パプリカは茹でると柔らかくなって食べやすくなりますし、皮もむきやすくなります。本記事ではパプリカを茹でるメリットやデメリット、パプリカを茹でる方法などを詳しく紹介します。
パプリカは生食できる野菜ですが、茹でると下記のメリット・デメリットがあります。
パプリカはピーマンと比較して肉厚で固さがありますが、茹でることで柔らかくなって食べやすくなります。
そこまで食べにくいわけではありませんが、生のままでは小さなお子様や高齢者の方が食べる場合など人によっては固くて食べにくいと感じることがあるので、その場合は一度茹でるのがおすすめです。
野菜の細胞壁は、セルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。パプリカに限らず野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。パプリカは茹でるとしっかりとしていた果肉が柔らかくなり食べやすくなります。
パプリカの表面には薄皮がついており、そのまま食べても問題はないものの、皮が口に残って食べにくいと感じる方もいます。特に噛む力がなく消化器官が未熟な赤ちゃんに離乳食としてパプリカを与える場合は皮をむいて与えることが推奨されています。
薄皮なのでピーラーや包丁ではむきずらいのですが、一度茹でることで手で皮をむくことができます。これを湯むきといいます。湯むきはトマトや桃など薄い皮がついている野菜や果物に使われる手法です。
野菜や果物の皮は細胞壁で形成されています。熱湯に浸すことで熱が皮の外側に伝わり、細胞壁の構造を緩めます。これにより、皮の外側の細胞が膨張し柔らかくなるため、皮を剥く際に抵抗が減ります。また、湯むきの後に冷水に浸すことで急激な温度変化が起こり、細胞壁が収縮します。この収縮によって皮の内側の細胞と細胞壁との接着力が弱まり、皮が剥がれやすくなります。
パプリカの皮を剥く方法は湯むきだけではなく、その他にも直火で炙るなどの方法があります。湯むきはお湯を沸かす手間はかかるものの、比較的綺麗にむきやすいので初心者にもおすすめです。
パプリカに限らず食物の栽培には農薬がかかせません。パプリカを茹でることは、農薬を落とすことにもなります。
日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。使用量などは栽培する作物や気候条件によっても異なりますが、国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては農薬は安全とされています。
しかし、できるだけ余計なものは口に入れたくないと考える方も多いです。調理前にしっかりと洗えば大方残留農薬は落とせるといわれていますが、茹でこぼしも農薬を落とすことができるといわれているので、一度茹でておくと安心して食べることができます。
パプリカを茹でると柔らかくなったり、皮がむけるメリットがあるものの、水溶性の栄養素が流出してしまうので栄養は減るといえます。
パプリカは特にビタミンCやカリウムが豊富に含まれている野菜なのですが、どちらも水溶性なので湯むきすることで流出してしまうことになります。さっと茹でる程度であれば、大幅に損なわれるわけではありませんが、少しでも栄養の流出を抑えたい場合は、やはり生のまま食べるのがおすすめです。
パプリカを茹でるメリット・デメリットはおわかりいただけたかと思います。続いてパプリカを茹でる場合のポイントを紹介します。
パプリカを茹でるときは、丸ごと・カットどちらでも大丈夫です。
カットしてから茹でると断面から水溶性の栄養素がどんどん流出してしまいます。栄養素の流出を最小限に抑えたい場合は丸ごと茹でるのがおすすめですが、予めヘタや種をとっておきたい場合はカットしてからでも良いでしょう。
湯むきをする場合は丸ごと茹でるようにしましょう。カットせずに丸ごと湯剥きしたほうが、つるっと一辺に剥くことができるので時短になります。カットしてしまうと、一個一個剥いていくのが手間ですし、カット面や切り口の周辺の皮が剥がれにくくなる場合があります。
野菜には水から茹でる場合とお湯から茹でる場合がありますが、パプリカの場合はお湯から茹でます。
パプリカはさっと茹でる程度で十分火が通るので、水からじっくり茹でる必要はありません。沸騰したお湯に入れて茹でましょう。
例えば、じゃがいもなどの根菜は火が通るのに時間がかかり、お湯から茹でると煮崩れしてしまうため、水かじっくり火を通していくのが基本です。パプリカや葉野菜などはお湯からさっと茹でる程度で大丈夫なので覚えておくと良いでしょう。
パプリカを茹でるときは茹ですぎないようにしましょう。
そもそも生でも食べられる野菜なのでしっかり火を通す必要はありません。長く茹ですぎてしまうとそのぶん水溶性の栄養素は流出してしまいますし、柔らかくなりすぎて食感が損なわれてしまいます。
また、湯むきをする場合も茹ですぎてしまうとパプリカが柔らかくなりすぎてしまいます。そうすると皮との接着力が強くなって皮が剥がれにくくなってしまうことがあるので注意しましょう。ある程度柔らかくなっていたらお湯から出して大丈夫です。
まず、パプリカを茹でる前の下準備を紹介します。
まずパプリカを綺麗に洗いましょう。パプリカは流水で洗います。
パプリカは土に埋まって育つじゃがいもなどの根菜とは異なり、土汚れがついていることも少なく綺麗に見えます。しかし、調理をするときは洗うべきです。
野菜や果物は綺麗に見えても水耕栽培でない限りは、土壌由来の細菌が必ずついているといっても過言ではありません。細菌の全てが下痢や嘔吐の中毒症状を起こすわけではありませんが、しっかりと洗い流してから食べるほうが安全といえます。
ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使うのも、残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。上述したように農薬は酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にパプリカを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
これを使って水にさらすのが一番おすすめです。
パプリカをよく洗ったら、パプリカの種やわた、へたを取り除いていきます。
へたは硬いので必ず取り除きます。種とわたは見栄えや食感が悪い、傷んでいることがあるなどの理由で取り除かれるのが常ですが、栄養はたっぷりあるので必ずしも取り除く必要はありません。
湯むきをする場合や丸ごと茹でる場合は、洗ったらそのまま茹でて大丈夫です。
ちなみに、パプリカの種とわたは食べることができますので、捨てずに調理して美味しくいただきましょう。
カットしてから茹でる場合は、種やわたをとったら料理に合わせてカットします。
パプリカのヘタ・種・わたの取り方やカット方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
下準備が終わったら、鍋に水を入れて沸騰させます。
鍋に入れた水が沸騰したらパプリカを入れて茹でます。
茹で時間の目安は丸ごと茹でるのかカットしてから茹でるのかにもよりますが、丸ごとの場合は2分〜3分、カットしてからの場合は30秒〜1分が目安です。
様子を見ながらパプリカが適度に柔らかくなるまで茹でましょう。適度に柔らかくなったらザルにあげて水気をきって完了です。
湯むき目的で茹でる場合は、適度に柔らかくなったら冷水にさらして粗熱をとったら皮をむいていきます。
パプリカを鍋で茹でる以外で加熱する方法を紹介します。下記の方法は鍋で茹でるのとは異なり、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるメリットがあります。いずれも手軽な方法なので、お好みで加熱方法を選んでみてください。
パプリカはレンジを使って加熱することができます。
レンジで加熱すると鍋で茹でるのと比較して短時間で済むので、時短したいときにおすすめです。レンジで加熱後に皮をむくことも可能です。ただし、湯むきと比較して剥きにくいと感じる方が多いので、注意が必要です。
レンジで加熱するときは、パプリカをカットしたら耐熱容器に入れてふんわりとラップをして加熱します。加熱時間の目安は600wで2分程です。レンジのワット数にもよるので様子を見ながら加熱していってください。
蒸し器を使って加熱するのもおすすめです。
蒸し器でパプリカを蒸すことで旨みを逃さず加熱することができます。また、蒸気で加熱するため水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができます。他の野菜と一緒に蒸して温野菜にしたいときなどは、蒸し器を使うと良いでしょう。
蒸し器を使ってむす場合は、フライパンや鍋に少量の水を入れて沸騰させます。沸騰したらパプリカを乗せた蒸し器を入れて蓋をします。蒸し時間はパプリカのカット方法にもよりますが、だいたい7分〜8分程度です。様子を見ながら、柔らかくなりすぎない程度に蒸しましょう。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cm(1〜2人用)と26cm(3〜5人用)の大きさがあります。
フライパンを使って蒸し焼きにすることもできます。
フライパンを使って蒸し焼きにすると、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えられるのはもちろんのこと、香ばしさも加わりパプリカの風味をより楽しむことができます。オリーブオイルを回し入れてオイル蒸しにすると、脂溶性のβ-カロテンの吸収率が上がるメリットもあります。
オイル蒸しするときは、まず温めたフライパンにオリーブオイルを入れてパプリカを入れます。パプリカを入れた水大さじ1〜2程度を入れて、蓋をします。10分〜15分ほど弱火〜中火で加熱し、水分が全て蒸発したら完了です。
茹でたパプリカのおすすめの食べ方を紹介します。
蒸した人参の美味しい食べ方を紹介します。
茹でたパプリカは、シンプルにタレやソースにつけて美味しく食べることができます。
ブロッコリーやじゃがいもなど、その他の野菜も一緒に温野菜にすると、美味しく野菜をたっぷり食べることができるのでおすすめです。
茹でたパプリカはサラダにすることもできます。生のままサラダにしても美味しいですが、蒸してからサラダにすると柔らかくなるので小さなお子様も食べやすくなります。
上述したようにパプリカに含まれているβ-カロテンは油溶性なので、サラダにしてドレッシングをかけて食べるとβ-カロテンの吸収率を上げることもできます。
茹でたパプリカはマリネやピクルスといった酢の物にするのもおすすめです。調味料と混ぜ合わせるだけで簡単に作れるので、さっと一品作りたいときに手軽に作ることができます。
マリネやパプリカは口当たりの良さも大切なので、できれば茹でたら皮をむくのが良いでしょう。皮をむいておくことで口当たりも良くなりますし調味料をしっかりと染み込ませることができます。漬物は味がしっかりと染み込ませることが重要です。
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