鮮やかな赤色をしているトマトは彩りとしてお弁当に入れたいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、トマトのように水分量が多い食材をお弁当に入れるときは注意が必要です。本記事ではトマトは弁当に入れると腐ると言われる原因などを解説します。
トマトは水分量が多い野菜で、特にカットすると水分が出てきます。
すぐに食べる分には問題ないものの、お弁当に入れるとなると水分によって雑菌が増殖してしまうことが懸念されます。そのため、トマト以外にもきゅうりやもやしなどの水分が多く出てしまう野菜はお弁当に適さないと言われます。
特に夏場など気温が高く雑菌が増殖しやすい季節に水分量の多い野菜を入れてしまうと、食中毒の原因になることがあるので注意が必要です。
カットせずに入れるのであればそこまで水分は出てきませんが、トマトは大きいのでカットせずにお弁当に入れるのは難しいです。どうしてもカットする必要があるので、トマトはお弁当に入れられないというわけではありませんが、腐りやすいということを念頭に置いておく必要があります。
トマトはお弁当に入れることができないというわけではありません。しかし、上述したように水分量が少ない食材と比較すると雑菌が増殖しやすいデメリットがあります。
特に夏は気温が上昇し、湿度も高くなります。食材やお弁当箱の中で雑菌が増殖し食中毒のリスクが高まりますので、心配な方はできるだけトマトなどの水分量が多い野菜を入れるのは避けることをおすすめします。
冬などの気温が低い季節や冷蔵庫にお弁当を入れておける環境である場合は、トマトを入れても良いでしょう。
出典:お弁当作りによる食中毒を予防するために(農林水産省)
彩りとしてトマトをお弁当に入れたいと考える方も多いかと思いますが、入れるのであればトマトではなくミニトマトにしましょう。
ミニトマトであればカットせずに入れることができるので、食中毒のリスクを減らすことができます。
しかし、小さなお子様が食べるお弁当の場合、丸ごと入れると喉につまらせてしまう危険性があるので、カットする必要があります。カットしてしまうとトマトと同様に水分が出てきて雑菌が増殖してしまうので、夏場など食中毒のリスクが高い季節はミニトマトでも入れるのは避けたほうが無難です。
お弁当に入れたミニトマトが割れていたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、冷蔵庫に保存していたミニトマトをお弁当に入れることによって生じた温度変化が原因で実が膨張し破裂したのではないかと考えられます。
ミニトマトやトマトは、雨量が多く水分を多く含んでしまっていたり、直射日光に当たり皮が傷んでしまうなどの生育環境が原因で割れてしまうことがよくありますので、もともと破裂しやすい状態だった可能性もあります。
割れてしまっていても異臭がするなど腐敗のサインが見られなければ食べても問題はありませんが、割れてしまうとやはり水分が出てきてしまうので傷んでいないかしっかりとチェックしてから食べられる状態なのか判断することが大切です。
お弁当にミニトマトを入れるときのポイントを紹介します。
ミニトマトをヘタごと入れるのはNGです。ミニトマトのヘタは雑菌が増殖しやすいので必ずヘタは取ってお弁当に入れてください。
ヘタがついていたほうが、彩りが良いのでそのまま入れてしまう人も多いかと思いますが、雑菌が増殖しやすいヘタは必ず取って、ヘタがついていた部分もしっかり洗ってから水分を拭き取り、お弁当に入れるようにしてくださいね。
ミニトマトをお弁当に入れるときは丸ごと入れるのがベストですが、カットして入れたい場合はミニトマトの縦と横の長さを比べて短い方を縦にカットしましょう。そうすることで、ミニトマトから水分が出てしまうのを最小限に抑えることができます。
トマトの種は通常果肉の中心部に集中しており、短い方向に包丁を入れると、種の部分を避けることができるため中心部から種や中のゼリー状になっている部分が出ないのです。また、果肉内の水分は細胞に包まれています。そのため、縦にカットして細胞が破壊される範囲が少なくすることで、水分が出てしまうのを抑えることができます。
小さなお子様が食べるお弁当など丸ごと入れることができない場合は、加熱調理をしてミニトマトの水分をある程度飛ばしてからお弁当に入れるのも一つの手です。
ミニトマトはどちらかというと生食することが多い野菜ではありますが、加熱調理をしても美味しいです。
ただし、夏などの気温が高い季節などはやはりカットしてしまうと加熱しても食中毒が心配なので、入れないほうが無難です。
ミニトマトは、チューリップなどのお花の形やうさぎなどの動物の形、ハート型など、飾り切りするととってもかわいいですよね。しかし、上述したようにカットするとどうしても水分が出てきてしまうので、夏場などの熱い季節は飾り切りは避けたほうが良いでしょう。
ミニトマトは、そのまま入れても十分彩りになります。
お弁当づくりにおいて食中毒の予防は非常に重要です。
細菌やウイルスが付着している可能性が高いため、食品に最も直接触れる部分である手は、きれいに洗ってから調理を行うことが重要です。調理前には手洗いをし、必要な場合には手指消毒を行いましょう。
特に手に傷がある場合は、傷口に食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌がついている可能性が高いので、しっかりと洗い、手袋をして調理をするなど対策をしましょう。
上述したように、水分は雑菌が増殖する原因となります。トマトやミニトマトはもちろんのこと、他の食材から出る水分にも十分注意しましょう。
野菜や果物を使う場合、よく洗ってから十分に水分を切ることが大切です。水滴が残っていると食中毒のリスクが高まるので、しっかりとキッチンペーパーなどで水分を拭き取ってください。
炒めものを入れる場合などももやしなどの水分量が多い食材を入れると、水分が出てしまうので水分量が少ない食材を選ぶのも大切なポイントです。
お弁当におかずを詰めるときは、粗熱がとれてからお弁当箱に詰め、しっかりと冷めてから蓋をします。
食材が温かいうちに蓋をしてしまうと、蒸気でお弁当の蓋に水滴がついてしまいます。この水滴に雑菌が増殖してしまうので注意しましょう。
お弁当箱を閉める前に、食材から出た余分な水分がついているようであればをしっかりと拭き取ってください。水滴や汁が残ったまま蓋を閉めると、雑菌が繁殖しやすくなりますので、清潔なキッチンペーパーや布巾を使って丁寧に拭き取っておくと食中毒のリスクを減らせます。
温かい季節など食中毒が心配なときは、保冷剤や保冷バックを使いましょう。
お弁当の保冷剤は、食中毒の予防に役立ちます。保冷剤は低温を維持することで食材の冷却を促し、雑菌の増殖を抑制することができます。
ただし、保冷剤自体が清潔で衛生的であることも重要です。保冷剤を使用する際には、食材との直接接触を避けるために適切な包装や袋を使用し、保冷剤が漏れ出たり汚染されたりしないように注意が必要です。
また、定期的に保冷剤や保冷バックも洗浄・消毒をしておくと安心です。
トマトなどの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。そのため、いつまで食べられるのかがわからない場合があります。
トマトは正しく保存することで美味しさを長持ちさせることができます。最後に、トマトの保存方法を詳しくご紹介します。
熟していない青いトマトのみ常温で保存します。追熟の最適温度は15〜25℃と言われているため、常温で保存することで成熟が進み、美味しいトマトになります。
常温で保存し、トマトを追熟させる場合は、1つずつ新聞紙にくるみ、ヘタの部分を下にしてカゴに入れ、冷暗所に置いておきます。ヘタの部分を下にすることで、トマトが乾燥するのを防げます。
夏場は2〜3日、冬場は1週間ほどが、常温の保存期間の目安です。
上述した通りトマトの追熟最適温度は15〜25℃です。熟したトマトを常温保存するとさらに熟して傷んでしまうため、熟したトマトは通年常温以外の保存がおすすめです。
ただし、冬場なら常温保存も可。その場合は8〜10℃以下になる場所で保存しましょう。暖房器具を使っている部屋などで10℃を超える場合は、冬場でも冷蔵庫で保存しましょう。
熟したトマトは通年冷蔵保存します。熟したトマトは、トマト同士がくっつくとその部分から傷みやすくなります。さらに、トマトに含まれるビタミンCが15%も失われてしまうことも!(常温で1週間保存した場合)
しかし、保存最適温度(8〜10℃)以下の冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまうので、冷蔵保存する場合は低温になりすぎない野菜室で保存します。
1つずつ丸ごとペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じます。野菜室で約2週間保存できます。
トマトの冷蔵の保存期間は2週間が目安です。
切ったトマトはラップをして、そのままチャック付きビニール袋に入れて、野菜室で保管します。切ったトマトは傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。
トマトの冷凍の保存期間は1ヶ月が目安です。
トマトの細胞が壊れて旨味成分である「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」などが外に出やすくなるため、甘みとうまみが増しより美味しく食べることができます。また、冷凍することによりトマトの酸味が和らぎます。ただし冷凍したトマトは食感が劣るので、生食ではなくソースやスープなどの加熱料理に使用しましょう。
トマトの皮剥きが必要なレシピに使う時や、カットする時間がない時、用途が決まっていない時などはトマトを丸ごと冷凍するとよいです。
ヘタを取って、丸ごと冷凍用のチャック付きビニール袋に入れます。冷蔵庫の急速冷凍機能を使うことで瞬時に凍らせることができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍しましょう。
冷凍庫で約1ヶ月保存できます。
丸ごと冷凍したトマトを解凍する方法には自然解凍、水に入れて解凍、電子レンジで解凍などがあります。
自然解凍する場合は、凍ったトマトを5分ほど室温に戻します。しかし、水と一緒にトマトの汁も抜けてしまい味が劣ってしまうのでおすすめしません。
トマトの皮を剥く場合は、水にさらして解凍するのがおすすめです。トマトのお尻の方(ヘタの反対側)に十字に切れ目を入れ、水に30秒〜1分ほど浸けます。その後手で皮を剥きます。
電子レンジで解凍する場合は、耐熱皿にトマトをのせてそのまま解凍します。
皮を剥いたトマトはソースやスープなどに、皮つきのトマトはすりおろしてドレッシングなどにおすすめです。
ざく切りにして冷凍すると、料理をする時にすぐに使えて便利です。
トマトを水洗いし水けをしっかり取ります。好みの大きさにカットし、冷凍用のチャック付きビニール袋に入れて保存します。冷凍庫で1ヶ月保存できます。
トマトがなるべく重ならないように入れると、使いたい分だけ手で折れるので取り出しやすくなります。
上述の通り、冷凍トマトは解凍しても生食には適さないので、加熱して食べるのがおすすめです。解凍しすぎると旨味成分や甘み成分、栄養などが流れ出るため、冷凍のカットトマトは凍ったまま加熱料理に加えましょう。
なお、トマトソースを作って冷凍することも可能です。
トマトソースのレシピはこちら
そのほかにも天日干しやオーブンで水分を飛ばして乾燥させて保存する方法などがあります。トマトの保存方法については、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
ミニトマトは正しく保存することでしわしわになることを防ぐことができるだけではなく、美味しさを長持ちさせることができます。ここでは、ミニトマトの正しい保存方法を詳しくご紹介します。
ミニトマトは、常温保存することで本来の美味しさを保つことができます。パックやお皿、タッパーでの保存は通気性が悪く傷みやすくなるので、ザルやかごなどに入れて冷暗所で保存します。
ミニトマトを水洗いし、キッチンペーパーでしっかりと水けを取ります。キッチンペーパーに8個ほど一緒に包みます。この時ミニトマトの方向をしっかりと合わせてください。キッチンペーパーで包んだらヘタの部分を下にして並べ冷暗所に置いておきます。ヘタの部分を下にすることで、ミニトマトを乾燥させずしわしわになるのを防ぐことができます。
ミニトマトを常温で保存する際の保存期間の目安は、夏場は2〜3日、冬場は1週間ほどです。ただし夏場の室内は高温になりがちなので、常温保存よりも冷蔵保存がおすすめです。
ミニトマトを冷蔵で方法する場合の保存期間の目安は10日〜2週間です。
冷蔵保存する際も、ヘタを取り水洗いし、しっかりと水けを取ります。水で湿らせたキッチンペーパーを保存容器の底に敷き、その上にミニトマトのヘタの部分を下にして並べます。濡らしたキッチンペーパーを使うことで、ミニトマトが乾燥するのを防ぎます。ミニトマトを並べたらキッチンペーパーで包み込んで蓋をし、野菜室で保存します。
ミニトマトを水につけて冷蔵保存することも可能です。その場合は、ヘタはつけたまま保存します。ヘタをつけたままにしておくことでヘタが水分を吸収し、トマトの実に水分を供給してくれます。ヘタを取ってしまうと、穴から水が入り込みブヨブヨになってしまいます。また、実が割れてしまっているミニトマトも割れ目から水分が入り込んでしまうため冷蔵保存には向いていません。
水につけて冷蔵保存する場合は、ヘタを付けたままきれいに水洗いをします。保存容器に洗ったミニトマトを入れ、かぶるくらいの水を入れて蓋をし、冷蔵庫の野菜室で保存します。冷蔵保存している間は、2〜3日に1度水を入れ替えるようにしましょう。
ミニトマトを冷凍で方法する場合の保存期間の目安は1ヶ月です。
ミニトマトは丸ごと冷凍するのが基本です。ヘタを取って水洗いをし、しっかりと水けを取ります。冷凍用のチャック付きビニール袋に入れ、しっかりと中の空気を抜いてチャックを閉め冷凍庫で保存します。上の写真のように重ならないように並べて保存すると、使いたい時に必要な分量だけ簡単に取り出せるので便利です。
なお、ミニトマトを半分に切って冷凍したり、ミニトマトを調理しトマトソースにして冷凍することも可能です。
解凍方法ですが、ミニトマトを完全に解凍してしまうと水っぽくなり味や食感が劣るため、冷凍のまま、もしくは半解凍の状態で調理するのがおすすめです。半解凍する場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。
冷凍したミニトマトは、冷水にさらすだけで簡単に皮が剥けます。パスタソースなどで湯むきが必要な場合はぜひお試しください。
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