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肉じゃがに合うじゃがいもの種類は?食感別に紹介

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肉じゃがに合うじゃがいもの種類は?食感別に紹介

肉じゃがに使うじゃがいもに決まった種類はあるのでしょうか。この記事では肉じゃが作りで使うじゃがいもの種類や煮崩れせずに美味しく仕上げるコツなどを解説します。

肉じゃがに合うじゃがいもの種類は?

崩れにくさや食感の好みで選びましょう。

崩れにくいのはメークイン

肉じゃがで崩れにくいのはメークイン

一般的に煮物やカレーなどの煮込み料理には、「メークイン」という品種が使われます。メークインは俵(たわら)のような楕円形が特徴的な見た目で、イギリス原産の品種です。

メークインはでんぷん量が男爵などと比較して少なく、しっとりとしていて固めの食感ですが、滑らかな口当たりが楽しむことができます。しっかりしている分煮込む際も崩れにくいですが、味が染み込みにくくもあります

また、メークインは糖分が収穫直後から男爵などそのほかの品種より多いためほんのりとした甘味が感じられ、この甘味は低温で貯蔵することで更に増します。

味がよく染みるのは男爵

肉じゃがで味がよく染みるのは男爵

一方、アメリカ原産で、現在日本での生産量1位の「男爵」はメークインと比較してでん粉量が多いため粉質で、ザラっとした口当たりですが、調味料の味が染み込みやすく、加熱するとホクホクした食感が楽しむことができます。

メークインとは異なり糖分が少なくたんぱくな味ですが、どんな味付けにもよく合いその他の食材とも相性が良いです。ほくほくとしたじゃがいもが好みという方は男爵がおすすめですが、煮崩れしやすいので煮込む際は要注意です。

ちなみに、男爵はほくほくとした食感を活かして、蒸してじゃがバターとして食べたり、コロッケなどの揚げ物にしたりして食べたりすることが多いです。

サツマイモでも作れる

サツマイモで作る肉じゃがは「肉さつま」と呼ばれます。じゃがいもより甘みのあるさつまいもと甘辛のたれがよく合います。

作り方は肉じゃがと基本的に一緒です。サツマイモもじゃがいも同様に火加減などに気を付けて煮込まないと崩れてしまうので注意しましょう。サツマイモも品種によって崩れにくさに差がありますが、皮つきで煮ると崩れにくくなります

じゃがいもの他の品種【ねっとり系】

メークインに似たねっとりとした食感で、煮込んでも崩れにくい品種を紹介します。

とうや

とうやは、球形〜長球形で比較的サイズが大きい品種です。果肉は黄色く、なめらかな食感が特徴的です。その上品な味わいから「黄爵(こうしゃく)」という別名と漢字があてられたとも言われています。

表面は凸凹が少ないので、皮が剥きやすいです。また、メークイン同様デンプン量が少ないので、ほくほくとした感じは控えめですが、煮崩れが起きにくいです。

インカのひとみ

インカのひとみは、小さめの長楕円形をしています。表皮の色は淡い赤色で、果肉は黄色く加熱調理をするとより色の濃い橙黄色になります。

味や食感はインカのめざめによく似ており、煮崩れもしにくいですが、甘みがとても強く、栗のような甘さと例えられることがあります。

ノーザンルビー

ノーザンルビーは、形や大きさがメークインと似ている品種です。アントシアニンを含み、「ルビー」という名前の通り皮は赤く、果肉はピンクです。

加熱しても崩れにくいほか、果肉の色が落ちないので、料理が変わった色合いに仕上がります。ピンク色のポテトチップスやポタージュが作られることが多いです。

シェリー

シェリーはフランス原産の長楕円形をしたじゃがいもです。さつまいものように表皮が赤く。果肉の色は淡い黄色です。芽が浅くツルッとしていて皮が剝きやすいです。

収穫後は芽が出にくいため貯蔵に適しており、長期間に渡って保存することができます。煮崩れしにくいため、肉じゃがはもちろん、シチューやカレーなどの煮込み料理に適した品種です。

レッドムーン

楕円形で赤い表皮と黄色の果肉が特徴的な品種です。形が似ていることから「紅メークイン」や「レッドメークイン」、「紅じゃがいも」などともよばれています。

男爵やメークインとは異なる、サツマイモに近いようなコクと優しい甘みが特徴的です。煮崩れや黒変もしにくく、シチューやカレーなどに適しています。また、ポタージュスープにもおすすめです。

じゃがいもの他の品種【ほくほく系】

ほくほくとした食感が楽しめるじゃがいもの品種を紹介します。

キタアカリ

男爵いもに見た目がよく似ていて、芽の部分がほんのりと赤いじゃがいもです。果肉は明るい黄色で、ホクホク感のあるじゃがいもです。別名「栗じゃが」ともよばれます。

キタアカリはビタミンC含量が多く、貯蔵後は甘みが増すといわれています。ホクホク感を存分に楽しめるじゃがバターやフライドポテト、サラダなどに適しています。

インカのめざめ

インカのめざめは流通量が少なく、幻のじゃがいもといわれることもありますが、旬の時期にはスーパーなどで見かけることのある品種です。

鮮やかな黄色の果肉で比較的小ぶりです。糖度が高く、栗やナッツに似た甘い風味を持っており、別名「アンデスの栗ジャガ」とも呼ばれます。

ホクホクとした食感ながらも煮崩れしにくく、シチューやカレー、肉じゃがなどの煮物や揚げ物に適しています。

サッシー

サッシーはフランスから導入された品種です。見た目は男爵いもに似ていますが、表皮の色が男爵いもよりも薄く、黄色みが強いのが特徴です。強いうまみがあり、栗に似た風味がします。

もともとポテトチップスに加工すために品種改良されたこともあり、油との相性がとても良いので、フライドポテトに適しています。揚げるとより鮮やかな黄色になります。また、ウロコ状の特徴的な皮はパリパリと香ばしくなり、中はよりホクホクになります。

アンデスレッド

アンデスレッドは、男爵いものように丸くゴツゴツしたじゃがいもです。表皮はアントシアニン由来の薄く赤い色をしています。さつまいものような甘みがあり、ホクホクとした食感がします。

調理後すぐはホクホクとした食感ですが、時間が経つとしっとりとしたなめらかな舌触りになります。ただし、煮崩れしやすいため肉じゃがなどの煮物やカレー・シチューにはやや不向きで、ポテトサラダやコロッケ、ジャーマンポテトなどに適しています。

スタールビー

やや縦長で扁球形をなしている形は男爵いもに似ていますが、男爵いもよりも芽が浅く、皮が剥きやすいのが特徴です。皮の色と芽は赤く、果肉はやや黄色です。

比較的新しい品種で、食感や煮崩れ具合は男爵いもに似ており、ポテトサラダやフライドポテトなどに適しています。

じゃがいもの他の品種【バランス系】

ほくほくとした食感が楽しめつつも煮崩れも起きにくい、バランスの取れた特徴を持つじゃがいもを紹介します。

マチルダ

マチルダはスウェーデン原産のじゃがいもで、皮に特徴的なウロコ状のざらつきがあり、果肉は白いです。食感や口当たりは天候に左右されやすく、栽培された年の気温が低めだとホクホクとした食感になり、気温が高めだとねっとりした口当たりになります。

煮崩れしにくく、煮物や揚げ物など幅広い使い方ができます。

シャドークイーン

メークインと同じように長卵形をなしており、皮も果肉も紫色な品種です。紫色は、アントシアニンという色素によるもので、加熱しても果肉の紫色がしっかりと残ります。

ホクホクとしつつもしっとりさも感じられ、男爵とメークインの中間ともいわれます。やや煮崩れしやすいため、ポタージュスープやポテトサラダなどに適しています。煮物に使うと色移りが起きることもあるので、肉じゃがなどの煮物には不向きとされています。

シンシア

シンシアもシェリーやサッシーと同様にフランスから導入された品種です。卵形で芽が浅く、果肉は淡黄色です。長く貯蔵することができ、貯蔵によって甘みも増します。

ホクホクさとしっとり感のバランスが良いですが、ほかのじゃがいもとは一味違う滑らかさな口当たりが特徴的です。煮崩れしにくく、煮た後に黒くなりにくいため、シチューやカレーなどの煮物やコロッケなどに適してしますが、還元糖が高めなので、揚げ物には適していません。

ホッカイコガネ

長楕円体で、果肉は淡い黄色をなしています。食感は男爵いもとメークインの中間くらいと言われます。芽のくぼみが浅く、皮が剥きやすく、料理のしやすさでも人気があります。

揚げ物用に品種改良されて生み出された品種なので加熱しても変色しにくく、ポテトチップスやフライドポテトに最適な品種です。煮崩れも少ないため、煮物やカレー・シチューにも向いています。

十勝コガネ

十勝コガネは楕円形で、芽が少なく浅いのが特徴的なじゃがいもです。「コガネ」という名前の由来にもなった淡い黄色の果肉と、男爵に近いほくほくとした食感ながらも煮崩れしにくいという特徴を持ちます。

芽が出にくいので長く貯蔵することができます。また、貯蔵することででんぷんが糖化し甘みも増します。

肉じゃがを煮崩れさせずに作るコツ【じゃがいもの成分変化を防ぐ】

いくつかのポイントを抑えることでじゃがいもが崩れにくくなります。

じゃがいもは水にさらしておく

肉じゃがを煮崩れさせずに作るにはじゃがいもを水にさらしておく

じゃがいもを水にさらすことで、煮崩れを防ぐことができます。カットしたら5~10分程度水にさらしておきましょう。

じゃがいもを水にさらすと、ペクチンが水中の無機イオンと結合して不溶化し、細胞内のデンプンの吸水を防ぎ、煮崩れしにくくなります。カレーや煮物などにじゃがいもを使う場合は、この性質を利用することでも形をキープしたまま調理することが可能になります。

また、じゃがいもを水にさらすことで煮崩れの原因になるデンプンそのものを少しばかり取り除くこともできます。デンプン自体は水には溶けませんが、水にさらすことで水の中に沈みます。デンプンは水に沈殿することから「殿粉(デンプン)」という名称がつきました。デンプンを取り除くことでジャガイモ同士がくっつきにくくもなります。

煮汁が冷たい状態から煮ると崩れにくい

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには煮汁が冷たい状態から煮る

じゃがいもを煮込む際、沸騰させた煮汁に入れるのではなく、沸騰させる前の冷たい状態から入れて煮込みましょう。50℃~80℃の温度ではペクチンは固くなり、形状を維持しやすくなる「硬化現象」が起きるため、じゃがいもが崩れにくくなります。

また、冷たい状態から煮ることででんぷんの糊化が起きにくくなる、ジャガイモの内側と外側の温度差が小さくなるといったメリットもあります。特にじゃがいもは外側にでんぷんが多く含まれているので、沸騰した煮汁にじゃがいもを入れると外側ばかりが高温になり、煮崩れてしまうわけです。

肉じゃがを作る際は具材をさっと炒めますが、そこに冷たい煮汁を追加して煮込むのは理にかなっていたわけですね。

煮込みすぎない

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには煮込みすぎない

肉じゃがはじっくり煮込んで作るイメージがありますが、煮込みすぎるとじゃがいもの成分の変化がどんどん起きてしまいます。また、お肉のたんぱく質が縮んで固くなってしまい、玉ねぎも溶けてなくなってしまいます。

煮込む時間は弱火で20~30分程度が基本です。具材のサイズや量、調鍋やフライパンの素材などによって必要な煮込み時間は前後するので、肉じゃがを煮込んでいる際は時々鍋の状態を確認するようにしましょう。

強火で短時間だけ煮込む方法も

強火で短時間煮込むことで、じゃがいもの成分変化を起こさせないうちに仕上げるという調理方法もあります。強火で5分程度煮込み、冷ますだけです。

この方法は時短になりますが、煮込んでいる最中に具材が動きやすく、煮汁が蒸発しすぎて煮詰まったり、焦げ付いたりしてしまうる恐れがあるため、正しいサイズの鍋やフライパンを使い、落し蓋でしっかりと具材を抑える必要があります。

また、食材をくっつきにくくするコーティングが施されている鍋やフライパンを使っている場合、コーティングは高温に弱く、強火で使うことで劣化を早めることにもつながるのであまりおすすめできません。

あらかじめ電子レンジで温めておく

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには予め電子レンジで温めておく

煮込みすぎて高温になることでじゃがいもは崩れてしまいますが、あらかじめ電子レンジで火を通しておき、調理の最後の方で加えることで高温になることを防ぐことができ、煮崩れが起きにくくなります。

やり方も簡単で、ジャガイモ以外の材料を炒めて水を加えて煮込み、中火で沸騰させたら電子レンジで2~3分温めて冷ましておいたじゃがいもを加え、そのまま弱火で煮込むだけです。じゃがいもはしっかり冷ますことでぎゅっと引き締まり、煮崩れしにくくなります。

味の染み込み具合が気になるという方もいるかもしれませんが、肉じゃがは主に火を止めて冷ましている間に味が染み込むので、問題ありません。

バターを入れて煮る

バターを入れて煮込むことでも煮崩れを抑えることができます。バターの油分がじゃがいもの表面をコーティングするため、高温になって分解されたペクチンの流出を抑えることができるためです。

また、バターは肉じゃがの隠し味としてもつかわれることがあり、コクのある味わいに仕上げることもでき、一石二鳥というわけです。使う量は4人前あたり5gです。

梅干しを入れて煮る

梅干しと一緒に煮ることでもじゃがいもの煮崩れを抑えることができます。梅干しに含まれるクエン酸がじゃがいものペクチンをゼリー化させるため煮崩れしにくくなり、煮汁が酸性に傾くことによってもペクチンが分解されにくくなります。

ただし、梅干しを入れることで味がおかしくなってしまうため、この方法はあまりおすすめできません

肉じゃがを煮崩れさせずに作るコツ【具材同士がぶつかるのを防ぐ】

じゃがいもをコーティングする、煮込んでいる最中に動かなくするといった方法があります。

面取りをする

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには面取りをする

じゃがいもはカットした後に「面取り」という下ごしらえをすると、煮込んでいる際に具材同士がぶつかっても崩れにくくなります。崩れるのが気になる方は面取りをしっかり行いましょう。出来上がりの見栄えも良くなります。

面取りはじゃがいもの角ばっている部分を包丁で浅く削り、角ばっている部分をなくしましょう。ピーラーを使って削ることもできます。

煮込む前にさっと炒める

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには煮込む前にさっと炒める

肉じゃがの具材のうち、お肉やにんじん、じゃがいもを炒めることで表面が固くなり、油でコーティングされるので煮込んだ際に崩れにくくなります。具材から旨味が引き出され、香ばしい風味を纏うようになるといったメリットも。

ただし、牛肉は火が通りやすく、加熱しすぎると固くなってしまうので煮込む際に入れるのも良いでしょう。

落し蓋を使う

肉じゃがを煮崩れさせずに作るには落し蓋を使う

煮物の定番の落し蓋ですが、落し蓋は煮物において重要な役割を果たし、その中の1つに程よく煮汁を蒸発させ、水分の抜けすぎを防ぐ役割があります。また、煮汁の減少を防ぐ以外にも様々なメリットがあるので、肉じゃがを作る際は必ず落し蓋をしましょう。落し蓋を持っていない場合はアルミホイルやキッチンペーパーでも代用可能です。

落し蓋を使用することで煮汁が落し蓋に当たり、絶えず下へと循環するため、味が均一に広がります。また、鍋全体の温度が均一になるため、加熱ムラを防ぐ効果もあります。また、上から落し蓋で具材を軽く抑えることで、中で素材が大きく動かなくなり、煮崩れしにくくなります。

落し蓋は完全に密封するわけではないため、魚や肉などの生臭さがこもることなく、臭いが逃げやすくもなります。煮魚や角煮などでも落し蓋を使うのがおすすめです。

おすすめの落し蓋はこちら


鍋の大きさに合わせてサイズを自由に調整できます。

煮汁の量を多くしない

煮汁の量が多すぎると具材が動きやすくなってしまい、落し蓋でしっかり押さえることが出来ないためじゃがいもが崩れやすくなってしまいます。

煮汁の量は具材がギリギリ浸るくらいがベストです。多すぎる場合はおたまですくって減らしましょう。すくった煮汁は他の量の出汁としてリメイクもできます。

鍋やフライパンは適正サイズを使う

材料の量にあった大きさの鍋やフライパンを使いましょう。大きすぎるとレシピ通りの煮汁の分量では具材がしっかり煮汁に漬からないために味がちゃんと染み込みません。また、煮汁の蒸発が早く、具材が煮えないうちに煮汁が無くなってしまい、味が濃くなってしまうほか、場合によっては焦げ付いてしまいます。

一方、小さすぎても煮汁が入りきらずに具材がしっかり煮汁に漬からないこともあるほか、火の通りや味の染み込み具合にムラが生じてしまいます。また、具材が重なってしまうので、重なった具材の重みで形が崩れてしまうこともあります。

肉じゃがは中深鍋がおすすめで、具材の量は鍋の深さの1/2程度を目安にしましょう。

肉じゃがを上手に仕上げるコツ

肉じゃがを上手に作るコツを解説します。

具材の大きさをそろえる

肉じゃがを上手に仕上げるには具材の大きさを揃える

肉じゃがは具材の切り方で火の通りや味の染み込む時間が変わります。じゃがいもの大きさがバラバラだと火の通りに差が生じ、場合によっては煮崩れてしてしまいます。

じゃがいもは大きさにもよりますが、6等分程度のサイズで乱切りにするのがおすすめです。にんじんはじゃがいもより味が染み込みにくいので、小さめに切りましょう。

玉ねぎはしゃきしゃきした食感を好む方は繊維に沿って大きめのくし切りに、柔らかくクタッと味のしみた玉ねぎが好みな方は繊維通りにまっすぐ包丁を入れて切りましょう。

余熱でじっくり味を染み込ませる

肉じゃがを上手に仕上げるには余熱でじっくり味を染み込ませる

煮物は煮込むことで具材が柔らかくなり、味が染み込んで美味しく仕上がりますが、ちょうどよい柔らかさになる時間と、しっかり味が染み込むまでの時間には差があり、具材が柔らかくなった段階ではまだ具材に味が染み込んでいません。しかし、肉じゃがは煮込みすぎるとお肉が固くなり、煮崩れも起きてしまい、美味しくなくなってしまいます。

そこで、程よく煮込んだ後に火を止めて放置しておくことで、余熱である程度の温度をキープすることができ、具材に味が染み込んでいくようになります。これが「煮物は冷めていく時に味が染みこむ」と言われる所以です。また、冷めていく間に味が落ち着くという効果もあります。味付けが終わったら火を止めて1~2時間放置しておくのがおすすめです。

ちなみに、冷ます理由として、浸透圧によって味が染み込むという説もあります。食材を加熱することで食材の中の細胞が膨張し、水分が外へ出ていってしまいますが、冷ますことで具材の中と煮汁の濃度を同じにしようと煮汁が食材に入っていくことにより、味が染み込むという説です。

どちらの説が正しいかは決着がついていませんが、火を止めておくことが味の染み込みにつながることは間違いないようです。

じゃがいもの保存のポイント

夏は常温保存はNG?

じゃがいもは夏場であっても1ヶ月は常温保存が可能です。

しかし、一般的に野菜は高温多湿に弱く特に梅雨の時期などは食べ物の保存には十分に注意が必要です。じゃがいもも多湿な環境にじゃがいもを放置しておくと、腐敗が一気に進みやすくなります。冷暗所が確保できない場合は、冷蔵保存や冷凍保存をしたほうが長持ちします。

さらに、じゃがいもの冷蔵・冷凍保存には注意が必要です。じゃがいもは0〜5℃の温度で保存するとでんぷんが糖化し、ホクホクとした食感が損なわれてしまいます。また、じゃがいもは常温保存でも十分に長期保存ができる野菜です。そのため、一年を通して基本的には冷蔵・冷凍保存はあまり向かず、常温保存がおすすめです。

芽が出る心配は?

じゃがいもは、

  • 90%〜95%の湿度

  • 15℃〜20℃の気温

  • 明るい場所

という条件が揃うと休眠期間を終えて発芽してしまいます。そのため、夏場、日光の当たる場所での常温保存は発芽しやすいので注意が必要です。

しかし、冬場でも全く芽が出ないといわけではありません。暖房が効いた暖かい部屋で常温保存していたり蛍光灯の光に当たっていると発芽してしまいます。また、発芽しやすい品種もあります。

じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているため、そのまま食べてしまうと吐き気や胃痛などの中毒症状が起こる可能性があります。腐敗しているわけではありませんが、じゃがいもの芽はしっかりと取り除いてから食べる必要があります。

常温保存のポイント

じゃがいもを常温保存する

上述したように、高温多湿の場所はカビを繁殖させるなど腐敗をすすめる原因となりますので注意しましょう。また、じゃがいもが日光に当たることで、有毒物質であるソラニンやチャコニンが増えてしまうといわれています。そのため、直射日光が当たる場所での保存は避けることも大切です。

じゃがいもを多く購入した場合は、新聞紙を下に敷いたダンボール等にまとめて入れて、上から新聞紙をかぶせます。

じゃがいもの数がそこまで多くない場合や、ダンボールや新聞紙がない場合は、紙袋に入れましょう。

じゃがいもはそこまで乾燥に弱いわけではないので、一つずつ新聞紙(またはキッチンペーパー)に包まなくても、長く保存できます。特に数が多いときは面倒なのでまとめて保湿。直射日光が当たらず風通しのよい涼しい場所なら、秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は常温保存が可能です。

ビタミンが多く「大地のりんご」ともいわれるじゃがいもですが、りんごと一緒に常温保存するのがおすすめです。りんごから放出されるエチレンガスは果実の熟成を進めますが、じゃがいもの発芽を抑える効果があります。じゃがいもは暖かく明るい場所で発芽が進むので、繰り返しになりますが、冷暗所で保存するのが大切!じゃがいもの芽はソラニンなどの天然の毒を持っているので、必ず取り除いてから食べるようにしましょう。

じゃがいもの冷蔵保存

前述した通り基本的には常温保存がおすすめなじゃがいもですが、夏場に1ヶ月よりも長く保存したい(夏も安心して保存したい)場合は、冷蔵保存のほうが良いです。

じゃがいもは正しく冷蔵すれば半年ほど保存することができます。また、じゃがいもは低温保存すると、収穫直後では少なかった糖分(0.1〜0.5%)が、増加(0.5〜2.5%)します。

丸ごとキッチンペーパーに包んで

じゃがいもをキッチンペーパーに包みポリ袋に入れて冷蔵保存する

丸ごとじゃがいもを冷蔵保存する場合は、一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて軽く口を締め、野菜室に入れます。キッチンペーパーに包むことで寒さからじゃがいもを守ることができます。ポリ袋に入れることで乾燥しすぎることを防ぎながら、口は軽く締めることで通気性を保ちます。

1週間に1度はキッチンペーパーが湿っていないか確認し、湿っている場合は新しいものに取り替えましょう。野菜室は温度・湿度ともに冷蔵室より高いので、じゃがいもに適しています。冷蔵保存でもりんごを一緒に入れると効果があります。

カットしたものは2〜3日で使う

カットしたじゃがいもを水につけて冷蔵保存する

夏場に関わらず切ったじゃがいもは傷みが早く、生のまま放置すると切り口が褐変します。これはポリフェノール物質がポリフェノラーゼなどの酵素によって酸化するためです。また、チロシンがチロシナーゼによってメラニンとなるのも褐色に変わる原因です。

カットしたじゃがいもは常温保存できないので、水に浸けて冷蔵保存します。2〜3日以内に食べるようにしましょう。茹でたじゃがいもはさらに傷みが早いので、極力その日のうちに消費するようにしましょう。

じゃがいもの冷凍保存

長期保存のためにする冷凍ですが、丸ごと保存したり、生のまま保存すると、解凍後ブヨブヨになってしまい美味しくありません。

下茹でしてマッシュしたりカットしたものを保存するには冷凍がおすすめです。色々な調理にすぐに使えるので便利です。

冷凍ならマッシュがおすすめ

じゃがいもをマッシュにして冷凍保存する

皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。

ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。

冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。

カットして茹でてから冷凍

じゃがいもをカットして茹で冷凍保存する

ひと口大にカットし下茹でしたじゃがいもを冷凍保存することも可能です。

肉じゃがのレシピ

最後に、肉じゃがのレシピをご紹介します。

Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。

肉じゃが

肉じゃが

和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。

こちらのレシピでは牛肉を使用しています。

肉じゃが(牛肉)のレシピはこちら

豚肉じゃが

豚肉じゃが

豚肉を使った肉じゃがのレシピです。作り方はとてもシンプルですが、食べ応え満点です。

豚肉じゃがのレシピはこちら

めんつゆで作る肉じゃが

めんつゆで作る肉じゃが

めんつゆで簡単に作れる肉じゃがのレシピを紹介します。めんつゆ以外にはお酒を加えることで、お肉を柔らかく仕上げることができます。

めんつゆで作る肉じゃがのレシピはこちら