくなります。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することでも形をキープしたまま調理することが可能になります。
また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。デンプンを取り除くことでジャガイモ同士がくっつきにくくもなります。
材料の量にあった大きさの鍋やフライパンを使いましょう。大きすぎるとレシピ通りの煮汁の分量では具材がしっかり煮汁に漬からないために味がちゃんと染み込みません。また、煮汁の蒸発が早く、具材が煮えないうちに煮汁が無くなってしまい、味が濃くなってしまうほか、場合によっては焦げ付いてしまいます。
一方、小さすぎても煮汁が入りきらずに具材がしっかり煮汁に漬からないこともあるほか、火の通りや味の染み込み具合にムラが生じてしまいます。また、具材が重なってしまうので、重なった具材の重みで形が崩れてしまうこともあります。
肉じゃがは中深鍋がおすすめで、具材の量は鍋の深さの1/2程度を目安にしましょう。
肉じゃがの具材のうち、お肉やにんじん、じゃがいもを炒めることで旨味が引き出され、食欲をそそる香ばしい風味が広がります。また、焼き色をつけることで見た目も美しく仕上がり、表面が固くなり、油でコーティングされるので煮込んだ際に崩れにくくもなります。
ただし、牛肉は火が通りやすく、加熱しすぎで固くなってしまうので、煮込む際に入れるのも良いでしょう。
煮物の定番の落し蓋ですが、落し蓋は煮物において重要な役割を果たし、その中の1つに程よく煮汁を蒸発させ、水分の抜けすぎを防ぐ役割があります。また、煮汁の減少を防ぐ以外にも様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。
落し蓋を使用することで煮汁が落し蓋に当たり、絶えず下へと循環するため、味が均一に広がります。また、鍋全体の温度が均一になるため、加熱ムラを防ぐ効果もあります。また、上から落し蓋で具材を軽く抑えることで、中で素材が大きく動かなくなり、煮崩れしにくくなります。
落し蓋は完全に密封するわけではないため、魚や肉などの生臭さがこもることなく、臭いが逃げやすくもなります。煮魚や角煮などでも落し蓋を使うのがおすすめです。
鍋の大きさに合わせてサイズを自由に調整できます。
煮物は煮込むことで具材が柔らかくなり、味が染み込んで美味しく仕上がりますが、ちょうどよい柔らかさになる時間と、しっかり味が染み込むまでの時間には差があり、具材が柔らかくなった段階ではまだ具材に味が染み込んでいません。しかし、肉じゃがは煮込みすぎるとお肉が固くなり、煮崩れも起きてしまい、美味しくなくなってしまいます。
そこで、程よく煮込んだ後に火を止めて放置しておくことで、余熱である程度の温度をキープすることができ、具材に味が染み込んでいくようになります。これが「煮物は冷めていく時に味が染みこむ」と言われる所以です。また、冷めていく間に味が落ち着くという効果もあります。味付けが終わったら火を止めて1~2時間放置しておくのがおすすめです。
ちなみに、冷ます理由として、浸透圧によって味が染み込むという説もあります。食材を加熱することで食材の中の細胞が膨張し、水分が外へ出ていってしまいますが、冷ますことで具材の中と煮汁の濃度を同じにしようと煮汁が食材に入っていくことにより、味が染み込むという説です。
どちらの説が正しいかは決着がついていませんが、火を止めておくことが味の染み込みにつながることは間違いないようです。
固く仕上がってしまった場合は別の料理にもおすすめです。
失敗した肉じゃがを手っ取り早く食べられるようにするのがスープにする方法です。出汁と味噌を加えれば簡単にみそ汁になりますし、コンソメスープをプラスして洋風のスープにするのも美味しいです。少し濃い目の味付けにしてスープパスタにすればランチにもピッタリです。
2日目の肉じゃがにスープを足してホットジャーに入れてお弁当にするのも人気のあるリメイク方法で、手軽に作れるのに腹持ちのいいランチになります。
肉じゃがリメイクの定番であるコロッケもおすすめです。コロッケはジャガイモを茹で潰す工程が面倒ですが、肉じゃがを潰して入れれば、出汁がしっかり染みた下味の付いたタネがあっという間に完成します。
肉じゃがを使うときは汁気をしっかり切ることで成形しやすくなります。残った肉じゃがを袋の中に入れて潰し、小麦粉をまぶして揚げれば完成です。
成型の作業や油で揚げるのが面倒という方や、ヘルシーにリメイクしたい方は、パン粉をまぶしてトースターで焼くスコップタイプのコロッケも人気です。余っているお米も混ぜて焼けばライススコップコロッケになり、食べ応えのある食事のメインに早変わりです。
肉じゃがは水を加えてカレーのルーを溶かすだけですぐカレーに変わります。だしの旨味がたっぷり詰まったどこか和風なテイストのカレーになります。うどんにかければカレーうどんにもなります。
ただのカレー以外にもカレー風ドリアにするのも人気です。肉じゃがにカレー粉を和えてごはんを混ぜ、チーズをのせてオーブンやトースターで焼くだけです。こちらも2日目の肉じゃがのリメイクとしてとても人気です。
カレーも美味しいですが、肉じゃがはシチューにもリメイクできます。コンソメを加えれば和風と洋風の出汁が活きる旨味たっぷりのシチューに仕上がります。煮込む際はジャガイモが柔らかくなっているので、混ぜすぎて崩さないようにしましょう。シチューのルーがない場合は、牛乳や豆乳とコンソメを加えるだけでも美味しく仕上がります。
シチューは鶏肉の肉じゃがを作った場合、特に相性が良いのでおすすめです。牛肉を使っている場合はビーフシチューにするのもおすすめです。
肉じゃがを卵でとじてまろやかな味わいに変え、ご飯やうどんの上にのせるだけで食べ応え抜群の一品になります。2日目以降の肉じゃがをリメイクする方法としても人気です。
忙しい時のお昼ご飯や、疲れた時の夕飯でもにパパっと作って食べることができます。肉じゃがの味がいまいちな場合や、汁があまり残っていない場合はコンソメスープで洋風の味付けにするのもおすすめです。
肉じゃがにホワイトソースを混ぜ、チーズをのせて焼けば簡単にグラタンになります。ジャガイモにも火が通っているので、短い焼き時間でじゃがいもがホクホクに仕上がります。具材にマカロニやペンネ、パンを入れるのもおすすめで、ご飯を入れればドリアにもなります。
肉じゃがを使うポイントとして、肉じゃがは具材が大きい場合は軽くつぶすのがおすすめです。煮汁が多い場合も軽く切って使いましょう。肉じゃがを完全に潰してどろどろの状態にし、醤油やマヨネーズをかけてチーズをのせて焼くのもおすすめです。
ホワイトソースがない場合は牛乳や豆乳とコンソメを混ぜ、チーズをのせて焼くだけでも美味しいです。味噌のソースなどで味を変えるのもおすすめで、クリーミーでコクのある風味が楽しめます。青ネギを散らすとより風味のある味わいになります。
失敗した肉じゃがや、余った肉じゃがをピザ生地の上にのせ、チーズをまぶして焼けば簡単にピザが出来上がります。野菜が苦手なお子さんでも食べやすくなるのでおすすめです。ジャガイモやニンジンが大きい場合は小さくカットしなおすと食べやすくなります。
ピザは定番のトマトソースでも相性が良いですが、肉じゃがの和風な風味を生かしてマヨネーズをかけた照りマヨ風味にするのも美味しいのでおすすめです。
ピザにするほどの量がない、ピザ生地がないという方は、肉じゃがをパンの上にのせてチーズをまぶして焼き、ピザトーストにするのもおすすめです。こちらもケチャップで洋風の味付けにしても美味しいですし、マヨネーズを混ぜて和風の味で食べても美味しいです。
肉じゃがは、ふわふわの卵で包んでオムレツにリメイクするのもおすすめです。ケチャップは肉じゃがの隠し味として使われることもあり、肉じゃがオムレツにかけても違和感なく食べることができます。
煮込んでいる段階でジャガイモが崩れてしまった場合、いっそ潰してしまって卵焼きの具材にアレンジするのもおすすめで、卵の生地に混ぜて焼いてスパニッシュオムレツにしてしまうのも手です。味付けはケチャップも良いですが、卵焼きによく合うおろし醤油やおろしポン酢がとても相性が良いです。
卵焼きやスパニッシュオムレツはお弁当の具としてもおすすめです。肉じゃがは粗めに潰すと食感が残って美味しく食べられます。
肉じゃがを下味の付いたタネとして春巻きや餃子の皮に包んで焼くと美味しく食べられます。おかずはもちろん、おやつやおつまみとしても最適です。
作り方も簡単で、潰した肉じゃがを、春巻きや餃子の皮に包んで焼くだけです。肉じゃがの汁はよく切っておくとタネとしてのまとまりが良くなります。
ホクホクのじゃがいもにパリパリの皮がとてもよく合います。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずとしてもおすすめです。お好みでマヨネーズやケチャップをつけるのもおすすめで、カレー風味にしても美味しく、カレー粉とチーズを入れて混ぜて春巻きの皮で包めばインドでよく食べられる軽食「サモサ」に近いテイストになります。
油揚げの中に肉じゃがや大葉、ピザ用チーズを包み、フライパンでこんがり焼き上げた巾着焼きもおすすめです。おかずはもちろん、おつまみにもおすすめです。油揚げは焦げやすいので焼く際に注意が必要ですが、焼き目がとても香ばしい仕上がりになります。
肉じゃがはよく汁を切り、具が大きい場合は小さめにカットすると食べやすくなります。スパゲティーを小さく折って油揚げの口が開いた部分を縫うように刺すと焼いている間に中身が出にくくなります。
肉じゃがの味をガラッと変えたいときにおすすめなのが、潰してポテトサラダにしてしまうリメイク方法です。だしがよく効いているので、醤油とマヨネーズをベースにする和風ポテトサラダにするのがおすすめです。
冷めても美味しく食べられるのでお弁当のおかずとしてもおすすめです。お肉が少ない場合はツナ缶を足すと食べ応えはもちろん、風味もアップします。
ポテトサラダにするのがめんどくさいけど野菜をプラスしたい方は刻んだキャベツやレタスの上に肉じゃがをのせ、マヨネーズやドレッシングをかけてサラダ風にして食べる方法がおすすめです。
冷蔵庫の中に中途半端に葉物野菜が残っている時の消化レシピとしてもおすすめです。ドレッシングもどんな味でもよく合うので、余りがちなものをかけてみても良いでしょう。
肉じゃがを潰し、お好み焼き粉やキャベツに混ぜて焼けば、美味しさ満点のお好み焼きを作ることができます。ジャガイモが入っているのでもちもちとした食感も楽しむことができます。
こちらもキャベツがたくさん余っている時の消化にもおすすめです。食べ応えをプラスしたい方はチーズをのせるとコクもアップして更に美味しくなります。
冷凍のタルト生地が余っている方は、肉じゃがを使ったキッシュを作るのもおすすめです。卵と牛乳、チーズなどを肉じゃがと混ぜてタルトの生地に流し、オーブンで焼けばキッシュのできあがりです。肉じゃがの残りが少ない場合はキッシュの定番のホウレンソウやベーコンなどの具材を足すのもおすすめです。牛乳は豆乳でも代用できます。
普段お菓子を良く作る方でタルト生地がない方でホットケーキミックスがある方は、フランスのおかずケーキとも呼ばれるケークサレもおすすめです。ホットケーキミックスにほぐした卵と牛乳や油、肉じゃがを混ぜてオーブンで焼くだけです。
肉じゃがにしっかり出汁の味がついているので、追加で味つけする必要もなく、混ぜて焼くだけで簡単に作ることができます。おかずとしてはもちろん、おやつにもぴったりです。
最後に、肉じゃがのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。
こちらのレシピでは牛肉を使用しています。
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